2020.11.12

1年生、待ちに待った「前期・大阪フィールドワーク」を体験

 今年の前期は異例続きでした。15回の授業中3回だけ対面を許されましたが、7月半ばには遠隔に戻り、フィールドワーク(FW)にも行けないまま終わりました。リモートで準備することになった大阪FWは、3チームに分かれてそれぞれテーマに沿って大阪を巡るコースを考え、PowerPointにまとめて発表し、各人が行きたいところに投票する、という方法で行いました。そのときに選ばれたのが、「大阪の自慢」(大阪出身者が他府県者に自慢の大阪を紹介する)チームが考えた「大阪城→地産地消ランチ→大阪市立美術館→天王寺動物園」というコースです。
 後期に入りFWが許されたため、「大阪の自慢」チームが考えた内容で、10月24日に大阪FWを実施することになりましたが、大阪市立美術館は休館中のため断念、ランチは10人超の人数でレストランに行くのは難しいので、てんしばで青空のもと、と変更を余儀なくされました。また、例年は事前調査を念入りにしますが、今年はほとんど時間を割けなかったため、当日は以下のようなミッションを実施しました。
  1. 大阪出身者が他府県出身者に大坂城について説明する
  2. 大坂城に併設する「ミライザ」の中の土産物屋でスタッフに、天守閣前の広場で観光客にインタビューする・担当場所で観光客数を数えてみる
  3. 大阪出身者が他府県出身者に天王寺動物園について説明する
  4. 天王寺動物園のスタッフにインタビューする・担当場所で観光客数を数えてみる
以下、1年生の「初めてのFW」の感想です。

西井和馬

大阪府出身者・「大阪の自慢」チームの一員

 新型コロナウイルスの影響で前期の過程ではできなかったフィールドワークがようやくできるようになったことを聞き、とても嬉しい気持ちだった。また自分たちが企画したプラン内容だったので他のグループと違い格別な気持ちだったと思う。ただ様々な理由からプランの半分が削られてしまったのは少し残念ではあった。
 当日は正直遊びに行く程度の気持ちでの参加だったが、フィールドワークが始まってからその気持ちが甘ったれたものだったことに気付く。班行動の際の電車の乗り換えや目的地までの道順など事前に調べて準備できたものが多くあった。このことから事前準備の大切さを痛感した。
 大阪城でのミッションで得た結果はコロナウイルスの影響を多大に受けたものだと実感した。天守閣前の広場では日本人観光客は100名前後だったのに対し外国人観光客は両手で足りるくらいの人数だった。それでも日本人観光客の数は以前来た時よりは圧倒的に少ないと感じた。今回は3組の観光客にインタビューしたが、そのうち2組がGo Toキャンペーンを利用し、東京から来ているとのことだった。このインタビューで感じたことは、大阪城の観光スポットとしての捉えられ方だった。歴史的に価値のある建造物ではあるが、決して旅行プランのメインになることはない「補助的な」観光スポットなのだと気付いた。
  • 日本人観光客にインタビュー

  • ブルーとグリーンゾーンを担当

  • ブルーゾーンのアシカ池の前で説明

 また天王寺動物園では単に観光客としてではなく、観光に関わる人間としての視点で動物園を見ることができ、とても新鮮だった。個人的に気に入った天王寺動物園の工夫は自然と一体化した園内だった。あたかも自分が本物の自然の中にいるのではと錯覚させるような造りがより一層観光客を引き込んでいるのだなと思った。
 天王寺動物園でのミッションはブルー&グリーンゾーンで、てんしばゲートから近い区画だったため人もそれなりにいるかと予想されたが、客の数は100人程度だったと思われる。動物園のグッズを売っていた売店の店員にインタビューしたところ、コロナによる外出自粛の際は閉園、そのため売店での収入は一切なかったそうだ。現在はGo Toキャンペーンの影響でお客さんの数も増えているようだが、やはり以前と比べるとかなり少なく、インバウンドによる外国人観光客はほぼいないとのことだった。観光業はコロナウイルスの影響が非常に大きい産業なのだと改めて実感した。
 今回のフィールドワークを振り返ると、様々なことを学べたなと思う。観光業の実態や観光学部生という観光を学んでいく身であるという実感、ゼミ内での関係性など得ることができたものもたくさんあったように思える。次回の後期にフィールドワークでは今回の反省点を活かし、より多くの事前準備をして楽しんでやれたらと思う。

