金城学院大学とのゼミ交流(レポーター:松村嘉久)

 金城学院大学現代文化学部国際社会学科の日野みどり先生は,現代中国の研究者であり,中国語も広東語も完璧に使いこなされる才女。松村がかつて香港ホームレス事情の調査団に加わった際,広東語通訳をお願いし,それ以降も学会などで一緒に活動する戦友です。日野先生は「国際フィールド・ワーク」という科目を担当されていて,毎年,関西方面へゼミ生を連れて来られるとのこと。
 金城学院大学は名古屋のキリスト教系女子大で,現代文化学部国際社会学科は「観光」や「コミュニケーション」に力を注いでいるそうです。「ならば阪南大学観光とも専門が近いし,一緒に何かやりましょう。」と,共同フィールドワークが企画されました。
 日野ゼミは先生引率のもと,ゼミ生12名(全て2回生)が6月19・20日の1泊2日で大阪に来ることに。女子大なので当然のことながら,女子学生ばかり。事前に金城学院大学や日野ゼミを紹介するパワーポイントを松村ゼミへ送っていただきました。松村ゼミではそのパワーポイントを全員で見て,大阪でのフィールドワークの企画を送り返しました。日野ゼミには外国人向けの住吉大社・堺方面の街歩きツアーの英語解説を丸投げし,松村ゼミは後方支援にまわることにしました。

6月19日(土) 鶴橋・コリアタウンのフィールドワーク(レポーター:石橋涼子・松村嘉久・仲田美穂)

鶴橋に12時集合!!

 待ち合わせは12時に鶴橋。日野ゼミの12名(久世理央奈・村上文美・福永葵・中本明里・中村まみ・田中美咲・兒玉聖羅・竹田由依・中村円香・舘ユリア・那須美由貴・武田光代)は,名古屋から近鉄特急で鶴橋IN。松村ゼミ有志(丸市将平・石橋涼子・河嶌友紀【4回生】,小路望【2回生】,シュウ=チャシン・沢田有紗・内藤みつる・金美香・大宅和佳【1回生】,シュウさんの妹)は,各自で集まりました。松村先生と日野先生を合わせて総勢24名,そのうち男性は何と2名,松村先生と丸市しかいない…。4年生の笹部和平は急用で痛恨の欠席…一番楽しみにしていたのに残念。
 せっかく鶴橋に来るのだから…と日野ゼミは車中で弁当を食べずに到着。合流したらすぐ,鶴橋の老舗焼肉屋のアジヨシへ向かい,まずはコリアンフードを堪能しました。食事後に松村先生から鶴橋界隈の歴史が紹介され,「今から闇市の流れをくむ鶴橋の市場を歩きます。迷路のような所なので,はぐれないように!!」との注意がありました。
 日野ゼミの学生たちは,松村先生の指示で数日前にビートたけし主演の『血と骨』を鑑賞したとのこと。あの映画はとにかく濃い…重い…。日野ゼミの学生たちは,「ビートたけしが演じてたような人って,本当にいたんですか?」と真顔で松村先生に尋ねていました。終戦直後ならともかく,今の世の中,あんな激しい人はさすがにいません…,よね。

鶴橋の市場を抜けてコリアタウンから桃谷駅へ

 要所要所で松村先生の解説を聞きながら,鶴橋の市場を抜けてコリアタウンへと移動しました。7月の街歩きツアーの舞台がコリアタウンなので,その下見も兼ねて歩きました。御幸森神社からコリアタウンへ入り,そこで少し自由時間をとって,各自でコリア文化にふれてもらいました。コリアタウンの外れ,平野運河にかかる橋の上で再集合して,記念撮影。その後は,軽く道に迷いながら,7月のだんじりコースを確認しながら,桃谷駅へと向かいました。
 その途中の商店街で,70円のソフトクリームがあります。松村先生によると「大阪で一番安いんとちゃうか」とのこと。蒸し暑いなか長時間歩いて疲れていたこともあり,日野先生のおごりで全員にソフトクリームが手渡されました。ソフトクリームを食べながら商店街を歩く20名を超える行列…。小学生の男の子が自転車で私たちの行列とすれ違いながら,「何,何,何なん。何でみんなソフトクリームなん。」と的確な突っ込み。桃谷駅に着いたのは15時過ぎ。ここでいったん解散して,日野ゼミと松村先生ほか数名は新今宮方面へ向かいました。

