2019.3.25

体験型宿泊プランの提案によるあわら温泉の旅館活性化

活動テーマ:「競争力のある観光事業の発展による地域貢献~地域活性化に資する学生によるイベント事業の企画提案そして運営~」
産学連携先:㈱阪急交通社教育旅行センター、一般社団法人福井県あわら市観光協会


 私達、李ゼミでは「体験型宿泊プランの提案によるあわら温泉の旅館活性化」をテーマに活動を行いました。具体的には、あわら市の旅館でインターンシップや国内外の地方地域でフィールドワークを行い、そこで得た知識や経験を活かし、コンセプトやターゲットを定め、旅館宿泊プランを企画しました。これまで行った活動としては、去年の夏に日本と韓国の計150名が研究発表を行う、韓国で開催された東北亜観光学会に参加し、企画内容の中間発表を行いました。そして、その学会終了後には、韓国忠清北道・清州市を訪れ、日韓大学生合同資源調査プロジェクトに参加し、ゲスト・ホスト側の視点から清州市の活性化に向けての意見をまとめ発表しあうなど、異文化交流も体験しました。
 さらに、ソウル地域に立地するシティホテルを視察し、訪韓日本人を誘致するための取り組みなどについても調査しました。一方で11月17日には、インタープリターと巡る古道普請ツアーへ参加し、歴史的観光資源の復元事業にも携わりました。
 以上の活動を踏まえ、私のグループでは韓国人大学生をターゲットとし、温泉好きなことや就職率が低い事に着目し、旅館就業体験プランを企画。2月11日には(一般社団法人あわら市観光協会、あわら温泉旅館関係者、(株)阪急交通社教育旅行ゼンター関係者を交えて最終報告を行いました。以上の一連の活動を通じて、目先の現象だけではなく、物事の本質について深く掘り下げて考えることが出来るようになりました。キャリアゼミの活動を通じてチャレンジさせて頂く機会を多く得られ、発表では上手く伝わらなくて苦労した時もありましたが、話し合いや作成を重ねながら得た経験は自己成長に大きく繋がりました。

学生活動状況報告

 李ゼミの2回生は、9月10日から14日にグランディア芳泉でのインターンシップを行い、その経験を基に、あわら温泉にある旅館の集客力を向上させる為の提案に向けて活動しました。
 提案に向けて、インターンシップを振り返り、グランディア芳泉が魅力的なサービスを提供するために行っている、サービス面でのこだわりや旅館運営システム等についてまとめ、旅館のサービス向上にどのような効果があるのかを議論しました。また、業務体験を通して館内施設面で見受けられた改善点を見出すと共に、既存の施設を有効的に活用できる方法を3つ提案しました。1つ目は、大浴場の入浴方法多言語表記です。現在、日本は観光立国を目指し、インバウンドが増加している中、あわら温泉へも温泉入浴を楽しみにインバウンド旅行者が訪れています。しかし、入浴方法は国によって異なる為、大浴場で日本人と外国人が、両者共に快適に過ごせるための仕掛けが必要と考えました。
 2つ目は、茶室の有効利用です。旅館館内に設けられた茶室が使用されておらず、鑑賞用になっている現状にありました。そこで、茶道体験を旅館の滞在に導入する事で、お客様の印象により深く残ると考えました。また、茶道で提供する茶菓子を、福井の特産品であるカニ等をモチーフに作る事で、あわら温泉の旅の記念になる事も考え、これらを提案しました。
 3つ目は、バイキングレストランに設置されているオープンキッチンの活用です。オープンキッチンでエンターテイメント性を加味する為に、お客様が注文しに来る度、目の前で一人一人へ調理する事を考えました。それにより、お客様の五感を刺激し、食欲をそそり、料理をより美味しく感じるのではないかと考え、提供側の負担も考慮した上、一日一品にメニューを絞り、日替わりで提供する事を提案致しました。
 そして、これらの提案を、2月12日にあわら市湯のまち公民館で行われた「阪南大学×阪急交通社×あわら市観光協会」による産学官連携プロジェクト報告会において「旅館での学びと提案」のタイトルで発表させて頂きました。
 これら半期の活動の中で、インターンシップでは、旅館のホスピタリティを知ると同時に、ホスピタリティのあるサービスを提供するためには、仕事1つ1つのすべき意味を考えて行動するのが大切であることを学びました。また、報告会のプレゼンテーションを通じて、パワーポイントの作成方法や話し方、質疑応答の仕方などの今後改善すべき点を多数見出せ、自身の成長にも繋がる、とても濃い経験となりました。
国際観光学部 榎本 理沙

