2020.3.27

タイ バンコク研修旅行レポート

活動テーマ:企業、観光局とのマーケティング、プロモーション共同研究
産学連携先:Peach Aviation株式会社、株式会社エイチ・アイ・エス、タイ国政府観光庁


 2019年度は、Peach Aviation株式会社、株式会社エイチ・アイ・エス、タイ国政府観光庁と共同研究を行っています。キャリアゼミの目的は企業や公官庁の現状の課題を知ること、そして学生の目線から提案を行うことです。2019年度前半はゼミの学生が3チームに分かれて各々テーマを設定し研究を進めました。Peach Aviation株式会社チームは、いかにして航空券代金以外の収入を搭乗者から上げることができるのかについて、株式会社エイチ・アイ・エスチームは、旅行会社の団体営業が既存のセールスの方法以外に、新たな顧客開拓方法や新たな商品企画を提案することについて、タイ国政府観光庁は、既存のターゲットだけではなく、新たなセクメントを設定して今までにないターゲットを見出し、その層に向けていかに魅力的なプロモーションを行えるかについて、3つのチームがテーマを設定しています。中間報告会として、2019年9月にバンコク研修旅行を摂南大学、京都外国語大学と3大学で行い、その中で学生研究発表会を開催しました。学生の報告はバンコク研修の内容が中心となっています。

学生活動状況報告①

「タイ研修のゼミ研究発表会を終えて」

 私たちは9月2日から9月7日までの6日間、阪南大学清水ゼミ、摂南大学、京都外国語大学の3大学合同でタイ研修旅行に行きました。その中でもタイ研修旅行の主な目的であったゼミ研究発表会について報告します。
 9月3日に行われたゼミ研究発表会は、宿泊先であったアノーマグランドホテル内のカンファレンスルーム(The Sarocha Room)を貸し切って開催されました。
 1チーム15分の発表とコメント5分の合計20分の持ち時間で、各大学の学生全7チームが発表を行いました。コメンテーターとしてタイ国政府観光庁の方1名、ラチャモンコン大学日本語学科の先生方2名、H.I.S.バンコク支店の方2名、ロイヤルオーキッドシェラトンホテルの方1名の合計6名の方にお越し頂きました。コメンテーターの皆様には、貴重なご意見を頂戴し、発表後のお食事会にもご一緒させて頂き、海外のビジネスの場で活躍されている日本人の方から直接お話を聞かせていただけるという、とても有意義な時間となりました。
 今回私たちは前期中間報告としてゼミ研究発表会を行いました。私の所属するH.I.S.チームは、H.I.S.団体営業の新規顧客をテーマとし、アクティブシニアのウォーキンググループにターゲットに研究しました。研究内容として、実際に堺市で活動しているウォーキンググループと大阪府歩け歩け協会主催のイベントに伺い、アンケート調査を行いました。アンケート調査から抽出したデータを基に、実際に日帰りのバスツアーのプランを作成しました。また、作成したツアープランのアドバイスをいただくために大阪府歩け歩け協会の方にヒアリング調査に行き、頂いた貴重なご意見を参考に改良版の日帰りバスツアーのプランを作成しました。アンケート調査・ヒアリング調査では研究につなげるための質問項目を考えることの難しさや、実際に協力してくださった方々へのありがたみなどを感じた研究でした。改めて研究することの大変さや完成した時の達成感を得ることができました。また、研究の内容だけでなく、発表の仕方でもどのようにすれば印象に残り説得力のあるものにできるのかを考えながら、何度も発表練習をしました。今回の発表で、研究内容がどれほど良くても、発表の仕方が良くないと聞く人に伝わらないということを痛感しました。練習の成果もあり、当日はいい発表ができたのではないかと感じています。先生方やコメンテーターの方々から、店舗でも団体営業所でも取り扱うことのできる商品を開発すればいいのではないか、また、中間報告で作成したツアープランを実際にプロモーションする時にはどのような方法でするのかなどといった、今後の研究に活かすことのできる意見を頂戴できました。発表会で頂いたアドバイスやご意見などを参考に、後期の企業研究を進めていきたいと考えています。貴重なご意見を頂き、また、アンケート調査・ヒアリング調査にご協力して頂いた協会や企業の方々、本当にありがとうございました。
 またタイ研修旅行は清水ゼミの一大イベントなので、タイに行くことのできる嬉しさとこの発表会に対する緊張感も持ちながらのタイ研修旅行でしたが、普段することのできない経験がたくさんでき、とても有意義な時間を過ごすことができた6日間でした。

