塩路ゼミ3年生が浜屋敷でフットパス交流会

2022年7月2日に、国際観光学部 塩路研究室3年生が、吹田市の浜屋敷で吹田歴史文化まちづくり協会の関係者や吹田まち案内人の方々とフットパス交流会を行いました。今年度も吹田市においては同協会と連携して「フットパスと豊かなまちづくり」というテーマでキャリアゼミの活動をしています。今年は、吹田市の山田エリアと江坂エリアの2チームに分かれて、1回目は案内人の方々と共に歩き、2回目は学生たちが自由にそのエリアを探索し発見するまち歩きを実施しました。今回のフットパス交流会は、その総括として、同協会の拠点である浜屋敷に集まり、これまでのまち歩きでの学びや発見を住民である参加者の方々に伝え、歩くことで考える吹田のまちづくりについて住民の視点と学生の視点から意見交換をしました。交流会では、参加者の方々から学生たちに温かいお言葉と新しい知見を賜りました。ここに記して感謝申し上げます。ここでは、学生たちが準備や発表、交流を通して感じたことや考えたことを報告します。

浜屋敷交流会での学び
3年生 福住 未来

 7月2日に塩路ゼミ3回生で吹田市にある浜屋敷で行われた交流会に参加しました。5月から6月にかけて2チームに分かれて2回にわたって吹田市内でまち歩きしました。そのときに気づいたことや、新たな発見、課題などをまとめ、模造紙に描きました。描いているときに疑問に思ったことを浜屋敷に来ていたまち案内人の方々に質問をして解決したり、一緒に考えたりしてたくさんの交流をしました。交流しているうちにまち歩きでは分からなかった新たな発見ができました。2チームの模造紙が完成して、私たち山田チームが先に発表することになりました。地域の人々に向けての発表経験がないため、とても緊張しましたが、まち案内人の方々は優しく色々な視点からの質問や疑問、貴重なご意見を聞くことができました。質問は答えるのも勉強になり、とても良い経験になりました。もう1つのチームの発表は、私たちのチームとはまた違った発表だったので、学ぶことが多く、良い刺激にもなりました。
 私たちのチームは、旧山田村について発表しました。歩いてみて気づいたこと、課題、まとめを模造紙に描きました。旧山田村は、歩くと歴史的な建物が多いと感じました。そして、コンビニや自動販売機が少ないという課題を発見しました。そのことをまち案内人の方々に伝えると、地元に住んでいるとあまり考えない面白い意見だとおっしゃってくれました。歴史的なものが多い風情がある細い道にはコンビニは作れないし、大きい道に作った方が行きやすく、お客さんも多く来る傾向にあります。また、観光客は歴史的なものが多い細い道を好み、大きい道にはあまり出ないのでコンビニや自動販売機が少ないと感じるのだと交流会で学べました。
 そして、私たちは、山田の魅力をランキング形式で作りました。1位は「和菓子屋の松竹堂」、2位は「山田伊射奈岐神社」、3位は「あずき火山灰」を選びました。発表しているなかで、「どうしたらあずき火山灰の魅力をもっと伝えられるか」という質問がありました。私は、あずき火山灰の周りには草が沢山茂っていたと感じたので、周りを整備することや、看板が小さくわかりにくかったので看板をもう少し大きくするべきだと答えました。しかし、緊張していたこともあり、もう少し上手く説明できたかもしれないと思いました。これが今回の反省点です。次は上手く答えられるように経験を増やして課題についてより深く理解することが必要だと思いました。
 今回まち歩きを行い、そして交流会に参加して、どのようにして地域活性化できるのかを考える貴重な経験になり、改めてまちづくりの難しさを知ることができました。今回の貴重な交流会を糧にして、今後に生かしていきたいと思います。

