連携先:一般財団法人福井県あわら市観光協会
兵庫県赤穂市赤穂温泉・吞海楼

 私たち、李ゼミ2年生の活動は、福井県あわら温泉を中心に活動するものとホテルエルシエント大阪を中心に活動する2つのグループに分かれて取り組みしました。2月1日と2日には福井県あわら市観光協会に対し、取り組み結果報告会を行いました。そこでは、私たちのグループが作成した、福井県あわら温泉の活性化に向けた提案と、私自身が他授業(特別講義;旅行プラニング)で作成した旅行プランを発表しました。あわら市観光協会の会長や会員、福井県の県議会議員、大学生といったあわら温泉と関係の深い方々に参加していただきました。発表内容については、1月28日に学内で実施した4学部合同発表会の場でも発表を行ったもので、その際は、準備不足で満足のいく結果とは程遠く、悔しい思いをしたので、その後、改善を重ね、精一杯の発表をすることができました。あわら市観光協会会長である前田様により、今回の私たちの発表は好評であったと伝えていただきました。
 今回のゼミ活動を通じて、私たちの強みは「行動力」であり、弱みは「多面的な視点」であると考えています。今回の資料作成にあたって、阪南大学の学生や友人、家族にあわら温泉に関するアンケート調査を実施しましたが、質疑応答でもあった通り、アンケートの対象者が阪南大学関係者に集中している点や回答者が70名と少なかったため、満足度やリピート率等の点で疑問が残りました。そのため、アンケート調査を実施するという行動力はそのままに、多面的な視点を取り入れ、アンケート対象者をあわら温泉に訪れたことのある方に広げるなど、納得いくものとすることが今後の私たちの課題であります。
 今後3年次では、本格的な宿泊プランの提案に向けて今回の活動経験を活かし、より良い提案となるように努力したいと思います。また、私はゼミ長としてグループ活動でも牽引できるように活動していきたいと考えています。
国際観光学部 李ゼミ3年 村田 歩夢

学生活動状況報告

国際観光学部 李ゼミ2年
原 愛美

 私達は、9月〜2月に渡ってホテル・旅館を訪問し、それぞれの業界が置かれている現状や課題について学びました。兵庫県赤穂市の旅館吞海楼では、3回生による発表会への参加が主であったが発表の仕方やプランの考え方等、勉強になる場面がたくさんありました。例えば、初めてウィルネスツーリズムの概念を知り、ヨガや身体を動かす事がもたらす効果を取り入れた観光形態を知りました。また、旅館や地域が抱える課題についても知ることができました。歴史に関わる観光資源(忠臣蔵など)が多い赤穂市だが、近年の若者は歴史に興味がなく、年寄りや中年層の観光客のみが増えている現状については私も共感できる課題でした。
次に、ホテルエルシエント大阪の現地視察では、客層や室内の紹介だけではなく、ホテルが行っている現場での取り組み、例えば、従業員が心がけている顧客一人一人の目線に合わせたおもてなしや職場の環境作りを通じて身につけれる力などを学びました。そして、あわら市観光協会での報告会では、旅館に実際に宿泊しながら私たちが事前に準備した企画案を発表しました。これらの取り組みを通じて、それぞれの現場で、それぞれ異なる課題を抱えていることが分かりました。
さらに、先輩達の発表と、私達の発表を比較すると資料の収集や文章のまとめ方だけではなく発表する力が格段に違うことにも気づきました。今の私に足りないのは、相手に何を伝えたいのかを考えて話す力だと考えます。これから就職するにあたって最も必要となるのは相手に自分の考えを理解してもらうことと、相手の話を理解する力であるため、3回生に上がれば徹底的に習得したいと感じました。加えて、情報を収集する際には過去の資料だけでなくコロナ後即ち最新の情報も可能な限り入手取すべきと考えました。正直言ってゼミ内ではまだ学生同士の間に距離があるとも感じていますので、今後グループに別れて活動する時には、ゼミ長や副ゼミ長に頼ってばかりではなく自分から積極的に声掛けや情報共有をしていきたいと思います。

