【松ゼミWalker vol.203】 新聞やテレビから取材をたくさん受けた1年でした(教員 松村嘉久)

 2015年は,新聞やテレビから取材依頼の多い1年でした。以前にも書いたかと思いますが,私はメディアによる報道も,研究成果を広く世間に公表する方法のひとつだと捉えています。研究で得た知見や成果や,その基礎となるフィールドワークや社会的実践の蓄積があるからこそ,メディアから取材依頼が入る訳で,それはとても光栄なこと。研究者あるいは実践者として,最前線に立っているからこそ,取材依頼が来る,と私は思っています(写真は全て下記12の取材風景)。
 さて,2015年の取材内容は大きく分けると,1:大阪市内の宿泊施設不足と民泊の問題に絡むもの,2:西成Wall Art Nipponほか社会的実践に絡むもの,3:インバウンド客の急増ほか国際観光の最新事情に絡むもの,に三分されます。2015年のメディア報道の一覧を下に示しました。ふり返ってみると,主要なメディアだけで25回もありました。
 メディアの取材方法は色々ですが,大きく分けると三つのパターンがあります。一番簡単なのは,電話による取材や記者発表です。電話取材は,長く語っても,短いコメントだけを抜粋して報道されることが多いので,好きではありません。過去に取材を受けて信頼関係のある記者か,ちゃんとした紹介者がいないと,電話のみの取材は受けないようにしています。2015年は大阪商工会議所との協働でまとめた政策提言に関して,メディア関係者を集めて記者発表する,という経験もしました。
 二つ目のパターンは,記者が新今宮TICや西成Wall Art Nipponなどの現場に来て,対面してお話しする取材です。記者を連れて,私が現場を色々と説明しながら案内して回ることも,しばしばあります。この場合は軽く半日ほどかかります。現場の様子や雰囲気が記者に確実に伝わり,記者の反応もよくわかるので,私はこのパターンが最も好きです。このパターンの取材で印象に残っているのは,下の一覧の19です。単純なコメントを求める取材ではなかったこともあって,何度か現場まで記者が来られて,とても丁寧に取材をされました。

 最後の三つ目は,テレビ取材に多いのですが,何か活動するプロセスから結果が出るまで,記者やカメラマンが長期間にわたり,密着するような取材です。取材する側との信頼関係が不可欠で,良い記者だと,取材されているという感覚がなくなる場合もあります。密着取材で印象に残っているのは,やはり11と12です。
 11のテレビ大阪の西成WAN取材スタッフは,企画段階からずっと追いかけてくれたので,最後は何か同志というか,一緒に壁画を描いた仲間のような感覚になっていました。12のNHKのあほすき取材陣は,毎日朝から日暮れまで,10日間くらいずっと密着し膨大な映像を撮影しました。オンエアー時間は15分近くあったのですが,編集作業はさぞ大変だったことでしょう。

メディア報道の一覧

1:2015年5月23日(土)『大阪日日新聞』「学生目線で田尻町PR 阪南大と南海電鉄連携 外国人向けマップ作成」。
2:2015年6月22日(月)朝日放送『ごきげんブランニュー』「YOUは何しに西成へ?」。
3:2015年6月22日(月)テレビ大阪『ニュースリアルKANSAI』「外国人観光者 変わる西成のまち」。
4:2015年8月4日(火)テレビ大阪『ニュースリアルKANSAI』「ホテル不足 解消なるか 府が全国初の条例化 再チャレンジ」。
5:2015年8月5日(水)NHK大阪『ニュースほっと関西』「マンション空き部屋を“宿泊場所に”」。
6:2015年9月22日(火)『朝日新聞』朝刊「壁を彩り,街元気に 長さ70メートル全国最大級,24日完成披露」。
7:2015年9月28日読売テレビ『かんさい情報ネットten.』「大阪のホテル不足深刻化 広がる「民泊」でも違法?」。
8:2015年9月28日テレビ大阪『ニュースリアルKANSAI』「西成に国内最大級壁画完成」。
9:2015年9月28日NHK大阪『関西845』「あいりん地区に巨大壁画」。
10:2015年9月29日(火)『読売新聞』朝刊「あいりん再生の歌 巨大壁画完成」。
11:2015年10月1日(木)テレビ大阪『ニュースリアルKANSAI』「西成に巨大壁画誕生 まちを彩り元気に」。

12:2015年10月3日(土)NHK大阪『学校再発見バラエティー あほやねん すきやねん』。
13:2015年10月9日(金)NHK大阪『関西熱視線』。
14:2015年10月21日(水)『毎日新聞』朝刊「大商:提言 外国客の宿泊先,規制緩和で確保」。
15:2015年10月28日(水)朝日放送『キャスト』「西成の活性化へ…住民ら“街の色”変える巨大アート」。
16:2015年11月7日(土)『日本経済新聞』朝刊「民泊 大阪府で初条例 訪日客は歓迎」。
17:2015年11月19日(木)『朝日新聞』朝刊「大阪のホテル高稼働率,実は 外国人OK4割止まり」。
18:2016年1月1日(金)『朝日新聞』朝刊「国内と海外旅行 境目消える」。
19:2016年1月10日(日)『日本経済新聞』朝刊「西成を外国人客の街に:観光案内所作り簡宿に集客(ひと協奏)」。
20:2016年1月22日(金)『NHK WORLD NEWS ROOM TOKYO』「THE FOCUS: MAKING ROOM FOR VISITORS」。
21:2016年1月23日(土)『日本経済新聞(電子版)』「ルポ・訪日外国人の宿事情 簡易宿泊所や民泊の実態は?」。
22:2016年1月31日(日)『読売新聞』朝刊「【ニュースアップデート】関西 ホテル建設・改装ラッシュ」。
23:2016年2月23日(火)『日本経済新聞』朝刊「訪日客誘致 連携拡充を」。
24:2016年2月26日(金)『日本経済新聞』「体感の地,第2波つかめ(熱風インバウンド)世界遺産に脚光 宿泊施設の整備急務」。
25:2016年3月16日(水)『日本経済新聞』朝刊「連続シンポジウム『関西経済圏の針路』第3回」。