2018年夏に塩路研究室3年生4人が、タイに調査旅行にでかけました。
 今回は、各自が関心を持ったテーマについて現地で見聞きし、考察した内容を報告します。

タイと日本の食事文化を比較して
3年生 歌川 ひいな

 私は、ゼミのメンバーで行った海外調査でタイを訪れました。タイの街を歩いていると、独特な香りがしました。それはすべて同じ香りで、バンコクのマーケットやモール、小道など、場所によって香りの濃さが違います。この香りは、パクチーによるものです。タイでは、至る所に屋台があり、屋台のあるところではパクチーの香りが濃く、レストランなどがある街では薄く香りがしました。
 タイでは、料理のほとんどにパクチーが使用されていると聞いていました。そのため、現地で、パクチーが入っていそうなタイ料理と、パクチーが入っていなさそうな料理を食べてみました。まず、タイ料理であるカオマンガイを食べました。カオマンガイとは、白米に鶏肉がのっている料理で、白米に細かく刻んだパクチーが入っており、鶏肉の上にはパクチーが添えられていました。次に、パクチーが入っていなさそうなパスタをタイのレストランで食べてみました。クリームパスタとトマトパスタを注文しましたが、どちらにもパクチーを細かく刻んだものが入っていました。日本でも、中華料理やフランス料理は日本人が食べやすいものにアレンジしているものが多いです。タイでもこのようなことをしているのだと実感しました。このタイ調査には4人で行きましたが、4人ともパクチーの香りは好ましくないと感じましたが、タイで暮らす人々にとっては、これが親しみやすい香りで、生活の一部であるとわかりました。日本人の中にはパクチーの香りを好む人もいますが、カメムシのような匂いと感じる人も多く、私たちは後者でした。日本では、タイのパクチーの香りのように特定の香りが漂っていることは少ないと感じますが、自国であるから香りに気づきにくいのかもしれません。タイを訪れ、日本ならではの香りはないのか探してみようと思いました。

 屋台が並んである通りを歩いていると、現地の人々が和気あいあいと食事をしていました。屋台の傍にはイスとテーブルがあります。現地の人に屋台をよく利用するのか尋ねてみると、よく利用するという人がほとんどでした。私たちがレストランやカフェで食事をするように、タイの人々は屋台で晩御飯を済まします。屋台は道路の傍にあることが多く、歩道を人々が歩いているのを眺めながら食事をするので、とてもオープンだと感じました。日本では室内での食事が主流だと思います。祭りでたこ焼きを食べることや、神戸の南京町で食べ歩きをするなど、日本にも屋台は存在します。しかし、その屋台で長時間留まり食事をする習慣は今の日本ではあまり見られません。タイと日本では、屋台の意味が違うと感じました。日本での屋台は非日常的なもので、タイでの屋台は日常的なものだとわかりました。

タイの都市とローカル
3年生 遠藤 菜緒

 夏休みの終盤、9月21日から26日まで私たちはタイのバンコクを訪れました。初めて訪れるタイの様子を観光やフットパスを行うなどして感じてきました。
 私たちはタイの都市部バンコクを訪れました。バンコクはタイの首都であり、多くの著名な寺院や国会議事堂、各省庁、国王が住む宮殿、国立大学が集まるタイの中心で有名な観光地でもあります。バンコクの都市部の華やかな様子がよく伝わってきました。外装も中も豪華なショッピングモールが所狭しと集まって並び、煌びやかな観光客向けのトゥクトゥクが走り、街全体がライトアップされているような様子は華やかで、タイの発展の様子が感じ取れるものでした。私がタイで乗りたかったトゥクトゥクは運転手さんが日本語を使って話しかけてくれ、観光客慣れしており、観光客を主体として商売している様子が伝わりました。しかし、また別の場所でトゥクトゥクを利用した時はぼったくりに合ったので、しっかりと自分の行き先を伝え、値切りをするのと、どのトゥクトゥクを選ぶか見極めることも必要であると感じました。
 こういった華やかな観光地を楽しむと同時に中心部から少し離れたローカルな部分も味わうことができました。私たちのホテルは都市部にアクセスも良い住宅街のような所にありました。そこでフットパスはその最寄り駅をスタート地点にし、チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケットというタイ最大のマーケットをゴール地点としました。歩いてみた感想としては、足場が悪く、信号なども無く、安全に歩くことはなかなか難しかったです。しかし、歩いている途中の周りの様子は観ていてとても面白いものでした。沢山の屋台が道に並び、可愛らしいカフェが多く、休憩がてら美味しいケーキを頂くことができました。また、タイのお茶であるタイティーを持ち帰ることができました。蒸し暑い中、冷たいタイティーを飲みながら歩くのも、その地でしか味わえない魅力になるのではと感じました。タイの街には美容院や屋台が多く、タイの一般的な乗り物であるバイクタクシーやトゥクトゥクが走り、暮らしの様子も感じることができ、見るものが多く、とてもおもしろかったです。ゴール地点であるチャトゥチャック・ウィークエンド・マーケットでは、日本ではなかなか目にできない規模のマーケットが広がっており、何度訪れても楽しい場所であると感じました。
 私は初めてタイを訪れましたが、私が思っていた以上にタイは都市中心部が華やかで発展していました。しかしながら、少し離れるとローカルな部分、タイの人々の暮らしの様子を感じることができました。今回はバンコクしか歩くことができませんでしたが、機会があれば更に地方都市も訪れたいと思います。タイは約5日間では回りきることができない魅力が沢山詰まった国でした。

