2009.11.22

松ゼミWalker vol.35 日本観光研究学会にて新今宮TICでの活動を発表!!

第24回日本観光研究学会大会で発表(レポーター:佐藤有)

学部生の発表は珍しい??

 2009年11月22日(日),立教大学新座キャンパスで行われた第24回日本観光研究学会全国大会にて,松村嘉久・佐藤有・有村遊馬の3名が,松村ゼミを代表して,新今宮観光インフォメーションセンター(以下は新今宮TIC)での取り組みについて,学会発表してきました。有村さんは大阪大学人間科学部の4回生,新今宮TICの活動をお手伝いしてくれています。
 午前9時50分から三本続けて朝イチの発表,定員30名くらいの発表会場には,雨が降り冷え込むなか,10数名の方が来場してくださいました。聴講者は多くありませんでしたが,松村先生によると,「観光学の世界では有名な実力者ばっかり。」とのことでした。和歌山大学観光学部の小畑力人教授・神田孝治准教授,大阪観光大学の尾家建生教授,本学の吉兼秀夫教授も,発表を聴講されていました。発表時間は1発表あたり15分で,質疑応答が約5分。私たちは以下の順で発表しました(*が口頭発表)。
 松村嘉久*・佐藤有・有村遊馬「新今宮観光インフォメーションセンター設立の経緯と運営戦略:国際ゲストハウス地域の創出に向けた活動報告 その1」
 佐藤有*・有村遊馬・松村嘉久「新今宮観光インフォメーションセンターの活動内容と利用実績:国際ゲストハウス地域の創出に向けた活動報告 その2」
 有村遊馬*・松村嘉久・佐藤有「アンケート調査からみた新今宮界隈の外国人個人旅行者の実態報告:国際ゲストハウス地域の創出に向けた活動報告 その3」

緊張した発表とやり遂げた達成感

 トップバッターの松村先生はさすがに慣れたもので,すらすらと15分きっちりで発表を終えられました。次は私の順番。緊張から余裕はほとんどありませんでしたが,質疑応答では3名の先生方からご質問を頂きました。松村先生からは「上出来や。原稿を読みにかかったから,女子アナみたいやったけど,違和感なかったわ。」と合格点を頂きました。最後の有村さんもそつなく発表をこなし,松村先生からも合格点が出ました。
 2ヶ月をかけて取り組んできた学会発表がようやく終わり,私は「やり終えたー!」という達成感と共に一挙に脱力しました。22日の夜は池袋まで帰り,3人でお疲れ様会をしました。生ビールを飲んで,初めて「美味しい」と思いました。

「学会発表を終えて。」 佐藤有

 ちょうど1年前,私は,長野県上田市の長野大学で開かれた前回大会での松村先生の発表に,現3回ゼミ生4人と観光がてら同行しました。この模様は「松ゼミWalker vol.1」で紹介されています。そして1年後,昨年聴く側にいた自分が,今年は発表する側に立ったことにすごくびっくりしています。今回,学会発表する機会を得て,私は本当に貴重な経験をしました。発表が決まってから,エクセルを使って新今宮TICの利用実績を入力して,それを分析したり,グラフや表を作成して原稿を書いてきました。その間には,右も左も前も後も分からなくなることもあって,私にできるのかとずっと不安に思っていました。
 しかし,発表を終えたいま,やっぱり「挑戦してよかったな。」と思います。今はまだ成長したという実感はないけれど,「あれだけの事したんだから,少しは成長してるでしょ!」と確信できます。何より,これまでゼミの皆と取り組んできたことを形として残せたこと,学会発表で評価していただいたことが嬉しく,誇りに思います。一緒に発表させていただいた松村先生と有村さんには,本当にお世話になりました。ありがとうございました。そして,一緒に頑張ってきたゼミ生みんなに本当に感謝してます。これからも皆で楽しく,仲良く頑張りましょう。

学会発表をやり遂げるまでのドタバタの日々(レポーター:佐藤有)

