塩路ゼミ3年生が熊本美里町でフットパス

2022年9月20日から22日まで国際観光学部 塩路研究室3年生が熊本美里町で2泊3日の合宿を行いました。本年4月から同3年生は、キャリアゼミで「フットパスと豊かな地域づくり」をテーマに、大阪府吹田市でまち歩きを行い、歩くことでわかる地域の歴史や文化、暮らしについて住民の方々と一緒に考える活動を行ってきました。今回の合宿は、日本のフットパスにおいて先駆的かつ核心的な活動地域である熊本県美里町に滞在し、フットパスと地域の関わりについて改めて体験し、日本における多様な地域でのフットパスの可能性について学ぶことを目的としました。合宿においては美里フットパス協会会長の井澤るり子さんをはじめ、濱田孝正さん、地域のフットパスに関わる方々に大変お世話になりました。ここに記して感謝申し上げます。ここでは、学生たちが熊本で体験して感じたこと、考えたことをそれぞれ報告します。

豊かな自然に囲まれた美里町を歩く
3年生 澤井 悠

 私たちは、9月20日から22日にかけて熊本県の美里町を散策しました。今回は、美里フットパス協会の井澤さんの案内のもと歩いたフットパスコースと、美里フットパスの魅力について報告します。
 フットパスとは、イギリス発祥の森林や田園地帯、町並みなど地域に残るありのままの風景を楽しみながら歩くことのできる道を意味します。美里のフットパスは、地域が主役のフットパスです。いつでも自由に歩いてよいフットパスコースを作るには、地域の良さを知っている地域の人々の協力が必要です。草切りなどの維持管理、歩きに来た人たちとの交流、コース作成時のスポットの提案などを地域の人々がするからこそ最良のフットパスコースが完成するのだと考えました。美里のフットパスは「交流人口を減らさない」ということを一番の目的としています。そのために、より魅力的な新規コースの開拓、帰って自慢できるような貴重な体験を日々考え、進化しています。地域の人々が一丸となって作り上げるものは、その地域にとってかけがえのない財産になると感じました。 
 私たちが三日間で歩いたコースは下福良棚田コース、緑川ダム湖畔コース、二俣橋♡コースの三つです。今回は、その中でも特に印象的だった下福良棚田コースについて紹介します。このコースは美里町に到着して最初に体験したコースでした。狭い山道を登って、車を降りると、そこには大きな山に囲まれた様々な形の田んぼが、崖から積み上がるように広がっていました。一面緑色の大自然の景色に感動すると同時に、空気が美味しく感じ、また田んぼに沿うように咲く赤い彼岸花がとても綺麗でした。今回は秋だったので、美しい稲穂を見ることができたのですが、初夏には水張した田んぼの水面に夕日や満天の星空が写るそうです。棚田を散策した後は、害獣用防獣フェンスを開けてもらい、急な坂を登って行きました。普段フェンスの中に入ることはできないので、少し特別な気分になりました。このような体験もフットパスコースのイベントに参加する魅力の一つだと考えます。また、このコースでは、歩くだけでなく食の体験もしました。フットパスの途中で、軽トラカフェという場所でおやつに新鮮な甘い梨と、あんこ餅を食べました。軽トラの荷台に置いてある食べ物を、大自然のなかみんなで食べるという経験は貴重で、より一層美味しく感じました。
 三日間の食事は、美里フットパス協会の方々が作ってくださったフットパス弁当を屋外や空き家を活用したカフェで食べました。初日の夕食や弁当は味噌だごや大豆が入った呉汁など地元産の食材をふんだんに使ったものばかりで、今まで食べたことのないものを沢山食べることができました。美味しくておかわりをする私たちを見て、嬉しそうにしていた地域の方々の笑顔がとても印象的で私たちも温かい気持ちになりました。
 三日間という短い時間でしたが、フットパスを通して美里町の魅力を沢山発見することができました。フットパスをしている際にすれ違った地域の人たちは皆、私たちを見て優しく笑ってくれました。普段触れることができない自然や、田舎での生活を存分に満喫し、改めてフットパスの素晴らしさを学びました。知らない人が自分のまちを歩くことに対して、不審に思う人は多いはずです。そんな環境でフットパスをするには、声かけや環境の整備を通して、地域の人との信頼関係、協調性が重要だと考えました。次は初夏に、もう一度美里町を訪れたいです。