国際観光学部 松井 涼華

学生活動状況報告②

「バンコク研修に参加して—ホテルインスペクション、タイ国政府観光庁訪問-」

 私たちは9月2日から7日までの6日間のバンコク研修に参加し、5日目の午前中にホテルインスペクションを行い、午後にタイ国政府観光庁(TAT)の本庁に訪問させて頂きました。
 午前に行われたホテルインスペクションでは、バンコク市内にある2か所の5つ星ホテルを見学させて頂きました。
 まず1か所目は「ザペニシュランバンコク」です。こちらのホテルはラグジュアリー感が溢れており、見学させて頂いた客室では、コンセントやケーブルなどが絡まないように机の中に隠す等細やかな気遣いが施されていました。そして、眺望はバンコクの街並みと目の前に流れているチャオプラヤー川を一望できます。館内では結婚式披露宴や会議を行うことの出来るMICEの会場設備が充実しておりました。結婚式では、新郎新婦やゲストを上品でアットホームな雰囲気でもてなしているそうです。そして、屋外にはチャオプラヤー川を背景に結婚式を行うことのできる会場・設備もありました。
 2か所目は「ロイヤルオーキッドシェラトンホテル&タワーズ」です。こちらのホテルはロビーにタイを感じる事の出来る大きな象の置物やオブジェがお出迎えしてくれます。そして、客室や設備も拝見させて頂きました。こちらのホテルも「ザペニシュランバンコク」と同様にチャオプラヤー川とバンコクを一望することができます。
 これらの2か所のホテルを見学させて頂き、お客様が宿泊している際に不便がないような細かな気遣いと、宿泊される人数なども細かく想定し部屋作りを行っていることが分かりました。また、3泊以上ご宿泊をされるお客様には1泊無料のサービスがあるなど、連泊をされるお客様に向けたサービスも充実しており、ホスピタリティー溢れるサービスを学びました。どちらのホテルもバンコク市内のリバーサイドに立地する5つ星ホテルであるため分類は一緒になりますが、上記にあげた特徴のようにホテル別にこだわりがあり、タイ国におけるホテルの選択肢が充実しているのだと感じました。
 海外の高級ホテルの見学や直接お話を伺う機会は少ないため、大変貴重な体験となりました。

 次に午後から、タイ国政府観光庁日本市場担当の鹿野様よりタイの観光振興政策についてのお話をお聞きしました。タイ国政府観光庁は、タイの観光を世界各国へ伝えるプロモーション活動や、タイ国民へのタイ国内旅行の促進活動、タイ国の旅行業発展への支援などを主に行っています。タイ国内には43か所の事務所があり、海外事務所は29か所、その内日本事務所は東京、大阪、福岡の3拠点です。
 TATの観光促進の方向性は大きく3つに分けられます。まず、1つ目が「QuantityよりもQuality」です。これは観光客数よりも観光収入を意識しようという意味です。そのためラグジュアリーをテーマとし、尚且つ低予算で楽しむことが出来るといったプロモーション等を行っているそうです。
 2つ目は「地方への経済効果波及」です。バンコクやチェンマイ、プーケットなどの主要観光地以外のプロモーションを行うことで、タイ全体の経済に恩恵が偏りなく行き渡るように、という考えです。
 そして3つ目が「持続可能な成長」です。これは、キャパシティを超えた観光客集中による、自然環境・コミュニティの破壊を防ごうという考えです。TATはこれらの3つを柱に、観光促進を行っています。
 タイの観光振興政策のお話の中で、主要観光地以外の地方の観光客数をもっと増やしたいという意見をお聞きした際、「それならば地方の魅力を全面的に売り出して、大々的にプロモーションを行えば良いのではないだろうか。」と単純に考えてしまいました。しかし、持続可能な成長についてのお話をお聞きし、キャパシティが小さい地方にはマーケットを選別して、そのマーケットと地方の双方に沿ったプロモーションを行わなければならないと仰っており、各地のキャパシティや地方の文化、タイ国民のことを考慮してプロモーションを行っている点が、持続可能な観光を重要理念と位置づけるタイ国政府観光庁ならではの視点であると共感しました。
 今回、タイ国政府観光庁を訪問させて頂いて、大変貴重で参考になるお話をお聞きすることが出来ました。今回のお話で学んだことを今後の研究に最大限活用させて頂き精進して参ります。
 最後になりましたが、貴重なお時間を割いて下さいましたザペニシュランバンコクの皆様、ロイヤルオーキッドシェラトンホテル&タワーズの皆様、タイ国政府観光庁鹿野様には心よりお礼申し上げます。誠に有難うございました。