若者に人気の観光地タイ
3年生 橋本 優希

 9月21日から26日まで私たち4人はタイに行ってきました。タイに行って、フットパスをし、観光地を巡りました。私の個人研究のテーマは「タイの観光地」です。タイにはいくつも観光地がありますが、どの旅行ガイドブックでも必ずと言ってよいほど取り上げられるのが、「サイアム」「マーケット」「カオサン通り」「王宮周辺」の4つでした。そこで、現地の方10人にこの4つの観光地の中で最も有名な観光地はどこですか、と聞いたところ全員4つ目の「王宮周辺」と答えてくれました。
 王宮周辺とは、ワット・ポーをはじめとする、ワット・アルン、ワット・プラ・ケオなどといった寺院が周辺にあり観光客は皆ここに集まります。私たちも実際にワット・アルンに行って来ました。このアルンとは「暁」という意味で暁の寺とも呼ばれています。この寺院はアユタヤ時代に建立され、当時はワット・マコークという小さな寺院でしたが、1779年、トンブリ王朝のタクシン王がエメラルド仏からワット・アルンと名付け、第一級王室寺院としました。トンブリ王朝からチヤクリー王朝となってからは、ワット・プラ・ケオが第一級王室寺院となり、エメラルド仏も移動されました。大仏塔の右側にある本堂はラーマ2世の建立で、台座には王の遺骨が納められているそうです。
 実際に行って、王宮同士が近い距離に位置しているので歩いて観光がしやすいと感じました。また、王宮はとてもきれいで若者が好みそうなインスタ映えスポットもたくさんあったのが老若男女問わず人気がある理由の一つだと考えました。世界各国の外国人観光客が王宮周辺には集まっていたことで、世界的に有名なことがわかりました。
 若者のバンコク観光地ランキングをRETRIPホームページで調べたところ、5位がアジアティーク・ザ・リバーフロント、4位がシロッコ、3位がワット・アルン、2位がカオサン通り、1位がワット・ポーという結果でした。トップ5の中に2つも寺院が入っていることから王宮の人気度がうかがえます。また、ほかの3つの観光地は、最近オープンしたナイトスポットや世界一高い所にあるレストラン&バー、バックパッカーの聖地など、どこも若者の活気があるところでした。日本における現代風の観光地もインスタ映えがとても注目されていますが、バンコクなど世界各国でも共通しているのだと感じました。

バンコクの二次交通
3年生 永野 実優

 今回行った海外調査で、私はタイ・バンコクを訪れました。バンコクはタイの首都であり、観光スポットも多く点在しながら、活気に満ちたローカルの人々の暮らしも垣間見える都市でもあります。私は今回、観光に欠かせない二次交通に重点を置いて調査を行いました。 
 バンコクでは、タクシーやバス、電車などの一般的な乗り物のほか、トゥクトゥクやソンテウといったタイならではの乗り物など多種多様な交通手段が利用されています。また、運河が発達している地域では水上交通も活躍しています。実際に、私たちは現地でタクシー、バス、地下鉄、スカイトレイン(BTS)、トゥクトゥクを利用しました。
 タイは交通量が非常に多く、時間帯によっては渋滞することもしばしばあります。そのため、タクシーやバスは渋滞の影響を受けやすいです。現地でバスを利用した際は、停留所で一時間程待つことになり、目的地に着く前にかなり疲れました。
 今回の旅行で最も多かったのが、地下鉄やBTSといった電車での移動です。電車は渋滞に左右されることがなく、比較的料金も安いため、よく利用しました。バンコクはMRT(地下鉄)とBTSの二種類に路線が分かれています。日本の電車と、切符の買い方や駅の降り方など似ていたため、日本人でも利用しやすいと感じました。BTSは売店や両替できる場所があるなど、駅自体が充実している印象でした。困ったことといえば、改札の閉まるスピードが速くて何回か挟まったことです。
 特に印象的だった乗り物が、トゥクトゥクです。トゥクトゥクとは、三輪自動車になっていて目的地まで走る、タクシーのような乗り物です。荷台部分が客席になっているのでそこに乗ります。屋根はありますが、窓やドアがなく、もちろんエアコンもありません。トゥクトゥクは観光客向けの乗り物で、わざとパフォーマンスのように荒々しく運転する運転手がいたり、値段がタクシーより高めに設定されていたりと、日本でいう京都の人力車のように、移動手段というより観光対象や一つのアクティビティーとして捉えられているようです。
 バンコク内でいくつかの二次交通を利用してみて、改めて日本の乗り物の機能性やサービスの質の良さを実感しました。また、乗り物は便利な反面、危険を伴う場合もあります。タクシーやトゥクトゥクは特にぼったくりの被害に遭いやすいです。ただ移動することだけを考えるのでは無く、利用するタイミングや、被害に遭わないための対策など考えて利用する必要があると思いました。

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