自然の多い美里でのフットパス体験
3年生 福住 未来

 私たち塩路ゼミは2022年9月20日から9月22日まで熊本県美里町を訪れました。美里町の魅力を知り、フットパスを学びながら体験をしました。私は、熊本県に初めて訪れました。前日まで台風の影響により飛行機を心配していたのですが、無事に行くことができました。
 20日の昼ごろに熊本空港に着き、レンタカーで美里町に移動しました。美里町に到着してさっそくフットパスが始まりました。自然がとても豊かで、空気がおいしく、山の存在感に圧倒されました。下福良棚田コースを歩きました。少ししておやつを食べました。熊本の特産品の梨と、あんこのお餅をいただきました。梨は今まで食べた中で一番おいしくて、みずみずしかったです。そして、フットパスを再開しました。田んぼが多く、綺麗に棚のように並んでいました。水はどこから田んぼへ流れているのか気になり、聞いたところ、西郷隆盛の時代に用水路が作られていて、水が勝手に山から各田んぼへと流れているそうです。次に「おぎょんさん」に行きました。おぎょんさんは鎮守の森の一つで、戦の神様です。戦争に行く人はここでお参りしたそうです。「かげくり」という竹にお酒を入れてお供えをします。
 夕飯には食の体験をしました。地元の方々が熊本の郷土料理のみそだごや熊本でとれたお米、呉汁などを出してくれました。初めて食べるものばかりでとてもおいしく、フットパスを通して熊本の食の体験ができてよかったです。 
 21日は朝から美里町文化交流センターひびきへ行きました。美里フットパスの特徴を学びました。ニコニコできるフットパスが美里式です。交流人口を増やすために地域でフットパスを行っていて、フットパスの主役は地域の人びとです。出番を作ることで地域の人たちは輝きます。そして地域活性化につながります。フットパスは1人ではできません。沢山の人が必要で、何度も歩いて信頼関係を築いたり、地域の人びとに掃除や整備などコースの管理を任したりしているそうです。ありのままの地域資源を活用することが重要だそうです。そうすることで経費がかからない上に地域に昔からあるありのままの風景を見せることができます。
 フットパスについてのお話を聞いた後、質疑応答の時間があり、私は「フットパスを行おうと決心したきっかけ」について聞きました。返答は「ただ面白そう・たのしそうだから」だそうです。面白そうとおもってすぐに行動に移せることは簡単ではないので見習うべきだと思いました。それが地域活性化につながっているところに尊敬を感じました。そのあと「フットパス弁当」という赤飯や栗、サツマイモなど秋の旬のものが多く入ったお弁当を食べて少し緑川ダム湖畔コースフットパスをして、フォレストアドベンチャーにあるジップスライドをしました。緑川ダム湖畔に位置し、谷を越えダム湖を見下ろすジップスライドは510mと日本最長です。初めは怖かったのですが、景色がとてもきれいで涼しく、挑戦してよかったです。
 22日は朝から二俣橋コースラブリングへ行きました。天気が良ければ二俣橋の影からハートが見えるのですが、あいにくの曇りで見ることができませんでした。しかし、熊延鉄道の跡など古の道をたどることができて、昔には今よりも技術は発展していないのにもかかわらず、現代と同じくらいしっかりとした熊延鉄道の跡に驚きました。フットパスが終わり、阿蘇方面へ車で向かいました。最後に、悠大な阿蘇山を見ることができて本当に良かったです。
 今回美里町のフットパスを通して、地域の人々の温かさを実際にみて体感することができました。出会ったすべての人の「笑顔」が印象に残っています。みんながみんなのことが大好きで、美里町のことが大好きだということが伝わってきました。親切な方が多く居心地のいい地域だと思いました。井澤さんなどのフットパス協会の人は地域の人を信頼していて、地域の人びとも信頼していることでフットパスは成り立っていると分かりました。フットパスを作ることは簡単ではないと思います。楽しいのはもちろんですが、苦労の先の沢山の幸せがあるのでできることだと思いました。フットパスを行えて、フットパスには地域の方の支えがあってこそだと実感できました。地域の方と観光客をつなげているのはフットパス協会の方々で、地域活性化や交流人口の増加など沢山の考えがあって行われていると分かりました。私はやろうと思ってもすぐに実行できないのですが、このフットパスを通して自信がついたので、これからは後悔する前に実行しようと思えました。


