2012年8月4日(土) 新今宮TIC報告(レポーター:2回生 笹田真璃・2回生 橋田翔子)

【スタッフ】井上咲季(4)☆・橋田翔子(2)◎・笹田真璃(2)◎・石山知美(2)・山下喜央(2)
【利用者】15組22名。うち10組13名が外国人で,スロベニア,フランス,韓国,アルゼンチン,スペイン,イギリスのスコットランド,シンガポールからの方々でした。
【来訪者】松村先生,パンフレットを持って来てくれるいつものおじさん,立命館大学産業社会学部の丸山里美先生と学生1名,NPO法人RACDA大阪・堺のメンバー2名,松村先生の従弟,テレビドキュメンタリー番組制作会社のプロデューサー,ホテル中央グループの山田英範社長の合計9名。

 今日から新今宮TICの毎日運営が始まりました!!
 夏休みが本格的に始まったこともあってか,日本人利用者も多く,利用者の絶えない忙しい1日となりました。
 日本人利用者からの問い合わせは,通天閣やスパワールドはどこですか,美味しいお店を教えて欲しい,といった問い合わせが中心で,「新世界・西成 食べ歩きMAP」が大活躍しました。
 JR新今宮駅でも子供向けに駅員の制服を着て記念撮影できるというイベントが行われていました。
 さて,新今宮TICの利用者ですが,初老のフランス人紳士が来られました。日本語がとても流暢な方で,「みなさんは河内音頭を知っていますか,私は盆踊りが見たい!!」とのことでした。松村先生からお寺や神社の境内で行われ,実力のある音頭取りが出る盆踊りが良いとのアドバイスを受け,ネットで盆踊り情報を調べて絞り込み提供すると,とても喜ばれました。

 たった今,大阪に着いたばかりという外国人利用者も多く,夏休みが始まったなと実感しました。写真のフランス人利用者は,まず「安いホテルを紹介してください」と来られて,チェックインした後に再び来られ,私たちと相談しながら,大阪を拠点とした旅のプランを立てられました。「どこへ行きたいのか,何をみたいのか」をしっかりと伺ってから,ならば明日はここへ行って,明後日はここへ行けばどうですか,という具合でした。(以上,笹田真璃)
 シンガポールからの利用者は,7月13日(土)の平野郷,15日(日)の鶴橋・桃谷のまち歩きツアーに参加してくれた方でした。新今宮TICが開いていたので,「今日,シンガポールに帰る。まち歩きは楽しかった,ありがとう。」とわざわざ挨拶しに来てくれました。私たちの活動が外国人旅行者の旅の思い出になっていると実感できる,とても嬉しい瞬間でした。
 今日は来訪者もたくさんいらっしゃいました。立命館大学の丸山先生と学生は,新今宮TICの運営状況の聞き取り調査に,テレビドキュメンタリー番組制作会社のプロデューサーは山田英範社長と一緒に来られ,西成特区構想と新今宮TICや簡易宿所の関係性について取材されました。この日の松村先生は多忙,「釜ヶ崎のまち再生フォーラム」の理事会・総会に出席しながら,来訪者があるたびに会議を抜けて対応されるという状況でした。
 新今宮TICの毎日運営の初日に相応しい,忙しくて,華々しいスタートとなりました。9月末までの長期戦,その間,松村先生が不在の時も多いので,学生みんなで頑張って乗り切りましょう!! (以上,橋田翔子)

松村先生からのひと言

 アジアからの旅行者のなかにはリピーターも多い。2009年の第1回まち歩きツアーに参加してくれたシンガポール人男性は,その後も,訪日するたび新今宮のゲストハウスに宿泊し,新今宮TICにお土産を持って訪ねて来てくれます。本当に,嬉しいことです。
 新今宮TICを利用される外国人旅行者,特に夏の欧米系利用者は,あまり厳密に旅行プランを立ててらっしゃらないことが多い。私たちから,「ここが面白いよ」,「もうすぐこんなお祭りがあるよ」など,良質な旅の情報を提供できれば,新今宮での滞在日数が驚くほどのびます。極端な話,東京に行こうと思っていたけれども,関西が面白かったので今回は断念した…,というような方もおられます。これが新今宮TICの醍醐味です。
 大切なことは,利用者のニーズをしっかりと聞くこと,それに相応しい良質な旅の情報が提供できるよう,色々とアンテナを張って準備しておくことです。河内音頭,盆踊りは,しっかりと情報発信できれば,夏の南大阪の貴重な観光資源になり得ます。

