塩路ゼミ1年生が、2017年11月12日(日)と11月23日(木)に明日香村でフィールドワーク

 2017年11月12日(日)と11月23日(木)に、国際観光学部 塩路研究室の大学入門ゼミ1年生14人が奈良県明日香村でフィールドワークを行いました。11月12日は、飛鳥古代村収穫祭のイベント当日のお手伝いをし、23日は明日香村の国営飛鳥歴史公園に今年オープンしたキトラ古墳壁画体験館「四神の館」を見学した後、収穫祭の行われた古代村で古代住居づくりを体験しました。本学名誉教授の吉兼秀夫先生と「キトラとらい塾」のみなさん、お世話になり、ありがとうございました。今回は、2度の明日香村でのフィールドワーク体験を通して学生たちの感じたことを報告します。

明日香村収穫祭
1年生 岩田 栞奈

 今回のフィールドワークでは、明日香村で開催された飛鳥古代村収穫祭と、収穫祭の舞台であるキトラ古墳近くの茅葺き屋根づくりに参加しました。まず、収穫祭に携わるにあたって、校内でアンケートの準備と塩化ビニールのパイプを軸として用いた、展示用のかかしを作りました。そして、収穫祭当日、実際に明日香村へ足を運び、運営する方たちと一緒に活動させて頂きました。
 現地では、最初に昼食の飛鳥鍋とおはぎを作りました。飛鳥鍋とは、飛鳥時代、仏教伝来前に食べられていた奈良県の郷土料理です。野菜や鶏肉など具がたくさん入った味噌汁に、牛乳が加えられるため、牛乳の風味が効いている特徴があります。おはぎづくりで印象に残っていることは、もち米と一緒に里芋を入れて炊くことです。そうすることによってよりモチモチ感が増し美味しくなる事を教えて頂きました。
 次に、来場者が参加して楽しめるように、いくつかの体験コーナーを設置しました。まずは、竹を割り、ひもを張って作った弓矢の体験を、金魚すくいのポイを的にして行いました。そして、明治時代に発明され普及した、人が踏板を踏むと自動で胴が回転し脱粒出来る足踏式脱穀機の体験が出来ました。この機械が発明された当初は金属がとても貴重だったため、これが利用できる家庭は限られていたという事です。また、近所に住む方によってさまざまな国の古代楽器が演奏され、演奏後には、観客がこれらの楽器を弾いて体験ができる場が設けられました。中には水晶を粉砕した粉を押し固めて作ったクリスタルボウルという普段目にしない非常に珍しい楽器もあり、来場者が非常に興味を持っていたのが印象的でした。そして、建設途中の古代住居の土壁塗りも体験できました。土は一度塗っても、次に横に塗る際に崩れ落ちてしまったり、ひびが入ってしまうため、想像以上に容易ではありませんでした。

 会場では、来場者に収穫祭に関したアンケート調査を行いました。来場者の多くは主に明日香村にお住いの方でしたが、大阪など他の都道府県から来た方も少なくありませんでした。また、アンケートにより、来場者は通りがかりでたまたま足を止めて下さった方もいて、この祭りが開催される情報があまり知れ渡っていないことに気づきました。この情報を得た事によって、次回以降、駅の掲示板にポスターを貼ったり、回覧板にフライヤーを挟む、村のホームページなどに祭り開催の詳細を掲載するなど、広報の改善方法を見つけることが出来ました。
 翌週行われた茅葺き屋根づくり体験では、束にした藁をそろえてひもで繋げ、割った竹を列にして括り付けたものをいくつも作り、最終的に屋根に止めていく作業でした。文字にするととても簡単ですぐに終わってしまうのですが、一軒分の屋根を作るには大量の藁を使用し、それを手でつかめるくらいの量ずつ束にするため、多くの人の協力があっても4,5時間ほどかかりました。この体験をして、古代に生きた人がこの方法で家を建築していたことを考えると、土壁塗りにしても、大変労働力を必要とし、今より道具も少ない事を考えると、より長い時間が建築にかかったのではないかと思います。
 今回のフィールドワークを通して、古代の生活の不便さと面白さ、また、イベント運営の進行方法と難しさを学びました。

