フィールドワークの概要について

総勢57名がオアシスに集結

 2009年4月26日(日)朝9時過ぎ,阪南大学国際観光学科の学生55名(OB1名含む)と教職員2名(松村嘉久・中上智夫)の総勢57名が,ホテル『オアシス』のロビーに集結した。この日は「新今宮からの日帰り観光をフィールドワークする」という企画で,新今宮から関西圏の著名な観光地へ,学生たちで構成される調査チームを派遣して,共通の目的を持ってフィールドワークを行う日であった。
 松村ゼミでは2009年1月末からの観光案内所の試験的運営での経験から,外国人個人旅行者が,新今宮の大阪国際ゲストハウス地域を拠点として,関西圏の著名な観光地へ日帰りで往復できる環境にあるのか,という根本的な課題を見出した。観光案内所で案内する側の我々は,何の疑問も感じずに,「世界遺産の姫路城に行くには,JR環状線で大阪駅まで行き,神戸方面に向かう新快速に乗ればいい」,とアドバイスしていた。

外国人旅行者の意外な冒険?!

 しかしながら,改めて考えてみると,日本に初めて来て日本語も全くわからない外国人が,果たしてこのアドバイス通りすんなりと動けるのだろうか。私は通勤でJR大阪駅を利用しているが,ガイドブックを手に案内表示の前で格闘している外国人旅行者に声をかけ,正しいホームまで連れて行ったことが何度もある。
 日本人なら案内表示も読めるし駅員に尋ねることもできる。それが出来なければ,JR環状線の大阪駅で,姫路行きの新快速にたどり着くまでにいったいどれほどの時間がかかるのだろうか。JR姫路駅に降りてから,姫路城へは簡単に行けるものなのか。我々が思う以上に,それらは大変な冒険なのかもしれない。

わからへんならフィールドワークせなあかんやろう!!

 あいりん地区の簡宿街を新今宮の大阪国際ゲストハウス地域へ変えるには,外国人旅行者が新今宮を拠点に,関西圏の著名な観光地へ日帰り観光する環境が整備されなければならない。観光案内所を常設するにあたっては,いま現在でその状況がどうであるのかをフィールドワークで確かめ,その現状を踏まえた上で外国人旅行者を案内すべきである。観光案内所の成果と課題をゼミ生たちと議論するなかで,この課題だけは避けて通れない,現状を知らないままでは責任を持って案内ができない,との結論に達した。
 幸いなことに,ホテル中央グループの山田純範会長から,ホテル『オアシス』のモニター宿泊のご依頼をいただき,阪南大学現代GP(現代的教育ニーズ取組支援プログラム)の「実学指向型総合的キャリアシステムの構築」から,フィールドワークにかかる交通費や実費が得られることになり,このフィールドワークが実現した。

13チームが関西圏の観光地へ

 今回のフィールドワーク,コアーメンバーは松村とOBの濱中勝司さんと3・4回のゼミ生17名の19名。残りの37名はいずれも国際観光学科の1・2回生で,フィールドワークの経験は浅いか全くない。フィールドワークの方法を後輩に伝える良いチャンスでもあるので,コアーメンバーには頑張ってもらった。
 コアーメンバーのなかにも,まだフィールドワークの経験が浅い学生もいる。現時点で出来るか出来ないかという能力の問題は別として,松村ゼミのゼミ生なら,何をしなければならないか,ということは熟知していて,それを必死にやろうとする。そうした姿を後輩たちには見て欲しかった。
 60名近い大規模なフィールドワークは,13チームに分かれて関西圏の観光地へと向かった。フィールドワーク当日の読売新聞朝刊に我々の調査を紹介する記事が掲載され,コアーメンバーや参加者のやる気は奮い立った。
 なお,各チームのボスは松村ゼミ生が担当した。13チームが向かう関西圏の観光地は観光案内所の試験的運営の成果から選定され,誰がどこのボスを担当するのかは,あみだくじで決めた。フィールドワーク当日に参加者全員に配布した『「新今宮からの日帰り観光をフィールドワークする」調査要領』の概要を以下で紹介しておく。

フィールドワークの要領

「新今宮からの日帰り観光をフィールドワークする」調査方針

・ 初来日で日本語のわからない外国人旅行者の目線で移動し行動し観光する。
・ 外国人旅行者が独力で観光できる環境にあるのか,という観点から記録する。
・ 各チームのボスが責任を持って調査を行い,松村に報告する。

