【松ゼミWalker vol.214】 堺・高石へのモニターツアー

堺・高石モニターツアー開催の経緯(3回生 大嶋千波)

 2016年10月30日(日),秋晴れのなか,新今宮発で堺・高石へ外国人旅行者を誘うモニターツアーを行いました。今回のモニターツアーは,泉州地域へのインバウンド誘致を推進する方法を探るため,泉州地域政策課題研究会(事務局:公益財団法人堺都市政策研究所)が主催されたもので,阪南大学国際観光学部松村嘉久研究室が共催して実現しました。同研究会からのご依頼で,今年6月,松村先生が『インバウンドを泉州地域へ呼び込むための戦略と課題』という講演されたことがご縁となり,協働でモニターツアーを実施することになったそうです。
 当初,新今宮界隈のゲストハウスでインバウンド客を募り,特別にバスをチャーターして,泉州地域の観光資源を広く見て回り,外国人旅行者の目線から,その内実を評価してもらい,アドバイスをもらおう,ということで話が進んでいました。しかし,インバウンド客,外国人個人旅行者(FIT)を本気で呼び込みたいのならば,公共交通手段を利用して行けるところでないと,現実問題として,FITは行きたくても行けないだろう,とゼミで議論されました。そこで,松村ゼミから,より実効性のあるモニターツアーにするためも,「公共交通を利用すべき,訪問する観光資源も厳選して絞り込むべき」と提案して受け入れられました。

 モニターツアーの行先は,泉州地域政策課題研究会と相談のうえ,堺市と高石市と決まり,特に堺市ではレンタサイクルでの移動も試そう,ということになりました。レンタサイクルや,訪問予定の施設との交渉は,堺都市政策研究所の職員が行ってくださり,モニターツアー当日のサポートもしていただきました。松村ゼミが担当した役割は,FITの集客,モニターツアーの企画・催行でした。
 普通,こうしたモニターツアーでは,FITの代わりに日本で学ぶ外国人留学生を募ります。ところが,松村ゼミが協力するツアーでは,新今宮のホテル東洋などのゲストハウスと連携して,本当のFITを集めます。今回のツアーでも,ホテル東洋のスタッフにお願いして,ツアー前日までに8名のFITを確保していただき,ツアー前日夜,松村先生と2回生の藤田和樹がFITの勧誘に伺い,ホテル東洋で憩う数名のFITに声をかけました。

 そもそものツアー募集定員は,5名から多くても10名と想定。ツアー当日朝は,ホテル東洋前に9時過ぎに集合し,近くの喫茶店でモーニングを食べながら最終の作戦会議。チェックアウトが10時なので,チェックアウト前を狙ってFITに声をかけ,最終の人数調整を行いました。
 その結果,FIT参加者は,フランス人男性4名,フランス人女性1名,オランダ人男性・女性各1名,ドイツ人男性1名,カナダ人男性1名,イスラエル人女性1名の計10名,見事に,予定ぴったりの人数でおさまりました。フランス人とオランダ人はホテル東洋スタッフが勧誘,ドイツ人とカナダ人はツアー前日の声かけで勧誘,イスラエル人は当日朝に参加が決まりました。
 松村ゼミからの参加者は,教員の松村嘉久,4回生の竹中さおり・浜野文菜,3回生の大嶋千波・妻藤稀保,2回生の尾中ひな・松島未央子・松井昭憲・藤田和樹の計9名。これに,堺都市政策研究所の職員と関係者が計4名,阪南大学入試広報の取材グループが計3名加わったので,合計で26名でのツアーとなりました。なお,この記事で使用している写真は,ほぼ全て,入試広報の取材グループからご提供いただきました。また,FIT参加者のみなさまからは,ツアー時の写真が阪南大学関連の印刷物やウェブサイトに掲載されるかもしれないことをご快諾いただきました。ありがとうございます。