明日香村 飛鳥古代村収穫祭 フィールドワークを終えて
1年生 山本 名桜

 私たちは、明日香村で開催される飛鳥古代村収穫祭に参加するにあたって事前に下調べをしたり、吉兼先生のお話から毎年どのような内容でこのイベントが開催されているのかを把握したりすることから、この活動は始まりました。その後、案山子作りをしました。木材を使った案山子を想像していましたが、塩化ビニール管を使い、雨にも負けないような工夫が見られました。切った塩化ビニール管を組み合わせて関節が動くようにすることでいろいろなポーズをとれるようにしました。さらに、塩化ビニール管だけだと細すぎるため気泡緩衝材を巻き付けることで肉付けし、人間のようなリアルさを演出しました。明日香村に伝承されている古代衣装を着せると自分が想像していたよりも立派な案山子が完成して、関節を曲げてポーズを変えるととても滑稽でした。完成した案山子は11月12日の飛鳥古代村収穫祭で展示されました。特に外国人観光客の注目を集めていたようで、写真を撮って帰る様子がうかがえました。
 11月12日の活動を終え、飛鳥古代村収穫祭の課題点がいくつか見えました。飛鳥駅から明日香村までバスで行きましたが、バス停からイベント開催地までの道のりが分かりにくいことや、集客活動が少ないことが原因でイベント参加者が少ないことが課題であると考えました。それを一度に解決する方法としてイベント当日に飛鳥駅周辺でイベント内容とイベント開催地までの交通アクセスを記載したチラシを配布するとよいと思います。また、バス停からイベント開催地までの道のりをより確実に分かりやすくするために、案内スタッフをバス到着時間ごとにバス停に配置するとよいと考えます。飛鳥鍋や古代楽器など、アピールポイントが多いにも関わらず、イベント参加者が少ないという課題は解決する必要があると考えました。
 11月23日の明日香村での活動内容は、古代住居作りで、私たちは主に屋根づくりをしました。藁の束を紐でくくり、いくつも繋げて、それを竹の棒に縛り付けます。それをたくさん作り、屋根の土台に設置していき、屋根が完成します。地元の中学生の団体と協力して作業しましたが、膨大な量の藁を束にしていくつも繋げる作業はとても時間がかかりました。この作業を通し、明日香村にかつて住んでいた古代人たちの住居を手に入れるための苦労を体験することができ、知恵を凝らして立派な住居を生み出した古代人たちの工夫にとても感銘を受けました。
 これらの活動を通し、明日香村の魅力に気づくことができました。多くの遺跡が残されており、自然が多く、のどかな村の様子はとても魅力的でした。これらの魅力がより多くの人の目に触れ、伝えられることで明日香村はもっと活性化すると感じました。私は、飛鳥古代村収穫祭は多くの人々に明日香村の魅力を伝えるのに最適なイベントであるため、このイベントをもっと賑やかにすることが明日香村の活性化に繋がると考えます。

フィールドワークを終えて
1年生 鹿野 晴幹

 今回、私たちは奈良県明日香村にフィールドワークに行きました。現地に着くとまず、国営飛鳥歴史公園内にあるキトラ古墳壁画体験館四神の館に行き、キトラ古墳やキトラ古墳壁画について学びました。キトラ古墳壁画とは、石室内部に塗った漆喰の上に繊細な筆づかいで描かれたものです。東アジアでも最古の現存例と言われる本格的な天文図や、方角を司る四神の全て、動物の頭と人間の体を持った十二支などが確認されている、学術上、価値の高い文化財です。四神とは青龍、白虎、朱雀、玄武のことであり、天の四方を司る神獣で、四周の壁面に対応する方位に合わせて描かれています。日本で四神が揃う古墳壁画は、キトラ古墳壁画のみだそうです。また、四神に下には、獣頭人身の十二支が描かれています。現在確認できるのは、子、丑、寅、午、戌、亥の6体です。
 今回のフィールドワークでは下準備として案山子づくりなど普段体験することのない貴重な体験をたくさん行いました。特に印象深く残っているのは、明日香村現地のキトラ古墳で行った藁を紐で束ねる作業です。紐を強く縛るなど想像していたより力を使うところもあり、午前から夕方近くまでの作業だったので体力的に疲れました。作業が終わり、藁を屋根に取り付けて全ての作業が終わった時はとても達成感がありました。
 しかし、自分たちの行った作業が祭りの一部だと考えると、祭りというイメージはあまり沸きませんでした。また、参加している人も私たちと現地の小・中学生だけで一般の人はいませんでした。もっと一般の人が参加したくなるような内容にして、アピールするべきだと私は思いました。そうすれば、県外の人にも明日香村についてもっと知ってもらうことができ、興味を持つ人が増えるのではないかと思います。
 昼食には明日香米を使用した明日香弁当をいただきました。初めて明日香米を食べたがとてもおいしかったです。帰りは吉兼先生の案内で明日香村の一部を紹介してもらいました。非常に保存状態が良い岩屋山古墳など、普段では見ることのないものを数多く見ることができました。そして、大阪とはまた違った田舎の雰囲気も存分に味わうことができました。そのため、奈良県も明日香村を観光地としてもっとアピールして多くの観光客に来てもらえるようにすれば良いのではないかと感じました。

