塩路ゼミ2年生が千里万博記念公園へ

国際観光学部 塩路研究室2年生の9人が、本学のキャリアゼミの活動として、11月5日に吹田市の千里万博記念公園を訪れ、公園内を散策し、国立民族学博物館(みんぱく)を見学しました。今回は、学生たちがその活動の報告をします。

散策で得た異文化の学び
 2年生 吉原 泰士

 私たち、塩路ゼミ2回生は2023年11月5日に吹田市の万博記念公園内の国立民族学博物館を訪れました。休日という事もあり、公園内には子供から年配までの多くの方が訪れていました。私たちは国立民族学博物館へ行くまで公園内を散策しました。万博記念公園に入ると、写真でしか見たことのなかった太陽の塔がありました。実際に見てみると、想像より遥かに大きく迫力もあり、感銘を受けました。驚いたことに、見る角度により太陽の塔の顔が異なっていました。調べて見ると、最上部の顔は「未来を象徴する黄金の顔」、正面の顔は「現在を象徴する太陽の顔」、後ろの顔は「過去を象徴する太陽の顔」でした。そして、塔の内部にある地底の太陽」の4つの顔で編成されている事を知りました。このフィールドワークで訪れたからこそ、知り得た知識だと思います。そして、昼食後、万博記念公園の人気散策スポットである「ソラ—ド」へ向かいました。森林浴が大いに出来る散策スポットであり、途中には森の万華鏡や集音器などがありました。他には展望台もあり、そこから見える自然の広々とした眺めは一段と輝いて見えました。
 次に、私たちは国立民族学博物館へ向かいました。国立民族学博物館には、ヨーロッパ、オセアニア、アメリカ、アフリカ、西アジア、東アジア、南アジア、東南アジア、中央・北アジアと様々なエリアがあり、各国の異文化を知る事が出来ました。私たちは初めに全員で音声ガイドと塩路先生の説明を聞きながら、世界を一周しました。各国のエリアごとにたくさんの展示物や言語の種類があり、実際にその場所に訪れたかのような体験が出来ました。
 特に印象に残ってるのは、今回私が担当をしたヨーロッパの地域です。ヨーロッパの国はフランス、ドイツ、イタリアなどサッカーの強豪国が多く、元々知っている国が多かったのですが、ヨーロッパの伝統や民族衣装などは、全く知りませんでした。しかし、ヨーロッパの地域の展示エリアを歩いていくうちに様々な新しい事を知ることが出来ました。その中でもスイスのアッベンツェル地方で行われる越年祭「シルベスタークロイゼ」という文化に興味を持ちました。シルベスターとはスイス語で大晦日に行われる行事のことです。大晦日にクロイゼと言う化粧をした仮面が3種類の集団を作り、村の家々を訪れ、良い年を願うために飛び回って鈴を鳴らしたり、カウベルなどを響かしたりします。この祭りにはとても楽しそうな印象を持ちました。
 今回フィールドワークで国立民族学博物館を訪れて各国の伝統や文化を学ぶ事が出来ました。各エリアの地域の特徴や文化など、非常に分かりやすく展示されており、良く理解できました。

