ゼミ生が吹田市山田村で2回目のまち歩き

 7月9日(土)に、塩路研究室の3年生5人が、フットパスルート作成に向けて、吹田市山田村で2回目のまち歩きを実施しました。今回は、あいにくの雨となりましたが、雨なりのまち歩きを体験し、新しい発見や気づきがあったようです。ここでは、2回目のまち歩きの報告をします。この活動は、塩路研究室が実施している「フットパスによる豊かな地域づくり」をテーマに、本学キャリアゼミの助成によって行っています。

吹田市山田エリアのさらなる魅力
3年生 田中 葉月

 私たち山田・佐井寺チームでは、一回目のまち歩きの後、フットパスとしてのルートについて話し合いを行いました。山田も佐井寺もどちらも昔の趣やまちの良さを感じられる素敵な場所でしたが、よりフットパスとして適しているのはどちらなのか、私たちの印象や興味を引き付けたものは何かなどを話し合った結果、山田エリアでフットパスのルートを考えることにしました。今回は、7月9日に山田エリアで行った二回目のまち歩きについて報告します。
 当日は、ガイドさんは付かず、私たち学生のみで、あまり地図には頼らずにまち歩きを行いました。あいにくの雨でしたが、前回は快晴だったのでまた違った雰囲気の山田エリアを感じることができました。
 阪急山田駅に12:30に集合し、前回と同じく比較的新しく駅に近い住宅街から歩き始めました。このあたりは坂道になっており近代的な住宅が多いエリアです。前回の報告でもあったように、魚の骨のような変わった道になっているので、珍しい道に今回も興味が湧きました。
その後、王子池を抜け、大通りを抜けて昔の趣の残る路地へ向かいました。この山田村の集落周辺には“Hananaまき窯パンcafé”や“Kawakami coffee roaster”などのお洒落なカフェも数件ありました。外まで美味しそうな匂いがしており、メニューが豊富で値段もリーズナブルということもあり、次回ぜひ私たちメンバーで食べに訪れようと思いました。

 昔の趣が残る路地は、非常に道が入り組んでおり少し迷ってしまいそうになります。そこで、私たちは傘を倒して倒れた方向に歩き、自分たちなりに楽しさを探しながら散策しました。いくつかの家の屋根に鳩や仙人のような不思議な置物があったり、屋根の低い建物が多くあり頭をぶつけてしまったり、人が一人しか通れないような路地を抜けてみたりしました。その路地を抜けると、「山田上こども遊園」がありました。生い茂った緑の中でカエルがピョンピョン跳ねており、自然の豊かさも感じることができました。
 少し歩き疲れたということで、前回私たちの休憩場所となった松竹堂へ向かいました。人気のお店なだけあり、この日は私たちが訪れた15時ごろにはほとんどのフルーツ大福が売り切れていました。みんなでパイン大福を買い食べました。中に入っているパインが大きく、みずみずしくて歩き疲れた体に甘さが染み渡りました。このお店には、早い時間帯に行くべきだと実感しました。
 それから、前回私たちがとても興味を持った「パンダ保育園」にいるヤギにまた会いに行きました。天候が悪いせいもあり、ヤギは小屋の中で過ごしていました。私たちに、外で遊びたそうな眼差しを向けていたヤギですが、よく見るとその隣には大きなカメがいました。2匹で仲良く雨の日を過ごしている姿を見て、思わず笑みがこぼれました。

 最後は、安養寺に寄りました。この日、階段の脇にはとても綺麗な紫陽花が沢山咲いていました。安養寺の魅力は、周りの景観が木々で隠されているので階段を上るといつかの時代にタイムスリップしたような感覚になるところです。雨と風の音だけが周りに響き渡るほどの静けさに、心が少し癒されたような気がしました。
 今回のまち歩きを終えて、以前とは異なる新しい気付きや魅力を発見することができました。例えば、家の1つ1つをよく見ると、細い道を挟んで左右で新しい家と趣のある家があり、過去と現代を彷徨っているような気分になりました。新しい発見をするのと同時に、課題も見つかりました。例えば、道が入り組み過ぎて地図をみても現在位置が分からない点や、住宅街の多いエリアなので歩く際の近隣の方々への配慮の必要性です。これらの問題を踏まえた上で、より良いフットパスルートを提案できるように今後もグループでの話し合いを重ねていく予定です。

風情ある山田を歩いて
3年生 沖本 光平

 私たち塩路ゼミは、7月9日、山田エリアでの2回目のフィールドワークを行いました。今回のフィールドワークではフットパスという視点からその地域のまちづくりを考えるというものです。1回目とは違い、ガイドさんが付き添わない中、自分たちでルートを考え、行動しました。ここでは、風情ある山田エリアの町並みや景観、また実際歩いてみて感じたことを報告します。
 まず初めに山田エリアを歩いて感じたことは、近代的な建物と昔の建物が入り混じっているという点です。例えば、写真にもある旧竹中家の「馬上門」は、中は一般的なマンションで、門だけが当時のままの姿で残されていました。この門は、騎馬のまま出入りしたといういわれや、それほど丈が高く大きな門であるということから、親しみを込めて「ばじょうもん(馬上門)」と呼ばれてきました。ここはかつて時代劇のロケが行われたというほど、近世の庄屋屋敷の整った景観がみられました。門だけが19世紀後半の建築で、中に入れば現代の建物というこの場所に、異様な存在感と壮大さを感じました。

 次に、山田エリアはとにかく細い路地が多いという点です。1人ずつでしか通れないほど細い道や、家と家の間に道があるなど、あたかも家の敷地内を歩いているように感じるほど細い路地が数多く点在していました。この細道は元々そこにあった地域資源として活用できる可能性を感じました。
 最後に、山田エリアは神社仏閣が数多く存在しています。例えば、日本神話の女神である伊射奈美を祀る神社、山田伊射奈岐神社は大阪府の指定文化財として、地元の人からも尊ばれています。敷地が広く、立派な鳥居や石段があるなど、とても崇高な印象を受けました。
 

続いて、木に囲まれた石段の入り口が特徴的な安養寺は、江戸時代には寺子屋、明治時代は小学校でした。石段を登るとお寺があり、その周りには木が植えられていて高い建物でもお寺から見えないような工夫がなされていました。また、周りの木々は季節ごとの花が咲き、私たちが行った時期は紫陽花があざやかに咲いていました。これらのほかにもさまざまな神社仏閣が点在しており、木造の平屋や蔵などが残る町並みと併せて、とても味わいのある地域でした。
 2回目のまち歩きということで、1回目よりさらに山田についての知識を深めることができました。山田には、地元の人でも知らないような細道や指定文化財の寺社などがあり、フットパスとして歩くには最適な地域だと感じました。あえてルートを決めずに歩くのも趣深く、また、新たな発見があるかもしれません。