2016.10.5

ツーリズムEXPOジャパン2016体験報告(1)

ツーリズムEXPOジャパン2016体験報告(1)

今後のゼミ活動に向け、おおいに参考になりました

 森重ゼミではここ数年、東京ビックサイトで開催される「ツーリズムEXPOジャパン(旧JATA旅博)」に、ゼミ2年生が参加しています。今年も2年生12名と3年生1名が、和泉ゼミ、大谷ゼミとともに、ツーリズムEXPOジャパン2016に参加しました。
 ゼミ生にとっては、1日で日本国内のみならず、世界をめぐるような体験ができ、最新の観光に関する情報に触れることができます。毎年、ゼミ生にゼミ活動のフィールドワークの対象地を決めてもらっていますが、地域の課題や観光を通して解決を図る可能性、新たな観光資源の発掘など、今後のゼミ活動を考える上で、おおいに参考になったのではないかと思います。今年もゼミ生に興味・関心を持ったブースについてレポートを作成してもらいましたので、2回に分けて報告します。(森重昌之)

当日のフィールドワークの様子

  • 和泉ゼミ生との記念撮影

  • グリーン・ツーリズムを紹介するブース

  • 苔を観光資源としてPRする青森県十和田市

  • 熊本城の復興を願うブースの様子

  • オーストラリアのブースにて

  • 米国ポートランドのブースにて

参加したゼミ生の報告

これからの観光を知る
 国際観光学部2年 宮野光海

 9月23日、東京ビッグサイトで開催された「ツーリズムEXPOジャパン」に参加しました。会場はとても広く、外国人や観光を学ぶ学生、社会人などが多く見られ、人の多さに驚きました。会場は日本エリアと世界エリアに分かれていて、日本エリアにはゆるキャラや特産品を試食で紹介するなど、地域によってさまざまな特色がありました。中でも沖縄県にはアクアリウムが設置されていて、沖縄だと一目でわかるようなインパクトがあるなど、どれも印象的でした。世界エリアでは民族衣装を着た外国人の方がいて、その国特有の雰囲気で、普段の生活では味わうことのできない空気を感じることができました。他にもJALのブースでは、学生はJALカードを無料でつくって割安で飛行機に乗ることができるうえ、図書カードももらえるということで、多くの学生が集まっていました。また、他の旅行会社でもスタンプラリーでグッズをもらえるなど、私は誘導されるようにほとんどのブースを回りました。食事では、トルコのケバブや山形の米沢牛があり、日本のご当地どんぶりが集まった「全国ご当地どんぶり選手権」など、国内外の食文化やグルメを味わうことができました。
 たくさんのブースを訪ねた中で、私が一番興味を持ったのは、電通アドギアのスマートベンダーという高機能自販機です。今の自動販売機でも年齢認証などの多機能なものがありますが、このスマートベンダーは多言語に対応していたり、自販機なのに地図で観光場所を調べたりすることができるので、外国人旅行者が迷わず、さまざまな観光スポットにたどり着くことができます。自販機は日本の至るところに設置されているので、今ある自販機をスマートベンダーに置き換えることができれば、スマートベンダーに搭載されている無線LANルーターで、日本中に無料Wi-Fiスポットをつくることもできます。すると、インバウンド客や日本人にとって便利なものになると感じました。他にも、中国人が使う地図サービスなどを使って、現在最も多い中国人観光客を増やすことができる機械や携帯アプリに強く興味を持ちました。日本でも近年インバウンドが増加していて、これからこのような設備の需要がさらに高まっていき、日本の観光でもっと活躍していくと思いました。
 今回、ツーリズムEXPOジャパンに参加して、世界と日本の違いやそれぞれの国や地域の良さを知り、自分の知識の少なさを感じました。今後の学習では、今あるものだけを知るのではなく、これからの観光で活かせることができるものを考え、将来性のある観光を学ぼうと思います。また、自分の知らない新しい観光の考え方を知ることができる良い機会になりました。