世界の楽器の形
 2年生 猪口 大我

 私たち塩路ゼミ2年生は、11月8日に国立民族学博物館に行きました。多くの民族展示を見ていく中で、私が着目したのは世界の音楽の楽器です。言語がなくとも人々と分かり合える、また人を超えた存在と交わるための音楽に魅力を感じました。国立民族学博物館で展示されている楽器は「太鼓」「ゴング」「チャルメラ」「ギター」があります。地域ごとに形や大きさが違って非常に面白かったです。
 「太鼓」は、世界で広く使われている楽器であり、日本でも、有名な楽器の一つです。太鼓の力強くて生き生きとした音は様々な音楽に用いられています。太鼓の音は目に見えない存在にも届くと考えられており、人々の強い思いを伝えるために用いられる楽器です。太鼓は胴の形や材質、胴の長さで違った太鼓の音が生まれます。太鼓といえば全体的に大きく丸い、両手で強く叩くイメージでした。しかし、インドネシアの太鼓「クンダン」という細長く音色を変えることができる太鼓や、ボリビアの太鼓「タンボリート・チバヤ」は形が三角形になっていて、私がイメージしていた太鼓とは全く違う太鼓が多くあり、目を引かれました。また「デンデン太鼓」などテレビでしか見たことがなかったような楽器があり、自分の目で実際に見られるのはうれしく思いました。
 次に「ゴング」は、表面が平らな「平らゴング」と中央に突起の付いた「こぶ付きゴング」に大きく分けられます。例として、東アジアでは宗教儀礼や民俗芸能などで使用されています。ゴングは平らゴングが多く使われており、こぶ付きゴングは平らゴングに比べて数が少ないです。東アジアのゴングは大小様々な大きさのゴングがあり、手のひらサイズの物や人の上半身程の大きさの物まであって見応えがありました。他に東南アジアの「ガムラン・サレンドロ」という楽器は大小様々なこぶ付きゴングがセットとなっている楽器で公式行事や舞踊などで使われています。こぶ付きゴングは鍋の蓋のように見えて、どのような音がするのか気になりました。東南アジア展示でガムランを鳴らすことができたので、鳴らしてみると鉄琴とゴングを合わせたような音がしました。
 「チャルメラ」は、太鼓と共に演奏されることが多く、人々が集う場所でもよく演奏されます。日本でのチャルメラはラーメン屋台の音と言えば知っている人が多いです。他にも九州・沖縄などの民俗芸能でも伝承されています。世界では主にユーラシア大陸を中心に広がっており、歴史や伝播は分からない部分が多いそうです。チャルメラは基本的に笛のような形をしていますが、鐘のような形もあり、地域によって個性が出ています。
 最後に「ギター」は楽器の中でも非常に知名度が高く、ヨーロッパで六弦のギターが生まれ、世界の多くの音楽で使われます。日本では19世紀にヨーロッパから伝わりました、六弦のギターが一般的で多くの人が知っている楽器です。世界中のギターを見ていく中で最も変化に富んでいるのはヘッド部分で、弦の張り方が地域によって違い、それぞれのギターの工程作業に興味をもちました。
 全体を通して聞いたことがある音は多くありました。しかし、地域それぞれにある独特な楽器の形を見たことがなかったため、とても面白かったです。

自然で溢れる万博記念公園
  2年生 佐古 奈月

 私たちは 11月5日にフィールドワークで大阪府吹田市にある万博記念公園に行きました。日曜日だったので家族ずれの人たちがとても多く訪れているように感じました。
 公園内にはたくさんの施設があり、私たちは、太陽の塔、ソラード、自然文化園、国立民族学博物館の順に歩いて散策しました。公園に入ってすぐに太陽の塔が建っていて、実際に初めて見たので想像以上に大きくてとても印象に残っています。
 その後、少し歩いた先にある芝の広場で昼ご飯を食べました。この日は、雲一つないとても良い天気で、辺り全体が緑色でとてもきれいでした。青空の下で自然を感じながら食べるお昼ご飯はとてもおいしく感じました。
 昼食を済ませた後、歩いてソラードに行きました。ソラードでは、成長した森を平面からだけでなく、空中観察路や展望タワーを通して、立体的に森の大きさや住んでいる生き物などを観察しました。また、森の中では、鳥の声や風の音、虫の声など普段あまり耳にしない自然の音をたくさん聞くことができました。気温が高く、汗が流れるほど暑かったため、ソラードを散策し終わった後、少し休憩をしてから、自然文化園の「花の丘」に行きました。季節によって見ることができる花が違うのですが、私たちが行った時期は秋だったのでコスモスとコキアが一面に咲いていました。色鮮やかでとてもきれいだったため、たくさん写真を撮りました。そして、今回のフィールドワークの一番の目的である国立民族学博物館に向かいました。その行き道で通ったイチョウの並木道の景色がとても素敵でした。
 国立民族学博物館では、オセアニア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、西アジア、南アジア、東南アジア、中央北アジア・北アジア、東アジアといった9つのエリアに分けられていて、世界各国の民族学・文化人類学に関する展示がされていました。オセアニアから始まり、東周りで地球を一周することができて旅行気分を味わえ、実際にさわることのできる資料がたくさんあるので、さまざまな民族の生活を身近に感じることができました。私が担当したエリアはオセアニアでした。オセアニアは、海がほとんどの面積を占めていて、大小数万をこえる島々が点在しています。そこには、発達した航海術をもち、根栽農耕を営む人びとが暮らしてきたため、「移動と拡散」「海での暮らし」「島での暮らし」という資源の限られた島環境で、さまざまな工夫をして生活してきた様子が展示されていました。
 私は、今回のフィールドワークで初めて万博記念公園に行ったのですが、自然をたくさん感じることのできる素敵な場所だなと思いました。また、国立民族学博物館では、世界の民族文化について楽しく学ぶことができ、それぞれの国の特色を知ることが出来ました。