打ち合わせして,ジャンジャン町から新世界へ

 ホテルセレーネにチェックインを終えたのが16時くらい。1時間休憩して17時に新今宮TICに再集合し,明日20日の街歩きツアーの打ち合わせを行いました。ここには丸市と仲田美穂が参加しました。街歩きツアーのコースと日野ゼミの準備状況を確認した後,当日の役割分担やチームワークなど,細かい動き方も相談しました。打ち合わせは30分ほどで終わり,新世界方面を向かおうとすると,雨が降り始めていました。
 傘をさしての散歩となりましたが,ジャンジャン町を抜けるとアーケードが無くなるので,「雨宿りがわりに食事でも…」と松村ゼミ行きつけのお好み焼き屋『狐狐(ここ)』へ。『狐狐』のお好み焼きは名古屋の女子大生にも大好評。「大阪の人は毎日お好み焼きを食べるのですか?」との問いに,松村先生は「さすがにそれはないわ…週3くらいかな…。1週間食べへんかったら禁断症状出るけどな」。日野ゼミは真剣にうなずいていましたが,「そんなん松村先生だけや…」と心のなかで突っ込んでいました。
 雨もあがったので通天閣へ向かおうとすると,『狐狐』のお母さんから,「名古屋から来たお客さんなら,ビリケンさんでも拝んで帰って…」と通天閣の無料入場券をいただきました。お母さんは「また,名古屋から彼氏と来て寄っとくんなはれ…ははは…」と豪快に笑っておられました。ありがとうございました。
 その後は,松村先生の案内で通天閣まわりの面白スポットを巡り,日野ゼミの学生たちは通天閣へ登りました。松村先生・日野先生・丸市・仲田の4名は,松村先生の行きつけのバーを経由して,西成区の『すし寛』へ。ここで7代目ゼミ長の佐藤有と合流して,ホテルセレーネのロビーの大画面液晶テレビで,ワールドカップの日本VSオランダ戦を観戦することになりました。日野ゼミ有志や他の宿泊客も応援に加わり,盛り上がりました。

6月20日(日)午前 大阪人権博物館でも行きましょうか?!(レポーター:松村嘉久)

人材も時間も余裕があるから人権博物館にでも…

 一夜明けて,住吉・堺方面への外国人向け街歩きツアーの当日となりました。この日は朝の9時から新今宮TICを運営。オープン早々,経験豊かなスタッフの久保田早也佳から新今宮TICの業務について説明があり,スタッフの王穎らと日野ゼミの学生たちとが一緒に周辺のゲストハウスを巡り,ツアー参加者の確認と勧誘にまわりました。結果は6名とのこと。
 充実したスタッフが集うなか,街歩きの集合まで2時間少し空いているので,急遽,昨日の鶴橋・コリアタウンのおさらいも兼ね,松村の案内で大阪人権博物館へ行くことになりました。さすがは日野ゼミの学生たち,人権博物館の展示を真剣にじっくりとみまわっていました。
 11時半過ぎに人権博物館を出た頃,TICスタッフから参加者が11名になったとの連絡が入り,日野ゼミの学生たちにも伝え,「もう勧誘はやめよう。受け付けの準備にかかってください。」との指示を松村から出しました。
 さて,街歩きツアーは12時半集合。それまでに昼ごはんを食べなければ…。人権博物館で見入ってしまったため,昼食時間が微妙…。新今宮へ帰り,昼前に動物園前一番街の洋食屋『南自由軒』へ。カウンター席はちょうど12名で満員。そこを日野ゼミの学生たちが占拠しました。ここはオムライスが美味しいところで,マスターの手際がいいので,出てくるのが早い。集合時間には間に合いました。

6月20日午後 外国人向けの住吉・堺方面街歩きツアー(レポーター:橋本果奈・キントゥザー=マウン)

