塩路ゼミ3年生が吹田市の南吹田駅周辺をまち歩き

国際観光学部 塩路研究室3年生5人が2019年4月20日(土)に、吹田市のJR南吹田駅の周辺を吹田まち案内人のガイドで1回目のまち歩きを実施しました。このまち歩きは、本学のキャリアゼミ活動の一環で、塩路研究室がテーマとしている「フットパスをつかった豊かな地域づくり」で連携先である吹田歴史文化まちづくり協会のご協力を得て実施したものです。学生たちは、今回の(新)南吹田駅コースの他に、正雀・安威川コース、片山・豊津コースの3チームに分かれて、吹田歴史文化まちづくり協会の吹田まち案内人の方々と歩き、次に自分たちだけでそのエリアを探検して歩いて新しい地域の宝を見つけ、学生目線でコースを提案するというものです。ここでは、学生たちが新しい南吹田駅コースをはじめて歩いて学んだことなど感想を報告します。

南吹田駅周辺の魅力を創造
3年生 長峯 由季

 私たちが担当した地域はこの4月から開通したおおさか東線の南吹田駅周辺です。南吹田駅は大阪駅から電車で約20分とアクセスも良好です。駅前には大きなバスロータリーがあり、その横に大きな水車のオブジェが目を惹きます。この水車のオブジェは昔の吹田市は田んぼが豊かであり、それを象徴するオブジェが設置されています。今では住宅やコンビニエンスストア、飲食店に代わった吹田市の町の昔に思を馳せることができます。
 駅から歩いて約5分の場所に、大型のトラックやコンテナトラックが多く通る貨物車専用の道路、ゲートがあり間近で見ることができました。コンテナトラックがどのくらい通過したか可視化できるようにゲートの上にはモニターがあり、台数が表示されていました。
 その後は住宅地を歩き、区画整理されて昔はそこが田んぼだったことをお話で伺いました。現在の住宅地になっている地域が昔は田畑で豊かだったことを思うと少し感傷的になりました。住宅地を抜け歩くこと約10分、中の島公園という公園が現れました。中の島公園は、非常に広く公園の横にグラウンドとテニスコートが隣接しており体を動かすには最適の公園でした。また、公園の隣には神崎川が流れおり心地の良い風が吹いていました。近隣の住民の方々の犬の散歩や少年野球の練習で使っていて憩いの場のように感じました。また公園の入ったすぐの場所に休憩場所と称された木陰にベンチが設置されていたので歩く際の休憩ポイントになると思います。
 再び細い道を歩き休憩所となる吹田歴史文化まちづくりセンター・浜屋敷を訪れました。訪れた日は、こどもの日が近く、小さい子どもたちがボランティアで来ていた学生さんたちと一緒に紙で兜を作っていました。浜屋敷の中は古民家の趣を感じられ、そこで飲み物をいただきました。吹田市の資料などを展示したり、様々なイベントなどを行っているそうです。子どもたちが集まり、保育園・幼稚園以外の新しいコミュニティができ広範囲に友達ができるので子どもの遊ぶ場所としては絶好の場所だと思いました。浜屋敷を出た後、神崎川沿いを歩いていると昔の阪急電車の鉄橋の下の礎が残っていました。明治時代に建てられたというレンガで作られたその橋を見ることができ感銘を受けました。意識していない場所にも思っている以上に古いモノが残っていることがわかりました。その横に新しい鉄橋があり電車が走っていて、哀愁を感じました。今残っている鉄橋の礎はもう少しで撤去されるそうです。
 南吹田駅周辺には公園やコンビニが多く見受けられるので休憩場所の確保がされていました。小さい子ども連れの家族をターゲットとし、ルート・マップを作成することで観光地化を図れるのではないかと考えました。また、子どもの中でも電車やトラックなどが好きな子どもたちに興味を持ってもらい、その中で自然と都会の調和のとれた南吹田の魅力を感じてもらえると思いました。