美里町「らしさ」が詰まったフットパス
3年生 藤原 奈々

 私は夏休みに熊本県へフットパスに訪れました。初めて訪れた美里町は想像以上に田舎でした。コンビニやスーパーはほとんどなく、朝ごはんや飲み物を買うには歩いて15分ほど先のドラッグストアしかありませんでした。電車も通っておらず、山に囲まれていました。しかし、美里町の自然は息を呑むほど美しく、広大で素晴らしかったです。1日目の自然に囲まれた中での「軽トラカフェ」は、どんな街中のカフェよりも最高だなと思いました。
 美里フットパス協会の井澤さんのお話では、美里町のフットパスで大事にしていることは「らしさ」だと教えてくださいました。私の美里町への率直な感想は「自然が綺麗な田舎」でした。井澤さんはフットパスに来た方の率直な意見を大事にし、フットパスコースの作成に活かしておられました。私が実際にフットパスコースを歩いた際には、美里町「らしさ」を十分に感じられ、またフットパスをしに来たいと思えました。
 美しく広大な棚田や山を見渡せる道、大木のある道、小枝で葉に文字を書けるタラヨウ、美里町の郷土料理であるだご汁やみそだご、満天の星空、勾配の急な道、蜘蛛の巣に引っかからないよう腰を屈めて通る道、絶対に土砂崩れの起きない八角トンネルなど、ここには書ききれないほど多くのことを体験して学び、思い出に残る貴重な経験をさせてもらいました。熊本へ行く前は一般的な観光を楽しみにするような旅行気分でしたが、熊本から帰ってきた今はフットパスを通して美里町という町を学び、住んでみたいと思うほど好きになりました。
 美里町のフットパスを通して、人と人との関わりの大切さを学びました。井澤さんをはじめ、濱田さん、ご飯やおやつを提供して下さった地域の方々、挨拶をすると満面の笑みで返してくれた通りすがりの方など、色々な人と関わりました。井澤さんがフットパスを行う目的は交流人口を増やすことだとおっしゃっていましたが、今回のフットパスで私たちもその一員になれたことを嬉しく思います。また、私たちが直接地域の方と関わること以外にも、実際に歩いたフットパスコースを綺麗に保って下さっているのも、フットパスコースを作る際に様々な知識を提供して下さっているのも地域の方々であることを知り、実際に会っていない人との関わりも感じることができました。
 美里町の大自然、食べ物、地域の方々の温かさはどれも私にとって新しい経験でした。今回のフットパスで初めて、フットパスとは何なのかを学ぶことができたような気もします。この経験をこれから観光を学ぶ上で大きな糧の一つにしていきたいと思いました。

