2017.12.8

国立民族学博物館(みんぱく)見学 (part1)

塩路ゼミ2年生がみんぱくを見学(part1: アメリカ、オセアニア、東南アジア)

 2017年10月27日(金)に、国際観光学部 塩路研究室2年生16人が、大阪府吹田市の千里万博記念公園内にある国立民族学博物館(通称みんぱく)を見学しました。事前に、学生たちの関心のある世界の地域によってグループをつくり、世界6エリア(アメリカ、オセアニア、東南アジア、南アジア、アフリカ、ヨーロッパ)に分かれて、そのエリア展示について調査しました。そのうえで、みんぱくを実際に訪れました。今回は、学生たちのみんぱくでの発見や学びについて、アメリカ、オセアニア、東南アジアの3チームから報告します。

民博から学んだ民族文化の多様性
 2年生 三枝 寛和

 10月27日、私たち塩路ゼミ2回生は国立民族学博物館を訪れました。この施設は、世界の諸民族の社会と文化に関する資料が展示された知の空間です。ヨーロッパ、アフリカ、オセアニア、アメリカ、西アジア、南アジア、東南アジア、中央・北アジア、東アジアの9つの地域に展示ブースが分けられている中で、私はアメリカを中心に調査しました。
 1万年以上前、アメリカ大陸に移住した人々は狩猟や採集を中心とした生活を送っていましたが、やがて植物を栽培し農耕を開始するようになりました。この変化が、アメリカ大陸各地で様々な文化を創り出す原動力となったのです。例えば、寒冷なアンデス高地では、寒さに強いジャガイモしか栽培できず、古くから主作物として重宝されてきました。雨の少ない乾燥地帯では小麦や大麦が栽培され、南米では酒の原料になるトウモロコシが主に栽培されました。他にもアメリカ大陸で栽培化されたものとして、トウガラシやトマト、マニオクなどが展示されていました。16世紀以降これらの作物は世界中に広まり、世界の食文化を変容させることとなりました。
 アメリカ大陸では信仰や宗教にも独自のものがみられます。元々あった先住民の信仰は、ヨーロッパから伝来したキリスト教の影響を強く受けてきました。例えば、シャーマニズムや祖先崇拝、自然界の精霊崇拝は時に抑圧されました。それは、展示されていた聖職者を殺すシャーマンの木彫人形からも読み取れました。一方で、キリスト教と融合することで存続していった例もあります。リオのカーニバルもその一つであり、キリスト教の行事にアフリカ系の人々が生み出したサンバを組み合わせてつくられました。現代のアメリカ大陸にはアジアや中東から仏教やイスラム教が伝播してきており、民博ではカレンダーを通してその姿を確認できました。
 このように、アメリカ大陸1つをとっても多様な民族文化が見られます。それは食や宗教だけでなく多岐にわたるものです。私たちが国際観光学部において観光という異文化交流について学んでいく中で、そのような多様性を意識する必要があると感じました。民博では諸民族の社会と文化について詳しく学ぶことができ、それぞれの地域特有の価値観や考え方に触れられたような気がします。同時に、民博を見学して初めて得られた知識も多くあり、自分の知識不足を実感しました。今回の民博見学で感じ学んだことを今後のゼミ活動に活かしていこうと思います。