 ツアー旅程の企画は,事務局側からいただいた訪問先リストを参照しながら,2回生の松井昭憲が原案を考え,ゼミで話し合い修正してから事務局側へ提案。事務局側の意見も反映させて練り直し,確定しました。
 ツアー案が確定すると,本来ならばゼミで下見へ行くのですが,後期に入ってから色々と調査やイベントが重なり,ゼミ全体で下見に行く時間が確保できませんでした。
 そこで,地図とGoogle Earthを駆使して,ゼミで松村先生が細かいツアールートを確認しましたが,レンタサイクルでの移動もあるので,安全確保のためにも,やはり下見は絶対にすべきだろう,ということになりました。そこで,10月27日(木),授業も会議もなかった松村先生が,堺市内の自転車移動ルートのみ確認して回られ,「ガチンコのモニターツアーやから,道に迷い戸惑うのもありやな。安全第一で気楽に行きましょう。」との報告がメールでありました。
 最終的なツアーの概略は以下の通りとなり,松村先生からメールで事前に周知されました。
 ホテル東洋(11:00発)→南海新今宮駅(11:10発)→南海堺東駅(11:20着)→銀座通り商店街で昼食(11:30から12:30)→レンタサイクルを借りて出発(13:00発)→仁徳天皇陵古墳→自転車博物館(14:30発)→さかい利晶の杜(15:50発)→堺伝統産業会館(16:20発)→堺駅(16:50発)→高師浜駅(17:10着)→工場夜景見学→高師浜駅(17:40発)→南海新今宮駅(18:00着)→新今宮のKama Pubにて意見交換会(20:00解散予定)

 ツアー当日朝の作戦会議では,松村先生から,誰がどの役割を分担してどう動くのかなどの細かい指示と,ツアー参加者の状況を見てこう変えるかもしれない,というオプションの説明がありました。役割分担では,先頭は松村先生・妻藤稀保・松井昭憲が,中盤は竹中さおり・松島未央子・藤田和樹が,殿(しんがり)は浜野文菜・大嶋千波・尾中ひなが担当。この他に,チケット購入係に浜野文菜と松井昭憲が,連絡係に妻藤稀保と大嶋千波が選ばれました。
 この役割分担には,松村ゼミがこれまで積み重ねてきたツアーの経験が活かされていて,お互いが連携を取り合えば,ひとつの集団として,共通の意思を持って動けるよう工夫されています。松村先生から特に指示があったのは,3・4回生はしっかりと2回生を指導するよう,FIT参加者の行動やリアクションを常に観察するよう,FIT参加者に積極的に話しかけて色々と聴き出すよう,などでした。

商店街での昼食のチョイスについて(2回生 尾中ひな)

 ツアーの昼食は四つのグループに分かれて,堺東駅前の銀座通り商店街へ行き,FIT参加者に自由にお店を選択してもらうことになっていました。四つのグループは,A:松村先生と尾中ひな,B:竹中さおりと松井昭憲,C:大嶋千波と藤田和樹と浜野文菜,D:松島未央子と妻藤稀保に分かれ,それぞれのグループが2,3名のFITと一緒に行動。
 お昼ご飯を食べるのも,モニターツアーの一環で,FIT参加者が商店街を練り歩くなかで,どのようなお店に反応して,どのような理由でお店を選ぶのか,私たち学生は観察することになっていました。

 私たちのAグループは,オランダ人の男性と女性と,お店を探したのですが,「何か食べたいものがありますか」と聞くと,逆に,「お薦めのものを食べたい,洋食や中華ではなく日本食がいい」とおっしゃり,少し困りました。歩いていると,食事サンプルを展示している純和風のそば屋があり,「ヌードルとライスボールとセットメニューがあるがどうか」と尋ねると「OK」ということなのでそこへ入りました。
 メニューは日本語のみ,お店のおばさんも基本,日本語のみ,私たちが英語でメニューを説明したところ,お二人とも親子丼とうどんのセットメニューを注文されました。松村先生はそばを「そばからできた黒い麺」,うどんを「小麦からできた白い麺」とご説明されていたのが印象的でした。オランダ人はお二人とも,親子丼もうどんも,お箸を器用に使って,音を立てないよう静かに食べられていました。「日本は音を立てても問題ありませんよ」と伝えると,「知っている」とおっしゃいましたが,決してうどんをズルズルとすすることなく,静かに食べ続けられていたのが印象的でした。
 私たち以外のBチームは,フランス人男性が「シーフードを食べたい」とリクエストされたので,海鮮系のランチのある「源ぺい」へ行ったそうです。一応,写真付きの英語メニューが用意されていましたが,分かりにくくて,どんな料理か説明したそうです。Cチームは偶然,私たちAチームと同じお店を選択しました。Dチームは「何でもいい,色々と食べたい」というリクエストがあり,定食かセットメニューのあるお店を探したそうで,結果的に「宮本むなし」へ入ったそうです。
 「宮本むなし」は席に座ってから注文するのではなく,先に食券を自動販売機で買うスタイル。FITはかなり戸惑うと予想されたのですが,少しアドバイスするだけで,意外とすんなり対応できたそうです。実は,新今宮にも「宮本むなし」があり,そこへ行ったことがあり,よく知っていたそうです。
 私が観察した印象ですが,地元のローカルなお店よりも,チェーン店系のお店の方が,お店の前でサンプルや写真メニューを置いているところが多く,FITに安心感を与えるようです。私たちに何度も「お薦めは」と尋ねていらっしゃいましたが,ローカルをよく知る人と一緒ならば,地元の人が行く安くて美味しいお店を選びたい,でも,案内人がいなくて自分たちだけなら,チェーン店系のお店を選ぶのかな,と思いました。それと,堺東駅前の銀座通り商店街全体の印象として,外国人客が来るかもしれない,という心の準備ができていない感じがしました。道頓堀や千日前,黒門市場などは,もう,外国人客が来るのが当たり前という感じですが,同じ大阪府下でもまだかなりの温度差があるように感じました。