感じた秋、学んだ南アジア
 2年生 中村 初音

 私は、2023年11月5日に塩路ゼミ2回生のメンバー8人と塩路先生で大阪府吹田市にある万博記念公園に行きました。昼の11時に万博記念公園駅に集合し、最初に芝生でピクニックをしました。11月にも関わらず24度という気温で暑かったです。
 次に、ソラードという森の空中観察路に行き、紅葉を見ました。紅葉が綺麗な時期だったのでとても感動し、たくさん写真を撮りました。そして、コスモスの丘でコキアを見ました。コキアは丸い草の姿がとてもかわいい植物で、枯れた茎枝をほうきとして使っていたため、和名はホウキグサ・ホウキギなどと呼ばれています。少し枯れていましたが、丸い形のコキアが、かわいらしかったです。
 さらに、10分ほど歩いた後、民族学・文化人類学を中心とした研究・展示を行っている国立民族学博物館に行きました。オセアニア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、西アジア、南アジア、東南アジア、東アジア、中央・北アジア、アイヌの文化、日本の文化、朝鮮半島の文化、中国地域の文化、音楽、言語など様々な事を学ぶことができます。
 私たちはまず、すべての地域や文化の展示を一周し、それぞれ担当の地域に分かれての見学を始めました。私の担当は南アジアでした。南アジアは、インド、スリランカ、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、ブータン、モルディブの7つの国が含まれています。私はインドを中心に学ぶことにしました。
最初に私の目をひいたのが、インドのアクセサリーです。女性用腕輪や幼児用腕輪、シール状の額飾りや既婚の証としての化粧用具シンドゥールをはじめ、インドでは食料品や衣料品、家庭用品など、多くの身の回りの品が路上で売られているそうです。日本ではあまり見ない、派手で、カラフルなものばかりで、とても可愛くて、私もつけてみたいなと感じました。
次に少し驚いたものを見つけました。葉皿です。葉何枚かをお皿の形に形成したものです。葉皿は浄・不浄の考え方から他人の食器を使い回すことを忌み、嫌うインドで使われていたものでした。日本は、そういうものが無いので、不思議に感じました。
最後に興味を持ったのが、ドゥルガー女神です。戦いと殺戮と破壊を好む、ヒンドゥー教の美しき女神です。 ヒンドゥー教の三大神の一人、シヴァ神の妻、そして知恵と富の神ガネーシャの母であるパールバティ—が、怒りで変身した姿です。 古代、神々は、アスラという魔族の首領マヒシャに天界を奪われたそうです。これぞインドらしいものだと思ったので、見ることができ、嬉しかったです。日本の千手観音に似ていると思いました。
今回のフィールドワークを通して、秋の季節を感じながら、様々な地域の文化や伝統などを知識が増えたので実際に目で見て感じることができ、良かったと思います。特に私が担当した南アジアのインドは、カレーのイメージがとても強く、カレー以外知っていることが少なかったので、インドについて学べて、さらに興味が深まるきっかけになりました。