五藤紗来

他府県出身者

 初めてのFWは初めて訪れた場所ばかりでした。まず、集合した場所は、あべのハルカスキャンパスです。阪南大学に入学して、まだ一回も行ったことがなかったので、緊張していました。しかし、実際に行ってみると、設備が充実しており、大阪市内も一望できるとても良い場所でした。ここで、これから行く大阪城と天王寺動物園の位置を確認しました。
 次に、電車に乗り、大阪城に向かいました。大阪城周辺は行ったことがあったのですが、大阪城を間近で見るのは初めてでした。近くでみると、とても大きくいろいろな歴史が感じられました。大阪出身者でこのFWを考えた自慢チームのゼミ生に説明してもらいながら大阪城をまわったので、初めて知ることばかりでとても勉強になったし、楽しむことができました。大阪城ではミライザの中の「本陣」という土産物屋でミッションを行いました。まず、土産物屋に観光客がどの程度いるか調べたところ、20人程度でした。コロナの影響を店員に尋ねると、観光客は8,9割程度、売上は半分以上減少したとのことでした。さらに、go to トラベルでも日本人観光客はあまり戻ってこないとのことでした。この土産物屋で外国人に人気の商品は扇子、マグネット、Tシャツ、おはし、和風ハンカチなどの日本でしか買えないものが多いそうです。また、日本人には、醤油皿や箸置きが人気の商品だそうです。
  • 大坂出身者による天守閣の説明

  • 土産物屋「本陣」で調査

  • 外国人に人気の扇子

 再び電車に乗り、天王寺に向かいました。てんしばに行って、ゼミのみんなで昼食をとりました。天気も良く、みんなと楽しみながら、青空の下で食べるごはんは美味しかったです。その後、天王寺動物園に行きました。ここも、私は初めて訪れました。地元の動物園とは違い、園内は広く、たくさんの動物が飼育されており、驚くことばかりでした。ここでも、ミッションを行いました。客の人数を調べたところ、動物園を訪れる人は意外とたくさんおり、特に子供がたくさん訪れていました。ただ、コロナの影響を飼育員に尋ねたところ、客数は減少しているとのことでした。通常は、園内の道もふさがるくらい、人が多いのに対し、今は道も空いていて、動物とのふれあいも閉鎖しているとのことでした。さらに、go to トラベルでの影響も尋ねたところ、多少は客数が増えたとのことでした。しかし、外国からのツアーはもちろん修学旅行、遠足のような団体旅行は減少しているそうです。  今回のFWで大阪のスポットをめぐるだけでなく、コロナの状況でお店や観光地にどのような影響が出ているのか、現状はどうなのかなどを知ることができました。早くコロナが終息して、外国人も大勢訪れ、街がにぎわうようになればいいなと思いました。

辻野りりあ

大阪府出身者

 今回のFWで調査をした場所は大阪城と天王寺動物園の二ヶ所です。コロナウイルスが流行する前と後でどれだけ影響があったのか、また、Go toトラベルを使用する人の割合はどのくらいいるのか、という調査をしました。
 大阪城で私たちが担当したのは、大阪城ミライザという建物の中の「忍屋」という土産物屋です。そこは忍者グッズや戦国グッズなど歴史ファンをはじめ、海外からの観光客にも満足してもらえるような商品を取り扱っていました。また忍者の武器である手裏剣を投げられる「手裏剣道場」などの体験コーナーも設けられており、全ての人が楽しんで帰れるようなところでした。コロナウイルスが流行する前は外国人観光客がほとんどという土産物屋でしたが、コロナ禍で外国人観光客が99.9%減った、と店の人が言っていました。確かに大坂城の敷地内はほとんどが日本人観光客で外国人観光客とすれ違うこともないくらいでした。そのため店での影響はかなり出ていて今では週に4回しか営業をしていないそうです。開けていても訪れる人が少ないため閉めざるを得ないとのことです。しかし最近は1割程度の客が戻ってきているそうです。私たちが行ったのは土曜日でしたが、客は10人程度しかいませんでした。また、Go toトラベルを使用する人は多いときでも1日に5件程度だそうです。多くてもこの件数ということは、この店にはGo toトラベルで人が戻って来ているわけではないということが分かりました。
  • 豊国神社入口で

  • 蛸石の前で

  • 動物園でインタビュー

 次に天王寺動物園で調査しました。天王寺動物園も大阪城と同様でコロナウイルスが流行する前は外国人観光客が7.8割程度いたが、今では日本人がほとんどで外国人観光客を目撃する方が珍しいと聞きました。例年は、夏休みに家族連れで動物を見に行くという客が多いが、今年の夏場は、人がほとんどいないというほどコロナウイルスの影響を受けたそうです。また、動物園では年間パスポートなどがあるためGo toトラベルを使用するお客様がどの程度いるのかなど詳しいことは把握していないようでした。
 今回ゼミでこのようなFWをして感じたことは、現地のスタッフやそこを訪れている人にインタビュー調査をすることにより、ネット上でしか知らなかったこと以外にも色々な情報を見つけることが出来る、ということです。FWをすることにより実際に現場に訪れないとわからない情報は山ほどあること、また直接情報を得ることは非常に困難だ、ということが分かりました。今回の調査をすることにより、もっとその地に興味を持ち、もっと色々な調査をしてみたいと好奇心を持つことが出来ました。後期のFWも楽しみです。