2019.4.25

「アートと観光:FESTART OSAKA 2019」大阪船場エリア ギャラリーフィールドワーク報告

 大阪の中之島を挟む北側の北区の堂島エリアと南側の中央区の船場エリアには、多くの個性的なギャラリーがあります。それらのギャラリーを紹介するイベント「FESTART OSAKA」が、毎年フェスタアート大阪実行委員会の主催で4月に約2週間開催されます。大阪の中之島エリアには国立国際美術館があり、さらにその東側に2021年には「大阪中之島美術館」が開館を予定しており、大阪の観光振興においてもアートは重要なコンセプトになってきています。そのような問題意識を持ち、2019年4月20に3年ゼミ生が「FESTART OSAKA 2019」に参加して4つのギャラリーを廻りました。ギャラリー経験がほとんどない学生たちが初めて作家さんたちと話をし、ギャラリーの魅力を十分に堪能し、アートが観光振興に寄与することを学ぶことができました。今回お世話になりました、ギャラリー風の代表の泉井様には心よりお礼を申し上げます。船場周辺にはおしゃれなカフェやレストランがどんどんオープンし、特に週末は若い人たちでにぎわっています。ギャラリーを中心に、大阪の新たな魅力を生み出すエリアになってきています。(清水)

「アートに触れて感じたこと」 伊藤早穂

 私たち清水ゼミ3回生は、4月20日に大阪市の船場で4月8日から20日まで開催されていた「フェスタアート大阪」でフィールドワークを行いました。フェスタアートは「Festa(祭)」「Start(始)」「Art(美術)」の3語を合わせた言葉です。船場には様々なギャラリーがあるのですが、私自身や普段行くことがない人からするとギャラリーは少し敷居が高いという印象があり、入ることを躊躇してしまいがちです。しかしフェスタアートのようなイベントが開催されていることで、そのような人も気軽にアートを楽しむことができます。
 今回私たちは「コウイチ・ファインアーツ」「ギャラリー・プチフォルム」「AMRITA」「ギャラリー風」の4つのギャラリーを訪れました。まず「コウイチ・ファインアーツ」では、山江真友美さんの作品が並んでいました。山江さんの作品は女性の柔らかさのようなものを表しており、その美しい油絵にとても魅力を感じました。2つ目の「ギャラリー・プチフォルム」での北野明さんの作品は、今年94歳というご年齢を感じさせない、パステルを用いた色鮮やかなで若々しいものでした。正方形を4つ合わせて1つの作品という初めて見る形で、とても印象に残っています。3つ目の「AMRITA」は小さなカフェのような空間で、飲み物を飲みながらゆったりと作品を楽しめるようになっています。こちらでは神野翼さんの人物画が並んでいました。神野さんは身体パフォーマンスもされており、オーナーの方に先日行われたパフォーマンスの様子を動画で見させていただきました。お客さんとの距離が近く実際に見たらきっと迫力があるだろうと感じました。そして最後は「ギャラリー風」に訪れ、こちらでは6人の作家さんの作品が並んでいました。私たちが訪れたときに3人の作家さんがおられ、作品について説明してくださいました。美術館などでは実際にその絵を描かれた人からお話を聞くというようなことはないので、その点ではギャラリーは実際にお話しを聞くことができる機会があるので身近に感じることができました。
 今まで自らアートを見に行こうと思うことがなく、今回も最初はあまり興味が持てませんでしたが、実際にオーナーの方、作家の方からお話しを聞くことでその作品の見方、感じ方が変わりアート作品が大変面白く感じました。ギャラリーを回りながら船場の街並みを清水先生の解説と共に歩くことも楽しかったです。オーナーの方が外国の美術館は素晴らしいとおっしゃっていたので、どこか旅行に行った際には訪れてみたいです。

「フェスタアート大阪に参加して」 西本昂生

 私たちは4月20日(土曜日)にフェスタアート大阪2019に参加しました。今回訪れたギャラリーはコウイチ・ファインアーツ、ギャラリー・プチフォルム、AMRITA、ギャラリー風の4つです。私自身アートには見識がなくギャラリーを訪れても作品をどのように見たらいいのかわからず不安を抱いての参加でした。また自分の中でアート=美術館というイメージが強かったため、静かで堅い印象がありました。しかし実際にギャラリーを訪れてみると作品の見方がわからなくても、ギャラリーのオーナーやスタッフの方が作品に使われている手法、作家がどんな方なのかを教えてくださり、私たちの些細な質問にも答えていただきました。ギャラリー・プチフォルムとギャラリー風に関しては作家の方がおられたため本人から直接作品の解説を聞くことができ、また作品がどのように見えるか質問をされ、自分なりの感想を伝えることができる場面もありました。事前に私が感じていた印象はがらりと変わり、今後ギャラリーを見つけた際には立ち寄ってみたいと思うようになりました。さらに今回訪れた船場地区は近代建築の建物が多く残る地区であるため、ギャラリーとギャラリーの移動の間も三井住友銀行大阪本店や芝川ビルなどの近代建築を見学することができました。
 今回フェスタアート大阪に参加する前の私の中での観光におけるアートの位置付けは低く、観光で訪れた場所の近くに有名な美術館があるのであればついでに立ち寄ってみたい程度のものでした。しかし4つのギャラリーの見学を通して、美術館ではなくギャラリーでのアートの楽しみ方を知ることによって、船場地区のようにギャラリーが集まっている地域があれば訪れてみたいと思うようになりました。アートによる観光振興は、観光まちづくりにおいてもはずせない魅力的なコンセプトです。今回のまちあるきで、ギャラリーでの自由なアートの楽しみ方が重要な役割を持つのではないかと考えました。