塩路ゼミ3年生が千里山・関西大学エリアを2回目のフットパス

 本年度も国際観光学部 塩路研究室は、「フットパスと豊かな地域づくり」というテーマで主に吹田市を拠点としてキャリアゼミ活動を行います。また、引き続き、連携先である吹田歴史文化まちづくり協会の皆さんにご協力をいたただきます。本年度は、吹田市岸部エリアと千里山・関西大学エリアの2チームに分かれて、まち歩きを実施し、フットパスの視点から地域づくりについて考えていきます。2023年6月11日に、研究室3年生が吹田市千里山・関西大学エリアで、自由に探索する2回目のまち歩きを実施しました。今回は、歩いた学生たちがその感想を報告します。各チームは、6月に地域での学びを深め、学生目線で新しい発見をするために、同じエリア内で2度目のまち歩きを行いました。7月にはその2回のまち歩きを踏まえて同協会の浜屋敷で市民の方々と交流会を開催する予定です。

再発見した千里山の歴史と魅力
3年生 中西 蓮

 6月11日、私たち塩路ゼミ3回生は吹田市「関西大学・千里山コース」で2回目のフットパスを行いました。当日は雨予報でしたが、フットパス中は雨が降らず、空は曇っていた為、比較的涼しい中でまち歩きをすることが出来ました。
 前回は「関西大学・千里山コース」を案内して頂きました。しかし、今回は私たちだけでのフットパスということもあり、前回には訪れることが出来なかった所、前回も訪れたが、もう一度訪れたかったところなどを組み込んでフットパスのルートを決めるのが難しかったです。
 まず、阪急千里山駅から出発し、千里山第一噴水を訪れました。千里山の住宅地に突如として現れる大きな噴水は西洋の雰囲気を感じられ、流れる水の音からは暑さを忘れられる涼しさがありました。
 次に、千里山駅の方に戻り、千里山駅付近の商店街を歩いて、千里山・佐井寺図書館を訪れました。この建物は木で作られており、千里第二小学校の木造校舎の一部を活用した建物です。中に入ると当時の教室が再現されており、現代の小学校ではあまり見ない、教室全体が木で出来ており、独特な雰囲気を感じました。更に子供を対象とした折り紙教室や絵本読み聞かせなど地域住民の交流を深める活動を多数行なっていたため、地域に根付いた市民のためになるとても良い場所だと感じました。
 続いて関西大学を訪れました。当日はオープンキャンパスが実施されていたため多くの人で賑わう中、私たちが最初に向かったのは、前回、訪れた際に時間の都合上訪れる事が出来なかった「簡文館」です。この施設は1928年に建築された「旧図書館」と1955年に建築された「円形図書館」で構成されており、今は博物館施設として一般公開されています。ここでは屏風や扇子、掛け軸などが展示されている関西大学博物館や、千里山一帯の住宅開発を手がけて千里ニュータウン開発の先駆者となり、関西大学総理事として大学令となった山岡順太郎の経歴を辿った資料展示室がありました。
 私たちは、関西大学の中にあるスターバックスコーヒーをテイクアウトして関西大学の正門から千里山駅に向かいました。駅に向かうまでの道は学生が利用しやすいように値段が安く設定された飲食店が多くありました。
 最後に、千里山駅の目の前にあるパン屋「プティ・ラプティ」に訪れ、大人気の「天使のクリームパン」を食べました。たっぷりと入ったカスタードクリームが柔らかい生地で包まれており、とても美味しく幸せな気分になりました。
 前回と今回の計2回の「関西大学・千里山コース」をフットパスしてみて思ったことは、自分の知らなかった土地を実際に隅々まで歩くことで、その土地特有の良さや特徴、文化財や長い歴史があり、地域の人に誇りにされているものなど、いくつもの発見があったことです。それがまち歩きやフットパスの良さだと感じられたことです。自分が暮らす地域でもこのようにフットパスすることで新たな発見があるのではないかと考えました。 