みんぱく〜アメリカ大陸の展示ブースを見て〜
 2年生 田村 晃大

 私たちは10月27日に大阪府吹田市の国立民族学博物館へ行きました。国立民族学博物館は人間文化研究機構を構成する大学共同利用機関であり、民族学・文化人類学を中心とした研究と展示が行われています。館内の規模はとても大きく世界中を旅したかのように感じることができました。それと同時に各地域の歴史がどの年齢の人々にもわかりやすく展示・説明されていました。またビデオを視聴できるコーナーも設けられており、世界の民族文化を深く理解し学ぶことができます。ミュージアムでは、土産なども販売していました。
 私は、今回アメリカ大陸の展示ブースでアメリカ大陸の衣・食・宗教を中心に見学しました。アメリカは「人種のサラダボール」と言われるように移民の国です。私がアメリカ大陸の展示エリアに入って初めに感じたのはその多様性です。最初に見たのは食の分野で中南米を変えたサトウキビと中米で栽培化され、先史時代にアメリカ大陸全域に広がったトウモロコシの展示です。トウモロコシは食糧としてばかりか酒の原料にもなっています。またトウモロコシは人体の機能を維持し力仕事をやっていく上において必要な基礎的なエネルギーの源であり、食事の主要な部分となっていました。
 宗教に関する展示では、祭壇「パチャママの門」に興味をもちました。これは聖母マリアとみなされるアンデスの地母神パチャママがまつられている祭壇です。先住民の信仰とキリスト教が融合した形態をとっており、山の幸、海の幸、雪山、コンドル、ヤギなどの造形表現がアンデス的宗教世界を構成しています。その他にはメキシコの骸骨人形「酒場で興じるトランプ遊び」と複数体の骸骨人形が展示されていました。さらにペルーの箱型祭壇はカトリック系の造形物で多数の様々な衣装の小さな人々のミニチュアが存在し、とても細かく美しい細工でした。文字のない世界で文化などを伝承するためのものがこの中に詰まっているのではないかと考えました。
 最後にアメリカの衣服の歴史的変化について学びました。15世紀末にスペイン人がアメリカ大陸に到着して以来、ヨーロッパの文化は先住民社会に浸透していきました。先住民が身に付ける伝統的といわれる衣服や装飾品の中にもヨーロッパ起源のものがあります。さらにアンデス高地、アマゾン、高地マヤの衣装が男女別に展示されていました。
 今回の学習を通して衣・食・宗教の分野において自分の暮らしている日本とアメリカの民族との比較ができ、アメリカ大陸についての知識が深まりました。これをきっかけに、アメリカ大陸についてもっと詳しく学びたいと感じました。

魅力あふれる国立民族学博物館
 2年生 大橋 麻実

 10月27日、私は吹田市の国立民族学博物館へ行きました。館内は広く、ヨーロッパやアメリカ、アジアなど地域ごとに分けられ世界の様々な展示物が並び、それぞれ映像と音声による解説を聞くことができ、より深く学ぶことができました。音声解説は多言語も対応しているので、外国の方でも見てまわることができます。展示エリアのほかに図書館やビデオを鑑賞できる場所もあり、様々な観点から学ぶことができます。
 館内では地域ごとのグループに分かれ、それぞれ展示物を見てまわりました。私はオセアニアを中心に調査しましたが、初めて知る歴史や土器、仮面、民族衣装などの展示物が数多くありました。ただモノを展示しているのではなく、人々の島や海での暮らしの様子やどのようにして文化が伝えられてきたかなどを同時に学ぶことができます。実際に博物館に訪れる前にホームページでどんなものが展示されているのかを調べていきましたが、ホームページ上に載っているより、とても多くのものがあり驚きました。特にホームページにも載っていたチェチェメニ号という船の展示物はとても大きく本当に迫力がありました。自分が想像していたより原始的な物がほとんどで、普段はあまり興味を持たないことでも実際に見てみることでより深く学ぶことができました。オセアニアのエリアだけでも全てじっくり見てまわると30分ほどかかりました。

 自分たちのエリアを見たあとは、他の地域エリアを見てまわりました。各地域それぞれ展示されているものが全く違い、とてもおもしろかったです。民族衣装にしても色鮮やかなものから独特なもの、様々な人形や乗り物、館内を進んでいくたびに違う光景が目に入り、改めて世界には多様な文化があるのだなと感じました。オセアニアの展示物はあまり鮮やかな色合いのものがなかったので、そのあとに見た他の地域のものとこんなにも違うのだと驚きました。その中でも私が気に入ったのはヨーロッパエリアです。展示されているものが色とりどりで、特に「陽気な墓」は日本で見るお墓と全く違い、絵が描かれていてとても興味を引かれました。
 また日本のエリアには祭りの展示物があり、祭りの神輿や大きな造りものなどが、ひときわ存在感を放っていました。日本の文化でもまだまだ知らないものが多く展示されていたので、新たな発見がいくつもあり楽しく見てまわることができました。
 実際に展示物に触れたり、中に入ったりできるものもあるので、小さい子どもから大人まで楽しむことができる場所だと感じました。普段あまり目にできないようなものがこの博物館にはたくさんあり、とても有意義な時間を過ごすことができました。

