2月27日、ついに観光案内所の試験的運営の最終日となりました。ちょうど1ヶ月前、手探りの状態からスタートしたこの観光案内所も、色々な人たちの協力のおかげで,日を重ねるごとに充実したものとなりました。
 最終日が近づき、来訪者も増えるなか、いつもと同じように時間が流れました。最後にシャッターを閉める瞬間、何か心にポッカリと穴が開いたような感じがしました。
 打ち上げの席で松村先生から次の展開に向けての発言がありました。その衝撃の内容は…。
 国際観光学科1回生の若松大智がレポートします。

最後の1日が過ぎてゆく…

大谷先生ご夫妻と純令(すみれ)ちゃん

 2月27日,ついに観光案内所の試験的運営の最終日となりました。ちょうど1ヶ月前,手探りの状態からスタートしたこの観光案内所も,携わった皆さんの力で,日を重ねるごとに充実したものとなりました。
 最終日の前日の26日の午後,国際観光学科の大谷新太郎先生から私の携帯に「今から観光案内所に向かいます。」との連絡が入りました。そして,到着予定の時刻になり,案内所の前で先生を待っていると,遠くに大谷先生の姿が見えました。やってきたのは大谷先生だけではありません。何と,先生の奥様と生後6ヶ月の娘さんの純令ちゃんもいらっしゃいました!!
 純令ちゃんは初めて見る顔に驚いてしまったのか,泣き出してしまう場面もありましたが,とても可愛いスペシャルゲストでした。大谷先生,純令ちゃんを連れて来てくれてありがとうございました。

最後の利用者はフレンドリーなタイ人

 話は最終日に戻ります。この日の午後には阪南大学事務の佐々木さん・秋吉さん・山本さんが訪問して下さいました。3名は松村先生らとお話しされ,この観光案内所の活動にとても感心されておられました。その後も阪南大学から,松ゼミWalkerのHP作成でもお世話になっている中上さんと谷垣さんが来られ,案内所の写真をたくさん撮って帰られました。
 この日の最後の利用客,観光案内所の記念すべき最後のお客さんは,タイからの1人旅の男性でした。日本橋を散策したいとのことだったので,スタッフが案内をした後も,逆に彼はインターネットでタイのことを紹介してくれました。彼の友人が働いているホテルも紹介してくれ,「もし遊びに来ることがあれば連絡して。」と優しい言葉もかけてくれました。さすが微笑みの国タイから来た人だなと思いました。
 そして16時になり,長いようで短かった観光案内所もとうとう幕を閉じることになりました。この1ヶ月でこの観光案内所を利用した外国人旅行者は,延べ351名にも上りました。この351名という数字は,予想以上の結果だと思います。
 松村先生からの連絡メールによると,アンケート回収数が377件,参加学生ボランティアが延べ186名でした。来訪者はまだ数えていませんが,軽く50名は超えているとのことでした。
 皆さん本当にお疲れ様でした!!

打ち上げは新世界で

 そして,18時からは,新世界の「づぼらや亜細庵」で打ち上げをしました。参加者は松村先生と学生22名のほか,ホテル中央グループの山田英範社長とOIG委員会の西口宗宏会長にもお越しいただき,25名での大宴会となりました。松村ゼミ恒例のくじ引きで席順を決めた後,松村先生の挨拶で打ち上げが始まりました。カレー鍋や鉄板焼きを美味しく食べながら,みんなこの1ヶ月の思い出話などで盛り上がっていました。また,松村ゼミでバンドを結成しようという話も盛り上がっていました。
 今回,簡宿組合・OIG委員会と松村先生の奥様からカンパがあり,昨年忘年会での繰越金が豊富にあったため,打ち上げの会費は徴収されませんでした。本当に感謝しております。ありがとうございました。
 その後,松村先生が「このなかで「隠れ家」へ行ったことの無いゼミ生はおるか?」と問いかけると,2名の学生の手が挙がりました。「まだおったんか」と松村先生はその2名と西口会長と一緒に,会員制の「隠れ家」へ向かいました。残された学生たちは,スマートボールを楽しみました。私は初めてスマートボールをしましたが,シンプルで面白かった。

一時休業,新装開店はいつになるのか?!

 スマートボールの後は,串かつ屋で飲み直し。案内所で頑張っていただいた4回生の某先輩が「カシスオレンジが飲みたい!」と駄々をこねました。カシスオレンジのあるお店がなかなか見つからず…。何軒目かでやっとカシスオレンジのあるお店を発見し,2次会に突入。某先輩もカシスオレンジが飲めて満足そうでした。
 途中で松村先生らも「隠れ家」から戻って来られ,楽しい2次会となりました。ここは,山田社長が御馳走してくださいました。最初から最後まで本当にありがとうございました。
 そして23時ごろ,名残り惜しかったが解散となりました。

皆様への感謝と今後のこと

 私たちの観光案内所の運営がうまくいったのは,ホテル中央グループほか簡宿のスタッフの皆さん,地域の方々の協力があってこそだと思います。特に山田社長と西口会長は,いつも観光案内所に顔を出していただき,見守っていてくださいました。松村先生と松村ゼミOBの濱中さんも,毎日のようにいらしていました。心からお礼申し上げます。そして何よりも,スタッフの皆さん,本当にお疲れ様でした。この観光案内所は外国人旅行者に非常に喜ばれたと思います。そして,あいりん地区の活性化の新たな第一歩にもなったと思います。
 さて,打ち上げの際,松村先生はこのようにおっしゃいました。「観光案内所の試験的運営は,残念やけど今日で終わりや。来週の3月6日に関わったゼミ生を集めて会議を開き,観光案内所で収集したデータを分析する。それでこの後,どんな形やったら,学生ボランティアで観光案内所を継続的に運営できるのか。新今宮に相応しい観光案内所ってどんなんか,それらを皆で考えよう。単純に,コアになりそこそこしゃべれる奴が8名,それをサポートする奴をざっとその倍ほど集めたら,土日だけの運営なら余裕や。観光案内所発のまち歩きツアーを絡めたら,それだけでも充分意義がある。そのぐらいやったら,すぐにでも何なとなりそうやと思わんか。夏休みや春休みはまた別に考えよう。とりあえず,明日の店じまいは一時休業,5月くらいから新装開店したいと思ってる。またチカラ,貸してや。」
 というわけで,我々の観光案内所,たぶん5月に再開することになるかと思います!!! その時は私も2回生…,とにかくよろしく!!! (レポーター:国際観光学科1回生 若松大智)

松村先生からの一言

 最終日に参加した者は全員が実感したと思うが,観光案内所のシャッターが閉まっていく瞬間,言葉では言い表せない「ああ…」という感覚があったと思う。元々は天井むき出しの単なる倉庫に過ぎなかった空間。そこに色々な人たちの思い出や経験や物語がうめこまれると,そこは皆の記憶がつまった特別な場所になります。
 皆さんがそういう感覚になったのならば,利用してくれた外国人旅行者も,必ず同じような感覚を持ってくれていることでしょう。コミュニケーションとはそういうものです。大阪市内に色々な観光案内所がありますが,私たちのところは異質なところだったと確信しています。
 ゼミ生やボランティア学生の頑張りで,完璧な記録を収集した試験的な運営。外国人個人旅行者がどういう存在なのか,いま一番それをわかっているのは,この観光案内所にボランティア参加した学生かもしれません。
 レポーターの若松,韓国・慶州でも観光案内所でも頑張ったなあ。幹部候補生として松村ゼミへ入るか? 歓迎するで。