2014.8.5

【松ゼミWalker vol.151】南海電鉄との協働で田尻町モニターツアーへ!!

【松ゼミWalker vol.151】南海電鉄との協働で田尻町モニターツアーへ!!

集合から田尻町の朝市へ(4回生 山下喜央)

 2014年7月20日(日),二度の下見調査(4月24日・6月5日)と何回かの意見交換を経て,南海電鉄との協働で田尻町モニターツアーが実現しました。この日のモニターツアーでは,田尻漁港の朝市を楽しむため,集合時間は8時30分に新今宮TIC。
 モニターの集客方法は,松村ゼミが普段からまち歩きツアーを行うのと同じ。新今宮TICと連携している周辺の国際ゲストハウスにて,チラシを配布して,フロントで参加申し込みを受け付けていただきました。チラシの配布は18日(金)から始め,19日(土)の新今宮TIC運営時に申し込み確認と勧誘を行いました。
 モニターに関しては,費用を南海電鉄が負担してくださるので,参加無料なのですが,朝早い集合なので,数名集まればOK,もしかするとゼロかもしれない,と私たちは予想していました。事前の申し込みは2名,カナダ人男性と台湾人男性のみ。ただし,今回のモニターツアーは事前予約の必要がないので,当日になって数名増えても,何とかなるので,当日の突然参加者の来訪を期待していました。
 しかし残念ながら,結局,モニター参加者は事前申し込みの2名のまま。加えて,この2名はいずれも,7月13日(日)に実施した夏祭りツアーに参加された方々でした。

 一方,松村ゼミから参加したのは,松村先生ほか,国立高雄餐旅大学からの交換留学生の李家伶(台湾出身),4回生の袁麗萍(中国出身),3回生のジーン(タイ出身)とジュディ(台湾出身)がモニター参加,ゼミ生を代表して4回生の山中彩帆里と私が同行。南海電鉄からは2名の職員が新今宮TIC発で同行され,現地の吉見ノ里駅にてもう2名の職員が合流されました。
 出発直前,台湾人男性モニターが,同じホテルに宿泊するタイ人女性も「参加したい」といっていたので,もう少し待ってから追いかける,新今宮TICのスタッフと連携して現地で合流する,と言い出されました。みんな少し動揺したのですが,この方は携帯電話をお持ちだったので,吉見ノ里駅や田尻漁港への行き方,お互いの連絡方法などを入念に確認して,別行動することになりました。

 田尻漁港の朝市は午前10時をこえると賑わいがなくなる,との情報もあったので,モニターツアーは,とにかく早く田尻漁港へと向いました。南海吉見ノ里駅から寄り道をしないで,田尻漁港へ着いたのは9時半少し前,朝市の賑わいはまだまだまだ健在,たたき売りが始まりかけた頃で,むしろ活気がありました。
 下見調査は平日に行ったので,田尻漁港の朝市見学は松村先生ほか松村ゼミの全員が未体験。予想以上の賑わいがあり,魚介類や水産物だけでなく,地元の野菜や伝統産品も並び,生鮮食品を売るだけでなく,魚介類を加工調理して販売するお店も多く,とても楽しめました。
 朝市で一番興奮されていたのは,モニター参加者ではなく,市場好きの松村先生でいらっしゃったかもしれません。泉州特産のガッチョのから揚げ,アナゴのてんぷら,魚介類のすり身の入ったてんぷら,玉ねぎのてんぷら,加工処理していない生ウニ,次から次へとお買いになって参加者にすすめ,みんなで味見しながら市場を見学しました。
 松村先生によると,黒門市場よりも品物が圧倒的に新鮮で安く,食べ歩きできるおやつも美味しく,お店の人も素朴で,何よりも港のすぐ横という立地が良いので,外国人旅行者も絶対の楽しめるはず,とおっしゃっていました。

魚釣り見学から田尻歴史館,アウトレットへ(4回生 山中彩帆里)