国際観光学部 李ゼミ2年
横谷 尚香

 2年次の所属ゼミが決まり、10月3日に初めてのフィールドワークで赤穂温泉を訪れ、先輩による発表会に参加しました。発表会を通じてパワーポイントの見やすい作り方や分かりやすい発表の仕方を学ぶことができました。先輩達は、赤穂温泉来訪者に興味を持って貰うために、近年話題のウェルネスツーリズムを取り入れたプランを提案しており、心と体の健康を目的とする観光もあることを知りました。ウェルネスツーリズムを初めて知って凄く興味深い観光だなと思いました。観光はいろんな種類に分類されるので、どんな観光があるのか、勉強したいと思いました。
10月28日には、ホテルエルシエント大阪のホテル視察を行いました。ロビーにはアメニティバイキング、そしてサウナ付きの大浴場にはシャンプーバーがあり、自分好みのシャンプーが使えるなど、様々な工夫がなされているホテルだと思いました。エレベーターや女性の浴場にはセキュリティ装置が施されていて、お客様が安心して過ごせるホテルでした。総支配人の説明を聞いて、臨機応変に対応できる社会人になりたいと思いました。
一方で、2月1日に参加したあわら市観光協会に対する報告会では、ゼミの旅館グループの担当者たちが、あわら温泉の観光の現状について知るために、自らがアンケート調査を行い、自治体や観光研究機関が公開しているのデータと併用した、発表を行いました。質疑応答を通じて、データの収集・分析の際は常に最新のデータの活用を心がけること、また企画・提案を行う際は、お客様が旅行に求めているものは何なのかについて、人の心理・志向など、より深く広く考えるようにしたいと思いました。身近な人から話を聞いたり、旅行ニーズや宿泊施設の満足度や選んだ理由などを調べたり、もっと深く観光について考えられるようになりたいと感じました。
今年度の活動では、ホテルグループと旅館グループに分かれて、それぞれの課題に取り組みましたが、いろんな資料を見て知らなかったことを知ることができて勉強になりました。これまで、パワーポイントを作るときに人に任せてしまっている部分が少しあったなと思ったので、これからはもっと積極的にグループに貢献できるように頑張りたいと思います。

参加学生一覧

浦野 晴加、加治 睦規、桑名 沙衣、内藤 あすか、二宮 央樹、藤村 利高、若林 伸幸、斎藤 美結、松本 千咲菜、河原 瑠海、北園 明大、中尾 優花、原 愛美、坂東 愛美、村田 歩夢、山本 健太郎、横谷 尚香、西田 拓真

連携先コメント

赤穂温泉呑海楼
支配人 西島 淳 様

 まずは、今回の「赤穂温泉に若者を呼ぶために」をテーマに、阪南大学国際観光学部の皆様が、真剣に取り組んでいただきました事、呑海楼従業員を代表しまして厚く御礼申し上げます。
赤穂市は、住民及び従業員が高齢化しており、学生の皆様の若い力・若い発想力を必要としており、今後の大きな課題となっています。
皆様の調査や独自に考察されたプランをお聞きし、非常に感銘を受けました。
特にウェルネスツーリズムに焦点をあてて、そこからウォーキング・ヨガ・アロマにつながり旅館の核である温泉&料理の様々な健康効果を全面にアピールし、若者だけでなく、全ターゲットにも需要があるので本当に良い勉強になりました。
また、忠臣蔵(赤穂浪士)などの歴史についてですが、当地ではアピールしつくして、収束感が漂っているように皆が思っておりましたが、李先生がおっしゃるようにまだまだ歴史を感じたい方がいて呑海楼が先頭に立って、もう一度忠臣蔵を旅館内でもアピールしたいと思いました。
今後は、現場にも入っていただき生の体験をしてみても新たな発想が生まれるのではと考えます。
市場調査において1年でガラッと数字が変わることもありますので、リアルタイムの現場の声を聴いてもらい、顧客満足度を大事にしつつ、原価を考慮した価格設定や業者を含めたやり取りなど、より踏み込んだプラン作成を期待しております。
今後ともお互いに協力をし、皆様にとってより良い実績を残せることを切に願います。
この度はよい機会をいただき誠に有難うございました。

一般社団法人あわら市観光協会
原 義樹 様

阪南大学国際観光学部 李ゼミの皆様へ

先日は、雪の中あわら市へお越しいただきありがとうございます。
小職より発表に対する感想を申し上げます。

今回の発表では、コロナ禍のため、あわら市を訪問する事が出来ず、ネット上の統計情報等を基に創造した上で、提案されたものと思います。
近場の山代温泉を比較対象として、双方の利点・弱点について比較検討された点は良かったと思います。
少ない情報を基に提案まで行うのは、さぞ苦労された事と推察致します。
また、LGBTへの対応についても、今後温泉地として、取り組むべき課題として議論する必要性を感じました。
しかし、統計の中で温泉旅行に行く際にという分析がありましたが、旅行に行く際にという観点で情報を確認すると、旅館よりホテルを選ぶ方が圧倒的に多くなります。
学生の皆様も、旅行に行く際にホテルと旅館があればホテルを選ばれる方が多いのではないでしょうか。
これまでに出会ってきた多くの学生に質問をして、旅館を選ぶと回答された方はほとんどいませんでした。そしてその理由は毎回「なんとなく」という回答でした。
旅館に泊まった経験が少ないため、旅館を選ばないのか?
または、昔ながらの仲居さんに気を遣うのが嫌なのか?
などと色々理由を考えておりますが、既に老齢の私には若者の感性を理解できないのが現状です。
実は我々が本当に知りたいのは、若者がどうすれば宿泊施設として旅館を選ぶのかというアプローチなのです。
グランディア芳泉や清風荘が大規模な改装を行い、豪華なビュッフェ等で若者を取り込もうと努力されており一定の効果は上がっておりますが、温泉地において旅館がホテルに近づく事だけが正解ではないと思います。
是非皆さまより、若者に選ばれる温泉地、そして宿泊施設として温泉旅館の魅力磨きについてご提案頂き、若者に選ばれるあわら温泉、そして旅館を共に作り上げることが出来れば幸いです。