たくさんの魅力がある吹田
3年生 杉尾 愛実

 7月2日に、吹田市の「吹田歴史文化まちづくりセンター」(浜屋敷)にてまち案内人の方々と交流会を行いました。気温は30度あり、とても暑い日でした。私は比較的家が近い距離だったので自転車で行きました。浜屋敷まで途中何度か休憩を挟んだので1時間ほどかかりました。しかし、淀川や神崎川の川沿いを走ったので緑が多く、気持ちよかったです。
 浜屋敷の建物内は少し古風で、新鮮味を感じました。ちょうど七夕の時期だったので笹の葉が飾られていて、短冊もたくさんついていました。短冊を書くと折り紙で作った飾りがもらえるので、私も書いてピカチュウの飾りをもらいました。
 それからは、交流会に向けてチームで準備をしました。1回目と2回目で歩いたルートや訪れた場所、魅力だった点などを、模造紙に書いていきました。私は地図のチームだったのですが、このとき難しかったのは地図まで手書きだったことです。まち歩きの時の資料をそのまま模造紙に写していく作業が初めての経験でした。少し時間が余ったので、端に吹田市のキャラクター「すいたん」を描かせていただきました。すいたんは、吹田市の伝統野菜であるクワイをモチーフにしたキャラクターらしく、後ほど発表した際に褒めていただいて嬉しかったです。
 発表は上手くできました。その後の意見交流では、まち案内人の方の意見や、昔と今の世代のギャップなど、交流会でないと知り得なかった知識や意見をたくさんいただきました。私が驚いたのは、吹田市でヒメボタルが見られるということです。山田西公園付近で確認でき、現在も生態に多くの謎が残っているそうです。ホタルがこんなに近くの場所にいるとは思わなかったので新しい発見でした。
 次に、江坂を歩いたチームの発表を聞きました。私のイメージでは江坂はとても都会でしたが、発表を聞いて、都会の面と昔から変わらない面の両方が今も残り続けていることを知りました。カフェを事前に調査したり、油かけ地蔵を自分たちの視点で述べていたりして、学生目線の新しい意見と、歩き慣れているまち案内人の方の意見が活発に交換され、聞いていてとても面白かったです。
 山田のまち歩きと交流会合わせて3回の吹田への訪問を通じて、自分が住んでいないまちを知ることの楽しさを知りました。私も自分が住む地元だからこそ知っていることはたくさんありますが、それらを他の人に紹介することはしてきませんでした。これから地元を紹介する機会があれば、どのようにすれば相手に魅力をわかってもらえるのか、試行錯誤しながら伝えたいです。

吹田フットパス交流会
3年生 藤原 奈々

 7月2日、私たちは吹田市にある「浜屋敷」で計2回行った山田フットパスについての発表をしました。私たちの発表の場となった「浜屋敷」は、「吹田歴史文化まちづくりセンター」とも呼ばれています。江戸時代吹田村の旧庄屋屋敷であった浜屋敷は長年の歴史を感じる落ち着いた佇まいでした。私たちは畳の間で構成された「田の字型」の間取りが特徴である主屋で準備と発表を行いました。
 私たちのグループは山田地域を歩いてみて気づいたこと、課題、まとめの3つのテーマをベースとして発表を行いました。地図制作チームと3つのテーマについて考える2チームに分かれて、1回目のフットパスでお世話になったまち案内人の方にも意見を出していただきながら準備を進めていきました。
 発表では1回目、2回目のフットパスで歩いたコースの説明から始めました。気づいたこととして駅前は栄えており現代的ですが、歩いていくと細い道が多くそこに入ると歴史的な建物が多くあることや、静かで緑などの自然が多く過ごしやすそうであることなどを挙げました。そして課題点として、自動販売機やコンビニが少ないこと、休憩場所が少ないこと、公園など子どもが遊ぶことができる場所が少ないことを挙げました。課題点についてまち案内人の方からは「そんなにコンビニが必要か」と問われ、コンビニが家や大学の近くにあり、よく利用している私たちはあった方が便利であるため必要だと答えました。しかし、まち案内人の方々にとってコンビニがないことはそれほど不便ではないことが分かりました。また、コンビニや自動販売機は駅前や大通りなど、人の行き来が多い場所に作られていることを考え、山田の場合も人の行き来が多い駅前や、私たちがフットパスで行かなかった大通りにはコンビニがあることが分かりました。これらを踏まえて、まとめとして、歴史を感じられる小田原街道を目的として訪れた観光客がコンビニや自動販売機がどこにあるか分かりやすくするための表示看板などがあると良いのではないかと考えました。
 最後に、私たちが考えた「山田の魅力ランキング」を発表しました。私たちは2回目のフットパスで訪れた和菓子屋を1位にし、神社を2位、あずき火山灰層を3位にしました。この結果にもまち案内人の方は驚いていて、「なぜ和菓子屋が1位なのか」と質問を受けました。和菓子屋で食べたフルーツ大福は他ではあまり見ない、見た目もみかんやメロンの可愛らしい大福でした。そこに魅力を感じた私たちに驚いていました。

 発表を終え、質疑応答の時間に、まち案内人の方々は様々な知識を教えてくださりました。まずは吹田市のマスコットキャラクターである「すいたん」はクワイという食べ物をモチーフにしていることです。さらにまち案内人の方の1人は吹田市全体の活動としてクワイをバケツの中で各家庭で育てるというプロジェクトを行なっているそうです。また、あずき火山灰層周辺では大阪府で絶滅危惧種に指定されている希少なヒメボタルが見られるそうです。私たちがフットパスを行った5月末から6月上旬にかけ、20時から22時ごろが見頃であるそうです。
 今回の吹田フットパス交流会ではとても貴重な経験ができたと思いました。フットパスについての理解や、グループで協力しての発表、まち案内人の方々と多様な意見や知識を共有することができ、私たち自身の成長につながりました。