フットパス~南吹田駅周辺~
3年生 横道 聖香

 私たちは、今回南吹田駅周辺と神崎川を吹田まち案内人の瓢風さんと一緒にまち歩きをしました。この地域は長い間「陸の孤島」状態にあったのですが、平成25年に吹田貨物トラックターミナル駅が完成し、南吹田1丁目と寿町をつなぐ寿町地下道も開通しました。また、平成31年には南吹田1丁目と南吹田3丁目をつなぐ南吹田地下道も開通し、JRおおさか東線の南吹田駅が営業を開始しました。このように道路網が整備されたことで「陸の孤島」状態が解消され今後の発展が期待されています。
 スタート地点の南吹田駅は、新大阪から一駅とアクセスが良く、駅舎も綺麗でした。しかし、駅前に自転車置き場や店が少ないという印象を受けました。駅前広場にはドンゴロス風車がありました。ドンゴロスとは主にコーヒー豆などの運搬に使われる麻製の袋のことです。
 次に、区画整理地帯を通りながら吹田歴史文化まちづくりセンターである浜屋敷に向かいました。区画整理地帯は線を引かれたように真っ直ぐで、かつて田んぼであったことがわかりやすく、また保育園や小学校は他の地域より広いと感じました。道中、蓮華草畑を見つけました。紅紫色の小さな花が一面に咲いていて綺麗でした。数本だったら地元でも見かけますが、蓮華草畑を見ることはなかったので、久し振りに見ることができて嬉しかったです。浜屋敷横にあるパン屋「bottira」でパンを買い、浜屋敷で小休憩を取りました。子ども達が外ではシャボン玉、室内では折り紙で遊んでいました。浜屋敷では、このようなイベントを定期的に開催されていると聞き、住みやすそうな町だと思いました。
 最後に神崎川沿いを歩きました。川沿いには、北越紀州製紙工場、ダスキン大阪中央工場やオリエンタル酵母工場などの大きな会社が並んでいました。川沿いには時折、チューリップなどの花が見られました。春には美しい桜を見ることができるそうです。
 今回のまち歩きで、吹田市は公園がたくさんあり、緑豊かな自然を感じられる場所が多いことを知りました。しかし、歩いた後、カフェのような休憩できる場所が少ないと感じました。今後は、カフェなどの休憩場所と新たな地域資源の発見を目標に探索したいと思います。吹田まち案内人の瓢風さんによる南吹田周辺と神崎川の歴史の説明はわかりやすく、楽しさや学びも多くありました。普段、私が素通りしている道や住宅にも歴史があるのだなと感じ、興味を持ちました。フットパスは対象の地域だけでなく、地元についても考える良い機会を与えてくれると感じました。

南吹田の魅力を発見
3年生 米田 数馬

 私達は、4月20日、南吹田駅に集合して、吹田町案内人の瓢風さんに南吹田周辺地域を案内してもらいました。南吹田駅は、2019年3月16日に出来た新設のJRの駅です。駅が出来たことにより新大阪に行くときや奈良から大阪に通うのは、交通のアクセスが便利な駅です。今回の活動は、1回目と2回目と活動が分かれており、1回目に瓢風さんに案内してもらい、2回目に瓢風さんのルートを参考に私達が、新たに良いと考えるルートを作成するという活動内容です。今回は、1回目のルートについて紹介していきます。
 私達が今回、歩いたコースは、南吹田駅から浜屋敷までのルートと、浜屋敷から神崎川を通り、南吹田駅に戻るという2つのルートを散策しました。まず、ルートを散策する前に瓢風さんに、南吹田駅は、昔はどのような所だったのか。という話を聞きました。南吹田駅の周辺は、昭和39年頃までは、大部分が田園地帯で、田んぼの中を村と村に通じる小径と、農耕用のあぜ道と水路が通っている田園地域が見られたそうです。しかし、昭和39年から吹田市では、南吹田地域の土地区画整理事業に着手し、昭和45年に新御堂筋が完成しました。さらに、大阪地下鉄、北大阪急行が開通しました。そして、大阪万博が開催されるなど、今の地下鉄江坂駅がある、第2地域では、ビジネス街として急速に発展しました。
 この結果により、土地区画整備事業では、南吹田駅のある第1地区が「陸の孤島」状態になりました。この状態を解決するため、平成25年に、寿町地下道、吹田貨物ターミナル駅が完成したことにより、新大吹橋の通行量が増え、平成31年には、南吹田地下道が開通して、JRおおさか東線・南吹田駅が営業を開始しました。この主要幹線道路が通じたことで、「陸の孤島」状態が解消されました。
 私達は、瓢風さんの話を聞き終えて、「吹田市長のつもりで、都市計画のマスタープランを考えてください」という課題をもらいました。私は、2回目の活動に生かすため、まず、南吹田の魅力を見つけようと考えながら歩き始めました。
 まず、南吹田駅から浜屋敷までのルートについて、瓢風さんに歩くコースに数か所の名所を教えて頂いたので紹介していきます。初めに、南吹田駅の名所として作られたドンゴロス風車について、ドンゴロス風車は、羽根に麻布を張った風車で風を受けて揚水ポンプを動かし、水路から田へ水をくみ上げ、田園の営みを支える役割を果たしたそうです。次に、吹田貨物ターミナル駅です。この道は、日本で最も長いドラック輸送であり、貸車を8000両処理するそうです。最後に、南吹田三丁目水路です。ここは、電車の行き来が多く、電車好きな人にはお勧めであると感じました。これらのコースを紹介してもらい、浜屋敷まで歩きました。
 浜屋敷に着くと、浜屋敷の施設を紹介してもらい、次のルートを歩くまで休憩しました。浜屋敷で飲み物をご馳走してもらいました。私は、冷たい柚茶を飲みました。柚茶には、甘味が程よく美味しく頂きました。休憩を終えて、次の浜屋敷から神崎川を通り、南吹田駅に戻るルートを歩き始めました。
 浜屋敷から神崎川を通り、南吹田駅に戻るルートについて、浜屋敷から少し歩くと神崎川が見えました。神崎川を見た印象は、都会の河川敷と感じました。この川は、川の掲示板によると、古来は三国川と呼ばれていたが、奈良時代末期に淀川と直結し、京都を繋ぐ水路として発展したそうです。神崎川を歩いていて良いと思った場所は、歩いていると所々にチューリップの花やその他にも色々な花の花壇が植えていた所を見かけました。このような活動をしているのは、歩いている人が、花を見て季節に趣を感じて、楽しめるようにしているのかなと感じました。
 今回、南吹田駅を初めて訪れて、南吹田地域の魅力を知ることができました。町案内人の瓢風さんに、案内してもらうことにより、単に見ただけでは、ただの道路でも、話を聞くと地域の歴史や道が作られた時代背景を感じながら、楽しく歩くことが出来ました。しかし、今回のフットパス活動として、改善したほうが良い点は、休憩場所が浜屋敷以外になかったことです。今回紹介した2つのルートは、歩くコース自体は面白いですが、南吹田地域は、住宅地が多く、中々休憩場所を見つけることができませんでした。この問題を2回目の活動でどうするか。瓢風さんのルートを参考に新しい散策ルートを考えていきたいと思います。