おいでよ!明日香村
1年生 大森 唯衣

 私たちは、明日香村にフィールドワークに行く前に、村の歴史や遺跡についての調べ学習や案山子づくりを行いました。案山子づくりは、2回の授業内で男女別に作業をしました。藁で作ると思いきや気泡緩衝材と布を使って、より人間らしく作ることができました。
 11月12日は飛鳥古代収穫祭に参加しました。収穫祭は、飛鳥鍋・おはぎの配布、弓矢、土壁塗り、脱穀体験、しめ縄づくり、古代楽器の演奏などがありました。ここでは、今回、参加した収穫祭の問題点や改善点について主に述べたいと思います。
 私は「弓矢」遊びに参加し、竹から弓を作る作業をしました。弓を初めて作ったので弓の弦の調節が難しく出来上がった弓で矢を打っても飛びませんでした。活動をして感じたことは弓矢をするスペースが確保されておらず、道を挟んで的があったので自転車や通行人が来ると危険だったことと芝生の上に竹の弓と矢を置くと同じ色なので見失ってしまうことです。そこで弓矢のスペースを確保し、弓と矢を置く台や画用紙などに「弓矢」と書き目立つように目印を作るなど準備を行うとわかりやすいと思いました。矢の数を増やし、矢を拾う担当の人をつけるとより活動しやすいと思います。そして、遊んでいた子供がこの弓矢を作って持って帰ることはできないのかと聞いてきたので、指導者を付け、竹を使った工作ブースを作るのはどうでしょうか。
 次に土壁塗りを体験し感じたことは、体験はとても面白く珍しいので、発見した子供たちは熱中していましたが、収穫祭の中での土壁塗りの場所がわかりにくく、素材は良いのに十分生かされていないのが残念だと感じました。改善策として、しめ縄づくりの近く(真横)で活動すると目に留まると思うので、場所の移動を提案します。
 古代楽器の演奏は音が小さくて聞こえにくかったので、聞く側の環境を整えるために学生が率先し、聴衆への注意喚起を心掛けるべきだと思いまた。
 アンケート調査を行って、私が最も残念に感じたのは収穫祭のイベントそのものの存在自体が地域の住民にすら知られていなかったことです。登山や紅葉を目的に飛鳥に来る人は実際にいるのだから、もっとホームページやSNSを有効に活用し、集客を工夫することでこのイベントが活性化されると考えました。また、飛鳥駅から会場までの行き方がわかりにくいという意見があったので、駅に行くまでの看板を設置したり、道に矢印を立て誘導するとよりわかりやすいのではないでしょうか。
 これからも私たちのような学生の若い力が加わり、明日香村の収穫祭がより良いイベントに成長することを願っています。

明日香村フィールドワーク
1年生 畑谷 玲奈

 11月に2回にわたり明日香村で行ったフィールドワークは初めて体験することばかりで、充実した時間を過ごすことができました。
 12日に行われた飛鳥古代村収穫祭では、アンケート調査、脱穀、おはぎ・飛鳥汁作り、古代楽器の鑑賞、しめ縄づくりを体験しました。参加者へのアンケート調査では、意外にも自分自身が楽しんで行っていることに気づきました。どんな人が参加しているのかという点が項目の中でも多くの人に共通した結果が出ました。結果は、まず収穫祭を目的に訪れた人はいず、散歩コースで立ち寄った人がほとんどでした。たまたま通りかかった所でイベントを行っていることを知り、参加した人たちでした。このことから、事前に知らせる情報・範囲が少なく、狭いということが分かったので、以降改善するポイントとして生かせるはずです。
 収穫祭のイベントで初めて体験した脱穀は、想像以上に力が必要で驚きました。片足で踏ん張り、もう片足で脱穀するための板を踏み続けると、体がもっていかれそうになりなかなか難しかったです。おはぎ作りではお米の中に里芋を一緒に入れ、それを潰すとかなりもちもちになることを教えてもらいました。それを使いあんこときな粉味を作りました。とてもおいしく、収穫祭に来てくれた人も「おはぎがおいしかった」と言ってくれたので、嬉しかったです。最後は古代楽器の演奏を聴きながら、しめ縄を作りました。たくさん古代楽器を演奏してくださった中でも、私は水晶で出来たお椀の縁を棒でなぞって出す音に惹かれました。その音は聞き終わるとすっきりした気持ちになり、体の中から癒されました。

