塩路ゼミ2年生がツーリズムEXPOジャパンを見学

10月24日から27日まで大阪で開催されたツーリズムEXPOジャパンに、国際観光学部 塩路研究室2年生が見学してきました。同国際イベントに見学して感じたこと、考えたことを学生が報告します。

ツーリズムEXPOジャパンで感じた「世界」
2年生 松井 春香

 10月24日から27日にインテックス大阪で、ツーリズムEXPOジャパンが開催されました。4日間にわたる祭典でしたが、24、25日が業界日、26、27日が一般日と大きく2つに対象が分かれていました。私は業界関係者が商談を行っている24日に参加しました。その際に感じたことや実際に体験した事を報告します。
 元々私は、このような祭典が行われていることを知りませんでした。ただゼミの先生に「楽しいし、勉強になる」と言われ、チケットを頂いたので、一応行っておこうという軽い気持ちで参加を決めました。しかし、当日会場に着くと、そんな気持ちは一瞬で消え、気が引き締まりました。なぜなら様々な国の人がいて、英語が飛び交い、いたるところで真剣な商談が行われていたからです。業界日というのは分かっていたものの、社会や大人の世界を突き付けられた様な気分でした。祭典の規模も想像の何倍も大きくただ茫然としてしまいました。
 とはいえ、じっとしている訳にもいかないので、おもむろに足を進め、手招きされた「カジノ」のブースに立ち寄りました。私はカジノの経験はもちろん無く、理解も早い方ではなかったのですが、ブースの方が丁寧に教えて下さいました。そのブースでは、本物のお金を賭ける訳ではないのですが、ディーラーやセットがリアルだったので、緊張感のあるゲームが出来ました。今までカジノについて興味はなかったのですが、日本でも現在IR法案などカジノに対する議論が行われています。自分はカジノをしないから関係ないとすぐに切り離してしまうのではなく、もう少し視野を広く、様々な事柄に関心を持つべきだと感じました。
 次に訪れた「ハワイ」のブースでは、VRを着用してハワイを疑似体験出来ました。VRは、360度ハワイの景色を見渡すことが出来るだけでなく、シーンに合わせて椅子が動いたり、風がかかったり沢山の工夫を感じられました。恐らくハワイはリゾート地で見所も沢山あるので、パンフレットでも十分に魅力は伝わります。しかし、VRを使うことで、パンフレットを手に取るよりも早く興味を持たせ、平面よりも立体でハワイの楽しさを感じさせていました。私自身、一度もハワイに訪れた事は無いのですが、この疑似体験をきっかけにハワイに行ってみたいと感じました。
 食べ物を出しているブースも多く、特に私は「ブラジル」のブースでいただいた食べ物が心に残っています。恐らくフェイジョアーダという料理で、絶対に日本では食べられないような、異国感の強い味がしました。料理を提供してくださった方がいうには、ブラジル100%の伝統的な食べものだそうです。癖はありましたが、肉に染みた濃い味と、一緒に飲んだココナッツジュースの新鮮でまろやかな味が合っていて美味しかったです。
 美容大国、韓国の「江南アルムダウンナラ皮膚科」のブースでは手を綺麗に美白にする体験をさせてもらいました。超音波を出す見たこともないような小型の機械を使い、最後には本当にずっと触っていたいような肌になっていて驚きました。この皮膚科は日本人観光客も沢山来るそうで、テレビでも紹介されていました。そのため、資料やアンケートなどにも日本語が沢山ありました。韓国では買い物中心の旅行になることが多いのですが、美容をテーマにして訪れるのも楽しそうだなと感じました。
 現在、韓国と日本は歴史や政治から友好的な関係であるとは言えません。そのため、日本でブースを出すことも不本意だと感じているのではないかとネガティブに考えていました。しかし、実際はとても暖かく迎えて下さり、勉強した日本語を披露して話してくださいました。歴史や政治が大切なことには変わりありませんが、現在を生きる人と人として、友好的な関係を築けるように接していきたいです。
 今回見たものが、世界の全てとは思いません。国ごとに抱えている問題や改善すべき点もあると考えます。私はその様な点にも目を向けていきたいです。実際に「バルト三国」のブースで「オーバーツーリズム」という話も聞きました。それは端的に言えば、観光地が耐えられない程の過剰な観光客が押し寄せるということです。観光客が多いと聞くと、良いことであると思うかもしれませんが、実際には、居住している人への負担や地域環境への悪影響が図りしれません。対策として、そういった国では、現在田舎に観光客を呼ぶ地方型観光を行っているそうです。これはとても斬新なアイデアだと思いました。都会には都会の良さがあり、田舎には田舎の良さがあります。それを多くの人に知ってもらうことの出来る機会にもなるでしょう。
 他にもいくつかのブースを回りました。商談だけをしているブースには入っていけませんでしたが、真剣に話し合っている様子は、学生の私から見て憧れを抱くものでした。様々な国について知れたのは勿論の事、沢山の人と交流出来たのが、私の中でとても良い経験になったと思います。普段は、なかなか外国の方とコミュニケーションをとれる機会も無いので、またこのような機会があれば是非参加したいです。