2012年8月5日(日) 新今宮TIC報告(レポーター:4回生 小路望)

【スタッフ】井上咲季(4)☆,小路望(4)◎,濱中勝司(OB),花尻隼基(2),菅野樹彦(1)
【利用者】6組14名。このうち4組11名が外国人で,フランス,チリ,イギリス,アルバニアからの方々でした。
【来訪者】松村先生,MBS『せやねん』番組制作スタッフの計2名。
 昨日と比べると,比較的静かでのんびりとした1日でした。今日は,松村ゼミ2回生の花尻君と森山ゼミ1回生の菅野君が,初めて新今宮TICのスタッフとして参加してくれました。利用者情報の記録ノートの書き方にすぐ慣れてくれて,積極的にカウンターに座り,一生懸命に仕事をこなしてくれました。

 写真のように,男性が3名もスタッフに入るのは珍しい光景です。
 花尻君は,「アジア系の利用者が多いと思っていましたが,ヨーロッパやチリの方も来られ,歩いている外国人も多い。」という印象を持ったとのことです。菅野君は,「初めて参加しましたが,実際に現場に来たことで新今宮に外国人旅行者が多いと知り,外国人利用者に対応するため,コミュニケーション力を付けておくべき。」と実感したそうです。
 さて,アルバニア人利用者は,イギリス在住で建築学を学ぶ5人組の学生たちでした。大阪に到着したばかりのようで,「ビーチに行って泳ぎたい」,「温泉も行きたい」という問い合わせ内容でした。ビーチは須磨をすすめましたが,少しイメージよりも遠かったようなので,ビーチではありませんが,近場のスパワールドをすすめると,値段にも納得されたようで喜ばれていました。
 スパワールドのパンフレットが無くなっていたので,濱中さん,花尻君,菅野君で見学がてら取りに行ってくれました。夏休みということもあり,すごい行列だったそうです。

松村先生からのひと言

 建築学を学ぶ外国人学生の利用はたびたびあり,京都などの伝統的な街並み,大阪の近代建築,姫路城などの城郭建築,安藤忠雄先生の作品についての問い合わせなどが多いとの印象です。マニアックな興味を持って訪日される旅行者は,関心がマニアックであるため,日本語での情報発信が中心となっているので,言葉の壁に困り果て,新今宮TICへ来訪される方も少なくありません。可能な限りネット他で調べて,基本的な情報を翻訳して伝えてあげてください。
 安藤忠雄ファンが来られたら,ぜひ,新今宮TIC内に飾ってある安藤忠雄サイン入りの「第3回ゆめづくりまちづくり賞」の盾も見てもらってください。先輩たちからの自慢の贈り物です。
 あと,スパワールドの入場券は,ホテル中央グループに宿泊しているお客さんだと,連携されているので1年を通じて900円で入手できます。

2012年8月6日(月) 新今宮TIC報告(レポーター:2回生 村上恵美)

【スタッフ】井上咲季(4)☆,村上恵美(3)◎,松川和矢(2),津村明衣(2)
【利用者】1組3名。全てスペイン人でした。
【来訪者】大阪国際ゲストハウス地域創出委員会(OIG)委員長の西口宗宏さん,MBS『せやねん』番組制作スタッフの計2名。
 今日はとても暇な1日でした。天気はとてもよかったのに,外を見ていても,不思議と外国人を見かけることが少ない日でした。天気がよすぎて暑すぎたため,外出を敬遠されたのかもしれません。午前中の利用者が全くなかったので,ランチブレイクを利用して,みんなで気分転換がてら,グルメMAP掲載の「おたべや」へ昼食に行きました。
 新今宮TICへ戻ってしばらくすると,OIG委員長の西口宗宏さんが来訪され,最近沖縄に行かれた時の話をされ盛り上がりました。男性スタッフの松川君は早速,西口さんから,「自分,今度,一緒に飲みに行こうや。」と誘われていました。

