2017.12.15

ゼミの研究成果をまとめ、学会のポスター発表に挑みました

ゼミの研究成果をまとめ、学会のポスター発表に挑みました

第32回日本観光研究学会全国大会学生ポスターセッションで発表しました

 今年度の森重ゼミ3年生は大分県宇佐市を調査対象地とし、宇佐市内での観光客の回遊性をいかに高めていくかについて研究しています。これまで6月と8月に2回現地調査を実施した上で、成果をまとめる作業を進めてきました。
 そして、12月3日に石川県金沢市の金沢星稜大学で行われた第32回日本観光研究学会学生ポスターセッションにゼミ生全員で参加し、3つのグループに分かれて交代しながら、先生方や学生に成果を発表しました。今回の学会大会では30組ものポスター発表があり、会場も多くの先生方や学生で賑わっていました。私たちの発表に対しても、たくさんのご質問やご意見をいただくことができました。ゼミ生にとって、他大学の先生や学生の前で発表したり、質問に答えたりすることは重要な学びの機会になります。当日の発表の様子やそこで学んだことを、以下でゼミ生が報告します。
 今後はいただいたご質問やご意見を踏まえて改善を図りながら、来年1月の学内ゼミ報告会、その後の現地成果発表へとつなげていく予定です。(森重昌之)

当日の学会発表の様子

  • ポスター内容を説明するゼミ生

  • ポスター発表会場の様子

  • ゼミ生全員で記念撮影

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参加したゼミ生の報告

発表することで初めて気づくこと
 国際観光学部3年生 安部和樹

 私たちは、12月3日に石川県の金沢星陵大学で開催された第32回日本観光研究学会全国大会学生ポスターセッションに参加しました。私たちは、調査場所を大分県宇佐市に決め、約1年をかけて行ってきた研究成果をまとめ、「SNSを活用した地域の魅力発信と回遊性向上の可能性−大分県宇佐市を事例にー」について発表しました。
 宇佐市には、全国に約4万4000社ある八幡宮の総本社である宇佐神宮があります。しかし、宇佐市を訪れている観光客約210万人のうち、約3分の2が宇佐神宮にしか訪れていません。そこで、「回遊性が低い」という課題を見出した上で、観光地の情報が少ないことから、他にどのような観光地があるのか、実際に現地調査を行いました。その結果、自然や文化価値の高い観光資源が多くあることがわかりました。また、なぜ多くの人が寺社仏閣に訪れたくなるのか、複数の有名な寺社仏閣の訪れたくなる要素を比較し、「食べたい」、「撮りたい」、「あやかりたい」、「リフレッシュしたい」、「買いたい・体験したい」、「学びたい」の6つの共通する要因を抽出しました。このことから、宇佐神宮を訪れる観光客にも同様の傾向があると推測し、積極的に情報発信していくことで、宇佐市を訪れるきっかけになるのではないかと考えました。次に、どのように情報を発信していくかについて、すでにパンフレットなどによる観光地の紹介はあることから、SNSによる情報発信について検討しました。実際、インスタグラムを通して観光客が増加した観光地の事例があることから回遊性の向上につながるのではないかと考え、インスタグラムに着目しました。
 今回、私たちの発表に足を止めていただいた先生方や他の大学の学生から、「当たり前のことが書いてあるように感じるから、インスタグラムで観光客がどのようなキーワードを検索して旅に出ているか、もっと具体的に、その後どのようにしていくか書くと良かったかな」、「FacebookやTwitterなど、たくさんのSNSがある中で、本当にインスタグラムによる情報発信の方法で良いのか」、「他のSNSのそれぞれの特徴を比較し、まとめておくと良かったな」、「宇佐市には皆さんが観光客の人にお勧めできそうなインスタ映えするスポットはありそうですか」など、たくさんの意見をいただき、まだまだ調べきれていないことがたくさんあると感じました。また、先生方によって着目する点が異なることから、調査対象や研究する内容によって多くの捉え方があると感じました。この発表を通して、今回いただいた意見や改善点を取り入れ、より良い研究にしていきたいです。