グリーン・ツーリズムを活かした地域の観光づくり
 国際観光学部2年 中尾秋穂

 私は今回、東京ビックサイトで開催された「ツーリズムEXPOジャパン2016」に参加しました。ツーリズムEXPOジャパンは、日本や世界各国・地域の旅の魅力を身近に感じることができるイベントです。会場はとても広く、日本や世界の多くの政府観光局や航空会社などのブースがあり、たくさんの学生や観光に関わる仕事をしている方が参加していました。どの出展者も熱心にお話をしてくださいました。今話題のVRが体験できたり、その地域の食品を試食できたり、クイズやアンケートに答えて景品をもらえたり、いろいろな体験ができ、とても楽しく回ることができました。中でも、ステージでのパフォーマンスは印象的でした。
 たくさんのブースがある中で、私が一番興味を持ったのは、農林水産省が出展しているグリーン・ツーリズムを生かして観光の活動をしているブースです。グリーン・ツーリズムとは、農林漁村の自然・文化・人びととの交流などを楽しむ旅です。大分県臼杵市では、地域の人びととの距離が近いということに魅力を感じました。農村民泊ができ、臼杵市の一般家庭に泊まります。そこで、美味しい郷土料理のつくり方を教わったり、畑で野菜を収穫したり、臼杵の歴史や観光スポットを教えてくれたり、夜中までお話をしたりするなど、本当の親戚の家へ遊びに来たような気持ちになることができます。単に、農業体験をするのではなくて、地域の方と語り合ったり、川遊びや虫取りなどで自然に触れたりするなど、農村で思い出をつくることができます。また、地域の人びとも地域外から人が訪れることによって、農村全体が活性化され、地域の高齢者の生きがいづくりや居場所づくりにもつながっているそうです。田舎ならではの素朴で温かいおもてなしや、その土地でしか味わえない食や自然、暮らし方などを体験できることが、今は少ないと思いますし、そうした体験は大切なことだと思うので広めていきたいですし、自分自身も農村民泊を体験したいと思いました。
 ツーリズムEXPOジャパン2016に参加して、もっと日本の他の地域のまだ知られていない魅力を詳しく知りたいと感じました。また、自分の知らなかった旅行の楽しみ方や良さを知ることもできました。さらに、視野を広く持ち、たくさんの知識を自分のものにすることが大切だと実感しました。これからのゼミ活動ではこの参加した体験を活かして、努力し、もっと「観光まちづくり」について勉強したいと思いました。

地域の魅力を伝えるために
 国際観光学部2年 松永七海

 9月23日に、東京ビッグサイトで行われたツーリズムEXPOジャパンに初めて参加しました。日本だけでなく、海外からも多くの出展ブースがあり、私たちと同じように観光を勉強している学生がたくさん訪れていました。海外のブースでは、オーストラリアのブースでバーチャルリアリティーを体験しました。ゴーグルのようなものをかけ、実際のオーストラリアの海や滝の動画を360度見ることができるというもので、きれいな映像でした。
 日本のブースでは、私の出身である富山県からも出展していました。富山県のブースでは、北陸新幹線や立山・黒部などが紹介されており、ゆるキャラの「とやまくん」も一緒に盛り上げていました。他にも岡山県のブースでは、醤油をとる体験をさせていただきました。醤油のもろみをお茶のパックに入れ、ピラミッド状にして下に醤油を落とすというしくみでした。その醤油をパンの上に乗ったチーズの上に乗せていただきました。以外な組み合わせですが、おいしかったです。
 たくさんのブースがある中で、特に興味を持ったのが大分県のブースです。大分県臼杵市野津町でのグリーン・ツーリズムの話に特に興味をひきました。臼杵市では、田舎の風景を見ながら、ゆったりと過ごしてもらい、町でとれた野菜や海でとれた魚を地元のお母さん方が地元ならではの調理法で提供していただけるそうです。焼酎も地元ならではの飲み方があるそうで、泊まった際にはその飲み方で飲めるそうです。臼杵市では自分たちに合った過ごし方を見つけることができるとおっしゃっていました。1日風景を見てゆっくりするのも良いし、おいしいものを食べるのも良いし、温泉に入ってゆっくりするのも良いと言うことで、その町でその町の時間を体験でき、おもしろいと感じました。話を聞かせていただいた方によると、臼杵市ではイノシシの肉が食べられるそうです。地元でとったイノシシの肉は生臭くなく、本当においしいそうで、豚肉が食べられなくなったくらいだそうです。その話をうかがって、食べてみたいと思いましたし、ぜひ一度臼杵市に訪れたいと思いました。
 今回、ツーリズムEXPOジャパンに初めて参加し、さまざまな地域がいろいろな手法で紹介していて、出展ブースでの体験が地域を知る勉強になりました。実際に今まで知らない地域が多かったですが、試食品を食べることで、この地域にはこれほどおいしいものがあるのだと理解でき、クイズを解くことでその地域についての知識を得ることができたことがおもしろかったです。これからのゼミ活動で、今回得たことを生かしていきたいです。