印象に残るラテンアメリカの伝統
 2年生 内海 蘭

 11月5日に、私たち塩路ゼミ2回生は、大阪府吹田市千里万博公園の中にある「国立民族学博物館」へフィールドワークに行きました。国立民族学博物館、通称「みんぱく」とは、民族学・文化人類学に関する調査・研究をするともに、その成果を基準として民族資料の収集・公開などの活動を行う機関です。これらを通して世界の諸民族の社会と文化に関する情報を人々に提供し諸民族についての認識と理解を深めることを目的として、1974年(昭和49年)に創設され、1977年(昭和52年)11月に開館しました。館内には、オセアニア・アメリカ・ヨーロッパ・アフリカ・西アジア・南アジア・東南アジア・中央/北アジア・東アジアに大きく分けた地域展示と音楽・言語などの展示がありました。また、ビデオテークでは、世界の人びとの生活や技術などを記録したビデオを見ることができます。「みんぱく」では、年に数回特定のテーマにそった特別展や企画展を行っているそうです。
 私の担当した地域は、アメリカです。私が国立民族学博物館を訪れた時に特別展「ラテンアメリカの民衆芸術」が開催されていたため、古代文明の遺物から現代のアート・コレクティブにいたるまで同館所蔵品を中心にラテンアメリカの民衆芸術約400点もが展示されていました。展示品の制作地域についてもメキシコから南はアルゼンチンまでと幅広い紹介がありました。さらに、考える部分として先コロンブス時代以来の文化混淆の歴史、芸術として洗練されていった過程、現代の制作者の批判精神に焦点をあて、なぜラテンアメリカの民衆芸術はこれほど多様なのかという問いを掘り下げる展示になっているそうです。ここでは、このラテンアメリカの民衆芸術の中で私が印象に残った展示物を2つ紹介します。
 まず1つ目は、アカデミー賞長編アニメーション賞と主題歌賞の2冠に輝いた、メキシコの「死者の日」を題材にした2017年に公開された映画「リメンバー・ミー」で、当時、話題となったものです。死者の日とは11月2日のカトリック教会の死者の日で、人びとは墓に花を供え、ロウソクを灯して死者との霊的な交流をします。メキシコでは特に骸骨人形が作られ、死を身近なものにしています。特に骸骨人形が酒場で興じるトランプ遊びをしている姿の展示物がとても可愛かったです。
 次に2つ目は、木造「ナルワ」です。こちらもメキシコのもので見た目が不気味なのが印象的でした。メキシコの民族信仰では、動物に変身する能力を持った人や人を守る動物霊をナルワと呼びます。ナルワも「空想的な生き物」としてアレブリへのモチーフとなります。展示品はヤギに変身したナルワです。
 「みんぱく」では、日本で生活しいている中では目にしないものばかりの展示物と内容に触れることができて、とても満足しました。こういった機会をこれから先、自分で作り、多様な知識を得たいと改めて感じることのできたフィールドワークでした。

様々な文化を生み出すアメリカの歴史
 2年生 服部 心愛

 2023年11月5日、私たちは吹田市の万博記念公園にある、国立民族学博物館を訪れました。向かう前に私たちは、風の心地いい芝生の上で昼食をとり、そのあとに森の中を散歩しながら季節のコスモスを見ました。私自身、初めて万博記念公園に行きましたが、本当に広く緑が豊かで、川も流れていたので驚きました。11月の秋を感じられる葉の色彩が赤、黄、茶と変色している木々が多くとても美しかったです。コスモスはピンクだけでなく黄色やオレンジなどとてもカラフルでかわいらしく見栄えがありました。友達と一緒にたくさんの写真を撮りあい、喋りながら向かう道はとても楽しく感じました。
 そのようにしながら、国立民族学博物館に入館し、受付にて館内の展示物を説明してくれるガイドのスマホと首にかける音声がでる機器を貸してもらい、中に入りました。館内はとてもきれいで、アメリカやオセアニア、中国などたくさんの国の歴史ある展示物が多く飾られていました。最初に、館内を一周巡り、そのあとに個々に自分たちが調べる展示エリアのところに行きました。一周回ってみたときは、中学や高校の教科書で見たことのあるものがあったり、見たこともないものも多く展示してあったり、とても好奇心が湧きました。特に民族衣装はとても興味深く、モンゴルの衣装は毛皮を加工して使っており、中国の衣装は装飾がとても細かく入れられており、その国の環境や文化をより身近に感じられました。
 一周回り終わった後に、私の調べる国であるアメリカの展示エリアに向かいました。昔のアメリカは、トウモロコシやジャガイモ、カボチャ、インゲン豆といった穀物やイモ類を多く食していました。これは、一万年以上前にアジアからアメリカ大陸に移住した人々が採集などを中心とした暮らしを送っていましが、やがて栽培植物を生み出して農耕を開始するようになり、アメリカ大陸各地で様々な文化を創り出す原動力になり、マヤやアステカ、インカに代表される高度な文明の誕生も可能にしたからです。16世紀以後、アメリカ大陸原産の栽培植物は世界中に広まり、食文化を大きく変えました。
 また、アメリカ大陸の国々では、スペイン語や英語などの公用語とともに、先住民族言語が多く存在しました。16世紀以後の植民地時代には、たくさんの言語が消失しました。現在は、先住民言語の復興運動が盛んになりました。
 今回、アメリカの歴史や多くの展示物に触れてみて実際にその場にいると錯覚するようなくらい楽しめました。アメリカは国土が広く、多くの民族が存在し、その一つ一つに違う伝統があると実感できました。まだまだアメリカには調べたいことが多く存在するので、もっと深く学んでいきたいと思えました。

