【新今宮TIC報告 vol.30】 2013年9月の新今宮TIC運営報告

※この学生教育研究活動は阪南大学学会の補助を受けています。

2013年9月1日(日)新今宮TIC運営報告

【スタッフ】橋田翔子(3),関伽緒里(3),谷河里香(4)
【利用者】2組4名。全て外国人で,スペインと中国からの方々でした。
【来訪者】松村先生。共有すべき問い合わせはなし。大衆演劇のポスターを張り替えました。

2013年9月7日(土)新今宮TIC運営報告(3回生 江畑知恵)

【スタッフ】橋田翔子(3),江畑知恵(3),呉暁テイ(4)
【利用者】9組10名。このうち8組9名が外国人で,アメリカ,イギリス,台湾,イスラエル,アルゼンチン,ドイツからの方々でした。
【来訪者】濱中勝司(OB),簡易宿所生活衛生同業組合の山田純範理事長,近鉄あべのハルカス事業本部の職員1名,都市空間企画研究所代表取締役の三木啓正さんの計4名。

 江畑は今日が初めての新今宮TICのお手伝いだったので,緊張しながらの参加となりました。午前中あったアメリカ,イギリス,台湾の方々からの問い合わせは,どれもよくあるものばかりで,本日のリーダーの橋田さんが中心となって,地図を使って対応しました。
 昼から来られた男性はアジア系のイギリス人で,「このあたりの地図をください。」とのことでしたから,『新世界・西成 食べ歩きMAP』と『大阪・新今宮ガイドブック』を手渡すと,満足して帰られました。その30分後くらい,同じイギリス人がまた来訪されて,「このあたりでお薦めのホテルはないか?」,「近くにカプセルホテルはないのか?」,「てくてくきっぷでどこへ行けるのか?」,「自転車を借りられるところはあるのか?」など,次々と質問をされて,かなりの時間を新今宮TICで過ごされました。
 この方は,さっき渡したガイドブックの阪堺電車利用のモデルコースに興味をもたれていたご様子でした。前日は新今宮TIC隣のホテル中央に宿泊されたそうですが,本日の宿がなく困っているとのこと。『大阪の安い宿』を使って,この界隈で自転車を貸し出すホテルを紹介して,「今日は土曜日だからどこも満室の可能性が高い。」と伝えました。それから1時間ほど後,同じ方が自転車に乗って来られ,ホテル来山北館で空き部屋を見つけ,そこで自転車も無料で借りられた,とわざわざ報告しに来てくださりました。

 16時が近づき,新今宮TICを閉める準備をしていた頃,簡易宿所生活衛生同業組合の山田純範理事長が,近鉄あべのハルカス事業本部の職員1名と都市空間企画研究所の三木啓正さんを連れて来訪されました。近い将来に阿倍野に観光案内所を創設する計画があるそうで,ご用件は,新今宮TICをどのように運営しているのか,どのような利用者がいるのかなどを知りたい,とのことでした。
 右のように,新今宮TIC前で記念撮影すると,その背後にはあべのハルカスが必ず写り込みます。あべの天王寺と新今宮,あべの天王寺と新世界は,お互いに共存共栄すべき地域であることは間違いありません。
 本日のリーダーの橋田さんが対応し,創設期からの歴史を知る山田理事長が色々と補足説明してくださいました。橋田さんは,新今宮TICでは,宿泊拠点ならではの外国人個人旅行者のニーズに対応するのが大変であること,もし阿倍野に観光案内所を作ったら,阿倍野界隈の地域情報提供が中心になるのではないか,と強調していました。近鉄の職員や三木さんは,学生ボランティアだけで運営していること,詳細な利用者記録を残していることなどに,とても驚かれていました。
 初めての新今宮TICスタッフ体験でしたが,話に聞いていた新今宮TICの重要さを,しっかりと現場で確認できた1日でした。これからも積極的に参加したいと思います。

松村先生からのひと言

 英語も韓国語も日本語もできる江畑さんは,松村ゼミの貴重な戦力です。

2013年9月8日(日)新今宮TIC運営報告(3回生 江畑知恵)