「学会発表せなあかんやろう」

 学会発表の話が持ち上がったのは,今年の夏の終わり頃でした。松ゼミWalkerで紹介してきた新今宮TICの運営では,更なるステップアップへの課題を探しだそうと,日々の利用記録をしっかりと残してきました。振り返れば,日々の記録ノートはすでに8冊を超え,スタッフ間で情報交換のために作成してきた色々なノート類もずいぶんとたまりました。そして,9月中旬,松村先生は私たちに,「皆で力を合わせて作り上げ,利用記録やノウハウを蓄積して来た新今宮TICやから,単に運営しています…で終わらせたらあかん。ちゃんと日本の観光研究のなかで位置付けて,我々の存在意義をアピールせな,産学連携で大学が関わっている意味が無いと思わんか。やって終わりやったら,その次に向けて何も残らへん。外国人向けの街歩きと日々の記録ノート,あと真夏にやった外国人宿泊者へのアンケート調査,無駄にしたないやろう。これくらいはしっかりと分析して学会で報告しようや。」と訴えました。
 ゼミ生一同突然の話しで驚きましたが,「それはそうだ!!」と納得し,賛同。11月に行われる日本観光研究学会の全国大会をその舞台に選びました。

ねぇねぇ,誰がするの…?

 問題は誰が発表するか,でした。大会論文集の原稿〆切までは僅か3週間…加えて,先生はほかのお仕事もあり,時間がありませんでした。先生は,「おれが全部は出来ひん。指導はするから誰か責任もって分析して原稿書いてぇや。まぁ,新今宮TICの利用記録の入力と分析は,ゼミ長の(佐藤)有やろう。アンケート調査の分析は,丸(副ゼミ長の丸市将平のこと)の予定があかんのやったら,有村君にお願いしようか。誰かやりたい奴おったら,遠慮なくいいや。大したことないって。」 ゼミ生皆は,「…。」。
 結局そのまま,私と大阪大学人間科学部4回生の有村遊馬さんに白羽の矢が立ちました。有村さんは日頃から新今宮TICの運営を手伝い,外国人向け街歩きツアーでも活躍してくれています。ご自身の卒業研究として,新今宮界隈のバックパッカーについて取り組んでおり,松村先生を尋ねて来て,そのまま先生にヘッドロックされました。そして,先生の急な学会発表のお誘いにも,手を挙げてくれました。
 さて,なにもかもが初めての経験である私たち学生2人にとって,準備から作業はなかなか進まず,松村先生からのダメだしと徹夜に近い日々が続き,学会発表はとても大きな責任のある挑戦となりました。 先生は「慣れた奴がシャカリキになれば,3日で分析できる。」とおっしゃっていましたが,私の分析は全く終わる気配がありませんでした…。

もうヤダ…ダメだしの連続…

 はじめのうち,独りで一生懸命分析して時間をかけて作成したグラフや原稿も,先生に言わせたら,まったく使い物になりませんでした。「慣れた」先生のわずか数分の手直しで,私が長らく思い悩んでいたことが,目の前で解決され修正されてたちまち形になっていきました。「私が悩んでいたあれだけの時間は一体何だったんだろう。」と,できない自分に腹が立ちました。
 大会論文集の原稿が完成し,速達で郵送したのは必着〆切日の前日。梅田にある大きな郵便局の速達窓口に駆け込み,消印を押したほぼその瞬間に営業終了の18時になりました。映画のワンシーンのように仕組まれている様でした。論文原稿を提出し終えて,私は一安心でした。でも,もちろん終わりではありません…次は本番の学会発表用のパワーポイントの作成です。
 松村先生の学会発表への要求レベルは高く,「学会発表は絶対に発表時間厳守。定められた時間内で全部を説明しきり,きちんと質疑応答に対応でき,発表のなかで品の良い笑いをとれたならば最高。」と言われました。2人の作成した発表用パワーポイントにもたくさんのダメだしがありました。「君らなあ,映画やとかテレビドラマ見るやろう。パワーポイントはカット割りとおんなじや。君らのは,伝わらんわ。」 そこから,私たち2人は,時には互いに意見を出し合ってそれぞれのパワーポイントの完成を目指しました。

分厚い論文集を手にして感動!!

