【松ゼミWalker vol.220】 中山大学の訪日実習調査団を案内 (3回生 三宅亜紗未)

 2017年2月12日(日),中国広州の中山大学から,劉雲剛教授を中心とする訪日実習調査団が,20名くらいで大阪へ来られました。教員スタッフは劉先生ほか3名,その他は大学院生と学部学生たちでした。この実習調査団は,広州から関西国際空港へ入り,1週間で大阪,京都,金沢,富山を回り,東京へ移動するという,とてもハードな旅程で,大阪は到着したその日1泊のみの滞在でした。
 劉先生は東京大学で博士号を取得されたそうで,松村先生と同じ人文地理学がご専門,松村先生とはその頃からの友人だそうです。ここ数年,松村先生は香港や広州など中国南部の現地調査へ行かれるのですが,その際は,劉先生や中山大学の大学院生や学生たちに,色々とお世話になっているそうで,今回,ようやくそのお礼をできる機会が来たそうです。
松村ゼミからは,私,大嶋千波,中島成美と3回生の3名が,大阪案内のお手伝いをすることになりました。この3名は全員,中国語を学んだ経験がありません。松村先生によると,中山大学の学生は優秀なので,みんな英語が話せるから英語でいい,もしかしたら日本語を話せる学生もいるかも,とのことでした。確かにその通りで,私たち学生は中国語でも日本語でもなく,英語でコミュニケーションをとりました。劉先生の日本語での会話は完璧でした。
 関西国際空港到着から南海電鉄に乗って,調査団が新今宮駅に着いたのは15時過ぎ。松村先生が予約されたホテル中央セレーネにチェックインして,荷物を置いて動き始めたのがちょうど16時くらいでした。大阪でのまち歩きは,劉先生からのリクエストで,社会問題や文化や観光と絡めて,案内して欲しいということで,松村先生が先導されました。

 私たちは,西成区あいりん地区,西成区山王の老朽化した住宅地,ジャンジャン横丁,新世界と歩き,Tower Knives Osakaへ立ち寄りました。通天閣の良く見える場所で記念撮影しようとすると,学生たちが大きな大学の旗を出して来て,驚きました。Tower Knives Osakaは新しく大きなお店を開いていて,大人数でも見学できるようパワーアップしていました。その後は,堺筋線恵美須町から日本橋駅まで1駅だけ地下鉄に乗り,黒門市場から千日前を歩いて,法善寺横丁から道頓堀へ。
 まちの解説は松村先生が中国語で行い,劉先生が毎回中国語で補足するという感じで進みました。中山大学の学生たちは,真剣にメモしながら解説を聴き,まち歩きの最中にも松村先生の横まで来て,熱心に質問していました。調査の役割分担が決まっていて,帰国後に授業で報告しなければならないそうで,みんな必死でした。
 道頓堀へ到着した頃,ちょうど夕食の時間帯になったので,ホテル中央セレーネまでの帰り方を確認して,現地解散。こんな繁華街のど真ん中で解散して大丈夫なのか,と私は心配したのですが,劉先生は「大丈夫,問題ない」とのこと。中山大学の学生たちは人文地理学や都市計画を学んでいて,事前に調査予定地の大阪のことも調べて来られたそうで,全くご心配されていないご様子でした。
 松村先生は劉先生ら中国側教員スタッフを歓待したいと張り切っておられ,中国側の学生たちとは別行動,私たちはその教員グループにご一緒させていただきました。劉先生が「串カツを食べたいな」とおっしゃったので,松村先生お薦めの新世界の「近江屋」へ行き串カツを食べ,その後は西成のお好み焼き屋へ行き,大阪のコナモンを食べ歩きました。劉先生たちは早朝5時起きだったそうで,さすがにお疲れのご様子。明日は早朝から京都へ移動とのことだったので,私たちはホテル中央セレーネまで劉先生たちをお送りして,21時過ぎに解散しました。別れる際,劉先生から「ぜひ今度は皆さんも広州へフィールドワークに来て下さい,歓迎しますよ」と声をかけていただきました。