民族文化に触れる
 2年生 上田 綾子

 今回私たちは国立民族学博物館を訪れました。そこは、いくつかのエリアに分かれていてそれぞれの民族の文化や歴史について展示されていてとても興味深かったです。
 私はオセアニアについて調べました。オセアニアは海がほとんどの面積を占めていて、大きい島や小さい島を含め、数万を超える島々が点在しています。オセアニアのエリアに入ってすぐシングル・アウトリガーカヌーという船が目に入り、最も印象に残っています。星や星座の出没位置を利用したコンパスを頼りに、天体や海の現象などを見て航海するという伝統的な航海術があり、1000km以上も航海できることに驚き、自然にあるもので方向を把握し、海を渡っていたということに感心しました。また、伝統的な航海術が今なお伝承されていて素晴らしいと感じました。さらに見ていくと、展示物の多くは石や植物で作られたものが多いことに気づきました。
 

 オセアニアはたくさんの島々が海で囲まれているため、金属文化が発達せず、斧やナイフなど生活用具は石や貝などの素材、織物は植物を使い工夫していました。また、資源のある島とない島で食料やアクセサリー、布などを交換し、互いに補おうと島同士で協力し合っていたことが分かりました。また、オセアニアの展示物のなかには仮面が多くみられました。子供の誕生を祝う儀礼に使われていたそうですが、少し怖かったです。
 ほかのエリアに行くと、オセアニアのエリアでは見られなかった色鮮やかなものが多くみられました。ヨーロッパエリアでは、ユーモアな絵と物語で描かれた「陽気な墓」が展示されていました。日本とは全く違うと感じました。また、昔のアイロンやミシンがあり、アンティークな感じが可愛かったです。アフリカでは、ビーズの人形がありました。ビーズは装飾品のイメージが強いですが、アフリカでは儀礼や富の象徴だったり、民族のアンデンティティに関わる重要な役割を果たしてきたそうです。アフリカの仮面は、葬送儀礼で使われ死者の霊を祖先の世界に送る役割を担っていました。衣装や仮面などいろいろな展示物で似ているものはありましたが、それぞれ国によって特徴があり、使う目的が異なっているところに関心を持ちました。
 今回のフィールドワークでは、世界の民族文化について理解を深める良い機会になりました。展示物には説明が一つ一つ丁寧に書かれていてとても分かりやすかったです。国立民族学博物館には思っていたより展示物が多く、見るだけでなく体験もでき、楽しみながら学べました。

吹田で世界5大陸横断
 2年生 吉田 翔一

 10月27日に国立民族学博物館を訪れました。私たち塩路ゼミ2年生は、各自関心のある国やエリアに分かれて、その地域の文化や風俗、民族などについて調査・研究を行っていて、情報収集と学習のため吹田に足を運びました。世界5大陸12エリアの民族文化が展示されていて、1時間程で世界各地の文化に触れることができ、世界一周した気分になりました。またモンゴルの移動式住居ゲルに入ることができたり、民族楽器を演奏できたりと、ハンズオンを重視した施設となっていました。実際に楽器や住居、乗り物に触れることで、他国でどのように機能して日常に浸透しているか考えることができ、体験することで新しい発見がありました。。