天気予報は雨,でも降らなかった…

 6月20日(日)の天気予報はずっと雨。松村ゼミの打ち合わせでも,最悪の場合,土砂降りを想定して動ける準備を進めていました。ところが,街歩き当日の天気は曇り,今にも降り出しそうな雰囲気でしたが,幸運にも,街歩きツアーの最後まで傘をさすことなく終われました。
 20日(日)は金城学院大学の日野ゼミとの共同で,2010年の第3回目の街歩き「Let's enjoy Sumiyoshi Shrine and Sakai city!!」を行う日です。街歩き当日のTICスタッフの活躍もあって,今回の街歩きは,訪日観光客が少ないシーズンにも関わらず,11名もの外国人が参加してくれました。
 国籍別にみると,香港人5名,イギリス人2名,カナダ人1名,シンガポール人1名,スイス人1名,イタリア人1名でした。男女別では女性6名,男性5名。日本語が少しわかる方もいて,学生たちの英語解説を聞いてあげよう,というフレンドリーな雰囲気にあふれていました。香港・シンガポールからの参加者には,日野先生とタン=イーヘン(3回生)が広東語で対応できるので,案内する学生の負担はかなり軽減されました。
 13時前にホテルセレーネのロビーに参加者たちが集まり始め,受け付けを済ませました。13時過ぎ,松村先生のツアーの趣旨説明に続き,日野ゼミの久世・村上コンビが街歩きツアー概要の説明を行いました。これが終わると,参加者から拍手が起こり,とても良い雰囲気のなか出発できました。

ちんちん電車で住吉大社へ!!

 ホテルセレーネから歩いてちんちん電車(阪堺線)の南霞町駅へ。南霞町駅の狭いプラットフォームで,福永・中村組がちんちん電車や一日乗車券の利用方法などを説明しました。学生たちが参加者一人ひとりを囲み,一日乗車券のスクラッチを削り,南霞町駅13時22分発のちんちん電車に乗り込みました。車中は会話が弾み,笑いが絶えない状態でした。
 13時半過ぎに住吉大社に到着すると,先乗りしていた学生たちが鳥居前で待っていました。今回は大勢での移動の不便をやわらげるため,松村ゼミの佐藤らが日野ゼミの6名を引き連れ,ひと足先に住吉大社に向かい,ロケハンと予行演習を行いました。さて,住吉大社は説明ポイントがたくさんあります。まずは,竹田・兒玉組が鳥居前で住吉大社の歴史,太鼓橋の横で太鼓橋について説明しました。太鼓橋ではお約束の集合写真を撮影しました。

盛り上がった「五」・「大」・「力」探し

 住吉大社の本殿奥には,遊び心あふれる隠れた名所があります。それは,「五」・「大」・「力」と書かれた小石を探すところです。五大力とは,体力・智力・福力・財力・寿力のことです。この三つの文字が書かれた小石を,無数の小石のなかから探し出せれば,その五大力のご利益があるそうです。このスポットは英語で説明しやすく,わかりやすいので,毎回盛り上がるそうです。
 今回も外国人参加者はもちろん,日野ゼミの学生たちも必死で五大力を探しました。これがなかなか全部は集まらない。
 なお,五大力と日本人の宗教観については,那須・館組が説明してくれました。先乗りしての下見で,松村ゼミからアドバイスがあったようで,急遽用意した英語解説をアレンジして発表となったそうでした。外国人向けの街歩きツアーではよくあることなのですが,一生懸命準備していても,ツアーの流れや参加者の反応を見て,英語解説がキャンセルされたり,松村先生から急に「これについても説明してえや」と無茶ブリされます。

やっぱり出会えた住吉大社の神前式!!

 住吉・堺方面の街歩きツアーのハイライトのひとつは,やはり住吉大社での神前式との遭遇でしょう。これだけはタイミングの問題もあり,計算できない出会いです。今回もラッキーなことに,厳かで情緒あふれる神前結婚式と14時半くらいに遭遇できました。
 ツアー参加者をお手洗いに案内して集団を離れていた勝元暁美が神前式開始の気配を察知して,ツアーを先導する松村先生へ連絡が入り,急いで本殿前へ向かい,みんなで神前式の行列を待ち受けました。
 外国人参加者はもちろんのこと,日野ゼミの学生も初めて神前式を観る人が多く,十分な時間をとって見学しました。神前式を観終わった後,中本・田中組から日本人の結婚式事情についての説明がありました。
 神前式については,外国人参加者も実際に見学できたので興味津々。説明が終わった後も,日本人学生たちにたくさんの質問を投げかけていました。

刃物ミュージアムから鳳翔館へ!!

