「タイ国政府観光庁との共同研究を終えて」

1年間に渡り、タイ国政府観光庁との共同研究を行ってきました。
その活動報告をします。

清水ゼミ3年 松岡 七彩

 清水ゼミでは、タイ国政府観光庁(TAT)様からご協力をいただき共同研究を行っています。2年次から「タイのエンタメ」について研究を進め、3年生になってもそのテーマを継続して活動していました。約2年に渡り研究をしてきた成果を2月6日にタイ国政府観光庁様の大阪事務所を訪れ、報告をさせていただきました。
 私たちは、日本人のタイドラマへの関心について研究を進め、タイのエンタメを通してタイに関心を持ってもらうことをテーマとしました。
 研究を始めた初年度は、日本人の若者層がどれだけタイに興味を持っているのか、また今の若者層はどういう物、事から興味を持つのかについて調べました。結果、日本の若者層はドラマや音楽などをSNSで知り興味を持つようになることがわかりました。また、タイ国政府観光庁様のホームページ、SNSを見てみると、タイドラマが宣伝されているホームページやSNSでの宣伝にも力を入れていました。タイ国政府観光庁様が力を入れている事業に私たちの研究を加え、より多くの若者層たちにタイのエンタメが浸透するように、約2年間の成果としてタイ国政府観光庁様のSNSで若者層が目に付くようなツイート、ホームページを提案させていただきました。しかし現実問題として、写真を使うのには著作権の問題など、私たちの提案したツイート、ホームページの追加提案については厳しい部分があり、実現することは叶いませんでした。
 お褒めいただいた点もあります。私たちが若者層に対してアンケート調査、ヒアリング調査を行い、その研究内容に関しては、タイ国政府観光庁様がなかなか聞けない意見であり、私たちを通してファンの気持ちや動向を知ることができたとおっしゃってくださいました。
 TATチームに所属したことにより、タイについて学ぶことができ、また関心が深まりました。チームで企業研究を行えたことで自分自身の成長にも繋がり、清水ゼミでしかできない貴重な経験ができました。

参加学生一覧

飯田 崚斗、伊藤 旬平、奥防 開斗、奥本 起己、北谷 涼翔、小柴 萌々加、篠木 春佳、田中 雄大、徳山 美和、久田 喬香、平井 実結、松岡 七彩、田中 鴻扶

連携先コメント

タイ国政府観光庁
マーケティングオフィサー 平田様

「日本人のタイドラマへの関心について」

 タイ国政府観光庁は近年人気のタイドラマのPRを行っているなか、Youth目線で取り上げていただいたことに感謝しております。
 細部にわたりタイのドラマを調べ、SNSでの評価やトレンドをしっかりと取り入れた内容のアンケート調査を実施されており、加えてヒアリング調査でもインフルエンサーの動向や思考を可視化していただいたことで、タイの様々な分野を訴求する上で参考にさせていただきたい内容でした。
 今後の発展として、「なぜ日本においてタイドラマのブームが起きたのか」を時代背景や日本人の心理など多角的な視点で因果関係を考察すると、更に“タイ沼”の真理が見えてくることでしょう。

教員コメント

国際観光学部
清水 苗穂子 教授

 2022年度の企業との共同研究が終了しました。「企業等の課題解決に向けたマーケティング、プロモーション共同研究」をテーマに掲げ、企業と具体的なテーマを相談しながら、ゼミ生13人が3チーム(関西エアポート株式会社、エイチアイエス株式会社、タイ国政府観光庁)に分かれて研究を行ってきました。残念ながらエイチアイエス株式会社との研究が企業の事情により中止となる問題も起こりましたが、地域研究に置き換え、研究を継続してきました。コロナ禍によるそのような問題にも直面することで、社会のリアルな状況も学ぶことができたのではと感じています。
 関西エアポートチームは、伊丹空港の非航空利用者の利用促進が空港の利益と活性化を後押しする重要な要素であると仮定し、空港内で実施されるイベントをいかに生かすべきか、そのための広報をテーマに研究を進めました。
 タイ国政府観光庁チームは、近年のタイのドラマやT-POPと呼ばれる音楽ファンが、タイという国に興味を持つ過程や動向についての研究を行いました。
 地域研究チームは、コリアタウンが第1次から現在の第4次ブームの中で、どのような変遷をしてきたのかについての研究を行いました。
 この最終報告では、タイ国政府観光庁のチームのコメントを取り上げていますが、清水ゼミHPでは、その他の2チームの最終発表について記事を挙げています。
 清水ゼミでは、企業の課題に取り組むことで、論理的な思考を身に付けてもらうことを目的としています。研究方法として、現地調査、アンケート調査やヒアリング調査をすることで、リアルな課題を見て、そこから何かをつかんでもらいたいと考えています。本年度のゼミ生も、これらの活動から様々なことを学んでくれたことをうれしく思っています。