サイクリングの可能性と限界(3回生 妻藤稀保)

 今回のツアー,堺市内での移動は,「さかいコミュニティサイクル」で借りた自転車を利用しました。南海高野線堺東駅から近い堺東観光案内所でレンタルし,堺市内の観光スポットを回って,最後は南海本線堺駅の地下にあるサイクルポートで乗り捨てました。
 1日のレンタル料は300円,電動アシスト自転車でも400円と格安。季節や天候にもよるでしょうが,自転車での移動は爽快で,レクレーション性も高く,FIT参加者が利用する可能性はとても高い,と思いました。FITが堺市街地の観光スポットを巡ろうとするならば,バスよりもサイクリングの方が,間違いなく便利だと思います。
 FITがレンタサイクルを利用するに際して,不便な点も多々ありました。コミュニティサイクルの名前の通り,本来この自転車は,地元の人たちが通勤や通学でリピート使用するのが基本となっていて,利用希望者は登録してカードを取得し,そのカードにお金をチャージする方法でレンタルされています。FITが利用する場合も,パスポートなど身分証明できるものを見せて,同じようにカードを発行してもらわなければ,利用できません。カードへのお金のチャージも,初めての外国人にはハードルが高く,何度か不具合も起きました。松村先生によると,台湾や韓国にも観光レンタサイクルはあるが,もっと簡単に借りられるそうです。

 FITも含めてサイクリング観光を推進するならば,自転車も歩行者も安全な道路整備,道路交通標識や行先案内の多言語整備は欠かせません。今回のツアーは,堺市街地の地理をよくご存じで,下見もされた松村先生が先導されたので,何の問題もなく目的地へ行けましたが,FITだけならば,絶対に迷ったと思います。
 私は道路交通標識を意識しながらサイクリングしたのですが,多言語標示はとても少ない,と感じました。松村先生によると,サイクリング用の地図にも,例えば交差点の名称が書かれてないなど,改善の余地が多々ある,とのことでした。
 その地域のことを全く知らないFITが利用するという前提に立つならば,思い切って,お勧めのサイクリングコースを決め,そのコース沿いの標識や自転車道を重点的に整備した方が,色々な意味で効率的ではないか,とゼミでは話し合いました。
 実際に堺市内をサイクリングして感じたのですが,一部の道路にはサイクリング専用車線が整備されていて,とても快適でした。ところがその一方,一般的な道路の場合は,自動車が出入りするため,歩道のあちらこちらが分断されていて,微妙な段差もあり,自転車ならまだマシですが,車椅子利用者とかならば,もっと動きにくいだろうな,という印象を持ちました。

仁徳天皇陵古墳と自転車博物館でのこと(4回生 浜野文菜)