【スタッフ】橋田翔子(3),江畑知恵(3),許善美(3)
【利用者】1組2名。アメリカからの方でした。
【来訪者】濱中勝司(OB),山下喜央(3),松川和矢(3),弘田愛美(3)の計4名。
今日は朝から強い雨が降り人通りも少なく,ホテルから出てきた外国人の方々も,雨に濡れまいと早足で地下鉄の入り口に急いでいました。

 昼前に来られた本日唯一の利用者は,アジア系のアメリカ人女性2名でした。問い合わせはとても漠然と,「大阪でお薦めのところはどこですか?」というものでした。どんなことに興味があるのですかと尋ね返しても,「どんなものでもOK!」とのこと。いつも大阪の自慢をしているのに,いざお薦めのところをと頭のなかを探ると,色々なところが思い浮かび,どれを教えてあげるべきか混乱してフリーズしてしまいました。
 橋田さんが「いつ大阪に着いたの? 今日はどこかへ行く計画はしているの?」と尋ねると,「昨夜着いたところ。大阪城へは行くつもり。」とおっしゃいました。それならばまだ午前中なので,いっそのこと大阪周遊パスを使って,大阪城や道頓堀など色々なところへ行ってみてはどうかとお薦めしました。写真はこの春,松村入門ゼミで大阪周遊パスを利用して楽しんだ「とんぼりリバークルーズ」の様子。
 その際,ゼミOBの濱中さんがいらっしゃって,利用者の漠然としたニーズには,利用者と対話をしながら,その人の状況や好みにあったプランを探ることが大事だ,と教えていただきました。今日は強い雨が降っているので,大阪周遊パスで動き回ることよりも,雨に濡れない道頓堀の商店街や百貨店,天神橋筋6丁目のミュージアム「大阪くらしの今昔館」をピンポイントでお薦めしたほうが,もしかしたら楽しく過ごせたかもしれないとみんなで話しました。新今宮TICでの対応では,奥の深いコミュニケーション能力と,豊富な知識や経験が必要なのだと強く感じました。

 さて,今日の利用者はこの2名だけだったので,後はとても暇でした。橋田さんも,許さんも,自分が自習したいテキストを持参して勉強していました。まだあまり慣れていない私は何も持たずに来たのですが,新今宮TIC内に色々な国々の『地球の歩き方』や就活用のSPIの問題集などがあり,それを読んで過ごしました。
 来訪者の山下君,松川君,弘田さんは,観光実習1(国内)の授業の一環で新今宮TICに集まりました。明日9月9日から1泊2日で「高野山モニターツアー」に行くのですが,その外国人モニターの集まりが悪いため,チラシを持って新今宮界隈の国際ゲストハウスを勧誘して回っていました。昼過ぎから17時頃までねばって,何度もゲストハウスを回っていましたが,結局,新たな外国人モニターは獲得できず…。今のところ,ホテル東洋に宿泊するフランス人2名が,モニター参加を表明してくれているだけです。最後に,ゲストハウスのフロントスタッフに,これ以降にチェックインする外国人旅行者の勧誘をお願いして回ってから解散しました。

松村先生からのひと言

 あちらこちらで外国人のモニターツアーが実施されていますが,たいていは日本で学ぶ外国人留学生が,外国人目線を持つ者として代用されます。ところが,新今宮では,本当の外国人個人旅行者をモニターとして募れる状況が整っています。このような募集をできるところは,広い大阪でも,もしかすると広い日本でも,新今宮だけかもしれません。モニターツアーは写真のように無事終了しました。

2013年9月14日(土) 新今宮TIC報告(3回生 山中彩帆里)