東アジアの伝統的な文化
 2年生 前田 華花

 今回、私たち塩路ゼミは大阪府吹田市にある国立民族学博物館へフィールドワークに行きました。 当日は紅葉の時期ということもあり外国人も多く見られました。国立民族学博物館は万博記念公園の中にあり、そこにたどり着くまでにたくさんの紅葉を見ました。コキアというピンク色のふさふさの草や太陽の塔と紅葉の組み合わせは初めて見て感動するものがありました。国立民族学博物館とは、民族学・文化人類学に関する調査を行い、世界の民族と文化についての情報や展示がされている場所です。オセアニア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、西アジア、南アジア、東南アジア、東アジア、中央・北アジアとエリアが分かれた様々な展示があり世界の民族の知識や文化、そして現地で使われているものなどを実際に目で見て体験することができました。
 数多くある中で私が担当した地域は「東アジア」の主に中国です。東アジアはユーラシア大陸の東北に位置します。東アジアに含まれる国は、中国、インドネシア、シンガポール、タイなど誰もが聞いたことのある国々がたくさん位置する地域です。この中でも主に中国地域の文化に重点をおいて見ていきました。中国地域は多民族国家で漢民族を含め56の民族で構成されています。しかし、漢族が主に90パーセント以上の割合を占めているため、残りの55民族が少数民族と呼ばれています。多様な環境から生み出された様々な民族の文化、歴史をふまえ、装いや工芸、宗教と文字など継承される伝統中国の展示にはほかの地域にはない中国らしい個性を感じました。
 この写真は「南方獅子」といい、獅子舞は邪気を払い、福を招くとされ、かつて中国に生まれて後に違う地域に移住した華僑・華人にとって、年中行事や冠婚葬祭に欠かすことのできない伝統芸能です。日本の獅子舞の文化は中国から渡ってきたようです。実際に天井に展示されていた南方獅子はとても迫力がありました。
次の写真は東アジアの衣服です。階級やそれぞれの人々の暮らしに合わせていろいろな服があります。ほかの地域と比べると、皆、帽子をかぶっていることに気づきました。
 この国立民族学博物館は、様々な地域の文化やモノ、生活様式も目で見ることができ実際にそこに行ったかのような気持ちにさせてくれました。東アジアの文化だけでなく、ほかの地域の文化も詳しく知りたいと思いました。このようにフィールドワークは実際に体験することで得るものがたくさんあり、学ぶことが楽しいと思える素晴らしいものだと感じました。