 西口さんが帰られた後は,新今宮TICのWELCOMEプレートとランチブレイクのプレートを作って時間を潰しました。
 15時過ぎ,MBS『せやねん』の番組制作スタッフがいらっしゃり,外国人旅行者からの質問にはどのようなものが多いのか,取材されました。明日,番組ロケを新今宮界隈でされるそうで,その下調べとロケハンを兼ねて来られたそうです。
 私たちが話し込んでいると,本日の最初で最後の利用者が来られました。とても陽気なスペイン人の女性1名,男性2名の3人組でした。問い合わせは,「ホテル太洋はどこか?」,「今から行くのにおすすめの場所はどこか?」という簡単なものでした。
 『せやねん』プロデューサーが,このスペイン人にインタビューされていました。井上咲季さんが通訳に入り,「日本でこれは不便,困ったと感じたことは?」,「日本のサブカルチャーには興味ある?」「シーフードは好きですか?」などなど。このスペイン人が出演する訳ではないのですが,吉本興業の漫才師の10$が外国人を案内する企画だそうです。

松村先生からのひと言

 新今宮TICの運営,暇な時は本当に暇です。逆に忙しい時は本当に忙しい。一般的に春から夏にかけては忙しく,秋から冬にかけては暇ですが,それもあまりあてになりません。
 暇な時,慣れない1・2年生がスタッフに入っていれば,3・4年生は新今宮TICの日々の運営について教えてあげてください。それでも暇な場合は,ぜひTOIEC対策でもSPI対策でも,自習をしてください。海外旅行経験の豊富な3・4年生も多く,主要な国々の『地球の歩き方』も常備しているので,相談しながら旅の計画を練るのもいいでしょう。
 テレビ番組の取材には積極的に協力しましょう。松村ゼミと縁のあるトミーズ雅さんが司会をされている『せやねん』には,特に全面的に協力しましょう。もしも,落語家の桂ざこば師匠,俳優の赤井英和さん,ラッパーのSHINGO☆西成さん,西成ジャズの松田順司さんなど,地域への想いの熱い諸先輩方が新今宮TICにいらしたら,最大限の敬意を払って迎えてください。
 テレビや新聞の取材依頼などがあり,私が不在で学生スタッフだけで対応しきれない場合は,ホテル中央グループの山田英範社長か,ホテル東洋の浅田裕広社長と連絡をとってつなぎ,助けてもらってください。

2012年8月7日(火) 新今宮TIC報告(レポーター:4回生 小路望)

【スタッフ】井上咲季(4)☆,小路望(4)◎,大宅和佳(3),菅野樹彦(1)
【利用者】8組13名。このうち7組10名が外国人で,スペイン,フランス,韓国,ロシア,イギリスからの方々でした。
【来訪者】松村先生,大阪市議会議員の柳本顕さんとインターンシップの学生4名,4回生の和田昂之君,ホテルみかどの森川マネージャーの計8名。

 今日もいつも通り暑い1日でしたが,午後からは曇り,少し涼しくなりました。1回生の菅野君は,2度目の新今宮TICスタッフ入りでした。ENGLISH LEADERの井上さんは,本日の深夜,関空からエジプトへ向かい,エジプトで1ヶ月間の語学研修プログラムに参加するとのことで,大きなトランクとバックパックを担いで新今宮TICへ来ました。アパートの冷蔵庫の中身を空っぽにするのがとても大変だったそうです。