 住吉大社を14時半に出て,再びちんちん電車に乗って妙国寺前へ,刃物ミュージアムへと向かいました。展示されている様々な刃物を見学し終えて,ミュージアムの外へ出ると,ちょうど15時過ぎ,包丁づくりの実演が始まりました。参加者たちは包丁職人が真っ赤に焼けた鋼を打つ様子に見入っていました。
 次は最終目的地,綾ノ町の鳳翔館です。刃物ミュージアムから綾ノ町は見える距離なのですが,これを歩くと大変ということで,再びちんちん電車に乗りました。鳳翔館には松村ゼミと日野ゼミの何名かが先乗り準備をしていて,私たちを出迎えてくれました。
 鳳翔館は趣のある古い町屋で,旅人が気軽に休息でき,近隣住民とも交流できます。阪南大学国際観光学部の前田弘ゼミが運営のお手伝いをされていて,松村ゼミの外国人向け街歩きツアーでも必ず立ち寄らせていただいてます。今回も2階の座敷でお茶と茶菓子をいただきました。ここで福永・中村組が堺の歴史や茶道などについて説明した後,街歩きツアーのアンケート調査にご協力いただきました。参加者のみんさんは真剣にアンケートに応えてくれていました。

鉄砲館では陣羽織を着て記念撮影

 さすがにここまで来ると,参加者たちは疲れ気味でした。特に日野ゼミの学生たちは,昨日も今朝もかなり歩いたようでバテ気味。次は火縄銃などが展示されている鉄砲館へ行く予定だったのですが,外国人参加者はいったんここで解散して自由参加としました。ところがここで帰られたのは夕方から予定のあるイギリス人2名のみ,ほぼそれまでどおりの人数で紀州街道を歩いて鉄砲館へ向かいました。
 鉄砲館では館長の柏木さんが,堺と鉄砲のことについて熱く語り,それを日野先生が必死で通訳されました。ところが松村先生が見当たらない…。館内が少し狭いので,外にあふれた日野ゼミの学生たちを連れて,近くのお線香屋さんの見学に行っていたそうです。
 鉄砲館の最後は,外国人参加者の3名が兜と陣羽織を着せてもらい,太刀を持って記念撮影。松村先生によると,意外にこのコスプレ,毎回外国人の方々はノリノリだそうです。

ちんちん電車で新今宮TICへ

 鉄砲館を後にした一行は,綾ノ町駅からちんちん電車に乗って,出発地点の新今宮へ戻りました。新今宮TICに着いたのは16時半過ぎでしたが,TICスタッフの多くが残って出迎えてくれました。
 心地よい疲労感のなか,名残惜しい雰囲気が漂い,外国人参加者と学生たちが新今宮TIC前で話し込んでいました。最後にみんなで集合写真を撮ろうとなり,新今宮TIC前でハイポーズ!!
 松村先生から「今日の集合写真は,1時間後くらいから,ホテル中央のフロントで配布します。各自でとりに来てください。本日はありがとうございました。」との挨拶があり,全員が拍手するなか最終解散となりました。松村ゼミ有志が新今宮TICに残り集合写真を印刷していると,日野ゼミの方々が「今から名古屋へ帰ります。本当にありがとうございました。」と挨拶に来てくれました。

松村先生からの一言

今回のツアー参加者はとてもフレンドリーな方が多く,とてもいい雰囲気のなか街歩きが行えました。日野ゼミの学生さんたちは,予想以上に頑張ってくれました。当初松村ゼミでは,「最悪グダグダになることも想定して,みんなでフォローしよう」と打ち合わせてその態勢をとっていました。ゼミでは,ツアー当日に発表者を連れて,ツアー本隊よりも少し先乗りして,現場を見てイメージできたら,何とかなるだろう,と議論していました。
 日野ゼミの発表者たちはさすがに緊張感が漂っていましたが,ちゃんと原稿を用意していて,外国人参加者に伝えようという意識もしっかりしていました。チームによってはバッチリ合格,少し声が小さかったチームもありましたが,「グダグダ」とまでは行かず「グダ」くらいで終わりました。大阪初体験かつ街歩きツアー初体験の2年生であることを考えると,とても優秀で意識も高い学生たちでした。松村ゼミ向きの,是非スカウトしたいと思う学生も何名かいました。
 日野ゼミの学生さんたちは,二日にわたりよく歩いたので,さすがに最後はかなり疲れているようでした。しかしながら,物事の根幹は体力,松村ゼミの海外フィールドワークならば間違いなくもっと歩きます。これを機会に頭だけではなく,身体も鍛えましょう。今回私が案内した「大阪」は入門編から中級編の上くらい,もっとディープな上級編もあります。機会があれば,遠慮なく尋ねてきてください。

