11月の定例フィールドワークを実施 11/29/08

現ゼミ生と次期ゼミ生による合同フィールドワーク

 松村ゼミでは、毎月最終土曜日にフィールドワーク(学術的研究におけるテーマに即した場所の直接視察及び調査や聞き取りなどの調査技法)を行っています。先に長ったらしいフィールドワークの説明を書きましたが、簡単にいえば街歩きです。ゼミ生がそれを企画し行うため、一般的なゼミで言うところのプレゼンのようなものです。
 今回は来年度の3回生ゼミのメイン活動である“Let's walk around OSAKA”で2009年4月21日(火)に行われる『第1回:大阪の繁華街の裏路地を歩く《道頓堀・千日前・日本橋》』の実施に向けてコースを下調べするという目的で行われました。 松村先生、卒業生の濱中さんほか、現3回生4名、現2回生10名、ゲスト参加者2名の計18名が参加しました。
 フィールドワーク開始にあたって、外国人旅行者を案内するという観点から彼らが何に興味を示すのか、ということを考えながら街歩きをするようにと先生からの指示がありました。

フィールドワーク概要

 4月21日の本番の街歩きでは2時間〜3時間を目安としており、今回のフィールドワークでも時間を見ながらの街歩きとなりました。
 まず14時に日本橋の国立文楽劇場前に集合。ここで、まず松村先生から地域の概要について解説があり、続いて国立文楽劇場内の展示室に入りました。展示室には文楽で使う人形や三味線などが展示されており、ロビーには英語とフランス語で文楽を解説するモニターが置かれていました。世界無形文化遺産の演じられる場所ということもあり、外国人受けはいいのではないかと思います。
 文楽劇場を出て北へ進み、道頓堀川を渡って西へ。道頓堀川の北側には旅館・ドミトリーのほかホテル・ラブホテルなどが立ち並び、韓国語の看板をよく目にします。 繁華街に近いが比較的家賃が安いこともあり、最近では韓国人が多く居住しているからだそうで、まさに繁華街の裏路地を歩くというテーマにはぴったりの場所でした。さらに西へ進み、堺筋の東側の広場にある安井道頓の石碑をみながら、堺筋を渡り宗右衛門町を抜けました。 
 相合橋を南へ渡り道頓堀に入り、第2目的地である法善寺横丁へ。法善寺横丁では、火災からの復興を記念したパネル前で、先生から法善寺復興の経緯や意義の説明を受けました。繁華街のなかの風情ある街並みは、非常に魅力的に見えました。 
 水かけ不動さんへのお参りを終え、次に向かったのは大阪プロレス。この日はあいにく土曜日で試合があり、中には入れませんでした。街歩き当日は平日なのでここも案内できることでしょう。次にお好み焼きで有名な「おかる」へ。ここも準備中で入れませんでしたが、当日は外国人に大阪の食文化を知ってもらうためには欠かせない場所です。

 小雨が降ってきたということもあり、いったんフィールドワークを中断し、法善寺横丁東口の串カツ「合格や」で休憩。30分ほど前にこの店の前を通りかかった時に、ゼミ生の陳さん(3回生)が、バイト先であるこの店から突然出て来て、みんなを驚かせたのです。僕たちが通るのを知っていて、店の中から外の様子をうかがっていて、発見してくれました。
 その後僕たちが訪れた時、陳さんは休憩中。ずかずかと店に上がりこんだ僕たちの対応に陳さんも駆り出され、休憩は取り消しとなり、お守りをさせられる羽目となりました。お邪魔しました〜。
 串カツを食べてから一行は千日前通りを南へ、道具屋筋へと向かう。NGKの向かいにあるワッハ上方の資料館へ。近い将来ここもなくなるという事で、この機会に見に行きました。資料館は入場料が必要だったため入りませんでしたが、雰囲気は楽しめました。
 ツアーコースに戻り、商売をやっていく上で必要なものはすべてここで揃うという千日前道具屋筋へ。日本人でも楽しめるユニークな雰囲気の商店街は、おそらく外国人にも受けること間違いなし!!

 道具屋筋を抜けると、そこはもう日本橋のデンデンタウン。日本の観光資源ともなりつつあるアニメ文化。東の秋葉原・西の日本橋!! と勝手に言っちゃいましたが、秋葉原には足元にも及ばずとも、外国人も楽しめる場所なんじゃないかと思いました。 ここの裏通りにも個性豊かな商店が並んでおり、大阪七福神巡りの毘沙門天さんもあり、期待できる場所でした。
 17時過ぎに下見フィールドワークは終了したので、約3時間の街歩きでした。本番の街歩きも3時間を予定しているので、寄り道を省けば時間的にも内容も良い感じのコース設定なんじゃないかという印象を受けました。

 街歩きの本番当日は新今宮にあるNPO Cocoroomで懇親会を開き、外国人旅行者との交流を深めようと計画しています。ここも下見しておきたいところです。日本橋から新今宮までは目と鼻の先の距離、松村先生曰く「歩こか」。日本橋から浪速区の市営住宅街を抜け、通天閣界隈を巡り、ジャンジャン横町を通りCocoroomへ到着。Cocoroomの活動や松村ゼミとの関わりは、また機会を改めてふれたいと思います。
 Cocoroomはキャパが小さいので、FITの参加者が多いと入りきれるかどうか、少し不安が残りました。その後はあべのポンテのお好み焼屋で夕食。二次会は天王寺の隠れ家に行き、反省会。この日のフィールドワークは夜の9時過ぎに解散しました。

フィールドワークを終えての感想・考察

 一回目の開催のための下見ということで、今回はコース案内や解説を松村先生がお手本となって行ってくれました。街歩きを熟知している先生だけに、コースや解説、時間配分など完璧でした。が、これで満足することなく、もっと良いものにするために練りに練らなければならないと思いました。
 今回のフィールドワークで得た街歩きの手法やコースのレイアウトの仕方などを、次回からの街歩きに生かし、本番を成功させれるように努力します!!

(レポーター:丸市将平

松村先生からの一言

 せっかくの休憩時間が台無しになり、陳君には悪いことしたなあ…。しかし、アイスクリームの串カツは、大阪に長く住んでいるが初めて食べた。溶け具合が絶妙で美味かった。
 ゼミ生たちへ。街歩き観光は臨機応変の妙が大切。雨が降ったら…、日差しが強く暑ければ…、と参加者の状態を見極めて、手持ちの引き出しをフル活用しなければなりません。当然、引き出しは多い方がいいので、事前の下調べは不可欠です。臨機応変とは、「周到に準備された適当」ということです。わかったか?!