2012年8月23日(木) 新今宮TIC報告 (レポーター:3回生 XU CHEN)

2012年8月23日(木) 新今宮TIC報告 (レポーター:3回生 XU CHEN)
【スタッフ】トウアコン(4),XU CHEN(3),川原美穂(4),WU XIAOTING(3)
【利用者】5組9名。この全てが外国人で,アメリカ,マレーシア,韓国,フランスからの方々でした。
【来訪者】松村先生,読売新聞の記者2名,富田林市の市職員2名の計5名。

 朝イチで来たアメリカ人カップルは日本在住の方のようで,日本語がとても上手,大阪周遊パスについて問い合わせました。マレーシアから来られた40歳代のご夫婦も,韓国人男性も,大阪周遊パスを買いたいとのことでした。最近,大阪周遊パスについての問い合わせが,とても多いような気がします。この他,ネットカフェはどこにありますか,ミナミへ歩いて行きたい,という問い合わせなどがありました。

 読売新聞の記者の方々は,松村先生を訪ねて来られました。浪速区や西成区を担当されている記者で,取材ではなく挨拶しに来られたそうです。富田林市の市職員は,写真のような,富田林観光や伝統的な寺内町を紹介する英語や中国語のパンフレットを持って来られました。このパンフレットの出来栄えがとても良く,松村先生は,「ゼミで一度,寺内町へフィールドワークに行って見よう。」とおっしゃり,「留守の間,よろしくね。」と言い残されて,この日の夜の便でドイツへ向かわれました。

松村先生からのひと言

 大阪周遊パスはとても便利です。ところが,最寄りの販売場所が動物園前の駅長室で,場所が分かりにくく,外国人対応をするという意識が希薄な点が問題です。JR系の外国人旅行者しか買えないお得チケットなども,実際に買おうとすると,「新今宮駅では対応していないので,天王寺駅へ行ってください」ということもたびたびあります。
 新今宮界隈の地域課題のひとつは,JR新今宮駅,南海新今宮駅,地下鉄動物園前駅など,地域の鉄道運輸事業者の外国人対応能力と地元の地理知識の向上です。今後とも,鉄道運輸事業への働きかけを継続していきたいと思います。しかし,そもそも日本は観光立国宣言したのだから,もっと国や行政がしっかりと政策立案して,鉄道運輸事業者の観光協力の促進を組織的に実施すべきでしょう。
 富田林の寺内町は,阪南大学から最も近く,大阪府下で唯一の伝統的建造物群保存地区でもあるので,ぜひ一度ゼミのみんなでフィールドワークに行き,外国人向けのまち歩きツアーが組めそうかどうか,検討しましょう。
 ネットカフェの問い合わせ,天王寺方面を紹介したようですが,新世界に2軒あります。そちらの方が断然近くて便利なので,そちらを紹介してください。

2012年8月24日(金) 新今宮TIC報告 (レポーター:4回生 和田昂之・2回生 津村明衣)

【スタッフ】小林志帆(4),和田昂之(4),津村明衣(2)
【利用者】8組13名。このうち5組が外国人で,スイス,ニュージーランド,マレーシア,フランス,韓国からの方々でした。
【来訪者】濱中さん(OB),ホテル中央のスタッフ,大阪商工会議所の溝口さんの計3名。
 朝は快晴,昼からはゲリラ豪雨…。最近の大阪の天気は,とても変わりやすく,旅行者にとっては辛いところでしょう。夏休みの毎日運営をスタートして早や2週間経ちました。
 本日はそんなに忙しくなかったので,資料の整理を行ないました。TICの外国人対応で必要なのは,やはり地図。地図を見せながら案内して,それを手渡すと利用者の理解がだんぜん深まります。

エリアマップ

 そこで,今日は,今ある資料を見直して,ネットで大阪のエリアごとのマップをプリントアウトして,その整理を2回生の津村さんにお願いしました。とても丁寧できれいに整頓してくれたので,ずいぶんと分かりやすくなりました。外国人を案内する資料を地道に集めて整理しておくことが,外国人対応をスムーズに行う鍵となります。(以上,和田昂之)

 本日の印象的な利用者は,ホテル中央セレーネのスタッフと一緒に来られたフランス人男性でした。この方は,フランスでロボット工学を研究しているらしく,日本で市販されている動くフィギュアを手に入れたい,とのことでした。
 インターネットで調べると,心斎橋に1店舗,日本橋に2店舗が検索にかかり,それを紹介しました。どの店舗も情報発信は日本語のみでした。このようなマニアックな問い合わせは,とても対応が大変です。利用者が望むものと私たちが紹介するものが,一致しているのかどうか,細かな違いがなかなか分かりません。確かめようにも,単語が出てこないし,微妙なニュアンスはなかなか伝えられません。
 外は突然,豪雨が降り出したので,少し雨がおさまるまで雨宿りされてから,このフランス人は出かけられました。私たちが案内した情報であっていたのかどうか,とても気になるところです。(以上,津村明衣)

松村先生からのひと言

 トルコのイスタンブール経由でのドイツへの旅は,関空を出てから17時間くらいかかりました。ケルン大学近くのホテルにチェックインして,メールをチェックすると,TICの報告が届いていました。長旅でさすがに疲れたので,この日はホテル近くを散策する程度で休みをとりました。
 さて,私は整理整頓が全く出来ないタイプなので,出来る人を尊敬します。日本橋でんでんタウンは,東京の秋葉原ほどではありませんが,知る人ぞ知る場所になりつつあるようで,一度ゆっくりと見学しに行かねばならないと思っています。ただ,間違いなく,私は苦手な分野なので,見ても理解できないかも…。

2012年8月25日(土) 新今宮TIC報告 (レポーター:4回生 和田昂之)