フィールドワーク参加者からの感想

小路望(国際観光学科2回生)

 19日のみの参加でしたが,金城学院大学の学生たちと一緒に昼食を食べ,コリアンタウンをフィールドワークしました。フィールドワークや韓国について興味があったので,とても楽しみにしていました。松村先生から在日コリアンの歴史などを聞きながら,鶴橋から桃谷にかけての街なかをひたすら歩きました。とても蒸し暑い日で疲れましたが,初めて見る風景に初めて聞く話も多く,充実した1日となりました。

内藤みつる(国際観光学部1回生)

 私は19日のフィールドワークに参加しました。大阪に18年いながら,鶴橋には行ったことがありませんでした。今回なぜ名古屋の学生と一緒なの,と思っていましたが,鶴橋と三重・名古屋とのつながりが深いことを知り納得しました。フィールドワークでは新しいことをたくさん学びました。色々な方面で活躍されている方で朝鮮半島にルーツを持つ人が多いのに驚き,今ではかなりやわらいだという差別の問題も考えさせられました。自分のありのままに生きられる社会,本名を隠さずみんなが誇りを持てるような社会が実現したらいいなと思いました。参加できて本当によかった。

沢田有紗(国際観光学部1回生)

 私は石川県出身で,鶴橋には行ったことがなかったし,初めてのフィールドワーク参加だったので少し緊張しましたが,すぐに松村ゼミの先輩方や金城学院大学の学生たちとうちとけ,楽しむことができました。鶴橋の近くには,朝鮮半島から来た多くの方々が住んでいて,コリアンタウンと呼ばれる場所があったり,韓国料理店もたくさんありました。鶴橋の市場では,キムチや韓国食材がたくさん売られていて,お店の表示にもハングル文字が書かれていたのが印象的でした。フィールドワークは,松村先生から色々なお話がうかがえ新たな発見もあり,とても有意義なものでした。また機会があれば参加したいと思いました。

金美香(きん みひゃん:国際観光学部1回生)

 私は国際観光学部1回生で在日コリアン3世です。何度か新今宮TICの活動に参加し,今回初めて松村ゼミのフィールドワークに参加しました。それも鶴橋・コリアンタウンのフィールドワークと言うことで,松村先生がどんなことをおっしゃるのか,それを聞く学生たちはどんなことを思うのか,とても興味を持ちました。
 大学で「私,在日コリアン3世やねん」と言ってもわかる人はほとんどいません。今回のフィールドワークでの松村先生の説明は,私が習ってきた在日コリアンの歴史そのもので,正直とてもびっくりしましたが,嬉しかった。在日の歴史をちゃんと理解し,それをフィールドワークで街を実際に歩きながら学生たちに伝えていただきました。
 在日コリアンだけではなく,「在日」という存在は日本にたくさんいて,みんな日本で生きています。その人たちのこと,なぜ日本にいるのか,国籍はどうなっているのか,私はみんなにも知ってもらいたいと思います。私はこのフィールドワークを通して,自分が在日コリアンであることを再認識し,これからもそのことをしっかりと受けとめていこうと思いました。
 私は20日の住吉・堺方面の外国人との街歩きツアーにも参加させていただきました。色々な国籍の人たちが同じちんちん電車に乗って,お互いのことを話題にしながら仲良く旅を楽しむ。日本がこんな社会になればいいなと思いました。

金城学院大学 日野ゼミ学生からの感想

金城学院大学国際社会学科2年 竹田由依

 私が大阪を訪れるのは3回目だったのですが,1日目のフィールドワークは今まで観光として行った大阪とはまったく違ったものが見られました。松村先生はその場所その場所で,背景を説明してくださり,大きな声では言えない裏話をしてくださることも…。正直,最初は,行ったことのない商店街や裏道を通るのが少し怖かったです。でも,松村先生の説明を聞きながら,実際に見て歩くということがだんだん楽しくなり,勉強にもなりました。
 2日目は外国人旅行者の方たちとの街歩きで,住吉大社や堺を訪れました。私は住吉大社の説明を担当したのですが,すごく緊張しました。でも外国人の方が,いたらない英語でも,しっかり聞いてくれたことがとても嬉しかったです。たとえ言葉が拙くても,コミュニケーションする気があれば対話することができるんだと実感しました。
 今まで外国人の方とこんなにも交流できたのは初めてだったので,とても良い経験ができ,濃い1日となりました。松村先生,阪南大学の皆さん2日間ありがとうございました!!