地域の観光について学んだ
 国際観光学部2年 小林佳奈美

 9月23日に、東京ビックサイトで開催された「ツーリズムEXPOジャパン2016」に初めて参加しました。会場に入る前から規模の大きさや人の多さに驚くと同時に、今からどのような話が聞くことができるのかと、興奮する気持ちを抑えられませんでした。このイベントは世界各国・地域、大手企業が集まり、それぞれの魅力を来場者に知ってもらおうというものです。また、「世界最大の旅の祭典」でもあり、私たち学生だけではなく、観光に携わる社会人や海外の方が出展者の方と話し合っていたことが印象に残っています。
 出展者の方にお話をうかがって、私が興味を持った2つの地域を紹介します。1つ目は大分県臼杵市野津町です。はじめに「大分県のイメージは何か」と問われると、「田舎だ」と答える方が多く、私もその1人でした。しかし、臼杵市はそのイメージを観光につなげ、田舎だからこそできるグリーン・ツーリズムを実施していました。地域外の方に農村に滞在してもらい、自然の豊かさを感じることや、人との交流や文化を楽しめる農村民泊を中心に取り組んでいこうというものです。特に私が興味深いと感じたポイントは、季節はもちろん、受け入れ家庭によって体験できる内容がさまざまであることです。受け入れ先の家の立地が景色の良いところであるなら町全体を観察でき、その人の特技や雰囲気で郷土料理を習えたり、癒されたり、生かせるものはすべて生かしていました。また、このように各家庭の個性を出すことで、特別感が生まれ、より一層地域の方と地域外の方との絆が強く結びつくのではないかと感じました。
 2つ目の地域は青森県十和田市です。この地域のブースでは、観光資源として「苔」をPRしていました。さまざまなブースを見学した後に訪れたのですが、今まで見てきたものをすべて忘れるほどの衝撃が走りました。普段何気なく見ている苔も観光資源になるものだと気づきました。後に気になって調べてみると、十和田市には奥入瀬渓流があり、日本に生息する1,800種類のうち、300種類もの苔が見られるため、2013年に「日本の貴重なコケの森」として選定されていました。少し歩くだけで、大自然の中の苔の観察が楽しめるようです。
 今回ツーリズムEXPOジャパンに参加して学んだことは、一般的に過疎地域や田舎と言われている地域でも、角度を変えて考えるととても素晴らしい観光地になるということです。紹介した2つの地域以外でも、その土地の特色を生かしたものが多く、勉強になることばかりでした。来年も参加し、さらに深く学びたいと思いました。

