【松ゼミWalker vol.201】 関西元気な地域づくり発表会で西成WANを紹介

 2016年3月14日(月),大阪合同庁舎で行われた「第11回関西元気な地域づくり発表会」にて,西成アート回廊プロジェクト実行委員会を代表して,松村嘉久と大嶋千波(阪南大学国際観光学部2回生)の二人で,「西成Wall Art Nippon」(以下,西成WAN)の活動を発表してきました。この発表会は,地域の魅力や個性を活かして「地域づくり」や「まちづくり」に取り組む組織や個人が参加して,その経験やノウハウを話し合い共有して,活動の輪を広げようという趣旨で,毎年開催されています。
 松ゼミWalkerでも報告してきた西成WANは,まさにこの発表会の趣旨にバッチリ合います。西成WANは,心無い落書きを本気のWall Artで塗り潰すことで,新たな落書き対策とすることを狙っています。加えて,プロのアーティストが描くことで,わざわざ他の地域から人が見に来るような作品に仕上げ,そこに賑わいをもたらし,人の目を集めて見守ることで,事故や犯罪を未然に防ぐことも狙いのひとつです。また,アーティストと地域の子供たちが協働でWall Artを描くことで,子供たちの地域への愛着や誇りを高め,コミュニティの絆を高めることも狙いでした。
 西成WANの発表プレゼンテーションは松村が作成,発表は全体の8割を松村が担当,残りの2割は大嶋が担当。大嶋はスタッフとして関わった第2弾の壁画,「アセラズ クサラズ アキラメズ」の制作プロセスから,西成WANの成果と課題について発表しました。発表時間はわずか8分,質疑応答を加えて10分で終わらなければなりません。私たちは時間を少し余らせるくらいで,発表を終えました。

 聴衆の反応はまずまずといったところ。他の発表は,自治会やNPOが主体となった活動が多く,私たちのような民間主導の任意団体で,行政に頼らない活動は少なかったと思います。また,発表者は高齢者が多く,大学生の大嶋は,おそらく最年少で,その点でも目立ちました。
 発表が終わってからは,発表者全員でポスターセッションを行い,自らの活動を紹介するポスターを前にして,他の発表者や来場者と意見交換を行いました。このポスターセッションの仕切りは,阪南大学国際観光学部の同僚・森重昌之先生でした。
 ポスターセッションでは,私たちのポスターの前にも,次々と人が来て下さり,熱心に色々と尋ねていただきました。大嶋の地元は福井県,福井県大野市の一般財団法人「水への恩返し財団」が発表に来られていたので,そのポスターを見に行き交流を深めていました。
 私たちがこの発表会に参加した目的は,今,西成で,このような新しい活動が始まっていて,地域が変革しようとしている事実を,色々な人たちに知ってもらうことでした。その目的は十分,達成されました。実行委員会のメンバーで,平日に気軽に動けるのは,大学教員と学生くらい…,対外広報活動は私たちが担当すべき役割です。次は,西成WANをしっかりと学術的に位置付けて,観光学か地理学の学会で発表したいと思います。西成WANは十分その価値のある活動で,この役割は私が担うべきことだと自覚しています。