【スタッフ】山下喜央(3),山中彩帆里(3),村上恵美(4),吉田あゆこ(4)
【利用者】5組11名。全て外国人で,フランス,ドイツ,アメリカからの方々でした。
【来訪者】橋田翔子(3)。
 本日は晴天のため,歩行者も多く問い合わせも多い1日となりました。最初に来られたアジア系フランス人の男女2名ずつのグループは,「JRの1dayパスはどこで買えるのか,値段はいくらか?」という問い合わせをされました。地下鉄・市バス乗り放題の大阪周遊パスなら知っていますが,JRの1dayパスはスタッフ全員が初耳でした。ネットで調べてもその存在を確認できなかったので,大阪周遊パスと勘違いしているのではと説明しました。JRの1日乗り放題チケットはないと聞いて,とても残念そうにされると同時に,「Why?」を連発されていました。おそらく会社が異なるからでしょうが,私たちスタッフも「Why?」と思っている,と伝えました。
 次に来られたドイツ人女性2名は,「大阪城まで自転車で行きたいが遠いか,地図はあるか?」とのこと。私たちは「30分から50分くらいかかる,まだ蒸し暑いから気をつけて。」と答えました。大阪城までのルートは,堺筋を北へ進み,中央大通りを東へ進むルートを紹介しました。交通量の多いルートなのですが,自動車の少ない静かな道は,なかなか教えるのが難しいので仕方がありませんでした。

 ちょうどお昼時,別のドイツ人男性が来られ,新今宮TICで1時間近く過ごされました。大阪に着いたばかりで全く情報をお持ちでなかったようで,「お薦めの場所はないか?」,「1dayパスはあるのか?」,「近くに教会はあるのか?」などなど,たくさんの質問をされました。私たちは,とりあえず大阪周遊パスかOSAKA海遊きっぷで,大阪の有名な観光スポットをめぐってはいかがですか,とお薦めしました。教会は明日が日曜日なので礼拝に行きたいとのことだったので,私が知っている大阪市内の教会を紹介しました。この方は明日も必ず来るとおっしゃって,たくさんの観光パンフレットを持って帰られました。
 14時過ぎに来られた初老のアメリカ人男性は,耳がほとんど聞こえない難聴の方で,ジェスチャーと筆談でコミュニケーションをとりました。こちらの話していることは口の動きである程度わかるようで,「Map?」と聞くと「Yes」とうなずき,「Here, Osaka?」と聞くとまたうなずく,という感じでした。身体に障害を抱えた方が旅行するのはとても大変だろうな,と思いました。大学の授業でユニバーサルデザインや,ユニバーサル観光ということを学びましたが,新今宮も,大阪も,日本も,なかなかそうなっていないのが現実です。
 本日のスタッフの吉田先輩が,来週9月22日・23日に開催される西成ジャズ・オールスターズ「夢の祭典」のチケットを新今宮TICへ持って来てくれました。先日,松村先生と難波屋でのライブへ行き,両日ともに10枚ずつ購入したそうです。

松村先生からのひと言

 自転車やバイクでの旅行は楽しいものです。私も海外でよく利用しました。

2013年9月15日(日)新今宮TIC報告(3回生 袁麗萍)

【スタッフ】袁麗萍(3),松川和矢(3)
【利用者】5組9名。このうち4組8名が外国人で,韓国,ドイツ,シンガポール,フランスからの方々でした。
【来訪者】濱中勝司さん(OB),ホテル太洋のスタッフ,丸市将平さん(松村ゼミ7代目OB),橋田翔子(3),福崎美帆(2),中川光華(2),松村先生,来村多加史先生,中山恵利子先生,森山正先生,袁麗萍の従妹の計11名。