 FIT参加者たちは,仁徳天皇陵古墳の説明はとても興味を持って聴いて,質問も多かった。清々しい秋晴れのなか,みんなとても楽しそうに,周遊道路をゆっくりと自転車で回りました。周遊道路を散策する地元の人とFITが会話する場面もあり,ほのぼのとした雰囲気でした。
 ツアーが終わってから,ゼミで課題を話し合ったのですが,松村先生は,「巨大な古墳の全貌が見渡せないので,説明し難かった。三つの古墳が一望できる歩道橋を下見で見つけたけど,自転車での移動だったので行けなかった。」とのこと。
 古墳は地形の高低差を上手く利用してつくられているそうで,「細かい日本の歴史をFITに説明しても,なかなか興味を持ってもらわれへんやろうから,むしろ,この巨大なお墓をどう造営したのかとか,NHKの『ブラタモリ』みたいな説明の方が関心を持ちはるやろうな。」と松村先生はおっしゃっていました。松村先生がご担当されている「コミュニティ・ツーリズム論」では,まち歩きツアーで誰かを案内する際,一番大事なのは,その人の関心や好みに合わせて,臨機応変に説明を編集して語ることだ,と学びます。仁徳天皇陵古墳をどのように編集して,どのように見せるのか,世界文化遺産登録とも絡む大きな課題だと思います。
 次に,仁徳天皇陵古墳へ行くことが,レンタサイクルを借りた以外は,全く観光消費につながっていない点も,やはり問題ではないかと議論されました。百舌鳥・古市古墳群が近い将来,世界文化遺産に登録されたら,おそらくここを訪れる観光客は,日本人も外国人も増え,多い日ならば,1日1万人を超えることもあるかもしれません。

 古墳の周辺は閑静な住宅街で,観光客がもたらす騒音やゴミなどは,問題になる可能性が高いと感じました。「ゴミは落とさず,お金を落とす」観光消費の仕組みをつくり,そのお金を使って,古墳周辺の環境整備を行うようなエリアマネジメントが必要ではないか,というのがゼミでの結論でした。ただし,古墳を囲い込んで公園のようにして入場料を徴取したら,地元の人から憩いの場所を奪いかねません。かといって,大きなハコモノの博物館を建てても,FITは入場しない可能性が高く,観光消費の仕組みづくりはとても難しい問題です。
 自転車博物館もFITに好評でした。今回の参加者はヨーロッパ人が多く,自転車文化に慣れ親しんでいる影響もあり,自分の国の古い自転車の展示もあったので,お互い会話をしながら楽しそうに展示を見回っていました。
 私たちが訪問した日には無かったのですが,自転車博物館では,クラッシック自転車試乗体験や自転車メンテナンスセミナーなど,色々なイベントが行われているそうです。クラッシック自転車や最新の高級自転車などの試乗体験は,安全面の問題もあるでしょうが,常時あるいはリクエストがあればいつでも行えれば,とても魅力的なコンテンツになると思います。展示を見るだけなら「ただの博物館」,展示されていたものと同じ自転車に乗れるのなら「テーマパーク」。全く意味合いが違います。
 あと,大人数でのサイクリング移動だったので,どうしても列が長くなり,何度か交通信号で分断されました。海外のまち歩きツアーではよく使われるそうですが,特にサイクリングのような場合は,無線インカムとイアホンを利用して,案内人が叫ばなくても,全員がストレスなく同じ話を聞けるのが理想だと思いました。

さかい利晶の杜と堺産業博物館でのこと(2回生 松島未央子)

 さかい利晶の杜で,茶の湯体験「立礼呈茶」にFIT参加者たちと参加しました。この日の茶の湯体験のスタッフには英語を話せる方がおらず,スタッフはとても頑張っていらっしゃいましたが,説明そのものが断片的になりがちで,例え上手く通訳できたとしても,FIT参加者が知りたいこととは,かなりズレていた気がします。
 外国語で話せなくても,日本や茶の湯の基本的な知識の乏しい外国人向けに,どう説明するのか,決めておいた方がいいと思いました。例えば,茶の湯の心や基本は何なのかをまず説明し,それがなぜここ堺で発展したのか,それをFIT参加者向けに言葉を選び,伝えればいいのではないでしょうか。茶道の基本やお作法については,英語字幕付きの動画などを用意して,待ち時間にご覧いただいたら,日本文化理解にもつながるのではないか,と思いました。
 さかい利晶の杜の有料展示の説明文は,ほぼ日本語のみで,FITには外国語での説明文を読めるタブレットの貸し出しで対応されていました。ところが,この説明が音声はなく文字のみなので,FIT参加者は,展示はほとんど見ないで,一生懸命タブレットの文字を読みながら歩いている状態でした。横で見ていると,わざわざここまで来ている意味が無いように感じました。

