松村ゼミの学会発表旅行 今年は湘南,鎌倉,江ノ島,横浜中華街!!(レポーター:前島佑香)

横浜駅に集合!! いざ鎌倉へ!!

 2008年の長野県松本市の長野大学,2009年の埼玉県新座市の立教大学と,松村ゼミはここ3年連続で日本観光研究学会に参加して,松村先生とゼミ生の誰かが共同発表してきました。学会発表の前後で旅行を楽しむのも松村ゼミの恒例。2010年の第25回日本観光研究学会の開催地は文教大学湘南キャンパス,つまり湘南です…ヤッター!!。今年は丸市将平(共同発表者・4回生),前島佑香(3回生),勝元暁美(3回生),キントゥザー=マウン(愛称キキ・3回生),兪穎伶(2回生)の5名の学生が,当然ながら実費負担の自腹で参加しました。
 松村ゼミのゼミ旅行の原則は,国外でも国内でも,現地集合,現地解散。12月4日(土)12時,JR横浜駅構内の観光案内所前に,現地集合しました。それから,JR横須賀線で鎌倉へ。12時半過ぎ,昼食休憩。空腹が満たされた私たちは,鶴岡八幡宮へ。とても天気が良く暖かい日だったこともあってか,鶴岡八幡宮は観光客だけでなく,七五三や宮参りの人もいて賑わっていました。鶴岡八幡宮では神前式に遭遇,雅楽の生演奏もある本格的なもので,外国人観光客を魅惑していました。

江ノ電で江の島へ

 太陽が沈むまでに江ノ島へ行こうと,14時過ぎに鎌倉から江ノ電に乗り江ノ島へ。江ノ電は線路の幅が狭くて,線路わきの民家と電車との距離が近い。乗っているだけでハラハラして楽しかった。途中から,車窓には湘南の海がひらけ,多くのサーファーたちが波乗りしていました。これぞ湘南というイメージそのものの風景でした。
 江ノ島駅で下車して,江の島へと向かいました。江の島の展望台までは階段での上り坂が続きます。松村先生と上り坂が大嫌いなキキは,有料のエスカレーター「エスカー」で,私たちは歩いて展望台へと向かいました。松村先生とキキは,階段を歩いて登るドイツ人女性2名と何度も会ったそうで,エスカー乗り場に向かう際,松村先生が彼女らに「We never diet! No exercise!」といって大笑いをとり,仲良くなっていました。
 さて,途中の江島神社では,松村ゼミ恒例のおみくじを引きました。今回は松村先生が大吉,丸市さんは中吉,明日の学会発表への期待が高まりました。江の島では富士山が見える絶好のポイント,稚児ヶ淵へ向かいました。ちょうど夕陽が沈む頃で,夕暮れに映えるとても綺麗な富士山を楽しみました。

ホテルのチェックインでひと騒動!!

 その後,小田急江ノ島線の湘南台駅近くの湘南台第一ホテルへ。文教大学湘南キャンパスに最寄りのホテルです。出発前,松村先生は「皆で一緒に泊まる4日のホテルは,ワシが予約しとくから,まかせといて…」とおっしゃっていました。いざチェックインしようとしたら,フロントスタッフから「予約が見当たりません…」とのこと。そんなはずはない,と松村先生が携帯の予約確認メールを見せると,何と予約していたのは2011年1月4日,それも5名分でした。「日付も,人数も,全然ちゃうやん」と一同唖然。
 さすがの松村先生も,「やってもうたなぁ…」と焦られていましたが,幸いなことにシングルが6部屋空いていたので,無事全員チェックインできました。その日の夜は,明日の学会発表に備えて,焼き肉を食べエネルギーを蓄え,すぐに部屋へ戻り休みました。

いよいよ学会発表!!

 12月5日(日),9時にロビー集合。タクシー2台に分乗して文教大学湘南キャンパスへ。文教大学に着くと,受付を済ませ,12時まで一旦解散。松村先生からは,学会発表プログラムを見て,個々人で興味のある発表を聴きに行きなさい,という指示がありました。
 12時,昼食のため集まりました。昼食会場の2階では大学生らによるポスター発表が行われていて,昼食を食べてからそれを見学しました。13時少し前,全員が再び集まり,学会発表のパワーポイントを確認し,リハーサルを行いました。リハーサルは,ばっちりでした。
 松村先生と丸市さんの発表は第1会場で13時45分から。会場内には40人を超える方々が集まり,そのなかに,阪南大学の吉兼秀夫先生と森山正先生もいらっしゃいました。発表時間は15分間,発表10分,発表者交代・質疑応答5分でした。

発表は大好評!! いざ中華街へ!!