大自然と人の温かさを感じる美里町
3年生 小池 亜依

 9月20日から22日の期間で、ゼミのメンバーで熊本県美里町へ2泊3日の合宿に行きました。フットパス協会の井澤さんの案内の下、3日間、美里町のフットパスコースを歩いて、フットパスの魅力や特徴を学びつつ、美里町の魅力を発見しました。
 初日の昼前に大阪を出発し、1時間弱で熊本に着きました。電車などの交通手段がないため、3日間レンタカーを借り、免許を持っているゼミ生が運転してくれました。空港から美里町までの道のりは、高層ビルや大きなショッピングモールなどの建物は見当たらず、田んぼや山などの緑と広大な土地が広がっていました。
 1日目は、下福良棚田コースを体験しました。その名の通り、様々な形の田んぼが積みあがるように広がっていました。訪れたのが9月だったので、お米がたくさん実っていて黄緑の絨毯のように綺麗でした。歩く道が田んぼと田んぼの間だったので、360度どこをみても綺麗な黄緑、緑色が広がっていて、圧巻でした。フットパスの途中で出会った地元の方は、どの方も笑顔で私たちを歓迎してくださり、とても和やかな気持ちになりました。井澤さんには、田んぼにある獣害よけの仕掛けや地元の方が大切にしている神様などについて教えて頂きました。フットパスの途中と最後には、地元の方が作ってくださったおやつと夕食を頂きました。地元の梨やお米などこだわりの食材を使用したオリジナルの料理を振る舞ってくださいました。どれも新鮮で美味しかったです。美里町の食を体験した後は、宿泊先の佐俣の湯ロッジに向かいました。佐俣の湯は、大浴場も部屋のお風呂も温泉で、温かい木のロッジでした。
 2日目は、朝から美里町文化交流センターひびきにて、井澤さんと同じくフットパス協会の濱田さんに美里フットパスの特徴について講義して頂きました。フットパスの主役は地域の方々であり、それも1人だけではなく、たくさんの人々が関わっていることを知りました。フットパスは、その地域に暮らしている人々がその地を愛しているところにできるのだなと感じました。地域の人々がフットパスのコースを清掃したり、訪れた人々を笑顔で迎えたり、声掛けを行ったりと、様々な行動をすることで、その地域の魅力は向上します。そうして、外部の人と地域の人が関わることで、交流人口が増加するというのがフットパスの目的だということを学びました。人が多くて訪れやすい観光地とは異なって、フットパスがあることで、入りにくい田舎にも足を踏み入れやすくなります。また、フットパスは作られたものではなく、地域のあるがままの姿をみることができることも魅力です。それは、観光の本質の「国の光を観る」、その地域の魅力を見ることに繋がると思いました。
 昼ご飯には、地元の食材が使用した地元の方オリジナルのフットパス弁当を頂き、午後は緑川ダム湖畔コースを歩きました。大きなダムを眺めながら、フォレストアドベンチャーへ向かいました。このコースは、春には桜や芝桜、夏は水遊び、秋は棚田や紅葉、冬は梅など、どの季節も満喫することができます。今回は、日本で最長と言われているフォレストアドベンチャーの緑川ダム越えジップラインを皆は体験しました。私は、高いところが苦手なので断念しましたが、参加したゼミ生や先生は、とても楽しそうでした。実際に体験したゼミ生は、大自然に囲まれた爽快感や風が気持ちよかったと言っていました。緑川ダムから佐俣の湯のロッジに帰って、支度をしてからコムシロンカフェというお店で夕食を食べました。一つ一つ注文を受けてから丁寧に料理をされていて、ゆでたてのパスタがとても美味しかったです。そのカフェからロッジへの帰り道は街灯が少なかったので、空にはたくさんの星が見えました。大阪では、明るくて見えない星空に感動しました。
 最終日は、光の差し込み方によって影がハートに見える二俣橋のコースを歩きました。残念ながら、曇っていたのでハート型の影は見えませんでしたが、他にも魅力的な場所がありました。山道を歩いた先に、大きな橋脚や路線の落石避けとして造られた八角形の洞門が並んでいるのが見え、まるで冒険をしているような気分になりました。そして、お世話になった井澤さんや濱田さん、地域の方々にお礼と感想を述べ、美里町を出発しました。
 美里町のフットパスを通して、フットパスの意味、目的、魅力を再発見しました。フットパスは、小さな発見から大きな発見までたくさんの気づきを得ることができます。美里町は、大阪・江坂のフットパスなどと異なり、山道など誰かが整備し、草刈りをしないと通ることができない道がほとんどでした。それでも、綺麗に掃除されているのは、地域の人々が美里町を大切にしていて、フットパスを通して魅力を伝えたいという思いがあるからだと思います。美里町で会う人は皆さん笑顔で、美里町の魅力やお勧めの場所を教えて下さり、親切で温かい人ばかりでした。普段歩かないような山道や田んぼ道を歩きながら、美しい大自然のパノラマを見ることができることはもちろんですが、こういったその地域の方々の魅力も地域の良さに関わっているのだなと感じました。

