2010年最後の外国人向けまち歩きツアーは様々な人々の想いと協力で実現!!

天王寺の魅力,都会のオアシス・天王寺公園の魅力を発信したい!!

 2010年の第6回目の外国人向けまち歩きツアーが,実に色々な方々の協力を得て,2010年11月28日(日)に開催されることが決まりました。今回のテーマは「天王寺公園の魅力再発見!! 慶沢園の茶室(長生庵)で茶の湯をたのしむ!!」です。新今宮TICから天王寺公園までは歩いてわずか10分程度,新今宮に宿泊する外国人にとって,とても良い散歩コースとなる可能性を秘めています。日本人でもその存在を知る人は少ないのですが,この天王寺公園内には慶沢園という日本庭園があり,そのなかに長生庵という茶室があります。旧住友家茶臼山本邸の庭園であった慶沢園は,名庭師の小川治兵衛が全国から名木や名石を集め,10年もの歳月を費やし作り上げました。長生庵も,とても趣のある本格的な茶室です。天王寺の繁華街と隣接していながらも,そこだけ時間が止まっているかと錯覚させられるような,静寂のなか心が洗われるような空間が広がっています。この魅力を外国人旅行者に発信できないのか,日本人にも是非その存在を再発見して欲しい…との色々な人々の想いが集まり,この企画は走り始めました。
 企画の発端は,「茶臼山を古戦場跡にする会」の代表の川村真章さん。川村さんは天王寺の魅力を熟知され,その良さを広めたいと色々な活動を行われていて,たびたび新今宮TICを訪ねられては,天王寺界隈のイベント情報などを教えてくださいます。新今宮TICでの松村との雑談のなかで,「松村先生,慶沢園のなかにええお茶室あんの知ってはりますか? 紅葉のシーズンにあそこで外国人招いてお茶会したら,ええ雰囲気やと思うんですわ。」がことの発端でした。

大阪が誇る名庭園・慶沢園で茶の湯を…!!

 松村ゼミでも第6回目の外国人向けまち歩きツアーで,天王寺界隈の魅力を発信したいと企画しているところで,両者の想いはぴったりと一致しました。
 その後,川村さんと松村が多方面に働きかけ,色々な人々の協力を得て,今回のお茶会が実現しました。主催は茶臼山を古戦場跡にする会が務め,共催者として天王寺動植物公園事務所・阪南大学国際観光学部松村研究室・阪南大学茶華道部がお茶会を支援することになりました。松村研究室はお茶会に参加する外国人旅行者を募集して,茶の湯に誘いそれをサポートします。長生庵での茶の湯は阪南大学茶華道部が取り仕切ります。お茶室の掛け軸「一期一会」は阪南大学書道部の谷大峰師範からご提供いただき,ポスター制作では大阪市立デザイン教育研究所に協力いただき,茶の湯の合間にアーツ☆エンターテイメント学院と大阪城甲冑隊のメンバーがパフォーマンスを行い,来園者に見ていただく予定です。

下見もバッチリ?!

 11月12日(金)午後,松村研究室と阪南大学茶華道部が川村さんの先導で,慶沢園長生庵の下見に行きました。天王寺動植物公園事務所からも色々とご支援していただけることが確認でき,早速,松村研究室のゼミ生たちは事務所職員の方々から慶沢園の見どころを教えていただきました。茶華道部の学生代表の住山ゆみさんは,同部をご指導されている河谷紀子先生と一緒に,長生庵の間取りや設備や当日の段取りを入念に確認しました。茶室でのもてなしは最大で15名くらいが限界,1回の茶の湯の定員を10名として,先に入園者先着10名で,次に外国人旅行者10名程度と,合計2回のお茶会を行うことになりました。長生庵の入り口には,赤い毛氈をひいた長椅子を用意して傘を立て,お茶会の雰囲気を盛りたてます。
 何分にも初めての試みなので,うまくできるのかどうか不安ですが,とにかくやってみようという気持ち,実践することが大事です。茶の湯の基本,「一期一会」の想いだけを胸に刻み込み立振る舞えば,必ずその想いは理解していただけることでしょう。

下見が終わったらゼミ有志で能楽を堪能(レポート:勝元暁美)

やっぱり梅若玄祥は最高!!

 2010年11月12日(金),慶沢園長生庵の下見が終えた後,松村ゼミ有志(松村先生とゼミ生5名)は能楽鑑賞に向かいました。観光芸能論をご担当されている西尾智子先生からご招待いただきました。
 場所は大槻能楽堂,演目は狂言「仏師」(善竹忠重),能「玄象」(梅若玄祥)でした。勝元は観光芸能論を受講していて,授業のなかで梅若玄祥先生をご紹介いただき,その存在感に魅了され参加しました。私たちは開場少し前に大槻能楽堂に到着し,楽屋出入り口で待っていました。すると,松村先生と面識のある出演者の方がたまたま出てこられて,この日の演目「玄象」のあらすじや見どころを熱く語っていただきました。「能のなかでもわかりにくくて,上級者向けのものですね…」との言葉にビビりましたが,「退屈なところはどうぞ遠慮なく寝てください…」との言葉に救われました。
 最初の狂言では,出演者の善竹忠亮さんの声の響きに驚きました。「仏師」の最後の方は本当に現代のコントを見るようで,楽しめました。能が始まると,まずお囃子の何とも言えない緊迫感,小鼓のポンという味わいある音色と大鼓のカーンという空気を切り裂くような響き,お囃子の独特な掛け声などが印象に残り,これがとても心地よかった。玄祥先生が出てこられると緊迫感が一層増しました。正直,寝ていたところもありましたが,終わってみると,「良い時間を過ごせた…」という満足感がわいてきました。松村先生も「さすが六郎先生やわ,すごかったよなあ」と興奮されていて,私たちを行きつけの西成区のすし寛へ誘われごちそうしていただきました。日本庭園,お茶室,能楽,お寿司と,This is JAPANな一日でした。

大阪城甲冑隊が三光神社で真田丸戦勝式を開催!!

 国際観光学部あげての大イベント,河内長野市での「烏帽子形城 秋の陣」。その際大変お世話になった大阪城甲冑隊が,2010年11月20日(土)に「真田丸戦勝式式典」を三光神社境内にて13時から行うことになりました。
 「真田幸村は大坂の陣で負けて討ち死にした」というイメージが先行していますが,大坂冬の陣では真田丸(現在の三光神社あたり)を拠点として,真田幸村は徳川の大軍を相手に奮闘して大勝利をおさめました。今回のイベントでは,その戦勝式を行い,伝説の「真田の抜け道」内部も初めて一般公開されるそうです。イベント当日は,大阪城甲冑隊の精鋭約40名が赤鎧で三光神社に集まるそうです。戦国ファン,真田幸村ファン必見のイベント間違いなし!!