平安座レナさんのニュージーランドでの留学生活がスタートしました

 阪南大学にはさまざまな留学制度があり、森重ゼミのゼミ生もこれらの制度を利用して毎年1~2名が留学に行っています。今年2月末に新4年生の長澤天桜さんがカナダ・ゲルフ大学から帰国しましたが、ちょうど入れ替わるように、3月から新3年生の平安座レナさんのニュージーランド・オタゴ大学での留学生活がスタートしました。留学期間は約1年間ですので、3年生の間ずっとニュージーランドで過ごすことになります。
 彼女がニュージーランドで生活を初めてすぐ、同じ南島のクライストチャーチでモスク襲撃事件が起こりました。幸い、彼女の周辺に大きな変化はなかったようですが、まだ言葉もままならない状況で不安は大きかったように思います。この件については、彼女もレポートで触れていますが、海外では予期せぬ事態に遭遇した際、頼るところが少なく、自身で対応しなければならないことも多々あります。語学や異文化の修得だけでなく、さまざまな対応力も身につく機会が留学ですが、くれぐれも安全に配慮しながら生活を続けてほしいと思います。(森重昌之)

留学先での様子

  • ダニーデン駅にて

  • トマホークビーチにて

  • 襲撃事件の追悼式の様子

新たな生活の始まり

国際観光学部3年 平安座レナ

 私は3月2日から約1年間、ニュージーランドに留学することになりました。将来、世界中の多くの人びととコミュニケーションをとる仕事に興味があること、また日本とは異なった文化やの生活を学びたいと思い、留学を決意しました。今回のレポートでは留学生活の1ヶ月の様子を紹介します。
 私の留学先はニュージーランドのオタゴ大学です。ホームステイ先から大学まではバスで20分くらいです。大学のクラスは日本人2人、タイ人2人、中国人3人、サウジアラビア人1人の計8人のクラスです。1週間前に、日本とアルゼンチンから来たクラスメイト3人が帰国したので、人数が減って少し寂しくなりましたが、先生もとてもおもしろく、英語を学びやすい環境です。授業では「会話」を用いることが多いです。他の国のクラスメイトは、日本人に比べて英語を話そうという意識が高く、積極的に会話しているように感じました。毎週金曜日に1週間のまとめの小テストがあるので、授業の復習は毎日欠かさず行うようにしています。
 私のクラスには、さまざまな国や年齢の異なった人びとが集まっているので、その国の文化や生活の話を聞くことができ、毎日とてもおもしろいです。3人の友人が帰国する前日には、朝からモーニングランチを食べに行ったり、放課後にはハンバーガショップや買い物に行ったりするなど、とても仲の良いクラスです。しかし、私たちの共通の言語が英語のため、伝えたいことや気持ちを英語で表現することが難しく、相手の内容を理解する時に時間がかかることもあります。その時、もっと英語を学びたいという思いが強くなり、英語に打ち込む原動力になっています。
 ホームステイ先はホストマザー、ファザー、女の子3人の5人家族です。毎日私を気づかって話かけてくださり、健康を考えて美味しい食事をつくってくださいます。一緒に映画を見たり、休日にビーチに行ったり、アイスクリームを食べに連れて行ってくださったりします。子どもたちは音楽が流れると踊り出すような元気な子どもたちで、毎日笑わせてくれます。毎週末にはホストマザーの友人が来て、ワインを飲みながら会話を楽しんでいます。多くの方々が私に笑顔で話かけてくださいますが、その時も会話の内容を理解したり、自分の思いを伝えたりできず、苦しい時が多くあります。ホストマザーがヨガに通っているので、私も趣味の1つであるヨガ教室に通い始めました。すべての説明はもちろん英語なので大変ですが、講師の方々も優しく、リフレッシュするだけでなく、リスニング力の向上になると実感しています。
 ニュージーランドに来て1ヶ月が経ちましたが、その間にクライストチャーチで銃襲撃事件がありました。多くの人びとが命を落とし、ニュージーランド史上最悪の事件と言われています。私はオタゴ大学内にあるスタジアムで行われた追悼式に参加しました。英語での演説をすべて理解することはできませんでしたが、演説者の涙や場の雰囲気から、改めて事件の悲惨さが伝わりました。この経験から、話す言語が異なっていても気持ちを理解するのに壁はないと感じました。
 初めの頃は、大学から1人でニュージーランドに留学したため頼れる友人もおらず、毎日が不安でした。しかし、この環境をプラスに捉え、多く人びとに話かけ、友人をつくりました。また、新しい環境で習い事をしたり、自ら行動を起こしたりすることで学べることが多くあります。これからもいろいろな経験を積み、そこから得られる悔しさや楽しさを、英語を学ぶ向上心に変えて頑張っていきます。