人の温かみや自然を感じる美里町
3年生 中田 すず

 私たちゼミ生10人は9月20日から22日まで熊本県美里町にゼミ合宿に行きました。今回の合宿では、道の駅に隣接しているロッジに宿泊しました。源泉かけ流しの温泉に入浴することもでき、疲れを取ることが出来ました。
 9月20日のお昼前に伊丹空港を出発し、お昼過ぎに熊本空港へ到着しました。まず、レンタカーで「美里物産館よんなっせ」を訪れました。博多もつ鍋で有名な大山と言う店がありました。館内にはもつ鍋の冷凍食品も販売されていました。それ以外にも現地で採れた新鮮な野菜が販売されていました。物産館の隣にはスムージー屋もありました。
その後は、「下福良棚田コース」を歩きました。そのコースは、棚田が広がっており、自然に囲まれたコースでした。コース内には、イノシシの田んぼへの侵入を防ぐための電気柵がありました。コースの道端には、「おぎょんさん」と呼ばれる神様が祀られていました。神様のそばには、たけぐりと呼ばれるお酒を入れてお供えするものがありました。花もお供えされており、神様を綺麗に維持していました。美里フットパス協会の井澤さんによると、お供えされている理由は、綺麗に保ち、フットパスに沢山の人に来てもらうためだそうです。夜には、地域の方が作ってくださった伝統的な地域の食事を食べました。
 9月21日の朝は、美里町文化交流センターひびきでフットパスについて学びました。印象に残った話は、3つあります。1つ目は、交流人口を増やすために、地域の人がコースの維持管理を行い、色々な人を巻き込んで地域づくりを行っていることです。色々な人を巻き込んで、地域の人と歩きに来ている人を繋げているのがフットパスだと考えました。2つ目は、経費をかけず、ありのままの風景を残すことです。3つ目は、フットパスの魅力です。それは、①歩く②見る③出会う④食べる⑤仲間です。実際に美里町でフットパスをして、この5つの魅力を強く感じました。フットパスのコースを歩いて、植物やその地の建物を見て、沢山の地域の人に出会い、その地の郷土料理を食べて、その地域の人は仲間を大切にしていると感じたからです。
 その後は、フォレストアドベンチャーに行き、ジップラインをしました。日本一の長さを誇り、景色が綺麗で、貴重な体験ができました。インストラクターからの研修がしっかりとしており、安心して楽しむことが出来ました。
 ロッジに戻る途中で地元で有名なパン屋に訪れました。そのパン屋は、パンの種類が多く、どれも美味しそうでした。夕食は、ロッジの近くにある「コムシロンカフェ」で食事をしました。美里産の食材がたっぷり使わられていて、美味しかったです。
 9月22日の朝は、二俣橋のコースを歩きました。二俣橋は、太陽が通った時に影になり、ハートの形が映し出されます。橋の近くには、昔鉄道が走っており、八角トンネルが今でも残っていました。井澤さんによると、トンネルを作った目的やなぜ八角形なのかは分からないそうです。空港に向かう途中で、阿蘇山の道の駅に寄りました。そこには、その地で採れた野菜やスイーツ、お土産が販売されていました。テラスからは阿蘇山を近くで見ることが出来て、運転の疲れが取れました。そして、夕食に熊本空港で熊本ラーメンを食べて、大阪へ帰ってきました。
 2泊3日のゼミ合宿を通して、地域の方の温かさ、自然によるリフレッシュ、その地の魅力を考えることが出来ました。コースを歩いている際には、通りすがりの人が笑顔で挨拶をしてくださったり、郷土料理を作ってくださったりして、人の温かさを強く感じました。そして、自然豊かな生活での貴重な体験ができ、学びが多い美里町でのフットパスとなりました。

ニコニコできるフットパス
3年生 宇野 萌花

 9月20日から22日の3日間、塩路ゼミ3年生で熊本県美里町に行ってきました。美里町は自然豊かで空気がとても澄んでおり、都会とは違う静けさや広大な自然の景色に癒されました。
 1日目は美里フットパスコースを歩きました。途中「軽トラカフェ」でいただいた梨は普段と違い自然の中で食べるからか格別に美味しかったです。その後「食の体験」で美里の郷土料理である「みそだご」や筑前煮などをいただきました。このメニューのきっかけは美里に来たからには普段食べているようなハンバーグや唐揚げなどではなく、美里ならではの料理で胃袋をつかもうと考えているからだそうです。アンケートの結果から美里フットパスに求めるものには「風景」、「交流」、「食」などが挙げられているため、観光客の声を聴き、その声に応えることで次に活かそうと考えているとお話されていました。
 2日目は美里町文化交流センターひびきで美里フットパスの特徴を学びました。「ニコニコできるフットパス」というのが美里式フットパスで、交流人口を増やすことを目的としているそうです。そのためフットパスの主役は地域の人たちです。なぜかというと地域活性化をするには一般の地域の人が輝くことが重要と考えたからだそうです。実際に地域の方に会うと皆さんにとても笑顔で挨拶をしてもらいました。笑顔があふれる土地は素敵だなと心が温かくなりました。これはまさに「ニコニコできるフットパス」だなと分かりました。美里フットパス協会の井澤さんは地域の人をフットパスに関わらせるように、「歩いて楽しい道はない?」や、フットパスをしに来た人にひとことでいいから声をかけるように呼び掛けるなどの工夫をしたとお話されていました。これにより、自分が教えた道がコースになったことがきっかけとして地域の方々がフットパスに対して関わる可燃型へと変わっていったそうです。このような努力もあり、地域の方々がフットパスをする人のためにもコースの維持管理を行ってくれていると分かりました。
3日目はハート型の影ができる石橋として有名な恋人の聖地といわれている二俣橋に行きました。午前10時から12時ごろに太陽の光が橋の下にハート型を映し出します。残念ながらこの日の天気はくもりだったためハート型は見ることができませんでした。多い時には100人もの人が二俣橋に訪れるそうです。フットパス協会の濱田さんは、ハート型に映し出される石橋を見に来た観光客に向けてカフェなどができたらと考えているとお話されていました。自然豊かなあの場所にゆったり過ごせるカフェができたら素敵だろうなと思いました。
3日間、美里町で過ごして本当にリフレッシュできたため、田舎で休暇を過ごすことをこれから人に勧めたいと思うようになりました。美里町は地域の方がみんな笑顔で自然も豊かでフットパスコースがあるため歩きに行きやすいです。このような素敵な町でゼミ合宿を行うことができ、フットパスの魅力がより深く分かりました。