発表に対する意見をいただけた学会発表
 国際観光学部3年 入江理子

 12月3日、私たち森重ゼミは金沢星稜大学で、今まで研究してきた「SNSを活用した地域の魅力発信と回遊性向上の可能性−大分県宇佐市を事例に−」について発表しました。この研究では、大分県宇佐市は別府や由布院といった観光地に隣接していますが、宇佐神宮を除いて観光客が少ないため、どうすれば観光客の回遊性を高め、宇佐市内での滞在時間を延ばすことができるかについて考えました。私たちは3つの調査・分析を行いました。
 まず、ウェブサイトにあげられている宇佐市の観光資源の情報が少なかったので、市役所と観光協会へ聞き取り調査を行い、その結果を踏まえて現地調査を行いました。すると、訪れたいと思う価値の高いものが多いことがわかり、積極的に情報を発信すれば、宇佐市を訪れるきっかけになる可能性があるのではないかと考えました。
 次に、参拝者数が多い寺社仏閣を訪れる要因を抽出しました。トリップアドバイザーの口コミやまとめサイト、じゃらんネットなどを参考にし、観光客がなぜ寺社仏閣を訪れたいと思うかについて考えました。主に、あやかりたい、撮りたい、学びたい、リフレッシュしたい、食べたい・買いたい、体験したいという要因があげられ、それを表にまとめました。そして、宇佐神宮を訪れる参拝者も同じ傾向があると考えました。
 最後に、インスタグラムの効果を調べました。インスタグラムは、写真を見る、投稿するに特化したSNSで、他のSNSと比較して満足度ポイントが高いことがわかりました。また、観光客がインスタグラムに写真を投稿したことで話題になった観光地の事例もあります。ハッシュタグ、位置情報などのインスタグラムの特徴を利用し、インスタグラムに写真を投稿することで、宇佐市周辺の観光スポットを知る機会になると考えました。
 これらの調査分析から、寺社仏閣を訪れる要因のひとつである「撮りたい」に着目し、インスタグラムを通して宇佐市の観光資源の魅力を発信することが、宇佐市内での回遊性を高める上で効果的ではないかという考察をしました。これらをポスターにまとめ、発表しました。発表したところ、「宇佐神宮は観光客が増えることについてどう思っているのか」や「神社で写真の撮り方のマナーを載せた方がよい」、「ターゲットは絞られているのか」などのご質問やご意見をいただきました。自分たちでは気づかないことも指摘していただき、このような意見をポスターに繁栄させていこうと思いました。また、他大学の方の発表も聞くことができました。私たちと同じようにSNSに着目した発表もあり、まとめ方などが勉強になりました。今回の意見や他大学の発表を参考に、今後の現地発表やゼミ発表で改善した良い発表ができるようにしたいと思います。

学会発表から今後を考える
 国際観光学部3年 村田雄大

 私たち森重ゼミ3年生は、12月3日に石川県金沢市で行われた第32回日本観光研究学会全国大会学生ポスターセッションに参加しました。私たちは大分県宇佐市をフィールドに設定して活動しており、「SNSを活用した地域の魅力発信と回遊性向上の可能性−大分県宇佐市を事例に−」の題目で、1年間の研究成果をポスターにまとめ、発表を行いました。
 大分県宇佐市は有名な観光地である別府市や由布市に隣接していますが、宿泊客数が少なく、また宇佐市を訪れている観光客のほとんどが宇佐神宮しか訪れておらず、市内の回遊性が低いことが課題となっています。事前調査では、ウェブサイトで宇佐神宮以外の観光地をあげることや、著名な寺社仏閣を訪れる要因を抽出し、その要因が宇佐神宮にも使えるのではないかと考え、情報を収集することなどを行いました。
 これらを踏まえ、夏季休暇に現地調査を行ったほか、宇佐市役所と宇佐市観光協会の方々に聞き取り調査を行いました。調査を行った結果、宇佐市には四季折々の観光名所がたくさんあることやおしゃれなカフェがあることがわかりました。これらを積極的に情報発信していくことで、観光客が訪れるきっかけになるのではないかと考えました。また、著名な寺社仏閣を訪れる要因の中で、宇佐神宮に使えるのは「撮りたい」という要因だと考え、写真や風景を「撮る」といった行為を宇佐市で行うことが回遊性向上につながるのではないかと考えました。さらに、情報発信といった面で私たちはSNSに着目しました。近年、若者の間で流行になっているInstagramの機能を使うことで、観光スポットの魅力を発信できるのではないかと考えました。結果として、宇佐市の魅力発信や回遊性向上にはInstagramが有効ではないかと考えました。
 ポスターセッションに参加し、自分たちの研究の成果を発表するのは初めてでした。発表は少し緊張しましたが、他大学の学生の発表の方法や話し方を参考にし、後半には伝えたい情報を的確に話せたのではないかと思います。他大学の先生方からお褒めの言葉をいただき嬉しかったのですが、一方でご指摘やアドバイスなどもいただきました。いただいた意見に対し、しっかりと説明できなかったことが悔しかったので、今後意見に対する説明がしっかりできるようにしなければいけないと感じました。また、ご指摘やアドバイスをもとに、もっと深い研究をしていくべきだと感じました。
 1年間研究を行い、たくさんの苦労がありました。しかし、今回のポスターセッションのお褒めの言葉は苦労も喜びに代わるほどのものでした。来年宇佐市での成果発表を行うために、ゼミ生とともに話し合い、最高のものにしていきたいと思います。