千里山の街並みを歩いて
3年生 瀬澤 歩

 私たちは、6月11日に大阪府吹田市千里山エリアを訪れました。1回目は吹田歴史文化まちづくり協会の方に案内していただきました。2回目のまち歩きでは、前回の時に閉まっていて行くことができなかった関西大学博物館を中心にまち歩きを行いました。
 関西大学に行くまでの道に、千里山・佐井寺図書館がありました。それは、三島郡千里尋常小学校の木造校舎を用いて作られた図書館です。2004年に新しく建て替えられましたが、建物の前に尋常小学校時代の門柱も残されています。昔の小学校を図書館にしたと聞いていたので、少し入るのに抵抗がありましたが、中に入ってみると、建物自体が綺麗でした。古い感じはせず、どちらかと言うと新しく建てられた図書館の雰囲気があると感じました。図書館にある蔵書は、27万冊を超えており、吹田市で最多を誇っています。
 次に、関西大学に行きました。関西大学は、1886年に児島惟謙氏をはじめとする12名により開校されました。現在、大学13学部、大学院15研究科と留学生学科があり、敷地面積は甲子園球場の約8.5倍あります。関西大学の博物館を目的に行ったのですが、大学が広すぎて博物館に辿り着くまでにかなり時間がかかりました。博物館に行くまでに、児島惟謙氏の銅像があったり、高松塚古墳壁画再現展示室があったりしました。本物の壁画ではないかと思ってしまうぐらいの再現をしていました。
 関西大学博物館は、1994年に博物館相当施設として開館されました。重要文化財16点と重要美術品12点を含む約3万点の資料を収蔵しています。館内は、日本の旧石器時代から奈良、平安時代までの考古資料が展示してありました。私が、印象に残った展示物は2つあります。1つは帯の展示物です。「東遊駿河歌」と言う名前の帯で、帯を結んだ時に銅前の見える部分に桜と紅葉、背中の太鼓部分に東遊の舞人と太鼓から垂れる部分に波の絵が描かれています。帯に模様はあっても絵が描かれているものはあまり見たことがなかったので、しっかり絵が描かれているこの帯の作品が印象に残りました。もう1つは、道明寺の舞扇です。普段私たちが見るような扇とは大きさが全然違って、2倍ぐらいの大きさがありました。とても大きくて舞踊を行う時に重そうだと思いました。
 最後に、関西大学からの帰り道に「プティラプティ」というパン屋さんがありました。そこは、「天使のクリームパン」が有名だそうで、何人かで買って食べました。駅前にある小さなパン屋さんで、値段もそんなに高くなく、地元の人たちが多く利用している店という感じでした。
 今回のまち歩きを通して、吹田市千里山のまちづくりを学ぶことができたと思います。千里山は、住宅地で、店は駅前まで出ないと少ないと思いました。関西大学はとても広く、校舎も綺麗で中に飲食店もあったため魅力のある大学だと思いました。私は1回目の千里寺やキリスト教会などに行けなかったため、また機会があればフットパスを行いたいと感じました。まち歩きやフットパスは、現地調査とともにその街の魅力を知ることができるので、積極的に参加したいと思います。

千里山の街と関西大学の魅力
3年生 奥野 陸希

 2023年6月11日、私たち塩路ゼミ3年生は吹田市において、阪急千里山駅近辺や関西大学の歴史と現状を学ぶために2回目となるフットパスを行いました。前回の1回目には吹田まち案内人である大平さんに案内していただきながら、千里山キリスト教会をはじめ、千里山神社や千里寺などの名所を巡り、フットパスを行いました。しかし、2回目である今回は私たち自身で歩く場所を選び、コースを巡りました。ここでは、1回目の大平さんの説明を踏まえた上で、今回、私たちが訪れた千里山と関西大学の歴史について述べていきます。
 千里山は、英国ロンドン北郊のレッチワースをモデルに開発され、街のシンボルとして噴水が作られました。そこで、1回目でも巡った千里山第一噴水を訪れました。この千里山には、もともと、第一から第五まで、五つの噴水が開発当初ありましたが、現在残っているのは、阪急千里山駅近辺にあるロータリーに第一噴水、住宅に囲まれた中にある第二噴水の二つだけです。この噴水は、西洋感の漂う神秘的な雰囲気で、レッチワースをモデルとした街のシンボルに相応しい噴水となっていると思いました。また、噴水周りは整備が行き届いており、ゴミ一つ落ちていないほど綺麗に保たれています。これは、千里山の人々がこの街のシンボルを守ろうとボランティアで毎朝早くに整備をしているからだそうです。
 次に、千里山第二小学校の旧校舎である木造校舎の一部を活用した千里山・佐井寺図書館を訪れました。この図書館は木造旧校舎であるとおり、中には過去に使われていた教室や多目的室などが、取り壊されることなくそのまま残っていました。その光景は、当時の風景が目に浮かんでくるような気持ちになれる場所でした。
 最後に、関西大学を訪れました。関西大学はキャンパス内に1900本、凛風館の屋上庭園には120本の桜の木が植えられています。簡文館の前には吹田市の保護樹木(1号樹)に指定されている大きなクスノキもあり、そのほかにもツツジや金木犀、イチョウなどの花々が一年を通してキャンパス内を彩ります。また、関西大学は考古学や古代史、建築学にも通じる所があります。そのなかで、1回目のフットパスでは行くことの出来なかった、キャンパス内にある関西大学博物館を見学しました。そこでは、縄文時代から古墳時代、奈良・平安時代頃までの考古学資料や石器などを展示していました。普段、教科書などでしか見ることのないものを実物として見ることができ、貴重な体験をすることができました。
 私自身、電車や車での移動が殆どとなっており、普段まち歩きをすることがなくなってしまっていました。この度のフットパスを通して千里山の街や関西大学を歩いたことで、千里山の街が他の街とは違ったまちづくりをおこなっている点など、普段は気づくことのない街の魅力を知ることができました。