塩路ゼミ3年生のアメリカ調査旅行

国際観光学部 塩路研究室3年生の3人が、夏休みにアメリカに調査旅行に行きました。各自が個別の調査テーマを設定して現地で観察、体験しました。今回は、コロナ禍を経て、学生たちにとっての初海外旅行ということもあり、現地での新しい体験なども含めて報告してもらいます。

日本とアメリカの交通の違い
3年生 磯辺 佑介

 私たち塩路ゼミは、夏季休暇中に自分の興味のある国へ、グループに分かれて調査旅行に行きました。韓国やオーストラリアといった国が挙げられる中、私はアメリカに興味があったため、ロサンゼルスとラスベガスに行きました。アメリカチームは、男子3人という少し心細い人数でしたが、結果的に無事に帰ってくることが出来ました。
 私は、ロサンゼルスとラスベガスでの交通に目を向けました。特に、比較がしやすいように、日本でも多く利用されている電車やバスについて調査をしました。ロサンゼルスは、広大な土地であるため車を使う人がほとんどでした。訪れた駅の中では、電車が人でいっぱいという光景は一度も見ませんでした。有名なスポットであるサンタモニカ・ピアを訪れる際に利用した電車も、電車内は空いていました。しかし、駐車場には膨大な数の車が停まっていたため、アメリカの人々は、移動時に車を使うことが多いのではないかと考えました。日本では、人が多く集まる娯楽施設などの近くにある駅は、大勢の人が利用すると思いますが、アメリカでは、調査中に訪れた人気の遊園地であるユニバーサルスタジオやディズニーランドの最寄り駅でさえ人が少なかったです。
 また、日本では、現在、電車に乗る際「ICOCA」のようなカードにチャージして乗る方法がほとんどだと思いますが、他手段として切符を購入して乗ることもできます。一方で、ロサンゼルスでは切符は存在しません。そのため、電車に乗るには「TAP」というICOCAのようなカードを作る必要があります。現地で切符を購入する画面を探していると、駅員の人にカードを買わないと乗れないと言われ衝撃を受けました。日本ではありえないことなので不思議な気持ちでした。
 次に、バスについてですが、日本のバスは区間均一の金額で乗れるバスもありますが、停まるバス停の整理券で金額が異なるのが一般的だと思います。それに対し、私たちがロサンゼルスで利用したバスは、乗車時に一定の金額を渡せば、バスが行く区間内であればどこでも行けるという方式でした。これも日本とは明らかに違う点だと気づきました。
 ラスベガスの交通に関しては、ラスベガスには電車や地下鉄が一切ありません。そのため、移動手段は車かバスになります。ラスベガスでバスを利用する際は、ロサンゼルスとは方式が異なり、2時間、24時間、3日という3つの項目があり、金額は利用期間が長くなるにつれて高くなっていきますが、その期限内であれば乗り放題になります。バスを少しの時間や距離だけ利用したいという場合でも2時間からしか買えないので、乗らない分は無駄になってしまうことになります。このことから私は、ロサンゼルスのバスの方式の方が便利で、安い上に利用しやすいと思いました。
 電車やバスを利用する以外に、Uberという配車サービスも利用しました。これは、行きたい場所の近くに、駅やバス停が無い場合に利用するもので、一般の人が運転するタクシーのようなものでした。このアプリは、行き先を決めた時点で金額が確定するので、利用しやすいのですが、金額が高めなので、あまり多くは利用できませんでした。
 今回の海外調査を通して、様々なことを学べました。ひとたび日本から出れば全く違う文化であり、私たちからすれば違和感が多くありますが、その国の人たちにとっては普通であり、その文化をずっと受け継いできています。このことから、私は異文化に深く興味を持ち、食や伝統行事など、さらに詳しいことまで知りたいと思いました。また、実際に行ってみることで、アメリカは車社会だということや、一部地域には電車が存在しないということ、アメリカ内でも地域ごとに交通手段や利用方法が異なることなどを学ぶことができました。次は、アメリカの西側ではなく、東側に行って、交通を含めた文化の違いを調べたいと思いました。