2つの視点から考える江坂
3年生 宇野 萌花

 7月2日に私たち塩路ゼミ3年生は吹田浜屋敷で交流会を行いました。私たちは5月と6月に計2回、江坂でフィールドワークをしました。この2回のフィールドワークを通して発見したことや感じたことなどを吹田まち案内人の方々や浜屋敷に関わる方々に向けて発表をしました。
 まず、私たちは発表のテーマを「新旧を感じるまち江坂」に決めました。なぜこのテーマにしたかというと、江坂駅周辺は賑わいのある都会的な街並みという印象を受けました。しかし、少し奥まで歩いてみると古い集落や歴史的な道や神社などもあり歴史的な街並みが広がっていました。江坂の魅力はこの都会的な街並みと歴史的な街並みが混在するところにあると思ったからです。
 テーマをもとにフィールドワークで訪れた場所について「新」を感じた場所、「旧」を感じた場所に分けて特に印象に残ったスポットをそれぞれランキング形式で発表しました。発表後のコメントでまち案内人の方々から教えていただいたお話の中で私が興味を持った2つのスポットについて説明します。1つ目は私たちが「旧」で1位に選んだ「油かけ地蔵」です。これは油をかけると歯痛が治るといわれている地蔵です。吹田まち案内人の方に浜屋敷のホームページに今月から油かけ地蔵の民話が載っていると教えていただいたので、見てみました。歯痛の話とは違い、車に油をさしてあぶらげの代わりにその油を地蔵にかけたというもう一つの古い話でした。このような民話を知ることで油かけ地蔵により一層興味がわきました。他にも様々な民話がホームページに載っていたのでよく見てみようと思います。
 2つ目は2位に選んだ「榎坂道標」です。まち案内人の方々から、道標が昔からこの場所にあったものなのか、正しい行き先を表示しているのかを調べるとおもしろいと教えていただきました。なぜなら道標が移動されている場合や道自体が変わっている場合があるからだそうです。道標を見かけた際には、この話を踏まえてその場所に適切な表示であるか調べてみようと思いました。
 今回2回にわたり江坂を調査しましたが、交流会ではまち案内人の方々に自分たちの発表を補足していただき、さらに新しい情報を得ることができたので、吹田についてより知識が深まりました。また、私たちの視点と地元の人の視点では異なる意見も多いのではないかと不安でしたが、私たちがテーマにした新旧を感じることが魅力という点は同意見だったため、このテーマを軸に発表して良かったなと思いました。歩いてみて自分たちが感じたことなどをその地域に住んでいる方々に発表し、地元の方の声も聴けた今回の交流会は非常に貴重な経験になりました。

浜屋敷での発表
3年生 後藤 滉稀

 今回、私は吹田市にある浜屋敷へ初めて行きました。そして、浜屋敷はとても歴史的な雰囲気で内装や中庭もとても和を感じる素敵な場所でした。
 浜屋敷へ訪れた本当の理由は見学ではなく、人前で発表ということだったので、正直にいうと緊張していました。しかも、発表相手が現地に住む方々だったので、私のような吹田の事をほとんど知らない者の発表を聞いて退屈しないだろうかと不安でした。
 そして、浜屋敷に着いてから少しして、さっそくグループに分かれて発表の準備に取り掛かりました。ゼミ内でのグループの発表や個人の発表は何回かありましたが、ゼミのメンバーではなく、知らない人たちの前で発表するというのは初めてのことだったので、自分も含めみんな不安に思っている感じがしていました。しかし、準備をしていると徐々に不安がなくなり、良い雰囲気で両チーム発表の準備に専念することができていたと思います。どの意見がより良いかやどのようにして描けば地図が少しでも理解しやすいかなどグループ内で話し合っていると気づかないうちに不安は少しずつ無くなっていました。また、発表を聞きに来てくださった方々が準備をしている時に時々様子を見にきてくださり、アドバイスや「ここ良くできている」などと褒めてくれたりして、最初は心配していましたが、みなさんとても優しい人たちばかりでだんだんと楽しくなっていきました。ゼミのメンバーとの関係はまだまだ浅く、協調性もあまり身についていないと思っていましたが、みんなで協力して準備をしたことで団結力が強まり、成長を感じました。
 両グループ準備が終わり、実際に聞きに来て下さった方々の前で発表しましたが、みなさん自分が住んでいてよく知っている街のことなのにとても真剣に聞いてくれていて、発表後に質問やコメントを丁寧にして下さり、とても勉強になりました。
 私にとって今回の浜屋敷での発表はとても良い体験になりました。学外での発表はそう頻繁にあるものではないので、良い経験を積むことができたと思います。また、自分たちが歩いて発見した地域について頑張って作成したものを地域に住む人々が真剣に向き合ってくれたことがとても嬉しいと感じました。今回の経験をこれからの大学生活に活かしていこうと考えています。そして、今回は発表目的で訪れた浜屋敷ですが、次は違う形でこの場所を訪れて浜屋敷の事をもっと知りたいと感じました。