 8月4日に来られた年配のフランス人が再来され,京都への行き方を尋ねられました。実はこの方,昨年も来てくださった年度を跨いだリピーターで,昨年も私が対応したのですが,そのことを覚えていてくださり,話が盛り上がりました。今日のこの他の問い合わせは,京都や神戸や天王寺動物園への行き方,大阪の地図が欲しい,両替をしたいなど簡単な質問ばかりでした。16時過ぎ,TICのパソコンの電源を落として,店じまいを進めていると,写真の4名のフランス人が来訪されました。
 来訪者の市議会議員の柳本さんとインターンシップ生らは,自転車に乗って立ち寄られ,たまたまいらっしゃった松村先生が,新今宮TICの活動内容を簡単に説明されました。インターンシップ生たちは柳本さんの案内で,地域のなかを自転車で走り回って学ばれるとのことでした。松村先生はこの日の午後,新今宮TICから西成特区構想有識者座談会へと向かわれました。

松村先生からのひと言

 柳本顕さんは西成区選出の大阪市議会議員で,新今宮TICの創設時には奔走いただき,新今宮地域や地元商店街の活性化などについての調査研究でも,何かとお世話になりました。柳本さんところに来ていたインターンシップ生が,新今宮TICのスタッフに入り,手伝ってくれたこともありました。
 新今宮TICのスタッフ,特に1・2回生で重要なのは,普段からお世話になっている地域の方々の顔と名前を早く覚えて,と同時に,地域の方々に顔を早く覚えてもらうことです。
 有識者座談会の後,新今宮TICへ戻り,井上さんと菅野君を誘い,「すし寛」へ行きました。私も明日8日から17日まで中国の北京・長春で調査,1ヶ月も日本を離れる井上さんの送迎会も兼ね,おそらく北京でもエジプトでも食べられない絶品のお寿司を,一緒に食べてから解散しました。

2012年8月8日(水) 新今宮TIC報告(レポーター:4回生 トウアコン)

【スタッフ】昌山志保(4)☆,トウアコン(4)◎,谷河里香(3),橋田翔子(2)
【利用者】4組6名。全て外国人で,フィリピン,フランス,アメリカ,中東からの方々でした。
 本日は珍しく来訪者の無い1日で,利用者も少なく,のんびりと時間を過ごせました。新今宮TICを開けるとすぐ,フィリピン人女性2名が「ナンバへの行き方は?」と尋ねて来られて,今日は忙しくなるかなと思ったのですが…。フランス人男性(おそらくリピーターの方)からの問い合わせは,「住吉大社への行き方は?」でしたので,阪堺電車のパンフレットを渡して,人手に余裕があったので,堺線南霞町駅まで同行案内しました。

 昼前,宅配便がとても大きな板を2枚,新今宮TICへ届けてくれました。いったい,何に使うのか? 実は松村ゼミの企画で,この板に大衆演劇や動楽亭のポスターを貼り出して看板に仕上げ,「新今宮TICは新世界・西成のエンターテイメントを応援します!」と書いて,新今宮TICの前へ毎日出して,勝手で宣伝しようと決まりました。
 昨日までのスタッフが,動楽亭,鈴成座,オーエス劇場のポスターを入手してくれていました。明日,明後日はスタッフが充実しているので,朝日劇場・浪速クラブ・梅南座のポスターを入手しにかかり,早く看板を仕上げてください。

松村先生からのひと言 from 北京

 新世界から西成にかけての地域は,ライブでエンターテイメントが日常的に楽しめる,日本でも本当に珍しいところです。新世界・西成5座の大衆演劇のポスター,一同に揃って宣伝されているのを,私は見たことがありません。それに加えて,動楽亭や西成ジャズなど,もっと広範なエンターテイメントを,応援・宣伝できれば最高だと思っています。
 この8月9月の毎日運営で,地道に応援・宣伝して足場を固め,今年の秋以降は,新今宮TICとしてもっと具体的に,新世界から西成にかけてのエンターテイメントを後押しできるよう,現在,ゼミ生たちとあちらこちらに働きかけています。
 世の中,便利になりました。トウアコンからの報告を北京で読み,このひと言も北京で書いている…。