金城学院大学国際社会学科2年 田中美咲

 私は今回が初めてのフィールドワークでしたので,非常に不安でもあり,楽しみでもありといった複雑な感じのなかでのスタートでした。けれど,阪南大学の学生さんたちの手助けのおかげもあり,いろいろなことを学べ,とても充実した2日間になりました。本当にありがとうございました。
 なかでも20日に行った住吉・堺方面の外国人との街歩きツアーでは,私が英語に自信がなく戸惑っていると,阪南大学の学生さんが的確なアドバイスをくれて本当に嬉しかったです。そして実際に参加してくれた外国の方もとても親切な人たちばかりで,このような体験ができた私たちは本当に幸せだなと思いました。
 この2日間の経験を大切にし,ぜひ機会があれば次は名古屋でも同じようなフィールドワークが出来るといいなと思いました。

金城学院大学国際社会学科2年 中村まみ

 今回,阪南大学の方達と一緒に参加させて頂き,ありがとうございました。大阪の街をひたすら歩き,初めて知ることが多く名古屋にはない風景もあり,びっくりしました。
 松村先生に街の特徴や歴史などを教えて頂き,こんなに深い出来事がいくつもあったんだと,学ぶことができました。それと同時に,名古屋にもまだ知らない歴史が沢山あるのではないかなと思いました。外国人との街歩きツアーでは,知らない街を案内できるか不安でしたが,阪南大学の方達の心強いサポートのおかげで無事に楽しく終える事ができました。
 私達の当日までの準備は,各観光地の説明を英語にしておくことでしたが,阪南大学の方達は,それ以上の下調べや準備をしているので改めてすごいことだなと思いました。
 外国人との交流は,うまくコミュニケーションがとれなかった部分もありました。このような経験も,これから活かしていきたいと感じました。短い時間でしたが,とても有意義な時間を過ごすことができました。ありがとうございました。

金城学院大学国際社会学科2年 久世理央奈

 私たちは19・20日のフィールドワークを楽しみに事前準備を行ってきました。事前学習の映画『血と骨』が怖かったというか…かなり過激な印象で,少々不安な気持ちで当日を迎えました。
 大阪についてすぐ,阪南大学の学生と一緒に昼食をしました。その時にたくさん質問をすることが出来て,昼食が終るころには緊張がほぐれ,仲良くなることができました。私は初めてのフィールドワークで何をするのだろう,と思っていました。昼食を終えた私たちを待っていたのは,鶴橋・コリアンタウンのフィールドワーク。
 高校生の頃,私には在日コリアン・在日チャイニーズの友達がいました。実際彼女たちから打ち明けられた時は驚きました。でも,私は在日コリアン・在日チャイニーズについて全く知らなかった。実際に一緒に生活してるんだし,私たちと変わらないじゃん!!,何が違うのと思っていました。疑問をもっていたけれど,これ以上聞いたら失礼なのかな,と思い今までほって置いていました。
 フィールドワークで松村先生から在日コリアンの歴史を聞くことができよかったです。在日コリアンについて理解を深めることができました。鶴橋・コリアンタウンのフィールドワークはひたすら歩き,実際に見て,触れ,学ぶことの大切さを改めて学びました。
 夕食のときに聞いた,大阪人はお好み焼きを食べないと禁断症状が起きる…笑うしかありませんでした。でも,私から赤味噌をとったら,私ではなくなると思いました。19日夜は,サッカーワールドカップの日本VSオランダ戦をホテルロビーで見て盛り上がり,フィールドワーク1日目を終えました。

