【松ゼミWalker vol.133】 ソンミとアルムが松村ゼミを巣立った!! (教員・松村嘉久)

 韓国からの交換留学生,慶熙大学の許善美(ソンミ)と大邱大学の洪アルム(アルム)が,同窓生たちよりも一足先に松村ゼミを巣立ち,2014年2月に帰国しました。教育者として毎年毎年,繰り返されることなのですが,巣立ちはとても複雑な気持ちになります。共有した時空間の密度が濃ければ濃いほど,思い出も多く深く,それゆえに悲しくて切なくて,かといって決して不幸な出来事ではなく,むしろ喜ぶべきこと…。
 ソンミとアルムと出会いは,国際交流課職員からの電話,「今年の韓国からの交換留学生のうちの2名が松村ゼミ入りを希望していますので,面接する時間を作ってください。」から始まりました。初めて会ったのは2013年4月2日(火),ゼミの幹部らと外国人向けのまち歩きツアーでの花見の準備をしている多忙な時期でした。別立てで時間をつくる余裕もなく,この日は花見の準備のため,10代目ゼミ長の大宅和佳と11代目ゼミ長の松川和矢を呼び出していたので,そこへソンミとアルムにも合流してもらいました。

 この日のことは【松ゼミWalker vol.113】初めて松村先生と会った日のことに記事があがっているので,参照していただきたい。改めて読むと,初日から,通天閣,TOWER KNIVES OSAKA,すし寛,バーBABYと,松村ゼミがこの十数年で築いてきた核心部分を回っているから驚きです。写真はバーBABYにて。
 決して特別扱いした訳ではありません。たまたまその日,大宅と松川の協力のもと,新今宮のゲストハウスを回らなければならない理由があって,そうした日常のゼミ活動に二人をいきなりまき込んだので,歓迎と慰労も兼ねていつものコースをたどっただけでした。
 その二日後の2013年4月4日(木)には,国立高雄餐旅大学の林宜欣(リンちゃん),同じく呉佩瑾(ぺぺ),ソンミ,アルムの4名の交換留学生が揃い,2名の3年次編入学生(山中彩帆里・キムテギョン)と9名の外国人旅行者を迎え,大阪造幣局の近くの満開の桜の下で楽しく盛大に花見を行いました。この時の様子は,【松ゼミWalker vol.114】 2013年,松村ゼミのまち歩きツアーは花見からで報告しています。写真は花見の夜,新世界の焼肉屋「はらけん」にて行った歓迎パーティが終わった後のもの。
 その2週間後の2013年4月18日(木),FM大阪のラジオ出演の取材のため,大阪プロレスを観に行くことになり,リンちゃん,ぺぺ,ソンミ,アルムも誘って一緒に行きました。この際の記事も,FM大阪「大阪Biz Cafe」に本学留学生が出演で紹介されています。ソンミとアルムは来日してすぐにラジオ出演,大阪プロレスの韓国人レスラーのユン・ガンチョル選手の活躍に,大きな声援を送っていたことを覚えています。こうして,ソンミもアルムも,阪南大学に来て1ヶ月も経たない間に,松村ゼミの仲間と慣れ親しみました。

 その後,日中韓大学生プレゼンテーション・ビデオコンテストへの出場とその準備でも,ソンミとアルムは大活躍(【松ゼミWalker vol.120】日中韓大学生プレゼンテーション・ビデオコンテストの日本大会に参加して参照)。2013年の松ゼミWalkerを読み返すと,二人のゼミでの活躍がよくわかります。写真は4名の交換留学生と一緒に,平野郷まち歩きツアーの下見に行った際のもの。
 ソンミの第一印象は,まじめで礼儀正しく,よく気がつくお姉さんタイプ,アルムの第一印象は,朗らかで明るく,韓国ドラマに出てきそうな陽気な女子大生という感じでした。ゼミ仲間で一緒に食事する機会がたびたびあったのですが,二人ともいつもメニューを真剣に見て,わからないメニューがあれば,その意味をゼミ仲間に尋ねていました。

 ゼミの時間以外でも,ゼミの同窓生らとプロ野球観戦に行ったりカラオケやボーリングに行ったり,本当に仲良く過ごしていました。ソンミもアルムも松村ゼミに欠かせない仲間となったのですが,残念ながら,交換留学期間が終わり帰国することになりました。最後のゼミでは,ソンミとアルムから二人の松村ゼミでの経験を回想する感謝のプレゼンがあり,お互い涙ぐむような場面もありました。
 二人は辰巳浅嗣学長から修了証書を授与されたすぐ後,揃って南キャンパスの私の部屋へ,可愛らしい感謝のお手紙とプレゼントを持って挨拶に来てくれました(写真参照)。私はとても嬉しく,でも照れくさく,40歳を過ぎてから自分でも驚くほど涙もろくなっているので,ゆっくり話し込むのは避け,遠く離れても変わらぬ絆を確認してから,再会の約束をして握手で別れました。
 リンとペペが2013年秋に台湾へ帰り,ソンミとアルムも韓国へ帰り,賑やかだったゼミは,ずいぶん静かになり寂しくなりました。台湾や韓国の大学には日本のゼミに相当するものが一般的には存在しないようで,最初はみんな戸惑ったようでした。

 しかしながら,結局のところ4名とも,日本人ゼミ生以上に松村ゼミの色にすっかりと染まり,その遺伝子を持って帰国してくれたのが,指導教員としてとても嬉しく思います。
 さて,私が若い頃と比べると,今の地球は,特にアジアは,小さくなった気がします。関西国際空港を離発着する格安航空が順調に成長するなか,時間距離だけでなく移動費も驚くほど安くなりました。大阪から東京や南九州へ新幹線で行くよりも,台湾や韓国へPeachで飛んだ方が安くて早い,今やそんな時代が到来しています。
 私だけでなく,ゼミ生は全て大の旅行好き,台湾や韓国へは気軽に出かける者ばかりです。母国に帰った4名の交換留学生たちも同じで,気軽に大阪へ遊びに来る学生ばかり。お互い気軽に国境を越えて行き来して,学生時代だけでなく卒業してからも交流を深めましょう。ソンミもアルムも,大阪へ来る機会があれば,必ず私やゼミ生たちに連絡してください。写真は2013年末のすき焼きパーティにて,ソンミの誕生日をサプライズで祝った際のもの。