 午前中,20代のドイツ人男性が来られ,色々と問い合わせされました。この方は午後も来られ,30分近く新今宮TICのなかで過ごして帰られました。近くに美味しい飲食店はあるか,スパワールドは面白いか,キャッシングできるATMはどこにあるのか,などなど。帰り際に,「ところで,今日は昨日のレディはいないのか?」と聞かれ,この方が昨日からのリピーターで,どうやら山中さんとおしゃべりしに来たのだとわかりました。彼女は今日こないと伝えると,残念そうにされていました。
 10時過ぎに来たシンガポール人の男性3人組のひとりは,「松村先生によろしくお伝えください。ケニスが来たといえばわかるはずです。」とおっしゃり,新今宮TICを立ち去られました。後で松村先生が来られたので,この件をお伝えすると,初めての新今宮TIC発のまち歩きツアーを2009年に行った際に参加してくれた方だ,とよく覚えてらっしゃいました。お仕事の関係で何度も訪日され,新今宮で宿泊するチャンスがあれば,必ず顔を見せてくださるそうです。
 11時過ぎ,若い日本人男性が差し入れを持って来訪されました。対応した濱中さんが懐かしそうに迎え入れたのは,7代目OBの丸市将平さん,新今宮TIC創設期のゼミ生の方でした。阪南大学を卒業後に大阪市立大学の大学院へ進み,現在は東京でIT関係のお仕事をされているそうです。今日は松村先生が来る予定であると伝えると,少し外で時間をつぶしてまた寄ります,と出て行かれました。

 お昼前になると,3日後に控えた「大学生観光まちづくりコンテスト2013」に出場するメンバーが,集まりました。明日から三重大学の集中講義に行かれ不在となる松村先生も,新今宮TICに到着されました。松村先生がプレゼンテーションをチェックできるのは,事実上今日1日のみ。私は日中韓プレゼンテーション・ビデオコンテストで経験したのですが,こういう差し迫った時の松村ゼミは,とてもピリピリとした真剣な雰囲気が漂います。
 そこへ,丸市先輩が帰ってこられ,新今宮TICにいた全員の前で,プレゼンテーションの最終調整が行われました。丸市先輩もこのような場面を現役学生時代に経験されたそうで,「ぜんぜん変わってませんね…。」と懐かしがりながら,自らの経験も踏まえて色々とアドバイスをくださいました。
 途中,阪南大学国際観光学部の先生方による会議がホテル中央セレーネのロビーで行われたため,プレゼンテーションの調整は中断しましたが,最終的には夜の20時頃まで,時間の許す者全員が新今宮TICへ居残り,プレゼンテーションの練習を続けました。

松村先生からのひと言

 松村ゼミのプレゼンテーション作成のノウハウは,丸市君ら7代目のゼミ生が悪戦苦闘しながら確立しました。思い起こせば…,そのプレゼンテーションが松村ゼミの他流試合の初戦で,社会人基礎力育成グランプリの全国大会で準大賞を受賞しました。最初の第一歩はやはり特別な思い入れや思い出が今でもあります。

2013年9月21日(土)新今宮TIC報告

当初予定していたスタッフの都合が悪くなり,吉田知奈(1)ひとりとなったため,臨時休業しました。

2013年9月22日(日)新今宮TIC報告(3回生 松川和矢)

【スタッフ】関伽緒里(3),松川和矢(3),袁麗萍(3)
【利用者】7組11名。全て外国人で,カナダ,フランス,マカオ,デンマーク,インドネシア,マレーシアからの方々でした。
【来訪者】松村先生,濱中勝司(OB),李家伶(3),橋田翔子(3),山下喜央(3),池田千紘(3)の計6名。
 今日は3連休のなか日の日曜日,私たち阪南大学生にとっては夏休み最後の日曜日でした。加えて,今日は西成ジャズ・オールスターズ「夢の祭典」の初日であり,松村ゼミは総力をあげてこれを支援することになっていました。天気も良く人通りも多く,新今宮TICの運営は順調に始まりました。
 ところが,ちょうど11時頃,新今宮TICの運営が始まって以来の大事件が起こりました。マカオ人のファミリーが来訪されたのですが,英語はあまりしゃべれず,中国語というよりも広東語。幸いなことに,今日スタッフ入りしていた袁麗萍は,上海出身なのですが広東語もしゃべれるので彼女が対応。