南吹田の魅力ある街歩き
3年生 市川 達哉

 5月11日に2回目となる南吹田駅周辺でのフットパスを行いました。南吹田駅周辺はまだ発展途上の地域といわれていますが、豊かな自然や歴史的建造物、繁華街など幅広い地域資源に囲まれていることがわかり、一つ一つの場所に魅力があると感じました。そこで我々は1回目のフットパスをもとに様々な所を巡り、新しい散歩ルートを発見しました。
 まず、南吹田駅からスタートしました。南吹田駅の周りには見通しの良いルートがいくつもあり、駅周辺はあたり一面色とりどりのきれいな花や植木が飾られていました。またその広場には南吹田のモニュメントとしてドンロゴス風車が設置されています。この風車は南吹田のシンボルともいえます。
 次に、駅から浜屋敷に向かって歩いていきました。その道中にいくつかの良いと思ったポイントと改善できるポイントを発見することができました。まず南吹田周辺は運送業者の大型トラックなどの交通が多いため、道がきれいに整備されており、周りの景色が見渡しやすく歩きやすいルートになっていました。道の所々に自動販売機などが設備されており、途中歩きながら水分を補給できたのが良かった点です。改善したい点については休むところの設備が設けられているところが少なく、あまり使われていない公園や建物がたくさんありました。そこに休憩エリアの設備を整えていくことでまち歩きや街の活性化への改善にも繋がっていくと感じました。
 浜屋敷から折り返して、吹田駅を通って戻って行きました。その道すがら先ほどよりも休憩できる場所がいくつか設けられ、商店街やおしゃれなカフェなどがたくさんあり、若者や高齢者まで住みやすい街並みにもなっていると感じました。初めて来た人にもわかりやすいガイドマップがあり、吹田の歴史も紹介されています。私自身もそのマップで吹田の魅力や歴史を詳しく知ることができました。南吹田駅周辺は街並みが活気に溢れておりそこから吹田の良さが伝わると思います。こうして自分たちは『吹田まち歩き』フットパスを通して新たな発見やそこに行かないと感じることのできないものを得ることができました。また季節に応じてイベントをしていることも素晴らしいと感じました。最後に南吹田は自然を大切にしながら、地域に住む人々の協力があるのだと思いました。