【新今宮TIC報告 vol.29】 2013年夏休み8月後半の新今宮TIC報告

 夏休みもお盆をこえるとあとわずか。と思いきや,大学の場合は,そこからまだ1ヶ月間近く休みが続きます。大学生活を有意義に過ごす秘訣は,長期休暇をどう過ごすのかにあります。松村ゼミの学生たちは,新今宮TICでボランティア活動をするほか,海外や国内の旅行に出かけたものが多かったように思います。
 さて,日々の運営でゼミ生たちは必ず,新今宮TIC報告を書いてゼミ生間で情報共有しています。大学ウェブサイトでは,その全てではなく一部を掲載したいと思います。(教員 松村嘉久)

※この学生教育研究活動は阪南大学学会の補助を受けています。

2013年8月16日(金)新今宮TIC報告(2回生 中川光華)

【スタッフ】橋田翔子(3),弘田愛美(3),中川光華(2),中井美菜子(2)
【利用者】4組6名。全て外国人で,ドイツ,ロシア,イギリス,アメリカからの方々でした。
【来訪者】大宅和佳(4),松村嘉久(教員),いちびり庵の野杁育郎社長,呉佩瑾(交換留学生)の計4名。
 今日は2組の外国人利用者から,スパワールドの場所を尋ねられました。夏になると,スパワールドは連日の大賑わい,駐車場へ向かう車が太子交差点あたりまで渋滞することもよくあります。外国人にもスパワールドは人気があり,ホテル中央では宿泊客限定で,900円のディスカウントチケットを販売されています。

 また,ドイツ人男性に「どこから来られたのですか?」と尋ねると,「なぜそれを聞くのですか?」と逆に尋ねられました。「利用者の記録をとるためです。」と記緑ノートを見せると,快く「ジャーマンからです。」と答えてくれました。
 お昼過ぎ,大阪ミナミのまちづくりのキーパーソンのひとりであり,道頓堀のお土産物屋の「いちびり庵」の社長であり,ラジオのDJでもある野杁育郎さんが,松村先生を訪ねて来られました。7月28日(日)に松村先生は「なにわ大賞」を受賞されたのですが,それと関連して,野杁さんがDJを務めるFM大阪のラジオ番組「なにわルネッサンス おとなの文化村」に松村先生がゲスト出演されるとのこと。収録とオンエアーは8月18日(日)で,その際に話題となるのが新今宮TICを中心とするまちづくり活動なので,見学がてら取材がてら訪ねて来られたそうです。
 野杁さんは松村先生の案内で,新今宮界隈の国際ゲストハウス事情をフィールドワークしに出かけられました。1時間くらいで新今宮TICへ帰って来られ,それ以降は私たちスタッフに色々と,日頃の活動や外国人旅行者の実態について質問されました。

 ちょうど,この日は「大学生観光まちづくりコンテスト」のプレゼンテーションづくりの打合せがあり,野杁さんも交えて,新今宮TICにて,大阪ミナミ,道頓堀,新今宮の地域活性化策やそれらの連携について,みんなで意見交換をしました。野杁さんは先輩方が作成されたプレゼンテーションの絵コンテをご覧になり,色々とアドバイスをしてくださり,14時過ぎに帰られました。ありがとうございました。
 さて,今日のスタッフの中井美菜子さん(2回生)は,来年4月からの松村ゼミ入りの意思を表明して,この8 月末から長期留学へ旅立ちます。旅立つ前の挨拶を兼ねて,今日はスタッフ入りしてくれました。また,2012年9月以来,台湾国立高雄餐旅大学から交換留学生として阪南大学へ来て,松村ゼミに所属して活躍してきた呉佩瑾さんが,この8月末に帰国するとのことで,松村先生に最後の挨拶をしたいと来られました。
 暑い1日だったので,午後からは日差しが強く,外を歩く人も少なくなりました。運営終了後,松村先生は呉佩瑾さんら誘い,「すし寛」へお別れ会へ行かれました。

松村先生からのひと言

 野杁さんと初めて会ったのは,故・堀川紀年先生が国際観光学部で活躍されていた頃…。野杁さんは私の尊敬するまちづくりの大先輩のひとりです。
 中井さんは念願の留学チャンスを活かし,英語でのコミュニケーション能力を高めて帰ってきてください。
 呉佩瑾さんはよく頑張りました。林宜欣とともに松村ゼミの仲間なので,これからも,日本へ来る際は必ず連絡してください。