【スタッフ】大宅和佳(3),和田昂之(4),加藤宏実(4)
【利用者】8組11名。このうち5組7名が外国人で,マレーシア,フィリピン,スコットランド,セルビアからの方々でした。来訪者はいませんでした。
 毎日暑い日が続いていますが,気づけばもう8月もあと1週間ほどで終わります。小さい頃なら宿題を終わらすのに必死だったこの時期。そんな私もいつの間にか大学4年です。残り少ない大学生生活を有意義に過ごしていきたい,そんな思いで新今宮TICの活動に取り組んでいます。

 今日は朝からお昼にかけて,外国人利用者がTICに足を運んでくれました。そのなかでも印象的だったのが,スコットランドから来られた20代くらいの男性です。この方はTICの日付ボードに書いてあったToday’s Eventsを見て来られました。このボード,いつもは日付を書くだけなのですが,今日は何となくですが,イベントを探して書いておきました。それに早速,反応していただきました。
 今日のイベントは「道頓堀川万灯祭」でした。とんぼりリバークルーズの堺筋から新戎橋にかけて,提灯でライトアップされていて,本日がその最終日で,ダンスや船上での音楽ライブなどが行われます。残念ながら,このスコットランド人は,本日の夜の便で帰国する予定だったので,行けないとのことでした。
 大衆演劇の立て看板のように,近場で面白いイベントがあれば,調べて掲示しておくと,道行く人からの反応が期待できます。これも,新今宮TICならではの取組みだと思います。

松村先生からのひと言

 ドイツ時間は日本時間のマイナス8時間,今はサマータイムなので7時間ですが,TICの運営が終わる頃,ドイツはちょうど朝9時くらい,朝食を食べて終え色々と準備して,そろそろケルン大学へ行こうかなという頃です。ケルン大学はヨーロッパ屈指の伝統校で,創立されたのは14世紀後半,日本史で言うなら室町時代の第三代将軍・足利義満が活躍していた頃です。大学構内にはその頃から残る建物がいくつかあるというから驚きます。
 さて,確かに夏休みの毎日運営の際は,Today’s Eventsを調べて情報提供するのはいい案です。スタッフの学びの機会にもなる。夏場の特に土日は,盆踊りや花火大会など,大阪各地で同時多発的にイベントが行われています。あまり頑張らなくていいので,比較的大きなイベントだけでも,調べて紹介していきましょう。

2012年8月26日(日) 新今宮TIC報告 (レポーター:4回生 山崎育美)

【スタッフ】浜中勝司(OB),山崎育美(4),中川光華(1)
【利用者】7組11名。このうち3組4名は,オーストラリア,フランスからの方々でした。来訪者はありませんでした。
 朝から日差しもきつく,外に出るのが嫌になるような,とても暑い1日になりました。人通りは少なく,街を歩く外国人も少なかったように思います。今日は1回生の中川さんがスタッフとして参加してくれました。夏休みの長い毎日運営は,1・2回生の協力なしでは乗り切れません。中川さんは,利用者の記録ノートを書くなど,積極的に手伝ってくれました。

 カウンターに座っていて気付いたのですが,やはりTIC前の大衆演劇の立て看板を見て,立ち止まられる方が多いような気がします。日本人の方で,「ここは何をしているところなの?」と尋ねられる方もおられました。
 特に印象に残った利用者は,昼過ぎに来られたフランス人男性です。「バイクで奈良の東大寺に行きたい」とのことだったので,地図を使って25号線を真っ直ぐ行って下さいと伝えました。大きめのバイクなら高速道路や阪奈道路を利用できますが,小さめのバイクだったので,一般道路を走るしか手がありません。猛暑とスピードオーバーに気を付けて下さいね,と伝えました。
 まだ日本にいるとのことなので,また訪ねて来られるかもしれません。とても明るくて良い方でした。

松村先生からのひと言

 大阪は相変わらずの猛暑のようですね。ドイツのケルンは,最高気温が20度半ばくらい。私は半袖シャツしか持って来ておらず,夜や雨天では少し寒いくらいです。
 私が参加している学会は,32nd International Geographical Congress in Cologne 2012,略してIGC2012 COLOGNEという国際的な地理学の学会です。とても規模の大きな学会で,発表者だけでも優に1,000名を超えます。私が宿泊するHotel MADOにも,世界中からの地理学者が泊まっていて,レストランやコミュニティスペースで知的で刺激的な交流が展開しています。
 名刺交換すると,「ああ,あなたですか,大学院生時代にあなたの論文を読みました。」というような著名な先生も,本当に気さくに対応してくださいます。
 中国や台湾からの参加者も多く,学会会場にて,かつて現地調査でお世話になった先生,訪日された際に私が大阪や関西を案内した先生とも出会い,旧友をあたためました。
 2013年,この学会は京都国際会議場で開催されます。私はそのアウトリーチ委員,平たく言えば宣伝マンですので,ぜひ来年の京都での学会にも来てください,と言いまわっています。日本から100枚近い名刺を持参したのですが,もうすでに残り少なりました。

 ドイツ時間の25日午後3時から,Cologne Philharmonic Hallにて,学会主催の盛大な歓迎セレモニーがあり,参加してきました。このホールは,とても素晴らしいコンサートホールで,世界文化遺産に登録されているケルン大聖堂のすぐ横にあります。タイ王国のプリンセス,ケルン市長も臨席され,とてもウィットに富む歓迎スピーチをされました。
 さて,それはさておき,日本語の読めない外国人旅行者に道を問われたら,道路標示にローマ字表記が無いことも多いので,やはり一番わかりやすいルートを教えるべきです。奈良行ならば,阪奈道路や暗がり峠越えという裏ワザもありますが,やはり遠回りですが25号線を案内するのが妥当だと思います。