全てが初めてだった熊本
3年生 杉尾 愛実

 9月20日から22日の3日間、熊本県美里町に行きました。台風の影響で飛行機が運航するかわかりませんでしたが、無事に熊本県に到着することができました。空港の周りにあまり建物がなく、滑走路がより広く感じたことが新鮮でした。そして、レンタカーを借りて、車で1時間ほどのところにある美里町へ向かいました。初めての土地での運転だったので、とても緊張していて、風景を見る余裕はあまりなかったのですが、自然に囲まれながらハンドルを握る楽しさを知り、もっとこの土地で運転がしたいと思うようになりました。
 1日目に歩いた下福良棚田コースは、特に印象に残っています。写真でしか見たことがなかったような景色でしたが、実際目にするととても鮮やかな緑で、ここまで足を運んで本当によかったと思いました。道中、「軽トラカフェ」で、新鮮な梨を頂きました。今までに食べたことのないくらい甘く、自然の中だったことも相まって、とても美味しかったです。その日食べた夕食で、「みそだご」という熊本県の郷土料理を初めて食べました。味付けは味噌ですが、甘かったのでスイーツのような感覚で楽しめて、新鮮でした。
 2日目は、朝から美里フットパス協会の井澤さんと濱田さんから、貴重なお話を聞かせていただきました。改めてフットパスとはどういうものかを知る機会になり、今の自分に出来ることや、これから学びたいことを探そうという気持ちになりました。その後、ダムの上を横断するジップラインを体験しました。本来透明で綺麗なはずの川の水が台風の影響で濁っていて少し残念でしたが、空中にいる時の景色や感じた風のここちよさは忘れられない思い出になりました。
 3日目の朝、二俣橋周辺のフットパスコースを歩きました。今までに歩いたコースで一番自然と近く、見たことのないほどの大きな蜘蛛の巣や、道中の雰囲気がジブリの世界観のようで神秘的でした。その道が出来た理由はかつて鉄道が通っていたからだそうで、私が普段歩いている道にも歴史があるかもしれない、と考えさせられるようなコースでした。そして、お昼に「フットパス弁当」を頂きました。その後フットパスを終え、阿蘇方面を経由して空港に向かいました。山道の運転経験はほとんどなく、序盤は恐る恐る運転していましたが、次第に慣れて最後には気持ちの良いドライブになりました。途中、展望台で景色を見た時、どこを見渡しても山と緑が壮大で綺麗でした。
 今回訪れた熊本県は、これまでに行ったことがなかったのですが、ゼミの合宿という機会で初めて行くことができて、よい経験になりました。どうしても自分で旅行計画を立てる際はアクセスの良い場所を観光しがちですが、車を運転して新しい土地に踏み込む楽しさを知ったので、これからの旅行に活かしたいです。