2013年8月17日(土)新今宮TIC報告

【スタッフ】吉田あゆこ(4),新井千晴(3)
【利用者】1組2名。アメリカのコロラドから来たカップルでした。
【来訪者】ホテル東洋のスタッフ1名。大阪・新今宮ガイドブックの補給に来られました。

2013年8月18日(日)新今宮TIC報告(3回生 松川和矢)

【スタッフ】橋田翔子(3),松川和矢(3),袁麗萍(3)
【利用者】3組3名。このうち2組2名が外国人で,アメリカとトルコからの方々でした。
【来訪者】濱中勝司さん(OB),ホテルみかどの森川マネージャー,小林志帆さん(OG),坂田悠貴さん(OG)・
高橋菜央さん(OG),松村先生の計6名。

 本日の昼,背中に大きなバックパックを背負い,大きなキャリーバックを二つ手に持った20歳代のアメリカ人女性が,新今宮TICに訪ねて来られました。問い合わせの内容は,地下鉄動物園前駅へ行きたいが,エレベーターはありますか,という内容でした。大阪の夏はとても蒸し暑く,この日は文字通りの猛暑日。
 大きな荷物を担いでの徒歩での移動は,体力も気力も消耗します。旅の拠点を定めて荷物のパッキングをとくと,バックパッカーは長期滞在する傾向が強いのですが,その大きな要因は,パッキングし直して移動するのが大変だからです。この方もエレベーターの場所を探し歩かれたそうで,とても疲れたご様子でした。
 さて,地下鉄動物園前駅のエレベーターは5番出口,環状線の内側の浪速区側,破たんしたフェスティバルゲートのところにあり,太子地区の宿泊客はあまり通ることがないため,このエレベーターの存在を知っている人はとても少ないと思います。地下鉄動物園前駅の西成区側にはエレベーターはなく,2番出口にエスカレーターがあるだけです。新今宮地区からJR新大阪,京都,奈良,大阪国際空港,関西国際空港などへ,大きな荷物を持って行く際の負担の少ない移動方法を調べておくべきだと思いました。この他,雨の日にあまり濡れずに観光,または移動できるルート探しも,大切だと思います。

 本日は利用者も少なかったので,外国人旅行者を対象とするアンケート調査用紙を回収して回りました。また,OBの濱中さん(写真参照)のご指導のもと,新今宮TICの本棚を整理しました。長年使用している本棚は傷んでいたので,ガムテープで修理しながらの作業でした。本棚には新今宮TIC創設当初からの記録ノートが揃っていて,卒業された先輩たちが書かれた記録や,私たちスタッフが初めて参加した際の記録などを見て懐かしみました。
 そうこうしているところに,何と,松村ゼミ9代目OGの小林志帆さん,坂田悠貴さん,高橋菜央さんが突然「久しぶり…」と,新今宮TICを訪ねて来てくださりました。今日のスタッフは全員11代目,9代目の先輩方は,私たちが1 回生の頃からフィールドワークを教えていただき,色々とお世話になった親しみ深い存在です。
 先輩方は,ゼミ活動の思い出や就職活動のコツなどを話してくださり,私たちが最近の活動を報告すると,「楽しそう。やっぱり学生はええなあ。」と羨ましがっておられました。新今宮TICには,私たちが入学する前に活躍されていた卒業生の方々もたびたび来られ,松村ゼミの歴史を感じられる場所でもあります。

松村先生からのひと言

 9代目は2013年3月に卒業したばかりなので,よく後輩たちの様子を見に来てくれます。大歓迎です。色々と後輩たちにアドバイスしてあげてください。

2013年8月19日(月)新今宮TIC報告

【スタッフ】山下喜央(3),徐晨(4),松村嘉久(教員)
【利用者】4 組6名。このうち3 組5名が外国人で,台湾,香港,セルビアからの方々でした。左写真は台湾からの利用者です。
【来訪者】なし。

2013年8月20日(火)新今宮TIC報告

【スタッフ】洪アルム(3),山中彩帆里(3),角谷優歩(1)
【利用者】4 組8名。このうち3 組5名が外国人で,アメリカ,台湾からの方々でした。
【来訪者】井上咲季(OG),ホテルセレーネの福本マネージャー,松川和矢(3)の計3名。井上さんと福本マネージャーは,台湾からの利用者の対応に困り,新今宮TICへ連れて来られました。