 20日は待ちに待ったWalking Tourでした。事前準備をしてきたけれど,人前で話すことは緊張することだと,改めて感じました。何も知らない私たちが説明していいのかな?,本当に大丈夫かな?,と阪南大の生徒さんと話していたら,「ノリが大切やねん! まあ,何とかなるから頑張りーな!! 外国人もノリいいから大丈夫やって…!!」私は驚きました。この大阪人的ノリ…でも,私はこの言葉に助けられ1日を終えることができました。
 私は今ホテルで働いています。たくさんの国籍の外国人観光客がやってきて,名古屋の観光地を知りたいと言って出かけて行きます。私はそこで松村ゼミのようなWalking Tourを大学生ボランティアで,名古屋でも活動したら良いのではないかと思いました。このような活動を行っていくうえで,学生もたくさん学ぶことができて,地域の活性化にも繋がるのではないかと思いました。
 私は密度の濃い2日間を過ごせました。それはたくさんの仲間がいたからだったと思います。日野ゼミのメンバーだけではなく,現地を良く知る松村先生や阪南大学の生徒さんたちがいたからだと思います。Walking Tourに参加してくださった外国人のみなさんもホテルの方々も! 本当にありがとうございました。この感謝の気持ちを忘れず,これからの大学生活に活かしていきたいです。阪南大学の皆さんへ,また大阪へ行く機会があったらインフォメーションセンターへ行きますね。

金城学院大学国際社会学科2年 中本明里

 2日間,松村先生や阪南大学のみなさんには本当にお世話になりました。以前まで私は在日コリアンの方が大阪にたくさんいることを知りませんでした。なので今回は初めて知ることが多かったです。19日,コリアタウンをフィールドワークし,かなり衝撃を受けました。何十年も前から建物が変わっていないことと,商店街のなかで韓国語が飛び交っていたからです。また,松村先生からたくさんお話を伺い,在日の歴史を学ぶことができました。
 20日は外国の方とフィールドワークをしながら,観光案内をしました。参加者の外国の方もとても優しく,松村先生や阪南大学のみなさんに助けられて無事スピーチを終えることができてよかったです。今回の経験で,英語が流暢に話せなくても,上手に説明が出来なくても,外国の方と仲良くなれることを身をもって体験しました。そしてこのような活動をもっとしてみたいと思いました。2日間たくさんのことを教えて下さった松村先生には本当に感謝しています。また阪南大学のみなさんとフィールドワークが出来てよかったです。ありがとうございました。

金城学院大学国際社会学科2年 村上文美

 1日目に行った鶴橋・コリアンタウンは衝撃的で,初めて見る光景に驚きの連続でした。まさに『血と骨』と同じ風景で,外国に来ているではないかと錯覚を起こしていました。話を聞くなかで,昔と比べて今では在日コリアンへの差別がやわらいできていることが分かりました。
 2日目の街歩きツアー,私はトップバッターで説明する担当だったので,ミスしてはいけないと緊張をしていました。しかし,英文を読み終わった後,外国人の皆さんから拍手をいただき,とてもビックリしたと同時に,とても嬉しかったです。
 阪南大学の皆さんに私たちは見習う点ばかりでした。この2日素晴らしい経験をさせていただきました。すごくいい思い出になりました。ありがとうございました。

金城学院大学国際社会学科2年 舘ユリア

 阪南大学松村ゼミのみなさま,フィールドワークとTICの活動に参加させていただき,本当にありがとうございました。鶴橋・コリアンタウンでのフィールドワークでは,初めての体験ということもあり,想像以上の長い道のりを歩くことに驚きました。松村先生が話してくださったことは,初めて知ることばかりで全てが新鮮でした。TICの活動では,住吉・堺へ外国人旅行客のみなさんと街歩きをしました。行ったことのない場所のことを説明するのは難しく,とても緊張しましたが,みなさんが優しくサポートしていただいたことで,本当に充実した体験となりました。私達も,松村ゼミのみなさんのように,人の気持ちを考え行動することができる学生になりたいと思いました。

金城学院大学国際社会学科2年 中村円香

 先日はありがとうございました。今回初めてのフィールドワークでしたが,思っていた以上の距離を歩いたのでびっくりしました。ですが,松村先生のお話はどれも興味深く,長い距離など苦に感じませんでした。
 2日目のTICの活動では,阪南大の学生さんの積極性や責任感,自発性を感じると共に,自分はまだまだ未熟であると感じました。ですが,今回の活動を通して,英語と地域と密着した観光について興味を持てたので,これから頑張って行こうと思いました。当日だけではなく,事前の準備などもして頂いたおかげで,2日間快適に過ごすことができました。本当にありがとうございました。