記録する内容について

1.多言語表示の現状
 ・ 新今宮から観光目的地の最寄り駅まで(切符売り場・ホームへの導線・案内表示・車内での路線表示・車内アナウンス・下車から出口までの導線)
 ・ 最寄り駅から観光目的地まで(駅構内の周辺案内図・観光案内所・道中の道案内表示)
 ・ 観光目的地・観光スポットにて(パンフレット・案内版その他)
2.観光案内所について
 ・ サービス内容
 ・ 立地条件や外観や利用状況など

チーム編成について(筆頭者が各チームのボス)

「高野山」チーム
安達七菜(3回生),田谷成美(2回生),小林志帆(1回生)

「私鉄利用の姫路城」チーム
丸市将平(3回生),南叡子(2回生),野宮実沙子(1回生),桝谷里穂(1回生)

「JR利用の姫路城」チーム
佐藤有(3回生),鍛冶屋詩織(1回生),高橋由衣(1回生),松本志保美(1回生)

「私鉄利用の神戸」チーム
永野健太(3回生),松原歩美(3回生),和田夏実(1回生)

「JR利用の神戸」チーム
河嶌友紀(3回生),平田瑛(1回生),牧野彩花(1回生)

「法隆寺」チーム
山岸枝里子(3回生),梅林さおり(2回生),大本拓(1回生)

「私鉄利用の奈良」チーム
茶谷みなみ(3回生),小原五月(2回生),戸川恵梨子(1回生)

「JR利用の奈良」チーム
窪堀愛子(3回生),新井あやな(2回生),田中陽(1回生)

「私鉄利用の京都」チーム
藤井宏美(3回生),王雪(3回生),坂田悠貴(1回生)

「JR利用の京都」チーム
齋藤有沙(3回生),前島佑香(2回生),鉄田沙也加(1回生)

「京都郊外」チーム
王穎(3回生),前田紗希(3回生),濱中勝司(OB),仲井直生(1回生)

「大阪市内A」チーム
久保田早也佳(3回生),高橋はる香(3回生),若松大智(2回生),津下愛果(2回生),川野充香(1回生),生田実里(1回生),井上咲季(1回生)

「大阪市内B」チーム
松村嘉久(教員), 山田裕也(4回生),前田紗央里(2回生),井原成美(2回生),多田恵理(2回生),仲田美穂(2回生),尾松真理絵(2回生),城彩子(1回生),片岡稚菜(1回生),桑本聡美(1回生),加藤宏美(1回生),藪田佳史(1回生),和田昴之(1回生)

4月27日(月)・28日(火)について

行動の概要

 27日(月)は,大学で平常通りの授業が行われていた。1回生は語学や必修の入門ゼミなどがあったため,FWには残念ながら参加できなかった。FWは松村ゼミのゼミ生を中心として,授業のない2回生も加わり,第2回Let’s walk around OSAKA!の街歩きコースの最終確認,新たな地域資源の探索を目的として行った。午前中は山王1・2・3丁目を歩き,大阪市立大学西成プラザで議論を行い,昼食後は通天閣から,一心寺,下寺町,寺町,四天王寺を巡り,通天閣へと歩いて戻った。午後から大学で授業があるため,途中で抜ける者もいたが,有意義な街歩きであった。午前の参加者は総勢20名,午後の参加者は総勢11名であった。
 なお,夕方から夜にかけて,1・2年生も含めて簡単なミーティングを行った。
 翌日の28日(火)は,松村ゼミの3回生を中心として,このFWに参加した1・2回生も参加するなか,午後3時から阪南大学南キャンパスのアッセンブリーホールにてFW報告会を行った。報告者は各チームのボスが担当した。

27日のフィールドワーク参加メンバー

松村嘉久(教員) 山田裕也(4回生)・松岡慶祐(4回生) 佐藤有(3回生)・丸市将平(3回生)・窪堀愛子(3回生)・山岸枝里子(3回生)・河嶌友紀(3回生)・永野健太(3回生)・松原歩美(3回生)・久保田早也佳(3回生)・藤井宏美(3回生)・茶谷みなみ(3回生) 若松大智(2回生)・南叡子(2回生)・前田紗央里(2回生)・津下愛果(2回生)・梅林さおり(2回生)・尾松真理絵(2回生)・前島佑香(2回生)