 私が現在調査を行っている東南アジアのブースでは、現地で利用されている車が展示されていて、映像と観光マップに掲載されているのに比べ、車体が大きく装飾が数多く施されていて、迫力がありました。またインドネシアの古典ダンスのバロン、仮面と衣装やタイ王国の仏教徒の生活背景を探ることができ、同じアジアの中においても日本とは異なる特有のアイデンティティーを持っていると感じました。
 日本は島国であるためアジアの中でも特有の文化を形成しているため、他国とは明確に異なるポイントがあると感じていましたが、タイとマレーシアといった大陸続きの隣国の間でも生活や文化的思想など多くの点で異なっていることを知りました。独自の文化を尊重し自国の歴史を重んじる背景に、信念や宗教が深く結びついているからではないかと考察しました。一方で、私たち日本と通じる点も多くあり、タイ系民族が使う生活道具や食器、楽器などは日本にも中国から伝来された物を改良して利用しているため、構造や用途など一般的なことは共通していました。多くの道具や生活文化を見て、東南アジアは日本と比べると、派手に飾ったり自分にしかないような形にデザインするなど、私たちとは異なる新しい感覚を持っていると感じました。
 東南アジア諸国の地域の一部では、現代の国際化に飲み込まれず、自国の伝統文化を守り現在に受け継いでいます。しかしながら、博物館からの情報では日本や近隣エリアに後れを取っており、経済格差があり、文化や伝統に依存する背景が見られました。東南アジアが抱える問題と魅力を国立民族博物館から学ぶことができたので、今後の調査で調べていきたいと思いました。

東南アジアと日本の違い
 2年生 古川 英希

 10月27日にゼミの活動で国立民族学博物館に行ってきました。私は、ゼミの中での発表地域が東南アジア担当なので特に重視して同エリアの展示を見ていました。その中で、私は東南アジアと日本の違いについて考えました。
 まず一日の生活の流れが違います。東南アジアの人々は早朝の涼しい時間帯から働き、日中は気温が40度近くに達するので昼寝などをして暑さをしのぎます。夕方からまた買い物や農作業などを行い、日没後は演劇など余暇を楽します。このように、日本の忙しい生活とは違い、非常にゆっくりとした生活だと感じました。また余暇活動がチェスや木彫りの人形を使う人形劇など非常にアナログ的だと感じました。
 私は、特にインドネシアのバリ島に伝わる「バロン・ダンス」のランダとバロンについて興味を持ちました。理由は、バロン・ダンスが時代と共に観光客向けに進化をしたからです。まずランダは、魔女であり寡婦を意味し、バリでは、あらゆる恐ろしげな存在に対してランダの語が用いられています。バロンは、聖獣です。バロンが善の側面を象徴しており、その反対に悪の象徴がランダです。そして祭りの日にはバロン・ダンスという悪魔祓いが行われます。バロンの中に男性が2人入ってバロンの上半身と下半身で分けられます。元々は3時間以上の儀礼で善と悪が争うというストーリーでした。しかし、生きた鶏を貪り食うなど不快な行動が観光客から不評でした。そこで会話を減らし、不快なシーンを無くし、短時間の公演になりました。そして、言葉が分からずとも見ているだけで楽しめる形に進化しました。バロン・ダンスが観光客向けに変化したにも関わらず、村人はバロンに対して敬意を持っており、政府も公演を質的に維持するなど協力しています。このように観光地であるバリ島での住民と政府の取り組みに観光学部の学生として興味を持ちました。またバロン・ダンスはバリの民族的な踊りですが、日本の「獅子舞」に似ている気がしました。
 国立民族学博物館では他の博物館とは違い、映像など視覚デバイスに力を入れていると思いました。展示物の殆どがガラスのケースに入っていないので間近で見ることが出来ます。また映像も見ることが出来る音声ガイドなどの貸し出しも行っています。これは展示物の所に番号が記載されており、プレイヤーに番号を打ち込むとその展示物の説明が流れてきます。さらにビデオコーナーも沢山設置されています。そしてユニバーサルデザインにも特化しています。このように国立民族博物館は老若男女楽しめる施設となっていると思いました。