 発表タイトルは「外国人向け着地型まち歩きツアーの理論と実践」で,理論部分を松村先生が5分間で,実践部分を丸市さんが5分間で話す段取りでした。まず,松村先生が普段と全く変わらぬスタイルながらも,いつもより早口で会場を沸かせながら発表を進め,少し時間を余らせて丸市さんにバトンを渡しました。丸市さんからは緊張が伝わってきましたが,先生と同じく,丸市さんも笑いをとり,聴いていて楽しいプレゼンでした。周囲の反応もとても良く,質疑応答も盛り上がり大好評でした。
 プレゼン後は,いざ横浜中華街へ。文教大学から出ようとした時に,発表でいらしていた阪南大学OBの張広帥さん(北海道大学大学院観光創造専攻修士課程2回生)とたまたま会い,張先輩の知り合いが働く「横浜大飯店」へ一緒に行こうとなりました。地下鉄で横浜中華街へ向かう途中,松村先生が「せっかくやから,寿町もフィールドワークするか…」と言いだし,「伊勢佐木長者町」という駅で降りました。新今宮界隈と同じく,横浜の寿町にも簡宿が多く,外国人対応も動き出しているとのこと。松村先生の案内で,いくつかの施設を1時間ほどかけて見て回り,大阪釜ヶ崎と横浜寿町との違いや共通点などを学びました。
 さて,張先輩お薦めの「横浜大飯店」は,1人2,480円でオーダーバイキング制。メニューがとても豊富で,どの料理も本格的で美味しく,研究活動で中国へよく行かれる松村先生も絶賛。もう動けない…,というほど食べて,中華街で現地解散しました。

学会発表を終えて(4回生 丸市将平)

笑いをとりなさい,何で??

 今回の学会発表は見事に失敗しました。松村先生や後輩たちが学会発表を聴きに行くなか,私ひとり休憩室に残り,発表直前まで発表原稿の作成にいそしみました。松村先生恒例の「何やそれ…,カンペか? 破いたろか?」というドS発言を喰らいつつも,会場に入るまでは平常心を保っていました。発表の30分ほど前に会場に入り,松村先生の後ろに座り,他の人の発表と質疑応答を聴いたのですが,これが逆効果でした。
 会場には4,50名くらいの聴衆がいたのですが,「あの前の方にいてはる人…,大阪市大の創造都市の小長谷先生や…,さっき質問しはった人なぁ…,あれは立教大学の前田勇先生や…。日曜の昼からの発表やからかなぁ,big nameがぎょうさん聴きに来てはるで…。」と松村先生から鬼のようなプレッシャーが。
 いざ自分の発表が回って来る頃には,口はカラカラ,緊張感が高まりました。松村先生からの学会発表前の指示は,「とにかく発表時間を守ること,それから必ず品のええ笑いをとることや」でした。「え,笑い…なんでですか?」「みんな忙しいのに聴きにきてくれてはんねん,ホスピタリティや。ネタはまかす,けど,絶対スベったらあかんで。」「…。」

頭が真っ白に…

 私たちの発表の段取りは,松村先生が5分,私がそれを引き継いで5分しゃべり,再び松村先生にバトンを渡して,質疑応答に入るというものでした。松村先生がしゃべり始めると,緊張感はもっと高まり,私にバトンが渡されると,頭は真っ白のパニック状態。せっかく用意したカンペを読むこともできず,発表したかった内容の半分くらいで時間切れが近づき,焦りは頂点に。
 松村先生から「途中は飛ばして,最後のまとめのスライドを説明せえ!!」との指示が入り,何とか予定時間を少しオーバーしたくらいで済みました。もしも昨年の社会人基礎力グランプリで私が発表していたら…と思うと冷汗が止まりません。
 とにかく自分に対して「みっともない」という気持ちで一杯,なかなかこのショックから立ち直れそうにありません…。後輩に何か残したい,という想いから論文作成と学会発表に挑みましたが,後輩たちの心に残ったのは,惨めな先輩の姿だけ?! あ…情けない!!
 でも,論文作成から学会発表まで,何とかやり遂げた今は達成感でいっぱいです。それにはもちろん松村先生の多大なご尽力があり,昨年発表を経験したゼミ長の佐藤有からのアドバイスや,ゼミ生みんなの声援がありました。たくさんの人に支えられていることを実感した日々でした。ありがとうございます!!