 せっかく展示コーナーに足を踏み入れているのだから,展示そのものを見せる工夫が必要で,そのためには文字よりも音声での説明の方が絶対に良いと思います。文字での説明文も,日本人向けの説明文をそのまま直訳しているため,FIT参加者には,難しすぎる内容のようでした。
 また,2階の与謝野晶子の展示は,FITにとって馴染みがなさ過ぎて,ほとんど興味を持てなかったようです。
 堺伝統産業会館の打ち刃物や包丁の展示は,興味深く見ていて,説明もよく聴き,質問も多く出ました。ただし,私たちは新世界のTower Knives Osakaへ行き,そこで試し切り体験をしたことがあるので,その時と比較すると,関心の度合いや楽しみは明らかに少ない感じがした。包丁をつくる作業工程の解説映像はありましたが,この施設の近くに工場があるのだから,解説映像ではなく,実際の作業現場を見て回るツアーを組めば,FIT参加者の理解や関心がもっと深まるのに…と思いました。

ツアーを終えて(2回生 松井昭憲)

 私たち2回生は,2016年夏に平野郷杭全神社のだんじり祭りへ行ったFITツアーと,阪南大学交換留学生を歓迎するまち歩きツアーへ参加した経験があります。過去2回のツアーはただの参加者としてついて歩いただけでしたが,今回は初めて,私たち2回生もFIT参加者を先導して案内する役割を担いました。当日朝のミーティングでは,松村先生から「自分たちだけが動いたらええんとはちゃうで。案内する側やねんから,後ろのスタッフやまわりの外国人にも伝えて,みんなを動かすという意識を持たなあかんねんで。」と心構えのご指導を受けました。
 私はこのツアーで先頭グループに入りチケット購入係を任されました。チケット購入係はFIT参加者と私たち学生スタッフが,スムーズに交通機関や施設を利用できるよう,みんなよりも少し先に行って,切符や入場券などを購入して配るのが主な仕事です。ツアー当日はFITと学生スタッフの18名分のチケット購入が必要でした。
 ツアー当日は日曜日だったので,南海電車は,サンキューチケットを利用しました。このチケットは土日休日のみ利用できる回数券で,10回分の値段で14回乗れるというお得なものです。つまり,18名での乗車でしたが,14名分の運賃で移動できました。松村先生によると,鉄道会社独自のお得なチケットが色々とあって,旅行者ならば絶対利用した方がいい,利用しなければ損というものも多いそうです。

 さて,私は堺市出身ということもあり,ツアーを組むことにも携わりました。何時に出発するのか,各施設でどのくらいの時間を過ごすのか,どの駅を利用したら,スムーズに行動できるのか,レンタサイクルをどこで借りてどこで返すのかなどなど,考えなければならないことがたくさんありました。授業があったので,松村先生の下見には同行できなかったのですが,訪問する予定になっている場所は,自宅からそう遠くないので,空いた時間に自分で訪ねて下見を行いました。
 松村先生からは,「訪問予定施設はもう決まっているから,目安でいいから発着時間を入れて,レンタサイクルか公共交通機関でつないで,旅程をつくって」と頼まれました。予定時間が大幅に遅れた場合,雨天の場合も,どう対応できるのか考えて欲しいとのことでした。私の考えたツアーは,松村先生や主催者との何度かのやりとりを経て完成しました。
 なお,今回のツアーに関しては,写真付きの英語パネルを制作して,ホテル東洋のコミュニティスペースに置き,堺・高石のプロモーションに役立てるそうです。
 ツアーに同行された堺都市政策研究所の方々は,なかなか予定通りにはいかないだろう,と予想されていたそうで,実際は,当日ほぼ予定通りに集団で動けたことに驚いておられました。役割分担や相互連携など,松村ゼミにはツアーを行うノウハウがあり,それを踏まえてゼミ生たちが立ち振る舞いしている,そのことにも驚いてらっしゃいました。この経験を今後のゼミ活動に活かしていきたいと思います。