私達李ゼミは、2019年6月11日にホテルエルシエント京都へ施設実地調査に伺いました。調査の目的は、私達が宿泊プランの提案をするにあたって、事前にホテル側がこだわっているサービスや設備について知ることです。
 まず、ホテルの概要として、以前は「エルイン京都」という名称でしたが、チープな印象を与えかねないという事から、2019年4月、現在の「エルシエント京都」に生まれ変わりました。そして、『泊まればもっと、その「まち」を好きになる。』をコンセプトに、宿泊されたお客様が、街の魅力に出会うための入口となれるホテルを目指しています。
 客室は本館・新館合わせて全562室あり、シングルルーム380室、ツインルーム102室、ダブルルーム80室が設備されています。シングルルームが客室全体の67%を占めているビジネスホテルですが、近年は観光目的のお客様にも多く利用されています。
 続いて館内の施設やサービスの特徴についてですが、客室でのこだわりはツインルームにスタッキングベッドを設置しており、これによりトリプルルームとして利用する際もほぼ同じ大きさのベッドが用意でき、お客様が感じる不公平さを軽減しています。また、浴室の外に洗面台が設置されている独立洗面台にする事で、複数人で宿泊する際も洗面時の混雑を緩和し快適に過ごす事ができます。
 次に、大浴場では男女共にシャンプーバーが用意されており、お客様に合ったものをお使い頂けます。男性浴場はブラウンを基調としたシックな印象で、洗い場が多く設置されています。女性浴場はホワイトを基調としたエレガントな印象であり、パウダースペースが広く設置されています。
 そして、ロビーにはホテルスタッフがホテル周辺を散策して制作した地図や、タッチパネルディスプレイが設置されている他、京都の観光資源や文化についての書物が展示されています。
 さらに、AI機能が導入されていました。たとえば、客室のテレビにAIコンシェルジュが搭載されており、お客様自身の携帯端末を用いてQRコードをスキャンする事で、ホテル設備に関して疑問点をチャットで解決できます。また、大浴場の入出口に赤外線人感センサーを設置し、混雑状況を把握していますが、これは客室のテレビでも確認でき、大浴場の混雑を緩和します。
 今回の施設実地調査を通し、街の魅力に出会うための入口になりたいと願うホテルエルシエント京都の強い想いが感じ取れました。特に、ロビーに置かれている地図は手作りすることで、人の温かさを感じる事ができ、街に親しみを持って頂ける工夫の1つだと考えました。私達は、この想いを大切にしつつ、人々の巡り合わせをより重視した、お客様同士が交流できる空間創りを目標として、学生ならではの視点から新たな宿泊プランの提案に向け取り組んで参ります。

国際観光学部3年生 岩田栞奈
3年生 笠井宏美