初めての美里町でフットパス
3年生 梶田 深友

 日本のフットパスについて詳しく学ぶために、熊本県下益城郡美里町へ2泊3日ゼミ合宿に行きました。美里町は、自然豊かで住民の方々がとても暖かい町でした。
 「フットパス」とは、イギリスが発祥で森林や田園地帯、古い町並みなど地域に残るありのままの風景を楽しみながら歩く事ができる小径のことです。また、フットパスコースとは、地域の良さをよく知っている地域の人々が作り、マップや道標が整備され、いつでも歩いて良い道のことです。
 今回の合宿には、美里町フットパス協会の井澤さんに大変お世話になりました。井澤さんの仕事は、新しいフットパスコースを作るだけではなく、美里町に来た人と美里町の住民を交流させる仕組みを作ることなどだそうです。お話を聞いて、フットパスには楽しみ方がいくつかあることを学びました。まず、個人で自由に歩くセルフランブリング、グループや個人でガイドを依頼し地域を楽しめるガイド付き・ランブリング、定期的に開催されるランブリングイベントなどです。フットパスを楽しむ形は人それぞれであることがわかりました。
 また、フットパス協会にお弁当を予約すると美里町の食材を使った「フットパス弁当」を堪能する事ができます。私たちも実際に食べましたが、どれも美味しくて食材の味が活かされていました。今回の合宿でフットパス弁当は3食頂きましたが、最も印象に残っているおかずは、緑川ダム湖畔で頂いた時に入っていたさつまいもを甘くしたものです。とても美味しかったです。1日目に食べた夕飯は、地域の方が作って下さったもので美里町で採れた米や野菜をふんだんに使い、たくさんの美味しい伝統的なおかずを用意して下さいました。味噌汁が具沢山でまた食べたいと思いました。
 また、2日目は緑川ダム湖畔でフォレストアドベンチャーというアクティビティー施設でダムの上を通過する事ができるジップラインを体験しました。最初に命綱などの付け方を教えてもらい、すぐにジップライン体験でした。高さがあり緊張しましたが、景色が綺麗で天気も良く、滑っていてとても気持ちが良かったです。
 この3日間で車をよく運転しましたが、山道など今まであまり走る機会がなかったので少し緊張しました。また空気が綺麗だったので窓を開けて走り、熊本ならではの壮大な阿蘇山を見ながらドライブをすることができました。大阪ではどれも体験することのできない事で非常にリフレッシュになりました。
美里町では、住民のみなさんが本当に温かく迎えて下さり、今回は合宿の団体として行きましたが、プライベートでも行きたいなと思いました。美里フットパスコースは、たくさんあるようなので他のコースも歩いてみたいです。

自然と人との繋がりを感じた3日間
3年生 福井 亜沙美

 9月20日から2泊3日でゼミ旅行に行きました。場所は熊本の美里町という自然豊かな土地です。ここでは、美里フットパスを三日間にわたって学びました。
 1日目は、「美里物産館よんなっせ」という場所で案内をしてくださる井澤さんと合流し、2kmある下福良棚田コースを歩きました。途中では地元の方が提供して下さった「軽トラカフェ」と呼ぶ場所で新鮮な梨とぜんざいを頂きました。大自然の中で食べる梨はとても甘くてジューシーで今までで一番美味しいと感じました。食べ終わった後は、棚田の中や、地元の方が利用する細い路地を歩きました。昔、大木があったとされ、木が祀られている「おぎょんさん」という場所に案内して頂きました。そこでは、竹に酒を入れてお供えする方法で祀られていました。
 フットパスを歩いた後は、地元の郷土料理を体験しました。その後、私たちは、宿泊先である「佐俣の湯ロッジ」に向かいました。道の駅の中にあり、大浴場だけでなく、部屋でも温泉を楽しめます。キッチンや洗面所などの水も全て温泉水で贅沢な気持ちになりました。
 2日目は、午前中に美里フットパスの特徴についてのお話を聞きました。田舎のような場所でしかフットパスは行うことができないと思っていたのですが、都会でも今の景観を守るためなど色々な活用方法ができることを学びました。午後にはフォレストアドベンチャーに移動し、ジップスライドを行いました。装具を自分で着けなければならず、安全講習を受けても、飛ぶまではとても怖かったです。しかし、飛んでみればとても風が気持ちよく、大雨の後で茶色になっていたダムの水が澄んでいたらもっと楽しめただろうなと思いました。夕食には、地元の「コムシロンカフェ」という洋食屋を訪れました。夕食後、歩いて宿まで帰りましたが、スマホのライトが無いと歩けないほど真っ暗で、都会との違いを感じました。2日目の夜には、私たちの部屋に虫が出没するというハプニングもありましたが、その後、綺麗な星空を見ることができ癒されました。
 最終日には、朝食に宿の近くの「森のぱんや」で買ったパンを食べました。そして、橋の陰でハートができ恋人の聖地になっている二俣橋に訪れ、最後のフットパスをしました。廃線跡でジブリに出てきそうな山の中を歩きました。その後、美里町を出発し、阿蘇山の麓に行きました。途中、道の駅である「あそ望の郷くぎの」にり、牧場で取れた牛乳を使用したジェラートを食べました。
 3日間を美里町で過ごして思ったことは、出会う町の人々が笑顔であったということです。嫌な顔一つせず、すれ違う時なども笑顔で挨拶をしていただき、町の人々との繋がりを感じることができました。自然の中で食事やおやつを食べ、歩いているとき以外も常に自然を感じていました。大阪では、自然の中で過ごしたり地域の人達と関わる機会が少ないので新鮮で意味のある経験になりました。

