新緑の古都・奈良を外国人と一緒に楽しんできました!!(レポーター:安達七菜・趙日権)

ツアー参加者は11名

 5月30日(日),2010年の第2回目FIT向けの街歩きツアー「Let’s Enjoy the Ancient Capital NARA during the Season of New Green Leaves!!(新緑の古都・奈良を楽しもう)」が開催されました。松村ゼミの街歩きツアーは大阪市内のコースにこだわってきましたが,今回の新ネタの街歩きは,大阪から初めて飛び出し,奈良へ行きました。前回と同様,ゼミ生が手描きのポスターを作成し,各ゲストハウスの協力のもと参加者を募集しました。
 前日の29日(土)は新今宮TICの運営日,運営スタッフが各ゲストハウスを回り参加者確認したところ6名でした。街歩き当日の飛び入り参加もあり参加者は総勢11名になりました。イラン人男性1名,アメリカ人女性2名,イギリス人カップル1組,オーストラリア人カップル1組,香港人女性2名,ベルギー人男性1名と日本人女性1名と,今回も色々な国からの参加者を迎えました。
 案内スタッフは,松村先生,3回生全員の7名,4回生9名,2回生2名の19名だったので,総勢30名での街歩きとなりました。新今宮TIC運営には,丸市将平・王頴ほか4回生7名,丸市君の友人の小野さんが居残ってくれました。ツアー当日は,目を見開けないくらいの晴天に恵まれました。

一足先に偵察へ行っとくわ!!

 集合時間は少し早めの10時15分。新今宮TICは手狭なのでホテルセレーネのロビーに参加者を誘導して,窪堀愛子と久保田早也佳が参加受付をしました。大人数で奈良まで移動するのは大変なので,石橋涼子と安達七菜が当日開催予定の「まちなか1300年祭」の偵察がてら先発。JR奈良駅で河嶌友紀・前田紗希(ともに奈良県人で奈良集合)らとJR奈良駅で合流して,旧奈良銀行跡地で行われているイベント会場へ下見に向かいました。ヨーロッパ広場と名付けられたイベント会場では,ヨーロッパ地域の食と文化をテーマに催しが行われていましたが,予想以上に規模が小さく,感想は…。もう一つのイベント会場のシルクロード広場も…。
 当初,下見を踏まえて,このイベント会場で昼食休憩をと考えていたのですが,石橋から松村先生に「無理やと思います」と連絡。偵察組はJR奈良駅へ戻り,街歩き本隊の到着を待ちました。

街歩きは臨機応変に…えぇ,どこへ行くの??

 一方,その頃,街歩き本隊は…。ホテルセレーネに参加者と案内スタッフが揃い,すでに橋本果奈がツアー開始の挨拶と旅程の説明を終え,新今宮を出て奈良行きの大和路快速の車中でした。
 街歩き本隊は11時半にJR奈良駅へ到着,偵察組とそこで合流。JR奈良駅を出て旧駅舎の奈良市総合観光案内所へ入り,ここで3回生の愛称キキ(本名:キントゥザー=マウン)が奈良の世界遺産や平城京遷都1300年記念事業について説明しました。
 当初はこの後,猿沢池あたりで一端解散して,1時間程度の昼食休憩をとる予定でした。しかしながらまだ昼前で,参加者たちは全く奈良を見ていない…。先頭を歩く松村先生は,FIT参加者の反応を確かめ,予定を変更してまずは興福寺へ向かおうと判断されたようです。しかしながら,その連絡が最後尾まで伝わらず,後ろを歩くゼミ生たちは「どこへ行くの?!」,「昼食休憩はないの?!」と困惑しました。

興福寺,五重塔,鹿…This is NARA!!

 遷都1300年祭で沸くウィークエンドの奈良,あちこちでイベントが開催され賑わう観光都市・奈良は誘惑がいっぱい。修学旅行生やら団体旅行やら一般観光客で賑わうなか,イラン人男性はシルクロード広場で古代衣装をまとい踊る人に興味津々,興福寺参道の土産物屋で香港人女性はスイッチON,FIT参加者たちの集団はバラバラになり,先頭と最後尾の距離はどんどん開いて行きました。12時過ぎに興福寺へ到着,五重塔の前で鹿と戯れる This is NARA! といった光景のなか,仲田美穂から興福寺ほかの説明がありました。
 興福寺を後にして春日大社へ向かおうと歩き始めた時,鹿を追いかけようとした河嶌が漫画のシーンに出てくるような大転倒!! 驚いた鹿は柵を飛び越え必死に逃げて行きました。一同大笑いのハプニングでした。春日大社の参道を歩いてかなり経って,ふと気がつくと,イラン人参加者が見当たりません。行列の最後尾から先頭まで確認しましたが,やはりいない…?! 「春日大社の参道に入った時には絶対にいた」との山岸枝里子の記憶を頼りに,河嶌と石橋が参道を後戻りして捜索にでかけました。春日大社参道の筋違いの道でイラン人参加者を無事発見。ビデオ撮影に夢中になって,道をそれて迷ったとのこと…。不覚にも誰も気づきませんでした。

春日大社の参道は長い…

 香港人女性2名も記念写真撮影に夢中で遅れ気味,こちらの方はマレーシア出身で英語も広東語もできるタン=イーヘン(3回生)がしっかりと付き添いました。春日大社参道の売店でイラン人が鹿の角を見つけてなかへ入りました。河嶌と石橋がすかさず同行,店員さんと何やら会話していました。店から出てくると石橋が大興奮,「あの鹿の角なんぼやと思う?! 4万円やで,4万円!! 漢方薬の原料になんねんて。しかし高いよなあ。」
 その頃,先頭集団はもう春日大社の境内に入り,後続組の到着を待っていました。後続組がやっとのことで到着すると,早速,タンが藤棚の下で春日大社の説明を行いました。時計を見ると13時半くらい。松村先生と4回生ゼミ幹部が今後の予定について相談して,昼食をとらずに春日大社から東大寺へ向かうことになりました。

日本の神社は不思議だらけ?!