学会発表旅行に参加して

兪穎伶(2回生)の感想

 今回の学会を聴きに行く旅行で,日本に来て初めて富士山を見ました。夕日に映える富士山は,とてもきれいでした。学会発表で松村先生や他の発表者の方々の発表を聴いて,とても貴重な経験になりました。学会発表の後に横浜中華街へ行き,日本最大のチャイナタウンで美味しい料理を味わえ,昔行ったことのある香港を思い出しました。楽しかったです。

勝元暁美(3回生)の感想

 今回の旅の目的は学会参加がメイン,でも,旅行がメインではないか,というくらい観光も楽しみました。学びと観光のどちらも体験できた楽しい旅となりました。鎌倉の鶴岡八幡宮では,暖かい日差しのなかキャミソールの外国人を見かけました。でも,さすがに12月,驚きました。江の島は晴れていたので,夕焼けに浮かぶ富士山も見られて,美しい景観で心が癒されました。
 日本観光研究学会では,たくさんの発表を聴き,本当に勉強になりました。興味深いものもあったし,とても退屈なものもありました。丸市先輩の学会発表,松村先生からの指令である「笑い」がとれたのは,とてもよかったと思います。あせりも見えましたが,発表内容が良かったので,聴いていた人たちからは高評価を得たと思います。
 今回一番の思い出は,横浜中華街での中華料理のオーダー制バイキング…,本当に美味しくいただき大満足でした!!

キキ(3回生)の感想

 12月5日,文教大学湘南キャンパスでの松村先生と丸市先輩の学会発表に,ゼミ生の応援団の一人として参加させていただきました。全国の色々な大学から集まって来た先生や大学院生たちの研究・調査発表を聴くことができ,とても刺激を受けました。
 日本人学生だけでなく留学生の発表者もいたので,発表のやり方や言葉の使い方など,とても参考になりました。私も来年は,ゼミ活動の成果をこの学会で発表したい,と思いました。
 さて,学会発表が終わると,松村先生は私たちを横浜寿町のフィールドワークに誘い,その足でチャイナタウンへ食事に行きました。横浜のチャイナタウンは神戸の南京町よりも規模が大きく,まるで中国にいるようでした。学会当日のお昼ごはんはコンビニのチキンナゲットだけ,お腹のすいた私たちは,チャイナタウンの中華料理食べ放題の店「横浜大飯店」へ行きました。このお店は,阪南大学OBで北海道大学大学院の院生・張広帥先輩の知り合いのところ。北京ダック,焼き豚,豊富なデザート,とても美味しく,満足しました。また機会があればもう一度行きたい,と思います。

松村先生からの一言

 丸市君の学会発表,ひとつ前の発表の質疑応答を踏まえて,絶妙な笑いをとったのは,とても高く評価できます。しかしながら,その後,発表の持ち時間を過ぎてしまったのに,それを上手く自分で調整して終われなかったのは,反省して次は改善すべきです。日本観光研究学会全国大会での発表は,事前に詳細な学術論文を提出し,学会当日にそれが論文集として配布されています。だから,無理に時間を費やして発表を完結させるよりも,発表を途中でも打ち切り,しっかり質疑応答する時間を確保した方が有益な場となります。
 「必ず発表時間を厳守すること,必ず品の良い笑いをとること」,という学会発表の原則,私は恩師の石川義孝先生から教わり,私のゼミ生らにも引き継ぎたいと思っています。学会発表で原稿を用意するのも構いません。でも,学会発表はやはりライブなので,聴衆の様子を伺いながら,臨機応変に語る方がもっといい,と思っています。上手く発表するコツは,話の筋をメモ書きする程度にとどめ,いくつかの編集点,つまり省いてもいいところを想定しておくことです。何よりも重要なのは,とにかく内容のある研究をして,若いうちから場数を踏み,失敗も含めて経験を重ねることです。
 さて,質疑応答でご質問くださった前田勇先生からは,発表終了後にお褒めの言葉をいただきました。会場にいらした吉兼先生や森山先生からも,「よかったよ」との感想をいただきました。丸市君のデビュー戦としては,上々の出来だったと思います。ただ今回は私とのタグマッチ,次回からはシングルマッチで戦えるよう,頑張ってください。