2021.3.8

2020年度のフットパスとまちづくり活動

産学連携先:吹田歴史文化まちづくり協会

 2020年度は、未曾有のコロナ禍の中で、キャリアゼミの多くの活動も中止、制限された1年でした。その中で、連携先の吹田歴史文化まちづくり協会には、温かいご協力をいただき、感染者数が落ち着いた状況下で、秋に吹田市内のまち歩き(3コース)を実現することができました。そして、同協会の拠点である浜屋敷において、市民である吹田まち案内人と同協会理事の方々と学生たちが意見交換をする「吹田フットパス交流会」を行うことができました。また、吹田市の魅力発見ということで、千里の大阪万博記念公園を訪れ、国立民族学博物館を見学しました。

学生活動状況報告

 塩路ゼミでは、フットパスを活用したまちづくりを中心に、日々活動に励んできました。今年度は、新型コロナウイルスの影響もあり、県外に出ることが難しく、活動の幅が制限されてしまいました。そのため、私たちは大阪府吹田市での活動を主とし、千里ニュータウン、北千里、商店街の3グループに分かれ、各々2回にわたるまち歩きを行いました。
 まち歩きの1回目は吹田まち案内人の方に案内をしていただきました。2回目はそのコースや説明を踏まえて、私たち自身が興味を持ち、考えたコースを歩きました。後日、これらの活動を報告する場として、吹田歴史文化まちづくり協会の拠点である浜屋敷で、吹田市民の方々とフットパス交流会を実施する機会をいただきました。主な報告内容は、考案したコースの紹介と、他地域に住む学生である私たち「よそ者」が感じた吹田の良さ、改善する余地のある点についてです。実際に住んでいる方の考えやこだわりと、私たちが提案する意見とでは、相反する部分も多々あり、問題解決をする際にどの程度の折り合いをつけるべきか難しさを感じました。しかし、この経験から、社会において相手の立場に立って物事を考える重要性を学べたと思います。

国際観光学部 松井 春香

参加学生一覧

谷口 彰汰、市川 達哉、大林 一貴、沖村 ほのか、米田 数馬、武田 侑大、中島 和香、長峯 由季、日根 美咲、堀内 和真、本城 優喜、宮村 里沙、山本 名桜、横道 聖香、大江 望友、大谷 純香、小野田 伊吹、小原 明日香、小林 瑞祈、佐藤 いつき、武本 咲、立野 愛、土居 奈菜乃、藤井 亮輔、松井 春香、松川 拓真、森田 竜也、荒川 和音、市村 まい、菊崎 陽登、國方 勇成、里田 裕理、白崎 葵、竹内 良輔、寺田 観洋、西井 咲優香、平山 聖翔、宮原 帆乃香、宮本 采芽、横井 香穂

ゼミ集合写真

  • ※写真撮影時のみマスクを外しています。

連携団体担当者からのコメント

吹田歴史文化まちづくり協会
吹田まち案内人代表 佐藤和彦 様

 塩路ゼミの学生さん達との吹田市内まち歩きは、私自身今回で2回目となります。私達「吹田まち案内人」は、戦後の日本の高度経済成長期に青春を過ごした世代で、日本が大きく変わろうとした時期でもあり、古い価値観から新しい価値観へ大きく変化した時代でもありました。今の学生さん達も近年にない大きな変化の波の中で、新しい価値観を求めて模索している世代と言えると思います。
 私達「吹田まち案内人」は、学生さん達と50年以上年が離れている中で、ガイドの中の説明で使用している言葉、歴史、世相の内容が正確に理解出来る様に伝わっているか、言葉を選んで話しかけていますが、若い学生さん達は、パソコンやスマートフォンを上手に利用していて、意外と物知りなのには驚かされています。情報をいち早く取り入れて我が物にする能力は、私達の世代に真似の出来ない素晴らしい事だと思います。
 学生さん達が、私達のガイドを通して若い世代の新しい目で見た事、感じた事を、新しい言葉で伝える事で、社会に多くの問題提起が出来る様になれば、「吹田まち案内人」全員がガイド冥利に尽きるのではないかと思います。

教員のコメント

国際観光学部
塩路 有子 教授

 2020年度は、吹田歴史文化まちづくり協会と連携して5年目を迎え、これまでに吹田市内のまち歩きコースをほぼ全て歩くことができました。そこで、千里ニュータウンの緑地帯をつないで歩くという新しいコースを体験したり、北千里の住区をしっかり歩いてまわることで千里ニュータウンの成り立ちと地域の将来を考えたりなど、学生にとっては、まちづくりの視点から多くの学びがありました。また、旧吹田村にあたる、JR吹田駅から阪急吹田駅のエリアにある商店街(と旧商店街跡)を歩き、商店への聞き取り調査を実施しました。これにより、学生たちは商店街の盛衰を肌で感じる機会となり、「歩くこと」と「食べる」「買う」などの消費活動の関係、街の活性化について考えることができました。
 フットパス交流会では、千里ニュータウンの住民の方々の意見を聞いて、地域を支える商業の重要性と自然環境とのバランス、住民感情などを汲み取り、地域社会における「開発と環境保全」の難しさを学びました。さらに、商店街での聞き取り調査から商店経営の現状を知り、商店街を含めた地域活性化について若者の視点から新しい提案を行いました。
 来年度、上記の活動をメインで行う2年生が訪れた千里万博記念公園では、公園を「歩く」魅力を再確認するとともに、吹田で世界の民族文化を体験できる国立民族学博物館の魅力を知ることができました。
 以上の活動はいずれも学生たちが大学ホームページ(研究室記事)で報告しています。
 最後に、本年度はコロナ禍の中でありながら、吹田歴史文化まちづくり協会に格別の温かいご協力をいただきましたこと、改めましてここに感謝申し上げます。