2013年8月21日(水)新今宮TIC報告

【スタッフ】関伽緒里(3),橋田翔子(3),高橋彩(3),徳成(3)
【利用者】5組8名。このうち4 組7名が外国人で,イタリア,イギリス,スペイン,ブラジルからの方々でした。
【来訪者】阪南大学職員の中上さん,松原市役所職員の計2 名。二人とも松村先生がいらっしゃったらご挨拶を,と来訪されました。

2013年8月22日(木)新今宮TIC報告

【スタッフ】関伽緒里(3),高橋彩(3),坂本由貴(3)
【利用者】2組2名。全て日本人の利用者でした。
【来訪者】ホテル中央グループの山田英範社長。アイスクリームの差し入れをいただきました。

2013年8月23日(金)新今宮TIC報告

【スタッフ】橋田翔子(3),細江友里(3)
【利用者】4 組8名。全て外国人で,スイス,韓国,イスラエル,タイからの方々でした。
【来訪者】大阪府立今宮高校の教諭1名。高校生と一緒に新今宮TICおよび新今宮地区の見学に来る相談のため,松村先生を訪ねて来られました。

2013年8月24日(土)新今宮TIC報告

【スタッフ】西澤明広(1),関伽緒里(3),藤原醇(1)
【利用者】なし。
【来訪者】なし。台風接近のため,雨も風も激しく人通りがほとんどなかったため,午前中で運営を終了しました。

2013年8月25日(日)新今宮TIC報告

【スタッフ】山下喜央(3),松川和矢(3),松永未来(1),濱中勝司(OB)
【利用者】 3 組5名。このうち2組3 名が外国人で,フランス,シンガポールからの方々で戸。
【来訪者】なし。大雨洪水警報か発令されているため無理はせず,15 時前に運営を終了しました。1回生の松永さんは初スタッフ入りでした。写真はフランス人利用者。

2013年8月26日(月)新今宮TIC報告

【スタッフ】許善美(3),山中彩帆里(3),徐最(4)
【利用者】2組3名。全て外国人で,香港,スイスからの方々でした。
【来訪者】国立文楽劇場職員1名。国立文楽劇場の職員の方は,最近よく新今宮TICにパンフレットを持って宣伝に来られます。外国人旅行者のなかには,日本の伝統芸能,歌舞伎や文楽に関心のある方もかなりいらっしゃるので,パンフレットなどを貼り出しています。

2013年8月27日(火)新今宮TIC報告

【スタッフ】袁麗萍(3),平山あかね(2),谷口真帆(2)
【利用者】 2組3 名。全て外国人で,イギリス,ドイツからの方々でした。
【来訪者】松村先生,橋田翔子(3),全国市町村国際文化研修所からの取材者2名の計4名。
全国市町村国際文化研修所から2名の職員が来られ,新今宮TICを中心とする学生ボランティア活動やまち
づくり活動について,松村先生や橋田翔子さんから聞き取り調査をされていました。

8月28日(水)新今宮TIC報告(2回生 平山あかね)

【スタッフ】濱中勝司(OB)・松村嘉久(教員)
【利用者】10組20名。このうち8組17名が外国人の方々で,タイ,アメリカ,スペイン,イギリス,オーストリア,ドイツ,シンガポールからの方々でした。
【来訪者】ホテル中央グループの山田英範社長。松村先生と打ち合わせに来られたそうです。

 今日は学生スタッフの都合がつかなかったそうで,OB濱中さんと松村先生という最強コンビが運営を担当され,運営報告は松村先生から平山へ概要が伝えられ,平山が書くことになりました。特に情報共有すべき問い合わせは,2件とのこと。
 ひとつは日本人からの問い合わせで,ホルモン鍋「たつ屋」の場所。色々なネット情報では新世界のホルモン鍋屋として紹介されているので,ジャンジャン横丁のある浪速区側を探される方が多いのですが,「たつ屋」は環状線の外側,西成区にあります。通天閣方面からならば,ジャンジャン横丁を抜けて,JR環状線の高架下をくぐり,左手にある公衆便所横の階段を上がったところです。ちょうど,桂ざこば師匠が席亭をつとめる動楽亭の裏手にあたります。
 いつ見ても何名かのお客さんがお店の外で待っている超人気店で,とにかく安くて美味しい,との評判だそうです。「すし寛」の大将や女将さんは「たつ屋」を絶賛,阪南大学国際観光部OBの桂ちょうばさんも,「あのお店は特別です。」と松村先生におっしゃっているそうです。
 もうひとつの問い合わせはシンガポール人男性からのもので,南海電車のお得チケットに関するものでした。あまり認知度は高くありませんが,「関空トク割ラピートきっぷ」というお得チケットがあります。南海電車で「なんば駅」から「関西空港駅」までラピートに乗ると,普通運賃890円と特急券500円で1,390円かかります。ところが,この「ラピートきっぷ」ならばレギュラーシートで1,100円,スーパーシートに乗っても1,300円で行けます。松村先生は関西国際空港へ行く際,よくラピートきっぷを利用されるそうです。

