2022.2.9

2021年度のフットパスとまちづくり活動

産学連携先:吹田歴史文化まちづくり協会

 2021年度もコロナ禍が続き活動が制限されましたが、前半と途中の感染者数が比較的低く推移している時期にキャリアゼミ活動を行うことができました。連携先の吹田歴史文化まちづくり協会には、昨年度に引き続き、コロナ禍でありながら温かいご協力をいただき、感染者数が落ち着いた状況下で、初夏に吹田市内のまち歩き(2コース)を実施することができました。そして、秋には同協会の活動拠点である浜屋敷において、市民である吹田まち案内人や同協会理事の方々と意見交換をする「吹田フットパス交流会」を開催することができました。歩いたエリアについては英語でのパンフレット作成にも取り組みました。また、吹田市の魅力発見ということで、千里の大阪万博記念公園を訪れ、国立民族学博物館を見学しました。
 一方で、コロナ禍前には例年参加していた各地でのフットパス関係のフォーラムや大会は本年度は開催されませんでした。そのため、他地域との比較という部分を補うために、関西近郊のまちを「フットパスとまちづくり」の観点から視察する活動も行いました。

学生活動状況報告

 私たちは、旧吹田村チームと千里ニュータウンチームの2チームに分かれて6月と7月に吹田市でまち歩きを行いました。1回目のまち歩きでは吹田まち案内人の方に、街の歴史や昔から現在にかけてどのように変化しているのか、現在の住民の悩み、吹田の魅力について教えていただきました。2回目は、1回目に訪れなかった場所や、詳しく調査したい場所をそれぞれ訪れました。さらに、10月には他地域の視察として東近江市エリアや天橋立エリアを訪れ、吹田市とは異なる多様なまち歩きを体験することができました。
 11月には吹田まち案内人の方々と交流会を行い、今回の調査で気が付いた点や学んだことについて報告しました。この交流会を行って地域の声の大切さを感じることができました。私たちは若者が注目するようなカフェを作った方がいいのではないのかと提案しました。しかし、実際に人気なカフェができると、人が集まることで起こる騒音など近隣住民の方の迷惑となり、また野鳥が減り、ハト、カラスが多くなることを知りました。開発やまちづくりは外部の意見で行うのではなく、住民だからこそ知っている町の良さや町の変化に耳を傾け、行うべきであると学ぶことができました。
国際観光学部 横井 香穂

参加学生一覧

大江 望友、大谷 純香、小野田 伊吹、小原 明日香、小林 瑞祈、佐藤 いつき、武本 咲、立野 愛、土居 奈菜乃、藤井 亮輔、松井 春香、松川 拓真、森田 竜也、山崎 拓実、荒川 和音、市村 まい、菊崎 陽登、國方 勇成、里田 裕理、白崎 葵、竹内 良輔、寺田 観洋、西井 咲優香、平山 聖翔、宮原 帆乃香、宮本 采芽、横井 香穂、安本 律希、井上 歩夏、宇野 萌花、梶田 深友、小池 亜依、後藤 滉稀、澤井 悠、杉尾 愛実、中田 すず、早野 悦次、福井 亜沙美、福住 未来、藤原 奈々

ゼミ集合写真

連携団体担当者からのコメント

吹田歴史文化まちづくり協会
吹田まち案内人代表 佐藤和彦 様

 今年の塩路ゼミの「吹田まち歩き」は、私が住んでいるニュータウンを学生さん達と共に歩きました。私自身が住み慣れている街を学生さん達はどの様に見て、どの様に感じているのか、交流会でどんな報告が為されるのか大変興味がありました。交流会での報告の中に、「他の街と比べて、ニュータウンは街灯が少ない」との感想があり、私自身今まで全く気付くことが無かった事でしたので、外からの新しい視点を窺い知る事が出来た意義のある交流会だったと思います。
 私が学生の時には、情報収集処理の手段としては、当時まだ数値計算が主な仕事としての電子計算機と呼ばれていた機械でした。社会人になり20年程が経ち個人向けのパソコンが主となり、社会人をリタイヤーする前後頃にスマートフォンが一般的になり情報収集の手段が大きく進化しました。
 私が案内したまち歩きの途中でも学生さんが手にされていましたが、会話や説明等で疑問や知らない事が出てきた時に、直ぐにスマートフォンで調べて解決して行くスピード感は、今ではあまり使われない言葉になりましたが、まさに「自家薬籠中の物」((じかやくろうちゅうのもの) 本来は携帯の薬入れの意味ですが、必要に応じて何時でも使う事が出来る技術、物の意味)と言えると思います。多くの情報を整理して、本当に自分に必要な事を選び出す事は意外と難しいですが、スマートフォンを上手に使いこなせれば是ほど頼もしく、面白い物は無いと思っています。若い人達が、スマートフォンを自由自在に使いこなし、まち案内やまちづくりなどの活動に活かす事が出来るのは本当に羨ましく、大切にしていきたいと思っております。

教員のコメント

国際観光学部
塩路 有子 教授

 2021年度は、吹田歴史文化まちづくり協会と連携して6年目となりました。コロナ禍が続く中、同協会には変わらぬ温かいご協力をいただきましたこと、深く感謝申し上げます。
 今年度は同協会の吹田まち案内人がとくに推薦する2コース「千里ニュータウン」と「旧吹田村」をこれまでと少し違うルートやポイントで歩きました。学生たちは、千里ニュータウンの開所当時のコンセプトやまちづくりについて学ぶと同時に、50年以上経った現在のニュータウンの様子を案内人の解説とともに見て歩き、昔と今のまちづくりについて考えることができました。また、旧吹田村エリアでは、吹田の地層の成り立ちから、平安時代の川と街並み、現代の商店街やアサヒビール工場など、地域の長い歴史を踏まえたまち歩きを行うことができました。各時代に人々が何を経験したのか、地域の持つ歴史の厚みとそれに伴う景観の変化について、学生たちはまちを歩くことで想像することができました。
 また、吹田市の文化的資源を知るという側面から今年度も国立民族学博物館を訪れ、学生たちは世界の諸民族の暮らしや多様な文化に触れ、コロナ禍でも吹田にいながら世界一周を擬似的に経験することができ、視野が広がったようです。さらに、他地域との比較という側面から関西近郊の多様なまちを視察しました。山を登ったり、海を眺めたり、歴史的な街並みや商店街や温泉街を歩いたり、地域の食を味わったり、学生たちは歩くことで地域を知る、「フットパス」の視点からさまざまな発見をしたようです。
 11月に開催した吹田市浜屋敷でのフットパス交流会では、まち案内人をはじめとする吹田市民の方々と意見交換し、それまでの知見を活かして地域へ具体的な提案を行いました。学生たちは、自分たちが、住民とは異なり、地域にとってはよそ者の「外からの目線」で提案をしていることを認識し、地域に寄り添いながら新たな展開による活性化の難しさを実感したようです。
 最後に、新しい試みとして国際観光学部のCaldwell先生の協力を得て今回歩いた地域を英語で紹介するパンフレット原案を作成しました。まずは吹田市在住の外国人に吹田を知ってもらうために、そしてその先の2025年の大阪万博を見据えて、英語による吹田の魅力の世界への発信を目指していく予定です。