伝えることの難しさを感じ今後の課題に気づいたポスターセッション
 国際観光学部3年 平岡公之進

 私たち森重ゼミは、12月3日に石川県金沢市の金沢星稜大学で行われた第32回日本観光研究学会全国大会学生ポスターセッションに参加し、約1年間ゼミで研究している内容を「SNSを活用した地域の魅力発信と回遊性向上の可能性−大分県宇佐市を事例に−」という表題で発表しました。
 発表内容は、SNSを活用して地域のさまざまな魅力を発信することで、観光客の回遊性を高め、地域での滞在時間を延ばす可能性を検討することを目的としました。事前調査や2回に分けて行ったフィールドワークでの観光資源調査、観光協会と宇佐市役所の方への聞き取り調査から、宇佐市に訪れる観光客の3分の2が宇佐神宮を訪れ、他の観光地に行っていないこと、観光地までのアクセスがわかりにくいこと、おしゃれなカフェや四季折々の景観が楽しめるスポットが多いことなどがわかりました。また、宇佐神宮に観光客が訪れてくれる要因を探すため、全国の有名な寺社仏閣を調べ、「あやかりたい」、「学びたい」、「リフレッシュしたい」、「撮りたい」などの要因があると、観光客が訪れると推測しました。そこで、「撮りたい」という要素に着目し、おしゃれなカフェや四季折々の景観が楽しめるスポットが多いことから、SNSを活用し地域の魅力を発信することを考えました。SNSの中でも、インスタグラムは他のSNSに比べて満足度が高く、写真を見る、投稿するに特化したSNSです。他に、自身が投稿した写真がどのようなものか分類される機能のハッシュタグや、店舗や施設などのスポットに関連づけてその投稿を検索できる位置情報を使うことで、宇佐神宮周辺の観光スポットに訪れてもらえるのではないかと考えました。
 今回のポスターセッションは、私たちにとって初めて研究を発表する場でした。他大学の先生方や学生が私たちの研究に目を向け、足を止めて、研究内容を聞いてくださいました。緊張して棒読みになってしまったり、相手を見て話すことができなかったりするなど、うまく伝えられない部分もありましたが、最後まで聞いてくださり、「インスタグラムで回遊性を高めることは難しいのではないか」や「どのように情報を発信していくのか」などのご指摘やご質問をいただき、多くの課題が見つかりました。これからは相手にしっかり内容が伝わる濃い発表ができるよう、今回の反省や課題を活かしていきます。
 また、私たちの発表以外の時間に、他大学の発表も聞かせていただきました。「観光」という共通のテーマでさまざまな研究があり、学ぶことも多くありました。中でも、玉川大学の研究は、国ごとにSNSの利用状況や普及率を比較・分析し、その国の人に最も合うSNSで情報発信するという研究内容でした。外国人にアンケート調査を行っておられ、驚くとともに、SNSの比較が表でまとめられていて、とてもわかりやすい発表でした。伝えるうまさも必要ですが、ポスターの見やすさも重要だと感じました。

実感がない研究発表会
 国際観光学部3年 魏紅梅

 今回、1年間のゼミ活動を通して完成した成果を、12月3日に金沢星陵大学で行われた日本観光研究学会全国大会学生ポスターセジョンで発表しました。私たちの研究では、SNSを利用して地域のさまざまな魅力を発信することで、観光客の回遊性を高め、地域での滞在時間を伸ばす可能性を検討することを目的としました。
 まず、事前にウェブサイトで大分県宇佐市の現状と観光の現状を調べました。その結果、宇佐市は宿泊客数が少なく、日帰りの立ち寄り型観光客が多いこと、また観光客のほとんどが宇佐神宮を訪れるため、回遊性が低いといいった、いくつかの課題を見つけました。これらの課題を解決するために、実際に宇佐市の価値がありそうな観光地へ行き、ゼミ生全員で4つのグループを分かれ、2回のフィールドワークを行いました。そこで得た情報を整理し、課題を解決するためにSNSを活用する方法を提案しました。1年間頑張って、今回のゼミ研究を完成させました。
 今回、ゼミ生全員で3つのグループを分かれ、金沢星陵大学で成果を発表しました。私たちのグループは11時から11時半、13時から13時半の2回、発表時間がありました。私たちの発表時間が決まった時、グループのメンバーはとても喜びました。なぜなら、この時間帯は発表を聞きに来られる先生方が少ないからです。実際、発表当日も会場にはあまり先生方がおられませんでした。発表を始める前に、どこかの大学の先生から問題を指摘していただきながら、発表練習をしていただきましたが、それ以外には1人も発表しませんでした。
 今回のゼミ研究の成果について、不足している点や課題などのご意見を得ることはありませんでした。発表する機会が少ないということで、最初私たちは喜びましたが、実際にほとんど発表することがなく、だんだん残念に思うようになりました。金沢まで高い交通費を払ったにもかかわらず、何もせずに帰ってしまった気持ちです。まったく発表の練習もできておらず、発表の実感もありませんでした。何も勉強できず、何のために金沢星陵大学まで来たのか、わからなくなりました。今はこの時間帯を選んだことをとても後悔しています。
 今後の大学内やゼミ、宇佐市での発表をうまくできるようにするため、学会発表後のゼミの時間に、発表で得た意見などを整理しました。指摘された課題や不足している点を追加し、研究発表で答えられなかった問題を解決していきます。もう怠ける気持ちをやめ、今後の発表に頑張りたいと思います。