アメリカで見た美しい景色
3年生 中西 蓮

 私は9月8日から20日まで塩路ゼミのメンバー3人でアメリカのロサンゼルスやラスベガスなどいくつかの場所に行き、研究調査をしてきました。私がアメリカで調査対象にしたのは景色についてです。アメリカの景色は日本と違い、スケールが大きく美しいものが多いと考えたため、このテーマにしました。ここでは、自分たちが訪れた場所について順を追って報告します。
 最初に訪れた美しい景色は、ハワイにあるワイキキビーチでした。ワイキキの海は植物プランクトンが多く光が通過しやすく、白い海底の砂が光を反射する上、訪れた日は快晴だったため、とても綺麗に見えました。ハワイの海は海洋保護や環境保護、観光業規制などが導入されており、これらの法律や規制が海の美しさを保護し、持続可能にしていると言われています。
 二つ目は、ロサンゼルス西部にあるサンタモニカ・ビーチでした。このビーチはロサンゼルスの中で最も有名なビーチであり、長さは4.8kmにも及びます。もちろん海も綺麗なのですが、このスポットを実際に歩いてみて美しく見えたのは遊園地やスケートボードパーク、数多くのビーチバレーコートやバスケコートなど、人々が楽しめる施設や商店街が立ち並んでいる風景です。これらは、日本では見ることが出来ない賑やかな海岸線だったため、印象に残りました。
 三つ目は、ロサンゼルスのグリフィス天文台でした。この天文台では夜空の星を眺めても綺麗ですが、天文台から下を見るとロサンゼルスの街並みを一望する事ができ、大都会の街の明かりが照らす夜景がとても美しかったです。
 四つ目は、ラスベガスにあるベラージオ・ホテル&カジノでした。この施設の周辺ではヨーロッパの地中海をイメージして作られていている庭園があり、ホテル内に入ると神秘的な植物園が広がっているスペースやショッピングモールなどがあり、観光を楽しめる要素が沢山あります。ホテル正面では定期的に噴水ショーが行われていました。噴水では、140mの水柱が音楽に合わせて吹き上げられ、その迫力には息を呑みました。
 最後は、アリゾナ州に位置する大峡谷であるグランドキャニオン国立公園です。この峡谷は全長約450km、深さ約1.6kmと世界最大規模の峡谷であり赤茶色の岩肌には20億年分の地層が刻まれています。この公園から見た景色は、アメリカで訪れた場所の中で一番印象に残っており、大自然の驚異を感じました。
 このようにアメリカは何をとっても規模が大きくて日本では見ることが出来ない景色ばかりでした。初めての海外渡航で不安や心配もありましたが、アメリカの美しい景色を実際に自分達で訪れて見ることが出来たのはとても貴重な経験になりました。この先、他の国に行く機会があれば、その国でも自分の足で美しい景色を見つけて取り上げたいと考えました。

アメリカと日本の違い
3年生 森田 甫也

 私たち塩路ゼミ3人は、9月8日~9月20日までの12日間アメリカで海外調査旅行を行いました。ロサンゼルス6泊、ラスベガス3泊、ハワイは乗り継ぎで10時間程滞在しました。私の個人の調査テーマである「アメリカと日本の違い」についてアメリカで行ったフットパスの活動を中心に報告します。アメリカと日本の違いはたくさんありますが、実際に私がアメリカで歩いて違いを明確に感じたことについて書きます。
 まずは、アメリカの「文化」の特徴です。アメリカは多くの民族が暮らす多民族文化という特徴があるため、英語が必ずしも公用語とは限りません。また、多くの民族が集まる国だからこそ、多種多様な食事や都市部には移民の街が形成されています。実際に私たちがロサンゼルスで宿泊したホテルの近くにはリトル・トーキョーやチャイナタウンが隣接していました。リトル・トーキョーはアメリカ最大の日本人街のため、海外にいてもほとんどの店で日本語が通じます。そのため多くの日系人はこの地域に住んでいるようです。
 アメリカと日本の文化の違いの中でも、チップ制度が日本人の私たちからすれば考えられないような文化だと思いました。アメリカでは配車アプリのUberやレストランでは食事の代金に対して約15?20%程度のチップを払う習慣があります。一部では商品の代金にチップが含まれているため、支払い時にチップ代金の選択をしなくても良い店もありました。日本人にはチップの習慣がないため、アメリカに旅行に行った際に払わない人が多いことから、日本人はチップを払わないという偏見をアメリカ人からはもたれているようです。日本人の私が改めて実感したのは、日本にはチップ制度がないのに、接客からサービス、料理の美味しさはアメリカと比べ物にならないほど素晴らしいと思いました。
 次に、日常生活で違いを感じました。アメリカの家はアパートでも一戸建てでも基本的に日本の住宅環境とは比較できないほど広いです。また、アメリカでは家の中でも土足のままなので、靴を履いたままカーペットの上を歩いたりベッドの上に寝そべったりします。そのためホテルに宿泊した際には部屋の床でも綺麗とは限らないため、なるべくスリッパを履いたり、床に座らないなど、対策をして過ごしていました。日本人の私たちにとっては考えられない行動ですので、カルチャーショックを受けました。
 今回、アメリカで海外調査旅行を行ったことで、日本との多くの違いを発見出来ました。日本に来た外国人がカルチャーショックを受ける内容は知っていましたが、私たちが実際に海外に行き、それを体感することができて良かったです。日本の接客サービスの素晴らしさも実感しましたが、アメリカにしかないフレンドリーな接客や移民の街が形成されている素晴らしさもあるため、またアメリカを訪れたいと思いました。