 今回のモニターツアーで,松村ゼミからは魚釣り体験も入れて欲しい,という意見が出ました。結果として,時間の都合もあり,見送られることになりましたが,せめて,魚釣りしている光景くらいは見学に行こう,となりました。そこで,「海釣ぽーと田尻」へ向かい,高速道路の高架下の日陰の堤防に座り,20分くらいおしゃべりをしながら,ボーっと日本人客が魚釣りされている姿を見ていました。
 この日は休日だったので,釣堀は釣り客で大賑わい。魚が釣れる瞬間も何度か目撃でき,堤防から拍手。日陰は涼しい風が通り抜け,いい休憩になりました。
 次に向かったのが田尻歴史館,ここでは浴衣や法被を着て記念撮影した後,かき氷を食べる,という筋書きでした。田尻漁港から歩いて戻り,11時前に田尻歴史館に到着しました。台湾人男性ともこの田尻歴史館で合流。

 さて,モニター参加者が男性2名だったので,法被を着て楽しんでいただけるのだろうか,という不安もあったのですが,これが意外と好評。6月に実施した住吉大社・堺方面のまち歩きツアーの際も,堺鉄砲館で陣羽織を着せていただき,鉄砲を構えて記念撮影する場面があったのですが,これも好評でした。伝統的衣装だけでなく漫画やアニメのキャラクターなど,欧米系もアジア系も外国人旅行者は日本人が思う以上に,コスプレがお好きなようです。
 この後は,ゆっくりと旧街道沿いの古いまち並みを歩き,嘉祥(かしょう)神社を参拝してから,マーブルビーチへ出て,りんくうプレミアム・アウトレットへ向かいました。
 途中休憩はしたものの,たっぷり30分以上,真夏の昼間に歩いたので,アウトレットに着いた頃は,みんなかなりお疲れ。アウトレットの一角でモニター参加者たちに,南海の職員の方々が対面形式でアンケートを行い,ツアーは終了解散。
 松村ゼミ関係者はみんな揃って昼食へ行き,アウトレットを視察して回りました。休日のアウトレットはお客がとても多く,昼食時に限らず,どのレストランにも行列ができていました。アウトレットのお客さんのほとんどは,おそらく自動車での来訪らしく,周辺に規模の大きな駐車場がたくさんありました。私たちは南海電鉄を利用して帰ったのですが,乗降客はそう多くありませんでした。また,アウトレットは,一人で来られている方よりもカップルや家族連れが多いのも特徴です。

 さて,アウトレットで,外国人旅行者らしき人をたくさん見かけましたが,欧米系の方々よりもアジア系の方々が多い印象を受けました。大きなスーツケースや旅行かばんを持った外国人は全く見かけなかったし,最寄りの鉄道駅のコインロッカー数が少なかったことから,おそらく外国人のほとんどは,鉄道ではなく団体バスで来訪しているのではないか,と思いました。旅行社のバッチをつけた外国人も多かったように思います。
 南海吉見ノ里駅から田尻町の田尻歴史館や田尻漁港を経由してアウトレットへ,さらには関西国際空港へ,という外国人客の流れをつくるためには,旅行者の重い荷物をどう保管するのかが大きな課題であり,アウトレットへ来られている外国人客についての情報分析も必要なのではないでしょうか。アウトレットに来る外国人個人客が増えれば,田尻町へ流れる可能性も高まると思います。

【松村先生からのひと言】

 雨の天気予報だったのにも関らず,晴天でとても暑い1日でした。モニターツアー終了後,16時過ぎに南海新今宮駅へ着いた頃,土砂降りのなか雷鳴が轟く大荒れの天気へと急変しましたが,これがツアー中でなくて本当に良かったと思います。
 関西国際空港やアウトレットに近いという立地条件,田尻漁港や田尻歴史館という地域資源,色々と課題もあるでしょうが,外国人旅行者が田尻町へ立ち寄るという流れは,上手く仕掛ければ生み出せるのではないでしょうか。