 このお得きっぷは,なんば,新今宮,天下茶屋,住吉大社,堺,関西空港の窓口で販売しています。シンガポール人男性の問い合わせは,このお得きっぷは新今宮駅で買えるのか,といった内容でした。ゼミ生たちも関西国際空港へリッチに行きたい場合は,ぜひ利用すべきお得チケットです。
 さて,今日は利用者が多かったのですが,その理由はやはりOB濱中さんのスタッフとしての姿勢にある,と松村先生は分析されていました。常にカウンターに座って外を眺め,道に迷っている人がいれば,外に出てこちらからCan I help you?と声をかける。その積極性が確実に利用者を呼び込むことになります。現役のゼミ生たちも,スタッフとしてせっかく時間を過ごすならば,奥のデスクに座ってばかりいないで,カウンターに座ってぜひ外を観察してください。必ず色々な発見ができるはずです,と松村先生よりメッセージをいただいています。

8月29日(木)新今宮TIC報告(3回生 山下喜央)

【スタッフ】山下喜央(3),呉暁テイ(4),谷河里香(4),松川和矢(3)
【利用者】6組9名。このうち5組8名が外国人で,ドイツ,アメリカ,台湾,韓国,イギリスからの方々でした。
【来訪者】松村先生,橋田翔子(3),山中彩帆里(3)。

 本日の利用者のなかでは,最後に来られたイギリス人家族の問い合わせというか,相談がとても深刻で,情報共有しておくべきだと思いました。来られたのは40 歳代くらいのご夫婦とその娘さんでした。最初は谷河先輩が対応されたのですが,聞き慣れない単語がたくさん出てきて,問い合わせの内容がよくわからない…とのこと。今日はたまたま「大学生観光まちづくりコンテスト」の準備で,松村先生と英語の得意な山中さんが新今宮TICに来ていたので交代。
 ところが,松村先生と山中さんも悪戦苦闘。英語でのやりとりのなかで,東京の病院で診察を受けて5日分の抗生物質のお薬をもらった,英語で診察を受けられる近くの病院を探していらっしゃる,とはわかりました。しかし,何の病気でどのような症状で,どのような医療サービスを探していらっしゃるのか,英語で一生懸命ご説明されるのですが,医学や病気に関する専門用語が多くて,松村先生も山中さんもよく把握できない状態でした。
 そこで,松村先生は「OSAKA・SIN-IMAMIYA GUIDE BOOK」を取り出し,最終ページに掲載してあるAMDA International Medical Information Centerにお電話されました。AMDAは国境を越えて相互扶助の精神で医療ボランティア活動を行う組織で,そこが国際医療情報センターを設けていて,英語・中国語・ポルトガル語などで,医療相談や病院紹介を行ってくれています。
 電話対応に出られたAMDAスタッフに松村先生が日本語で経緯や事情を説明された後,イギリス人利用者に交代すると,英語で10 分ほどやりとりされ電話を切られました。AMDA スタッフから,地下鉄日本橋駅近くの病院を紹介されたとのことでした。
 それを受けて,松村先生がその病院に電話され,英語での診察が可能かどうかを確認した後,私たちが地図で場所を確認して伝えました。旅の途中で病気やケガをすると,言葉もお金もとても大変で心細いことだと思います。このイギリス人家族は,何度も私たち全員に感謝の言葉を述べてから,新今宮TICを後にされました。
 さて,この日,松村先生と谷川さんら学生たちは,「大学生観光まちづくりコンテスト」の応募資料の最終チェックを,新今宮TICで行っておられました。できあがったパワーポイントの応募資料を私たちも見せていただきましたが,松村ゼミの観光まちづくりの経験が活かされていて,とても良い仕上がりだと思いました。予選は書類審査ということなので,それを通過して,プレゼン大会当日を迎えるのを楽しみにしています。