 学会発表が決まってから2ヶ月ほど,私と有村さんは,松村先生の本当に厳しい指導のもと,何度も何度も先生とやり取りして,データ分析から原稿作成,さらには学会発表のプレゼン作成までを行いました。そして,11月17日(火)の松村ゼミの授業時間にて,ゼミ生たちの前で模擬発表を行いました。その際,松村先生からのダメだしは無く,「ええやん。最低限いけるやろう。」と初めて評価していただきました。松村先生やゼミの皆からいくつかのアドバイスがあり,「あとは発表本番当日の朝にでも最終確認しよう。」となりました。
 私たちは,それぞれ別々に発表前日の21日に東京入りしました。私はお昼過ぎに東京に入り,宿泊が上野だったので,上野公園と国立科学博物館を散策し,夕方から有村さんと合流して夕食後,明日の発表に向けて最終確認を行いました。私は「どうしよう。朝寝坊しちゃうんじゃないか…。」と思ったら,時間が気になってあまり眠れませんでした。発表当日,私たち3名は8時半頃会場に到着,文字通りの一番乗りでした。受付の始まる9時過ぎまで,発表用のパワーポイントの最終確認を行いました。受付を済ませると,「第24回 日本観光研究学会全国大会 学術論文集」という分厚い本を6冊も手渡されました。なかを見ると,自分の書いた論文が,自分の名前が載っています。「頑張ったなあ…。」とこの2ヶ月間の奮闘を思い出し,感動した瞬間でした。

松村先生からの長めの一言とゼミ活動記録

 日本観光研究学会の全国大会は,この世界で最高のハレ舞台なので,当然のことながら,敷居も要求される学術レベルも高い。これまで学部生が発表した前例は無かったのでは…。それゆえに,私も佐藤さんと有村君には,とても高いハードルを用意しました。結果として,二人の学会発表は内容もプレゼンも,他の発表者に決して負けない充実したものであった,と私は高く評価しています。発表後の諸先生方との質疑応答の感触もとても良かった。
 思い起こせば,私も今から十数年前,大阪市立大学時代の石川義孝教授(現・京都大学)にとても厳しい指導を受け,研究者としての基礎を徹底的に教わりました。「あの数年間があるから,今の自分がある」,と本当に感謝しています。何事も経験が大事,乗り越えたハードルが高ければ高いほど,次のハードルが相対的に低く見えます。
 それにしても,佐藤さんや有村君には少し早すぎたかな…,いや,やはり,早ければ早いほどいいと思う…。たとえ研究者を目指していなくても,状況を分析して整理して課題をまとめ,他者にしっかりと伝えて理解してもらうという能力は,社会に出ても絶対に必要です。

松村ゼミの活動記録

 さて,松ゼミWalkerはここ1ヶ月ほど沈黙していました。何もしていなかったわけではありません。ゼミ生たちは土日の新今宮TICの運営を淡々とこなし,それ以外のゼミ活動も多々あり,松村は学会シーズンに突入。ゼミ生も私も超多忙で,発信する時間が確保できなかった…。ほっておくと忘れてしまうので,ここに活動の記録のみ残しておきます。
 10月9日(金)中国広東省からの大学生の訪問受入れ(河内天美の商店街と生活空間を街歩きで紹介・日中大学生交流会の実施):石橋・王穎・山岸・窪堀・河嶌ほか
 10月17日(土)日本現代中国学会全国大会@神戸大学へ参加&神戸フィールドワーク:佐藤・丸市・石橋・茶谷・齋藤・久保田・窪堀・河嶌ほか
 10月27日(火)南キャンで松村ゼミの「すき焼きパーティ」開催:ゼミ生全員ほかゲストあり
 11月3日(火・祝日)「至高の華(梅若玄祥・桂南光出演)@比叡山延暦寺大講堂への押しかけボランティア&坂本のフィールドワーク:佐藤・石橋・窪堀・河嶌・久保田・安達ほか

記念撮影ほか

  • 広東省からの中国人学生たちとの記念撮影,このあと南キャンパスへ移動して日中学生の交流会開催

  • 現代中国学会全国大会を昼過ぎで抜け出し,神戸市内のフィールドワークへ

  • 松村ゼミのとても美味しい「すき焼きパーティ」終わりの記念撮影,なぜか谷口廣之教授が中央に…

  • 比叡山延暦寺大講堂での梅若玄祥師の能楽と桂南光師の落語のコラボ,我々は会場設営のお手伝い