 問題はその相談の内容でした。「娘の体調がとても悪い。緊急で人工透析が必要なので,対応できる病院を探して欲しい。」とのことでした。松村先生やOBの濱中さんが来る予定だったのですが,この時点でまだ到着していませんでした。私たちはまず,新今宮界隈の内科のある病院を調べて,片っ端から電話しましたが,3連休のなか日の日曜日なこともあり,電話すらつながらないところばかり。電話がつながっても,日曜日は診察していない…。
 日曜・休日も診察しているという病院へ問い合わせても,「患者が外国人で…」と伝えると,「いや,外国人の受け入れはしていません」と門前払い。
 私たちの力では病院を見つけることができないと判断し,新今宮TICへ救急車を呼ぶことにしました。11時30分くらいに救急車が新今宮TIC前へ到着(写真参照)。マカオ人女性と付き添いの家族1名が救急車に乗り込みました。救急隊員から,「日本語を理解しない患者を受け入れてくれる病院はまずないので,できれば誰か言葉のわかる人に同乗して欲しい。」との要請があり,スタッフの袁麗萍も救急車に乗り込み,病院まで同行してもらうことにしました。
 そうこうしている間に,松村先生が来られました。これまでの経緯を説明すると,「人命に関わることなので,その判断でよし。」とのこと。まだ新今宮TIC前に救急車が停車していたので,状況を自分の目で確認しに行かれました。救急隊員はあちらこちらに連絡して,受け入れ病院を探してくれていたのですが,なかなか見つかりませんでした。救急車が再び動いたのは何と13時半過ぎ…,新今宮TIC前に2時間近く停車していました。
 今回の場合は,日本語のわからない外国人,連休中の休日診療,時間も金もかかる人工透析という三つの要因が重なった訳ですが,日本の外国人旅行者受け入れ体制の底の浅さを痛感した出来事でした。もし今日のスタッフに袁麗萍が入っていなければ…,いったいこの家族はどうなったことでしょう。私たちスタッフも,西成ジャズの応援で駆け付けた松村先生やゼミの仲間たちも,この状況に憤りを感じました。

 さて,この後,西成ジャズ「夢の祭典」の準備のため,新今宮TICは14時過ぎで閉め,ライブ会場となる難波屋へみんなで向かいました。西成ジャズ「夢の祭典」は大盛況に終わりました。
 病院へ同行した袁麗萍も,16時過ぎに難波屋で合流し,お揃いの難波屋Tシャツを着て記念撮影。袁麗萍によると,大阪市住吉区にある「大阪府立急性期・総合医療センター」が受け入れてくれたが,色々な検査の結果から,「まだ大丈夫なので様子を見て,明日に人工透析を行いましょう。」ということになったそうです。病院では,「医療保険の無い外国人が外来で人工透析を受けると,その費用は40万円から100万円くらいかかるが,払えますか。」という話題も通訳しなければならず,心身ともに疲れ果てたそうです。
 袁麗萍は明日もまた,このマカオ人家族と一緒に病院へ行く約束をしたとのこと。この家族にとって今や袁麗萍が唯一の頼り,みんなで袁麗萍を慰労しました。

松村先生からのひと言

・よく頑張った袁麗萍
 翌23日(月曜・祝日),袁麗萍はこの家族に付き添い再び朝から病院へ,懸念のひとつだった医療費は数万円程度の負担で済み,昼前には治療が終わったとのことでした。
 付き添いを終えた袁麗萍は,2日間連続で西成ジャズの会場へ駆け付け,ここでもボランティアスタッフとして大活躍。この9月22・23日の連休,袁麗萍は自分の持つ能力を最大限に発揮して,本当に大活躍してくれました。
・長い夏休みを終えて
 2013年の阪南大学の夏休みは,7月27日(土)から9月23日(月・祝)までの59日間。このうち新今宮TICの運営を行ったのは34日間,7月と9月は土日運営で乗り切り,8月はお盆を休みました。過ぎてしまえば残るのは,実績と思い出のみ。
 夏休みの34日間の実績は以下のとおりです。
 スタッフ106名。利用者は151組で253名,このうち外国人は126組の222名,来訪者も90名いました。1日あたりにすると,3.1名のスタッフで,4.4組7.4名の利用者があった計算になります。利用者の8割以上が外国人でした。
 新今宮TIC創設期と比較すると,利用者は減る傾向にあります。その原因は色々と考えられますが,新今宮界隈の国際ゲストハウスの外国人旅行者対応能力が画期的に強化されたことが大きい,と私は思います。創設期と比べると,『新世界・西成 食べ歩きMAP』もでき,『大阪・新今宮ガイドブック』もでき,大阪観光の情報が豊富になったことも影響していると思います。
 そもそも,新今宮TICの存在が要らなくなるような状況が生み出せれば,観光立国が実現するのではないか,それが松村ゼミの想いです。利用者が減るのは残念ですが,それはそれで良いことだ,と私たちは認識しています。私たちは常に先を見て歩みます。新今宮TICは今後も進化と深化を遂げ,真価を発揮し続けます。