株式会社関電アメニックス 
ホテルエルシエント大阪事業部 吉岡 渉 様
人財活躍グループ 菅澤 砂智子 様

 2019年から実施していた産学連携も近年はコロナの影響により、活動が見送られておりましたが、2022年については感染対策を実施したうえで復活することができました。
10月にホテル見学を実施、2月の報告会まで無事に終えることができ嬉しく思います。

 今回の活動は、学生の皆さんとのコミュニケーションが充実していたように感じています。
ホテル見学時も現場担当者より、ホテル業界のことやホテルの業務についてお話させていただきました。また、報告会では質疑応答や意見交換などができ、とても有意義であったと思います。
報告会での発表では、エルシエント大阪のターゲット顧客についての洞察力に驚かされ、ホテルのコンセプトを理解してのタイアッププランや、「旅育」「古着でワクチン」など初めて聞く内容の提案もいただきました。どの提案も企業価値や認知度UPにつながる内容であり、とても興味深く今後のプラン造成に是非活用していきたい内容でした。
今回参加された皆さんには、本活動を通じ、更にホテル業界に興味を持っていただくきっかけとなっていれば嬉しく思います。
コロナの状況にもよりますが、今後は見学だけではなく、より実践的な活動も加えて、
ホテル業界・観光業界のことをお伝えしていけたらと考えております。
今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。

教員コメント

国際観光学部
李 貞順 教授

旅館・吞海楼、あわら市観光協会の活動について

 本キャリアゼミでは、福井県あわら市観光協会や兵庫県赤穂市赤穂温泉・旅館吞海楼に対し、まず、旅館が良いサービスを提供するために取り組むべき課題の発見、そして課題解決に向けてプランの企画・提案を行いました。前半の活動として、3年次生が中心となって、赤穂温泉・旅館吞海楼を対し、若者の来訪者が少ない現状を踏まえ、若者にアピールできる宿泊プランの提案を行いました。具体的には、2年次に取り組んだ「近年の若者の旅行ニーズに照らし合わせて赤穂温泉・旅館吞海楼の現状分析」を踏まえ、「ウエルネスをテーマとする宿泊プラン」を企画提案しました。後半の活動として、2年生を中心とした取り組みで、来年度の宿泊プランの企画・提案を見据えて、一つは、国内温泉旅行における宿泊施設へのニーズの考察、あわら温泉の観光の現状について近隣温泉地との比較を通じて、あわら温泉の強みと弱みを考察し発表を行いました。二つは、あわら市が2023年度中にパートナーシップ制度の導入を目指している点に着目し、セクシャルマイノリティに対する理解を深めることをテーマにしたツアープランを発表しました。このようなキャリアゼミ活動の経験(課題の発見、課題解決に向けての熟考、実践的なリサーチなど)は、観光事像を多面的に捉え、観光学に関する知識を深めたとともに、今後の就職活動にとっても大きなメリットとなり、卒業後、就職先での即戦力にも繋がるのではないかと考えます。

ホテルエルシエント大阪活動について

 本キャリアゼミは、「地域の魅力が発信できる体験型宿泊プランの提案による地域活性化」を目的に活動を行いました。連携先である(株)関電アメニックスが運営するホテルエルシエント大阪に対し、まず、ホテルが良いサービスを提供するために取り組むべき課題の発見、そして課題解決に向けてプランの企画・提案を行いました。具体的には、2・3年次生の活動として10月27日~28日には、ホテルエルシエント大阪の客室や施設、そして、日々心がけているサービスなどを知るために現地視察を実施しました。加えて、3年次生は夏季休暇中にHOTEL THEMITSUIKYOTOでインターンシップを体験し、ホテルマンとして必要とされる基礎知識を学んだうえで、現場に立ち会い、ホテルを円滑に運営するための取り組みや仕組みについて学びました。さらに以上を踏まえ、2023年2月8日、エルシエント大阪・京都の関係者を交え、最終報告会で提案することが出来ました。
報告内容として2年次生は大阪の観光へのニーズの考察や近隣ホテルのとの比較を通じて、当該ホテルの強みと弱みについて考察し発表しました。また3年次生は3つのグループに分かれ、ファミリー層をターゲットに大阪お菓子メーカとのタイアッププラン、SDGsを学ぶプラン、大阪のテーマパークを楽しむための宿泊プランを企画・提案しました。
このようなキャリアゼミ活動の経験(課題の発見、課題解決に向けての熟考、実践的なリサーチなど)は、観光事像を多面的に捉え、観光学に関する知識を深めたとともに、今後の就職活動にとっても大きなメリットとなり、卒業後、就職先での即戦力にも繋がるのではないかと考えます。