松村先生からのひと言

 私もバックパッカーをしていた学生時代,インドで赤痢を,中国で流行性肝炎を発病して,とても心細い経験をしました。旅行中の深刻な病気や負傷は,保険が効かないというお金の問題や言葉の問題もあって,本当に大変です。新今宮TICにもこれまで何度か病気や負傷の相談がありましたが,最近ではAMDAにつないで,受け入れ先を紹介してもらっています。本当にどうしようもない場合は,西成関係の医療ネットワークで対応することになりますが,それは最後の手段…,私が新今宮TICにいる時でないとできないと思います。

8月30日(金)新今宮TIC報告(2回生 中川光華)

【スタッフ】谷河里香(4),中川光華(2),吉田知奈(1),新城朱里(1)
【利用者】4組5名。このうち1組2名が外国人で,アメリカからの人たちでした。
【来訪者】松村先生,松川和矢(3),弘田愛美(3),山中彩帆里(3)の計4名。

 本日唯一の外国人利用者のアメリカ人男性2名はリピーターで,少し日本語もわかる人たちでした。問い合わせ内容は,奈良へ行きたいのでお薦めのところを教えて欲しい,とのことでした。
 幸いなことに,本日のスタッフの吉田さんと新城さんは1回生ですが,ともに奈良県出身。新今宮TICには奈良の観光地図やまち歩きマップも常備してあります。奈良県出身の2人は,そうした地図を見せて,英語に日本語も織りまぜながら,東大寺やならまちを薦めていました。アメリカ人利用者もこの2 人とコミュニケーションすること自体がとても楽しいご様子で,しばらく雑談してから帰られました。この他の問い合わせは全て日本人からで簡単なものばかりでした。
 午後から,接近中の台風の影響からか雨が降り出し,人通りがめっきりと減りました。ところが,今日は暇な方がよかった1日でした。新今宮TICのなかでは,運営の合間をぬって松村先生のご指導のもと,「大学生観光まちづくりコンテスト」のフィールドワーク成果の整理や応募資料の作成を行いました。

 谷川先輩は「国際ゲストハウスの育成とネットワーク化を核とした観光まちづくりプラン」,松川先輩は「堺市の観光まちづくりに向けた提案」,私・中川と吉田さんと新城さんは「新今宮地区の観光まちづくり」,弘田先輩と山中先輩は「エンタメとまちづくり」というタイトルで,応募書類でもあるプレゼンテーション資料の準備を進めました。右は「エンタメとまちづくり」のプレゼンの一部。
 この他にも,大阪府羽曳野市や大阪ミナミ・道頓堀でフィールドワークを行ったチームもあったそうなのですが,松村先生と学生たちの予定が調整できないため,なかなか集まれず進まない状態なのだそうです。
 今回,この「大学生観光まちづくりコンテスト」の応募に際して,松村先生は3・4年生だけでなく,広く1・2年生にも参加を呼びかけられ,4年生から1年生まで混在したチームを編成されました。本日,プレゼンテーションを作成しながら,松村先生から色々とお話を伺ったのですが,「1・2年生は参加するだけでええ,横で見ておくだけでもええねん。」とおっしゃっていました。
 先輩たちがプレゼンテーションをまとめる過程を見ていれば,次に自分たちが中心になった時でも,「ああすればいい」というイメージができる。先輩たちと一緒にプレゼンテーションの舞台に立てば,その経験が必ず自分たちの次のチャンスに活かせる。だから,「横で見ておくだけでもいい。」そうです。谷河先輩は1年生の頃からずっと松村ゼミの活動と関わり,大事なプレゼンテーションの舞台を何度も見て,ご自身も何度かその舞台に立って来られたそうで,「チャンスがあれば絶対に経験した方がいい。やって良かったと必ず思うはず。」とおっしゃっていました。

松村先生からのひと言

 私の理想は1年生から4年生までが一緒になって活動する50名くらいの集団です。世代を超えて伝統や技能を伝えるためには,まず教える先輩がいて,教わる後輩がいて,教わった後輩が先輩になり,教える側に回る,という循環が不可欠です。
 これが会社組織ならば10年,20年という年月で循環します。大学の場合は,残念ながらわずか4年間…。基本的に,自分よりも3年上の先輩から,自分よりも3年下の後輩までの経験しか共有できません。限られた期間を最大限に活かすには,1年生から4年生までが一緒に活動することに尽きます。