李ゼミ3回生のキャリアゼミは「競争力のある観光事業の発展による地域貢献~体験型宿泊プランの提案~」テーマとして、活動しています。 学生のコメントを以下のとおり紹介します。

国際観光学部 李ゼミ3年
藤村 利高

 私たち李ゼミでは、旅館の集客向上に向けて取り組みを行っている。赤穂温泉・吞海楼において、若者の来訪者が少ない現状を踏まえ、若者にアピールできる宿泊プランの提案を行っている。10月3日(月)、日ごろゼミ内で作成した宿泊プランを発表するため赤穂市にある懐石旅館「呑海楼」を訪問した。以前も訪問したことがあるが、とても感じが良く何度でも訪れたくなるような旅館である。訪問当日は2年次に取り組んだ「近年の若者の旅行ニーズに照らし合わせて赤穂温泉・吞海楼の現状分析」と3年次に作成した「ウエルネスをテーマとする宿泊プラン」を発表した。
その後、支配人の西島様より発表内容についてのお話をうかがった。その際に旅館経営の話などもお聞きしたが、どの話もこれからホテルや旅館の勉強をしていく上でためになるお話であった。赤穂温泉の強みとして、牡蠣を売りにしていることや、年配の方には新聞や雑誌、テレビなどメディアを使ってPRしていき、若者にはS N Sを使って宣伝していくことが必要であるなどと、おっしゃっていた。
また最近は一度悪い評判や噂などが出てしまうと、即座に広まってしまうということから、顧客満足度を上げ、良い口コミを増やしていくことが最も重要な課題であるというお話も伺った。しかし実際に今回私たちが提案したプランを提供するとなると、コストがかかるため、実用化は難しいとのことであった。しかし発表した内容で一部のアイディアは、導入していきたいとの嬉しいお言葉をいただいた。
今回訪問して感じたことは、プランを発表するため呑海楼を訪問したが、そんな自分達のためにお菓子を、提供していただいたり、貴重なお時間をいただいたりなど、呑海楼のおもてなしの心が、素晴らしく感じられた。サービス業において顧客を大切にすることは特に必要になってくるため、協力していただいた呑海楼の皆さんへ感謝の気持ちを忘れることなくこれから活動していきたい。

国際観光学部 李ゼミ3年生
浦野 晴加

 10月3日(月)、赤穂温泉・吞海楼を訪問し、私たちのチームは若者も大人も楽しめるウォーキングをテーマにした宿泊プランを提案した。赤穂温泉の魅力である海辺コースと、忠臣蔵を活かした歴史コースである。
ウォーキングは、宿泊プランの付加価値として宿泊者にマップ配布等で提供できると賞賛をいただいた。しかし、忠臣蔵は若者に知名度が低く、赤穂市としても忠臣蔵に関する取り組みが難しい状況にある。そこで赤穂温泉では近年、赤穂市の特産の牡蠣をメインで観光客の呼び込みを試みている。実際に、呑海楼では牡蠣のある冬に宿泊客が多く、牡蠣の問い合わせが多い状況である。私たちは季節に関係なく楽しめるウォーキングプランを計画し、通年での集客が出来ないか考えたが、やはり閑散期の集客はもう少し工夫が必要であることが分かった。しかし、赤穂温泉では海と桜を同時に見られるスポットもあるため、工夫次第では冬以外でももう少し集客が見込めると考えられる。
呑海楼では、新規のお客様は瀬戸内海を一望できる温泉を目当てとしているが、料理目的のリピーターも多く、99%のお客様が「美味しかった。」と満足して帰られる。その為、新規客を増やすためには料理をもっとアピールできる方法があればいいと考えた。料理は世代関係なく関心度の高いものであるため、十分な集客を見込めるだろう。
また、料金に関する問題もある。低価格では十分なサービスを提供することができない。もちろん低価格で提供すると若者が訪ねやすいなどの理由から集客が見込めるが、価格を下げてしまうと特に地方では従業員が少なくお客様ひとりひとりに満足していただけるサービスを提供することが難しくなる。少しでも顧客満足度が下がってしまうと旅館経営の危機にも繋がるため安易に価格を下げることはできないのだ。
今回のプラン作成から発表を通して、支配人にお話を伺い、旅館に新規客を呼び込むことの難しさを実感した。いかにほかの旅館との違いをアピールできるのかが重要なポイントとなる。

国際観光学部 李ゼミ2年生
村田歩夢

 私たち李ゼミでは、あわら温泉の宿泊施設を対象に地域の魅力が発信できる体験型宿泊プランを提案する取り組みを行っている。その一環として、10月3日には、3年生の先輩たちによる赤穂温泉・吞海楼における宿泊プランの企画案発表会に同行した。
 呑海楼での発表を受けて、私が興味を持った点は、旅館の集客の難しさである。発表内容によると、近年の若者は旅行において「食べること」を重視している特徴がある。また、価格を重視する半面、形のある感動を通じて同行者と楽しむために旅行をしている。しかし、赤穂温泉には、若者に魅力的なコンテンツが少なく、認知度が低いという課題が存在する。そこで、若者の集客のために発表会で議論になったのが、「SNS映えする忠臣蔵プロジェクションマッピング」や「季節を感じる体験」等が挙げられた。そこで、私が疑問に感じた点は、これらが決め手となって、遠方から赤穂温泉に行こうと考える人は少ないのではないかということである。私は、赤穂市に集客するためには、赤穂市でしか体験できないことを提供することが、集客にとって最も重要であると考える。
 赤穂市は塩が有名であり、兵庫県立赤穂海浜公園内の「塩の国」では、塩づくり体験が可能である。これらの施設を使った宿泊プランとして、これらの施設を訪れ、塩づくり体験をして、呑海楼に塩を持ち帰ると、特別な料理を作ってくれるなどの仕組みを作ると、自分で作った塩を使用した特別な料理を食べることができる。その結果、ストーリー性のある旅行が完成する。このような、赤穂市の伝統を使用した豊富な体験は、赤穂市でしかできないため、集客に有効に働くと私は考える。今回の学びを今後のあわら温泉での活動に活かしてゆきたい。