 23日のフィールドワークは、本格的に古代住居の屋根造りをしました。実際とても重労働で大変な時間でしたが、最後には出来て良かったなと思える印象深い体験になりました。作り方は、まずはある一定の太さになるまで藁を集め、それを縄でいくつも縛り平行に並べます。藁の長さや縄の締め具合によって出来が全然違ったのでそれをどう綺麗にするのかが難しかったです。それを四分の一にした竹に紐で括り付けていきます。あった藁全てを完成させるのには長時間かかりましたが、出来たときは、この上ない達成感を味わうことができました。
 このように多くの古代文化を体験すると、現代の発達した技術の有難さが身に沁みました。今のような化学技術が無い中、画期的な道具を作り出した古代の人たちの発明力・技術を敬いたいです。精米機も、古くからの情報があったからこそ改良に改良を重ねて現代のものが作れたのでしょう。古代住居は、暑さや寒さの中で、どうやって体を守るか考え抜いたものだったのでしょう。明日香村には現代の私たちの生活の源となるもので満ち溢れていました。フィールドワークはそれを体験する良い機会で勉強になりました。

明日香村での体験
1年生 宮村 里沙

 今回、2度に渡り明日香村にフィールドワークに行ってきました。まず、フィールドワークに行く前に、案山子作りと、アンケートの作成をしました。案山子作りでは、木が一本で立っているような案山子ではなく、足の関節が曲がり、目、鼻、口も付いている案山子を作るということだったので、とても驚きました。アンケートの作成では、質問の項目が多すぎと時間がかかったりするので、質問内容を考え、質問項目を選定するのが難しかったです。
 1度目のフィールドワークでは、明日香村で行われている収穫祭の手伝いに行きました。この祭りは、古代楽器の演奏、しめ縄作り、飛鳥鍋、おはぎが食べられ、他にも色々な体験が出来る祭りでした。この祭りで、フィールドワークの前に作っていた案山子の展示も行っていました。また、地元の方に柿を頂きました。無農薬なので、その場で皮ごと食べる事ができ、とても甘くて美味しかったです。
 私が祭りで手伝わせて頂いたのは、おはぎ作りです。もち米を炊くときに里芋と一緒に炊く事など、地元の方に色々教えて頂きながら、おはぎを作る事ができました。また、私自身も古代楽器の演奏やしめ縄作りを体験させて頂きました。古代楽器の演奏では、見たことのないような楽器をたくさん演奏して頂いたり、実際に楽器を触らせて頂きました。音を鳴らすのにコツがいる楽器もあり、楽しかったです。また、しめ縄作りでは、藁を使って作りました。沢山手伝ってもらいましたが、上手く作る事ができたので、お正月に玄関に飾りたいと思っています。そして、最も緊張したのが、アンケート調査です。参加者に最初の一言目の声をかけるのに、とても勇気が必要でした。しかし、協力してくださった皆さんが、とても優しく親切で、沢山の方に質問に答えてもらうことが出来ました。
 2度目のフィールドワークでは、キトラ古墳壁画体験館「四神の館」を見学し、古代住居の屋根作りを体験しました。キトラ古墳壁画体験館では、キトラ古墳についての資料やスクリーンの映像は、とても迫力があり、地域の歴史の勉強にもなりました。古代住居の屋根作りでは、藁を親指と人差し指で輪を作る位の大きさに束ねて紐で縛り、それを竹の棒にくくりつけます。藁を束ねている時は、完成する姿が想像出来なかったのですが、屋根が段々綺麗になっていくのが、見たことのない光景で驚きました。
 今回のフィールドワークで、私は初めての経験を沢山する事ができました。アンケートを取るのも、一度挑戦すると自信がつく事が分かりました。また、収穫祭での飛鳥鍋も初めての味で、新しく色々な事を知る事ができました。また、フィールドワークで様々な土地に行って、沢山の経験を積みたいです。

塩路ゼミ(1年生)の活動報告