2018年12月8日、9日に滋賀県大津市の「コラボしが21」にて、日本エコツーリズム協会が主催する「第10回全国エコツーリズム学生シンポジウム」が開催されました。8日のシンポジウムは全国の学生、大学関係者、研究者、行政関係者など約200名が参加する大会となり、学生発表8組、ポスターセッション発表25組が研究発表を行いました。清水ゼミは2年生から編成された1チームが、今回の学生発表大会のテーマである「暮らしと観光」についてポスターセッションにて発表しました。ゼミ生はフィールドワーク先として、大阪府で唯一の重要伝統的建築物群保存地区に指定されている富田林の寺内町を選び、その観光まちづくりについて現地調査や行政、観光協会、寺内町内の店舗等にヒアリング調査を続けてきました。
 このシンポジウムでは、研究発表後に学生がエコツーリズムについて考える分科会も開かれ、清水ゼミの2年生15名全員が参加し他大学の学生たちと議論を交わしました。
 以下、発表を行った学生2人の報告です。

清水ゼミ2年生 明神果歩

 私たちは12月8日(土曜日)に第10回全国エコツーリズム学生シンポジウムに参加しました。始めに、発表させて頂いたポスターセッションについて報告します。ポスターセッション参加に当たり「暮らしと観光」について、フィールドワークで訪れた事のある寺内町について調査する事になりました。この取り組みは私と平岡くんが主体となり、ゼミメンバー他5人が協力して取り組みました。参加が決定した当初は、リーダーを務める上でのスケジュール管理や、2年生清水ゼミがメインに行う研究活動の企業研究との両立が出来るかどうかで、少し緊張と不安感を抱いていました。しかし寺内町へ現地調査に訪れる度に、住民の方の温かさ、まちづくりに対する姿勢、伝統ある町並みの風景を実際に感じ、調査が楽しくなるのと同時に、まちづくり活動を徹底的に調査し、他の方に知ってもらえるきっかけになれば良いなと思いながら取り組みました。本番まで、パワーポイントをどのようにして制限枚数に収め作成するか大変苦労しました。清水先生からもご教授も頂き、何とか納得がいくよう完成することが出来ました。当日は練習してきた成果を発揮できたように感じます。他大学の方からご質問を頂いたり、お互い研究を行う地域についての意見交換も行い、とても充実したものとなりました。
 次にシンポジウムのプログラムについて報告します。「(株)風と土と」の代表取締役、阿倍様の講義のお話は大変興味深いものでした。特に印象深かったのは、観光まちづくりは「目的ではなく手段である」とお話されたことです。今回の寺内町調査を通してその事を本当に実感しました。例えば、観光を取り入れている目的は,寺内町の伝統を後世に伝えることです。しかし、もし観光が目的になってしまうと、人を呼び込むことや経済利益のことばかりを考えるようになってしまい、騒音やごみ問題などにより景観が崩れてしまう事態になるのです。また他大学の発表では、現状の実態解明から提案まで、どの大学の調査も緻密で、凄く参考になるものばかりでした。
 研究発表会の後、学生が「暮らしと観光」について討議する分科会が開かれ、参加学生が25チームに分かれて、オーバーツーリズムによる地域への弊害や、どのようにして地域資源を保全しながら観光振興を行うのかについて、意欲的に話し合いをすることができました。
 最後になりましが、調査にご協力頂いた寺内町の方々、先生やゼミメンバーに感謝申し上げます。準備期間は短かったですが、このシンポジウム参加を通して得られたものは大きかったように感じます。また取り組む中での反省点や良かった点を振り返り今後の躍進に役立てたいです。

清水ゼミ2年生 平岡卓

 今回第10回全国エコツーリズム学生シンポジウムに参加して、自分の中での地域に対する物事の考え方、アプローチの仕方が変わりました。これまでの私の地域に対しての関心は、どのようにしたらたくさん集客できるのかということが主でした。今回の全国エコツーリズム学生シンポジウムに参加するにあたって、大阪府富田林市の寺内町について研究することによって、人がたくさん来ることだけが重要なことではないことがわかりました。集客も確かに重要なのですが、それ以上に地域住民の意見や行政、地元住民団体、観光協会などとの連携がいかに重要であるかが今回の研究でよく理解できました。このような考え方は寺内町以外の地域でも同様に考えられるので、今後の私の地域に対する考え方に確実にプラスになったと思います。全国エコツーリズム学生シンポジウム当日の発表は、ポスターセッションという形で参加させていただきました。60分という短い時間の中で様々な方に自分たちの製作したポスターを見ていただいて説明するという貴重な経験ができて、今後の観光研究だけではなく、様々な場面でこの経験を生かすことができると思います。