 後続組のイラン人と香港人は「もう少し春日大社を見たい」とのことだったので,4名のゼミ生が残り案内。ちょうど春日大社境内では結婚式の記念写真撮影が行われていて,それにイラン人が興味を持ちました。新郎新婦にお願いしてイラン人と一緒に記念撮影させてもらいました。再び歩き始めると今度はお宮参りの参拝客とすれ違い,またイラン人が立ち止まりふりかえり,その後を追いかけて境内へ入ろうとしました。自由な方です。しかし,ここはさすがに先頭を歩く神主さんに止められました。関係者の方々,本当に申し訳ありませんでした。
 いつもながら,外国人参加者たちは意外なところに興味を持たれます。なぜおみくじを木に結ぶのか,巫女さんの髪飾りは何なのか,絵馬って何なのか,線香の煙をなぜかぶるのか,二礼・二拍手・一礼の意味は何なのか,神主さんは普段は特別な修行をするのかなどなど。

やっぱり大仏さんは拝んどこうや!!

 先発組は東大寺へ向かう途上でトイレ休憩していたので,無事合流して東大寺へ向かいました。道半ばで若草山の新緑が美しいところがあったので,恒例の集合写真を撮りました。東大寺の参道に入ると,修学旅行生たちでごったがえしていました。みんながお互いに見失わないよう,参加者の動きを確認しながら歩きました。南大門へ到着したのは14時少し前。南大門のあうん像前で勝元暁美が東大寺などの説明を必死で行いました。
 予定では東大寺には入らず解散することになっていましたが,昼食休憩をとらなかったので到着が早まったため,「せっかくやから大仏さんも参拝してもらおうか?!」となりました。やはり東大寺の大仏さんは独特の雰囲気を持っていて,外国人にもその迫力や荘厳さが伝わるようです。雰囲気に圧倒された後は疑問が沸くようで,「いったい何のために作ったの?!」「どうやって作ったの,なかは空っぽ,それとも詰まっている?!」など次々と質問が出て来ました。入る予定ではなかった私たちは「しまった?!」,予習不足で答えられません…。イギリス人カップルがLonely Planet JAPANを持ち出し,みんなに読み聞かせてくれました。そこに修学旅行生を引き連れたガイドさんが来たので,みんなで聞き耳を立て,外国人参加者たちに伝えました。

アンケートにご協力いただき解散!!

 東大寺を出てからは日陰に入り,参加者全員にアンケート用紙を配布して記入を依頼しました。みなさん快く記入していただき,14時半過ぎ,2回生の井上咲季が見事な英語で終わりの挨拶を行い拍手が起こりました。ここでツアーは現地解散。新今宮へ帰る参加者もいれば,居残って二月堂や奈良町方面へ向かう参加者もいました。
 今回のツアー,3回生が中心となってマネジメントして,説明も全て3回生が行いました。大きなトラブルや事故もなく,参加者のみなさんも機嫌よく楽しまれていたので,まずは成功だったといえるでしょう。
 でも,初陣ということもあり,ゼミ生間の連絡がうまくいかない,先頭と最後尾の差が開きすぎる,説明のライブ感がなくイマイチ説得力もない,などなどたくさんの課題もありました。ゼミでまたしっかりと課題を話し合い,ゼミ生一丸となって次の街歩きに活かせるようつなげていきましょう。松村先生は解散後,3回生全員を引き連れて新今宮へ帰り,反省会を行われました。
 次回の街歩きでは,松村ゼミで初めての試みですが,名古屋の金城学院大学の学生たちとのコラボレーションで外国人を案内する予定です。私たちがしっかりとリードして行きましょう。

松村先生からの一言

 今回の街歩きでは反省点がたくさん見つかりました。コース設定,集団のコントロール方法,街歩きの心構えなどなど,基本的なところから技術的な問題まで。夏休みのハイシーズンに入ると,外国人のツアー参加者も20名を超え,混乱も興奮も今回をはるかに上回ります。今のうちにたくさんの失敗を乗り越えて,小さな成功を積み重ねて行きましょう。
 最初から完璧にできることなんて,あり得ないし期待もしていません。しかし,できないことと,やろうとしないことは全くの別物です。大事なことは,集団として何をやろうとしているのか個々人が理解していること,たとえできなくとも,その集団の目的に向かって今の自分には何ができるか考え行動すること。考えない人,行動しない人は,いつまでたっても成長しません。最近,坂本龍馬の生き方が再評価されています。彼の短い人生が輝いているのは,精一杯考え悩み学び行動したからに他なりません。みなさんも,失敗してもいいから,ちゃんと考えて悩み学び行動しましょう。