旅の力で日本を元気に
 国際観光学部2年 山本真由美

 9月23日に、東京ビックサイトにて行われたツーリズムEXPOジャパン2016に参加しました。ツーリズムEXPOジャパンとは、世界各国・地域から多くの出展者が集まり、国・地域の魅力を来場者に向けて発信します。また、日本全国の地域・観光地が集結しています。海外旅行・国内旅行の気分を味わうことができる、大きなイベントです。私たちは業界・プレス日に参加したため、各業界の関係者や観光を学ぶ学生が、国内外から多く参加していました。1日で会場全体を回ることは大変でしたが、名前しか知らなかった国、地域について、ブースを通して詳しく知ることができ、また私たちの住んでいる日本の魅力について再確認できる機会となりました。
 私が印象に残っているブースは熊本県のブースです。今年4月に九州地方で初めて、震度7を記録した熊本地震が発生しました。地域全体の被害により、多くの人びとの日常が壊されました。また、熊本県のシンボルともいえる熊本城も地震により損壊し、城全体の修復には約20年、総額600億円を超える費用がかかる見込みであるということでした。熊本県のブースには、熊本城の大きなパネルが設置されており、会場でも一際目立つブースでした。多くの地域で復興が進み、今までと変わらずに観光を楽しめるということをアピールしていて、活気のあるブースでした。観光地の写真やいただいたパンフレットを見て、私も熊本県へ行ってみたいと思いました。観光地や特産物など、今まで知らなかったものをたくさん知り、魅力あふれる場所であると改めて感じました。
 また、会場には熊本県のブースとは別に、三井不動産グループブースと合同の主催者ブースにて、来場者の寄付参加によるレゴブロックを使用した熊本城を再建するチャリティープログラムが実施されていました。世界で13人のレゴ認定プロビルダーの三井淳平さんの制作のもと、ひとつひとつのレゴブロックを積み上げて完成させます。レゴブロックには参加者のメッセージを添えて寄贈し、完成すれば、熊本城のふもと桜の馬場・城彩苑にて展示されるそうです。私もそのブースに行ったとき、たくさんの来場者が列をつくり参加しているのを目にしました。その中には、海外からの参加者も並んでいたので、日本の災害の現状について知っていただくことのできる良い機会になったと感じました。
 今回、ツーリズムEXPOジャパンに参加し、日本の魅力を再確認することができました。まだまだ訪れたことのない地域がたくさんあるので、いろいろな地域に旅したいです。また、旅することの大切さ、意味を知ることができ、とても有意義な1日になりました。

見て、聞いて、体験する
 国際観光学部2年 安部和樹

 私は9月23日に、東京ビックサイトで開催された「ツーリズムEXPOジャパン2016」に参加しました。今回、このような「旅」をメインにしたイベントに参加したのは初めてでしたので、世界中の観光地が一堂に集結しているので、会場に入った途端、空気に圧倒されながらも、1日で世界中を旅した気分になり、とても興奮しました。
 ツーリズムEXPOジャパンとは、ただたんにパンフレットを手に取るだけではなく、エリアごとにそれぞれの地域や国の魅力を知ってもらおうと、実際に「体験できる」コーナーが用意されていたり、スタンプラリーで遊びながら、楽しくその地域や国のことが学んだりできるなど、どれも実際に行って見たくなるような工夫がされていました。食べ物のコーナーも充実していて、私はケバブを食べましたが、他にも世界のその地域に行かないと食べられない料理がたくさんあったので、それも魅力のひとつに感じました。
 特に印象に残っているのが、ケニアのブースです。そこには地域の方がおられ、言葉は通じませんでしたが、一緒に飛び跳ねるなど、ダンスをすることでコミュニケーションが取れ、「コミュニケーションのツールは話すことだけではない」と知ることができました。また、何よりも見るだけではなく、「体験する」ということが大切だと感じました。
 もうひとつ印象に残っているのが、カジノなどのエンターテイメントの本場、アメリカのラスベガスエリアです。ここでは観光の「今」を見ることができ、今までは旅とは自然などの景観を目的とするものや、歴史を巡るなどのイメージがありましたが、娯楽をメインに観光を打ち出していました。自分が書いたヘリコプターの絵が、ブース前のラスベガスを背景にしたモニターの中を飛び回るなど、ユニークさにあふれていました。他にも、ラスベガスに行って困ったことがあれば、日本語でもしっかりと対応してくれるアプリケーションもあり、安心できました。
 今回、このイベントを通して、行動することの大切さを学びました。話を聞くことで、今まで自分たちが想像していたイメージとは違っていたり、実際に体験してみることで、「行ってみたい」と興味が湧いたりと、どのエリアもあの手この手で「ぜひ観光に来てほしい」とPRしており、活気が伝わってくるイベントで、今からでも旅がしたくなりました。さまざまな新しい発見ができ、楽しみながらその地域や国のことを学べました。また、来年も参加したいと考えています。