2013年9月28日(土)新今宮TIC運営報告(3回生 許善美)

【スタッフ】許善美(3),山中彩帆里(3)
【利用者】2組4名。全て外国人で,オーストラリア,スペインからの方々でした。
【来訪者】加藤宏実(OG)。
今日は少し暑かったものの,観光に適した心地よい天候で,新今宮TIC前の人通りも多かった。利用されたのはわずか2組でしたが,空いた時間に,私は日本語の学習,山中さんはSPI対策の自習をして過ごしました。

 お昼前に来られたオーストラリア人の60代のご夫婦とは,色々な会話を楽しみました。男性の方はオーストラリアで大学教授をされており,女性の方は野生動物を研究する機関で働いてらっしゃる,とのことでした。
 私たちが大学生で,ボランティアで観光案内業務を行っていると伝えると,驚かれると同時に「それはとてもいい活動ですね。」と褒めていただき,「何か授業や単位などのインセンティブがあるのか。」など,大学教授ならではの関心を示されました。
 何度か来日観光したことがあるカップルで,前回の日本旅行では京都に滞在されたそうで,今回は10日ほどかけて京都以外の関西を回りたいとのことで,多くのことを尋ねられました。行きかたを確認された場所をあげると,大阪住まいのミュージアム,大阪城,奈良,高野山でした。
 それに加えて,何か大阪近くでお薦めの場所はありませんか,とのお問い合わせでした。そこで私たちは,次のようなアドバイスを行いました。
 ・大阪城と住まいのミュージアムに行くならば,大阪周遊パスが便利で安い
 ・奈良へ行くならJRの大和路快速が便利
 ・高野山はぜひ行くべきで南海電車が便利,お得チケットもある(写真参照)
 ・「天空」という山岳鉄道やケーブルカーも楽しい
 ・高野山では宿坊に1泊した方が良く,恵光院という英語対応している宿坊がある

 新今宮TIC内で1時間近くやりとりするなかで,日本で食べた料理のなかで,やはりお寿司が最もおいしかったとおっしゃったので,通天閣下の寿司屋や「すし寛」も紹介しました。ご夫婦からはぜひオーストラリアに観光に来てください,とお誘いを受けました。これは社交辞令ではなく,オーストラリアに行ったら,本当にお宅へ泊めていただけそうな雰囲気でした。
 昼過ぎにOGの加藤先輩がひとりで来訪してくださったのですが,私は交換留学生で,山中さんは編入学生なので,全くお顔を知らなかったので,最初は利用者が来られたと思い失礼いたしました。OBやOGがゼミ生として活動されていた頃の写真が,新今宮TIC内に何枚も飾ってあるのですが,その写真に加藤先輩も写っていました。加藤先輩は職場が阿倍野で近いため,よく新今宮や新世界に来られるそうです。松村先生によろしくお伝えください,とのことでした。
 久しぶりに新今宮TICのスタッフに入り,外国人旅行者と会話する機会を得て,改めてお手伝いさせていただくことに喜びを感じた1日でした。

松村先生からのひと言

 高野山への南海電車を利用しての観光,どんどん宣伝しましょう。単に旅の情報を提供するだけでなく,旅の思い出に残るような新今宮TICになりたいものです。このオーストラリア人のご夫婦,次に大阪に来られたら,また来ていただけるような気がします。

2013年9月29日(日)新今宮TIC運営報告

【スタッフ】山下喜央(3),キムテギョン(3)
【利用者】1組4名。台湾からの方々でした。