金城学院大学国際社会学科2年 福永葵

 2日間,驚きに溢れていました。
 闇市,コリアンタウンは外国に来たような感覚になりました。愛知県にはあんな場所がないのでとても新鮮でした。街歩きツアーで外国の方に,英語で伝えた時の緊張感と,終わった後の安堵感を未だに忘れられません。また,話す時に自分の言いたいことがうまく伝えられないもどかしさも知りました。阪南大の学生さんが積極的に話しかけている姿をとても羨ましく思いました。
 大阪で経験した時間は私にとって,これからの自分の在り方を考えるきっかけになりました。松村先生,阪南大のみなさんありがとうございました。

金城学院大学国際社会学科2年 武田光代

 今回阪南大学松村ゼミのフィールドワークに参加させていただいて,『共生』という言葉の意味を改めて考えさせられました。
 19日の鶴橋街歩きと20日朝の大阪人権博物館見学では,在日コリアンを中心に,被差別部落,日雇い労働者やホームレスといった,不当な差別を受けてきた人々の生活を学ばせていただきました。20日の堺の街歩きでは,多くの外国人の方と一緒に堺の街を歩かせていただいて,互いの文化に興味を持ち,また認め合う大切さを感じました。差別も無く,互いの文化を尊重し合える社会が,イコール『共生』社会だとは言いませんが,これから先,更にグローバル化していく世界のなかでは,差別の無い社会や異文化を尊重できる社会を作っていくことはとても重要だと思います。なので,これから社会に出ていく私達が,少しでもより良い社会を作っていくきっかけを作れたら,と思いました。
 最後になりましたが,このような学習の場を与えてくださった松村先生を始め,松村ゼミの皆さんに心よりお礼申し上げます。

金城学院大学国際社会学科2年 那須美由貴

 今回このようなプロジェクトに参加できたことに感謝します。ありがとうございました。
初めての土地に行き,松村先生から地域の歴史の話を聞けました。鶴橋の景色は『血と骨』の景色がまだほんのり残っていたような気がしました。ツアーでは,ツアー参加者と会話しましたが片言英語でした。緊張しましたが参加者の優しさに触れ,すぐに緊張が和らぎました。いい経験となりました。

松村先生からのもう一言

日野ゼミの学生さんたちの感想を読ませていただくと,共同フィールドワークをしてよかったな,と実感します。みなさんの経験が,これからの大学生活で積極的に学ぶきっかけとなることを願っています。フィールドワークに参加した阪南大学の1・2回生も同じです。大学の教室で学ぶことはとても大切ですが,現場で起こっている問題を教室で語れるようになるまで,かなりのタイムラグがあります。大阪でも,名古屋でも,活きている街そのものが活きた教材であることは,間違いありません。
 今回の街歩きツアーでの英語発表はとても緊張したことと思います。松村ゼミではこれを年間6回くらい経験するので,毎回緊張はするのですが,簡単に言うと慣れてきます。その過程のなかでコミュニケーション能力や技能も身に付いてきます。みなさんと一緒に歩いた松村ゼミの学生たちは,みなさんよりも1年ほど前に初めて経験し,経験を積み重ねるなかで色々と習得してきた人たちです。大学生活の4年間は,人生で最も伸び盛りの時期かもしれません。どれだけ刺激的な環境に自らを投じて,経験を積み知識を高め,自分の殻を壊し続けられるかが勝負です。それは大学を卒業しても同じですが…。
 何か気のきいた言葉を残したいのですが,思い浮かびません…。ただ言えるのは…,私は古い記憶をどんどん失っていっています。現在が面白くて明日のことばかりを考えていると,過去の記憶の根幹は純化されて残り,それ以外の枝葉部分はどんどんと飛んでいくように思えます。何が言いたいのか…。過去の記憶のなかで生きるのではなく,過去の記憶の純化された根幹を大切にしながら,今を必死に生きて悩み考えるなかから,明日歩むべき道を探る,そういう人生を送りましょう。
 端的に言うならば,我が家の三つ子の現在…,2,3日前のことは覚えていないが,今日遊ぶことには真剣で,明日は…と希望を抱きつつ,日々着実に成長している。このペースで80年の人生を過ごせれば,たぶん天才と呼ばれる人物になるに違いない…。