1年生が明日香村でフィールドワーク体験

 2016年5月14日(土)、国際観光学部の新入生がオリエンテーションの一環で、奈良県明日香村を訪れ、大学入門ゼミごとにフィールドワーク体験をしました。塩路ゼミは、まず吉兼ゼミと渡辺ゼミと合同で明日香村の古代村イベントのための古代住居の屋根葺きを手伝いました。その後、ゼミごとに村を散策し、古墳などを見て回りました。今回は、このオリエンテーション活動に参加した1年生の感想を報告します。

また行きたくなる明日香村
1年生 出野 萌々花

 私たちのゼミでは、キトラ古墳周辺にある体験工房で古代飛鳥をイメージした家の屋根を作る作業を手伝い、乾拓板の絵を写しとり、最後は高松塚古墳を見に行きました。
 古代住居の屋根つくり体験は、始めは本当にこれで家の屋根になるのかなと思いましたが、出来上がった古代住居は大変素晴らしかったです。ワラを竹に並べて括り付けていくのが最も大変でした。みんなで作ったので達成感もあり、良い経験になったと感じています。午後からキトラ古墳で壁画の乾拓板をし、「面白いな」と友達と言い合いました。こんなに楽しいものだと思っていませんでした。一つ一つの絵が意味を表わしていてみんなが楽しんで乾拓板をやっていました。

 その後、歩いて高松塚壁画館に向かいました。向かっている際、文武天皇陵を通りました。途中にある坂道を歩くのが大変辛かったですが、吉兼先生の説明が時々あり、まるでツアーに参加しているかのようで楽しめました。
 高松塚壁画館の壁画は天井部と四方の壁画に描かれていました。南壁画の朱雀は盗掘の際消滅されたものとして考えられています。壁画は一つ一つ意味や人物を表していて白虎・青龍が私には印象に残りました。大変よい色で表されていました。女子群像はとくに綺麗な色だったので、壁画に少し興味を持つことが出来ました。その壁画館を出て、高松塚古墳に行きました。高松塚古墳は、7世紀末に造られ、昭和47年の発掘調査で、日本で初めて石室内に描かれた壁画が発見されたものです。被葬者は特定されていません。古墳は大きくて大変分かりやすい古墳でした。草が生えているので綺麗な緑色でこんなにも美しい古墳があるのだと感動しました。
 その後、吉兼先生が連れて行って下さったのは中尾山古墳です。中尾山古墳は別名「中尾石墓」と呼ばれており終末期古墳とされています。いまだに誰の墓なのか、またこれは本当に墓なのか分からないままです。被葬者については中尾山古墳の立地や年代、火葬墓であることなどから文武天皇の蓋然性が高いとされています。
 明日香村に行き、私はさまざまな体験ができ、飛鳥時代の歴史を学ぶことができました。みんなで協力したことでチームワークの重要性も学べたと思います。このオリエンテーションとしてのフィールドワークに参加して良かったと感じています。

明日香村観光について
1年生 川本 策也

 明日香村について事前に調べたところ、明日香村には石舞台古墳や高松塚古墳やキトラ古墳、酒船石や亀石、鬼の俎や鬼の雪隠(トイレ)、天武・持統天皇陵などがあることを知りました。はじめに、私が明日香村で興味をもったそれらの事柄についてまとめます。
 石舞台古墳は国内最大級の方墳で蘇我馬子の墓とも言われています。高松塚古墳は二段式の円墳で被葬者は天武天皇の皇子などという説がありますが、特定はされていません。キトラ古墳も埋葬されているのは天武天皇の皇子という説がありますが、現状特定はされていません。また古墳内には壁画があり、東に青龍、西に白虎、南に朱雀、北に玄武、天井の中央には本格的な天文図が描かれています。高松塚古墳にもキトラ古墳とほぼ同じ壁画がありますが、朱雀がなかったり、飛鳥美人と呼ばれる唐風の人物群像があったりします。天武・持統天皇陵は、陵墓と被葬者がほぼ合致している数少ないものです。ちなみに持統天皇は初めて火葬された人物です。
 酒船石は石の上面に円状のいくつかの楕円のくぼみとそれを結ぶ浅い溝がきざまれており、酒や薬を作る道具と考えられたそうです。亀石は名前のとおり花岡岩という岩が亀に似ていることからそう名付けられました。亀石は自然にできたものではなく、人が手を加えてできたものです。鬼の俎や雪隠もその名のとおり岩が俎やトイレに似ていることからそう呼ばれ、鬼が通行人を捕らえて俎で料理し雪隠で用を足したと言われています。