万博 秋の旅と歴史
 2年生 中谷 賢斗

 11月5日に、私は基礎演習ゼミのフィールドワークで大阪の万博記念公園を堪能しました。大阪モノレール線の万博記念公園駅で降りて、10分~15分程度で万博記念公園に着きます。
 まず、万博記念公園の中の自然文化圏の中でピクニックをしました。とても天気の良い中で昼食をみんなで食べました。ピクニックを終え、そのまま自然文化圏を周り、ソラード(森の空中観察路)という所に行きました。成長した森の表情を、平面からだけではなく空中観察路や展望タワーを通して、立体的に空間を活用することにより、森の大きさ、生態などを観察することができます。私は、自然の美しい景色を見るのが好きなので、標高82メートルの展望タワーからの眺めは最高でした。
 次に、「花の丘」という所に行きました。コスモスやコキア、ミューレンベルギアなどが咲いており、11月の見頃の花を見ることができました。とても綺麗でつい写真を撮りたくなるような気持ちになりました。とても落ち着ける場所でした。さらに歩いていると、プラタナスという紅葉スポットに来ました。東西に約360m続く石畳の両側にプラタナスの並木道が続きます。11月上旬でしたので、紅葉はヨーロッパの街並を思わせるほど美しいものでした。季節を問わず人気のフォトスポットだと感じました。気づけばずっと歩いており、公園をほぼ1周していたようです。公園内の自然の多い美しい場所を歩いたことで、自然の良さを改めて感じました。
 その後、国立民族学博物館に行きました。そこには世界の地域展示があり、世界をオセアニア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、それに日本を含むアジア各地域に分け、オセアニアを出発して東回りに世界を一周し、最後に日本にたどり着く構成となっています。また、音楽や言語の共通の文化を紹介する展示があり、地域や文化を学ぶこともできるような構成にもなっています。私は、ヨーロッパ展示を詳しく調べました。ここでは、時間の流れに注目しながら伝統的な生活様式と宗教、近代の産業化、さらに現代の新しい動きが層をなしてヨーロッパをつくりあげていることを示していました。パンが展示されており、ヨーロッパではもっとも基本的な食べ物の1つだそうです。日本に売っているパンに似ている物もありました。また、シェラーとローラーといった人形がありました。これは、オーストリアのチロル地方のカーニバルの仮面と衣装です。男性的なシェラーは冬、女性的なローラーは春を象徴します。独特な仮面と衣装で象徴する所が日本の「なまはげ」に似ていると感じました。そして、展示から日本のなまはげに似た行事は、東ヨーロッパから中部ヨーロッパにも多く見られることを知りました。
 ヨーロッパ展示を調べて、世界の地域でも場所によって似ている部分が多いところもありますが、それぞれ独特である部分が多く、不思議に思い、関心を持ちました。今回のフィールドワークを通して、自然はとても落ち着き、心を休まる場所だと感じました。もっと色んな自然の場所に行ってみたいと思いました。一方で、国立民族学博物館では、日本以外の地域を知ることで独特な世界観を学べたり、日本にはないようなモノを見て、学べる場所だと感じました。世界のあらゆることを知ることができる良い機会になりました。

東南アジアの歴史
 2年生 中山 祥哉

 11月5日に、ゼミ生全員で2年生では初めてのフィールドワークに行きました。国立民族学博物館を訪れる前に、千里万博記念公園をみんなで散歩しました。最初は万博記念公園には太陽の塔しかないと思っていたのですが、実際に行ってみると、とても楽しめる場所でした。まず、芝生で昼食を食べる、いわゆるピクニックをしました。食べた後は少し歩き、ある場所に向かいました。その道中で遠足に来ている子供たちもいたり、家族でピクニックをしている人がいたりと賑わっていました。ある場所とは千里万博記念公園の中にある「花の丘」という場所のことです。そこでは秋ということで真っ赤なコキアという植物やコスモスなどいろいろな植物を見ることができました。天気も良かったのでより綺麗に見え、幸せな気持ちになりました。その後は、国立民族学博物館へと向かいました。
 国立民族学博物館には世界の様々な国の民族文化の資料がある中で、私は東南アジアに興味をもち、東南アジアを中心に見学しました。東南アジアは、海と森に囲まれた場所です。熱帯気候に暮らす人々は日中40度近くの温度があるため、屋内で暑さをしのぎ、夜になると涼しくなるので仕事に出る人もいます。そんな人々をテーマにした展示物が、東南アジアの展示エリアに入って最初の場所にありました。ローンを組んでオートバイを買い、それに乗って仕事をする姿が再現されている展示物もありました。乗り物で有名なのは「ジープニー」という名前のアメリカ軍の軍用車であるジープを改造しているもので、フィリピンで乗合いバスとして使われていました。このジープニーに乗ってみたのですが、10人ほどは入れる広さで快適でした。
 さらに、展示場を歩いて少し奥に行くと、朝鮮半島の展示エリアに入り、そこには漫画本が置いてあり、ほとんどが日本の漫画でした。日本の漫画が世界でも人気があると改めて思いました。最後は、中国地域の文化がテーマの場所でした。そこで目についたのはチワン族の高床式住居を再現した展示物です。中に入ることができて、入ると居間の奥には祭壇が設けられ、生活するには十分の広さに家具も置いてありました。前門には中国らしいお札のようなものが貼られていて、雰囲気が良かったです。
 このフィールドワークでは、世界各国の地域の魅力をこの目で見ることができました。それぞれの国や地域の価値観や衣服の系統、食べ物などが違い、見ていてとても興味がわきました。2時間ほどと短い時間だったこともあり、少し物足りなさを感じました。また機会があればゆっくりとみたいです。