国際観光学部 藤本 莉奈

学生活動状況報告③

「タイ研修:ラチャモンコン・クルンテープ大学との交流会について」

 この度、ゼミ活動の一環としてタイへ行き研修を行ないました。期間は9月2日から7日の6日間で、その内4日目、5日目の2日間、バンコクの中心に位置するラチャモンコン大学との交流がありました。1日目は各校について理解を深め、2日目は少人数に分かれ現地の学生にタイを案内してもらうプログラムとなっていました。
 1日目の交流プログラム、はラチャモンコン・クルンテープ大学日本語学科に所属している学生の授業に参加して、そこで2人1組のペアーとなり現地の学生の作文を私達が添削をして完成させるという内容でした。タイの大学では授業時間が基本的に3時間単位で行われるのですが、今回はその後に交流プログラムの各大学紹介も行われるため、1時間ほど授業に参加させていただきました。
 授業のサポート終了後、別の教室に行き各大学の紹介が行われました。日本からは阪南大学、摂南大学、京都外国語大学の3大学が参加しており、日本から参加した3大学の紹介を行った後、ラチャモンコン大学の紹介が行われました。学生は4大学で70名ほどいて、2日目のプログラムの準備のために12班に別れ各班で翌日の研修内容を決めました。基本的には日本から来ている学生が見学したい場所や地域をラチャモンコン大学の学生が案内しガイドをするという形で、私達の班はタイの寺院を訪問し、観光地の現況やタイ独自の観光のあり方を学ぶことになりました。
 翌日、ホテルでタイの学生と待ち合わせをし、前日に計画していた寺院を訪問しました。最初にワット・プラケオ(エメラルド寺院)、続いてワット・ポーを見学しました。移動はバンコクを縦横に走る市民の足である高架鉄道、スカイトレイン(BTS)とタクシー、トゥクトゥク、船などを利用して各寺院を見学しました。チャオプラヤーという主要河川をたくさんの船が行き交う風景は、大阪とは異なり、実際に船が地下鉄と同じように交通機関として重要な役割を果たしていることに驚きを覚えました。その後はタイの学生の生活を知るために「タイの学生が普段行く場所に行ってみたい」とお願いし、タイの地元の若い人たちが利用するショッピングモールや地元の学生がよく利用する店でいっしょに食事もし、等身大のタイの学生たちの生活を知ることができました。
今回の交流で初めて知った事も多かったです。タイの学生は観光地とされているどこの寺院にも行ったことがなく、自分の住んでいる地域にはあまり足を運ばないこと、また交流した学生は日本語を学ぶ学科の学生なので、日本に来たことがあるもしくは訪れる予定のある学生が多く、日本への関心の高さが伺えてとてもうれしく思いました。その中でも私が一番感動したのは、人を気遣う思いやりの心でした。彼らはとてもフレンドリーで笑顔を絶やさず、どこに行く際も親切で、私達の安全を常に心がけていてくれていました。タイでの1日のバイト代は日本円にして約900円しかないにもかかわらず、タイの学生はタクシー代などの交通費を全て出そうとしてくれていました。実際には私達が支払いましたが、1日前に会ったばかりの私達にそこまでしてくれて感謝の気持ちでいっぱいになりました。このようなタイの学生の優しさ、おもてなしのおかげで、この観光プログラムはとても思いで深いものになりました。今後タイの学生が日本に訪れた時には、ぜひ恩返しがしたいと強く思いました。
 「ラチャモンコン大学の学生のみなさん研修中は大変お世話になり、ありがとうございました。また会える日を阪南大学清水ゼミ一同楽しみにしています!」

 今回の研修で感じた、タイの学生たちの観光や地域にたいする意識の話をしたいと思います。先程も述べましたが、自分が住んでいる地域への関心の薄さを挙げます。同じことが日本でも言えるのではないでしょうか。今日本はインバウンドの数も増えていて、観光産業も活性化していると思います。海外、県外の友達や知り合いが大阪に来た時に、果たして私達も大阪の魅力を伝えることはできるのだろうかと考えると、私はできないと思います。タイは観光立国として日本よりも多くの観光客数を迎えており大変進んでいる国ですが、そのタイ人でも自分の住んでいる地域の観光地をあまり知らないのに、日本人にはさらに難しいのではないでしょうか。日本では今後さらにインバウンドが増えていく中で、観光産業に頼るだけでなく、観光産業に携わっていない人も自分の住んでいる地域に関心を持ち、案内する機会がある時にできるようにならなければならないと私はこの研修で痛感しました。
 旅行などで海外経験は何度かありますが、今回のように研修として海外に行くのは初めてでした。しかし、研修としてタイに行ったことで様々な発見がありました。今後もタイ研修での経験を生かしていきたいです。

国際観光学部 木村 拓海

参加学生一覧

伊藤 早穂、大森 唯衣、木村 拓海、小池 祐里奈、中居 歩実、西本 昂生、東 優月、平岡 卓、福田 朋乃果、藤本 莉奈、松井 涼華、明神 果歩、宮本 若加菜、山越 航太、吉田 葵

ゼミ集合写真