 このように、明日香村には興味深いモノや事柄がたくさんあります。例えば綺麗な色が付いた飛鳥美人を描いた壁画の写真は、教科書では見たことがありましたが、実際に間近で見て7世紀末〜8世紀初め頃の人たちの技術力に驚かされました。そして、それを復元したり残そうと頑張っている現代の技術力にもまた、驚かされました。今回のオリエンテーションでは、知らないことをたくさん学ぶ事が出来ました。私の住む松原市の近くには堺市・羽曳野市・藤井寺市など古墳が数多くあり、小さい頃からよく見ているのに、今まであまり興味を持った事がありませんでした。しかし、じっくり調べてみると面白い発見ができるかもしれないと思いました。
 また、古代住居の屋根葺きの準備を三つのゼミで協力して行いました。わらを束ねてくくったり、木材を運んだりと、暑い中疲れることはたくさんありましたが、知らない人とコミュニケーションをとったり、友達ともより仲良くなれたりと、チームワークに磨きがかかったと思います。明日香村でのゼミのフィールドワークは、とても楽しく良い経験になりました。

明日香村の感想
1年生 古川 英希

 明日香村の活動で藁を使った屋根づくりと古墳巡りをしました。最初に国営飛鳥歴史公園キトラ古墳地区の古代村づくりをしました。内容は、古代住居づくりのお手伝いで藁を使って屋根を作っていくものでした。最初は、上手く作れるか心配でしたが、SAの方々に優しく、丁寧に教わったので、上手く作ることが出来ました。意外に藁で作った屋根は強度があって驚きました。屋根づくり以外にも家の柱になる丸太なども運びました。そしてお手伝いが終わり昼食をとりました。とても空気がおいしくて景色が良い場所で食べたのでご飯がいつも以上に美味しく感じました。
 次はキトラ古墳で壁画の拓本をしました。やっている人を見ているとトレーシングペーパーで綺麗に壁画を写し取っていて上手いなと思いました。移動して次は文武天皇陵を見に行き次に高松塚壁画館を見に行きました。高松塚古墳の壁画が展示されていて、何故昔の人はこの壁画を描いたのか思いました。次に高松塚古墳に行きました。森の中にあって凄いところにあるなと思いました。
 そして最後に景色を見て楽しみながら駅まで歩きました。駅に着いた時はクタクタで家に帰るのが嫌になるぐらいでした。しかし貴重な藁での屋根づくり体験などでゼミのチームワークも高まり、とても良い一日になったと思います。

 それと同時に家に帰って考えたことがあります。それは、明日香村ではこんなに観光の名所があって自然が豊かなのに観光客が思ったより少なかったことです。一部の所しか見ていないというのもありますが、それでも少なかった気がします。特に若者が居なかった気がします。多分今の若い人は、古墳や寺にはあまり興味がないのではないかと思います。実際に、私自身もこうして学校の行事で行くまでは、古墳などに興味はありませんでした。しかし、今は、古墳などの面白さを知り、今度時間が出来たら明日香村を散策したいと思っています。
 明日香村に人を引きつけるためには、古墳だけではない何かが必要だと思います。例えば飛鳥鍋です。あまり世の中に知られていない観光資源だと思います。これをベースに明日香村に来てもらって、ついでに古墳や寺を見て少しでも飛鳥時代と明日香村に興味を持ってもらえば宣伝にもなるし、また来てもらえるのではないでしょうか。