美里町の大自然と温かさに触れて
3年生 井上 歩夏

 9月20日から22日にかけて、2泊3日のゼミ合宿として、私たち塩路ゼミ3回生は熊本県美里町を訪れました。熊本県美里町は、熊本県のほぼ中央に位置している石橋と石段で知られている自然豊かな町です。
 1日目は、熊本空港到着後、レンタカーで美里町に移動して「美里物産館よんなっせ」で3日間お世話になる井澤さんと合流し挨拶した後、井澤さんの車に続いて移動し、美里町フットパスを体験しました。下福良棚田コースでは、自然豊かな景色を堪能することが出来ました。色とりどりの棚田は広く、コースの所々に綺麗に咲いている彼岸花や、地域の方々の笑顔がとても印象的なコースでした。また、少し歩くと「軽トラカフェ」があり、梨やレモン水、餡子餅などを頂き、その後、夕食では地域の食の体験も出来ました。
 2日目は、「美里町文化交流センターひびき」で、井澤さんと濱田さんから、美里フットパスの特徴を学びました。地域が主役のフットパスで、みんなが自分にできることをやるだけで楽しくなり、地域の人々の笑顔を全国へ伝えることが美里式フットパスです。「美里町文化交流センターひびき」で学んだ後は車で移動して、緑川ダム湖畔コースを体験しました。少し歩くと、フォレストアドベンチャー・美里があり、谷を越えダム湖を見下ろすジップスライドを体験しました。そのジップスライドの長さは510mと日本最長で、足元は緑川ダム湖畔、周りを見渡すと山々があって、風がとても気持ち良い自然体験をすることが出来ました。
 さらに、井澤さんおすすめの「森のぱんや」に行きました。外観が木造建築とレンガ造りが合わさったとてもオシャレなパン屋さんで朝食にパンを買いました。宿に戻って、夕食まで1時間の自由時間があったので、個人的にとても楽しみにしていた佐俣の湯で、サウナや露天風呂に入りました。ヌルッとした泉質がとても気持ち良く、温泉ならではの硫黄の匂いやヒノキの香りも楽しみ、最高の癒し時間を過ごしました。そして、夕食交流会として、「コムシロンカフェ」まで徒歩移動し、夕食にピザをみんなで共有し、私はチキン南蛮定食を食べました。就寝時間までは、皆でワードウルフというゲームをして遊ぶなどのプライベートな時間を過ごし、最後の美里町での夜を楽しみました。
 3日目は、二俣橋コースでフットパスを行いました。この橋の下に太陽の光によってハートの型を写し出すことが話題になり、「ハートが出来る石橋」で恋人の聖地として知られている場所です。駐車してすぐの所にあった二俣橋のハートの形をした鐘を鳴らしてこの1日がスタートしました。歩いていくと、トトロが出てきそうな森の中に大きな八角トンネルがありました。初めはこれがトンネルであることを知らなかったです。しかし、上を見上げてみると、所々に煤が付いていて、昔は美里町まで延線して28.6キロ間を走っていた熊延鉄道が存在し、その遺構のひとつであるという歴史を学ぶことが出来ました。さらに歩いて休憩のお菓子として、地域の方々が準備して下さったいちじくとチーズのシフォンサンドを頂きました。このシフォンサンドとアールグレイティーの美味しさが印象深いです。
 二俣橋から車で移動して牧場に行き、井澤さんとお別れをしました。時間の関係で牧場見学は断念しましたが、道の駅でゆっくりお土産を買うことが出来ました。近くには阿蘇山が大きくそびえ立っていて、あか牛のジェラートを食べて、くまモンのパネルや写真スポットで写真を撮って思い出を作り、熊本での最後の時間を過ごしました。
 美里町で過ごしたこの3日間は、大阪では経験できないような体験をして、何よりも大きな自然に囲まれて空気がずっと美味しい癒される日々を過ごせたと思います。美里町で出会った井澤さんを中心とする地域の方々のように、地元を心の底から誇りに思い、おもてなしの気持ちに溢れた温かい心を持ちながら、これから大阪でも生活したいと感じました。