ゼミ集合写真

参加学生一覧

(3年生)
東江 あずさ、荒井 康平、LEE SOYOUNG、高田 康平、高山 結衣、竹林 優太、出野 萌々花、中川 鈴菜、西川 太貴、福永 慎、牧野 あかり、塚田 恵見

(2年生)
中井 涼介、岩田 栞奈、笠井宏美、勢力 颯太、和家 恵梨香、和田 果実、永野 歩乃佳

連携団体担当者からのコメント

一般社団法人あわら市観光協会
あわら市観光協会 会長 前田 健二氏

 阪南大学 福本ゼミ・李ゼミ・小林クラスの皆さん、素晴らしい発表有難うございました。あわら市の地域活性化に観光面から取り組んで頂き、重ねて御礼申し上げます。私共は観光による地域づくり、観光を感幸へとして、日々色々な事業を通じて地域活性化を図っています。
 しかしながら、それは容易ではなく試行錯誤を繰り返しています。今回私共では気づかない視点からの提案は、会場にいた地元の皆さんも刺激を受け、驚いた様子でした。この視点を活かし、地域づくりに活かして参ります。コース提案は、協会HP上にて広く案内し、誘客に活かすと共に実証を重ね、更に発展させて行きたいと思います。貴大学並びに学生の皆様の益々のご発展をお祈り申し上げ、御礼の言葉に代えさせて頂きます。

一般社団法人あわら市観光協会
事務局長 米由誠 氏

 この度は、産官学連携プロジェクト報告会であわら市にお越しいだだき有難うございました。また貴重なご意見をいただき重ねて御礼申し上げます。
 今回は、8グループの発表で実際に体験した方の発表内容と、主にインターネットで調査をした発表内容で多少差が出た感じがしました。実現可能なプランを、今後大学と弊会で打合せをさせていただきたく思います。
 「ツアー・オブ・あわら」は、いろいろな提案がなされていて実現性が高いと感じました。肝試し、浴衣コンテストは面白いですね。サイクルツーリズムは、あわらの魅力を最大限に訴求できますので関係先に聞き取り、調査を進めてまいります。北潟湖、吉崎、細呂木を入れたコースがマストです。
 「あわら温泉 湯かけ祭り」は、課題の洗い出しや改善プラン、告知方法など実際参加された方だからこそ判る提案で素晴らしかったです。湯かけまつり実行委員会と一緒に商品化への実現に繋げていきたいと感じました。
 「韓国人大学生の旅館の仕事を学んでもらおう!!」は、韓国の就職率と旅館の人手不足に目を付けた内容は、非常に感心しました。女将の浴衣の着付けは面白いですね。また日韓の連携であわら温泉の商品開発展開になれば、互いの地域の活性化に繋がり大変うれしく思います。
 「子供連れ家族旅行滞在プラン」は、人気の温泉地調査とあわら温泉の比較、あわらには無いものを指摘していただき有難うございました。特色のある食事がない。特産物を使った料理の提案など興味を引く内容でした。シャーベットみぞれ酒は研究していきたく思います。
 「旅館での学びと提案」は、実際にインターンシップした感想や業務内容が聞けて面白かったです。
 「輝け!漢(オトコ)たち!!!-男のなかの漢(オトコ)-」は、今までにない発想で新鮮でした。
サイクリングコースを実際に何度も走った上での提案であったら、より素晴らしいものになると感じております。
 「大人の遠足(縁促)バスツアー ~福井の男に幸せにしてもらおう~」は、夕食時に怪談師を呼んで夜の肝試し企画は非常に興味深い内容でした。肝試しに、あわら吉崎「嫁脅し肉付きの面」など地元の歴史を結び付けると、更に面白い企画になると感じました。
 「福井で女子力UPパワースポット巡りの旅」は、パワースポットを地元あわら温泉街の三薬師に設定していただいたら、あわら市の魅力が更に増えると感じました。
 全体を通じて、非常に興味深い内容で発見がたくさんありました。今後発表していただいたプランを商品化していく上で、学生の皆さまに更なる現地調査していただき、プランをブラッシュアップ。弊会と綿密な打ち合わせをさせていただき、阪南大学国際観光学部プロデュースプランを造成していきます。
 教授はじめ学生の皆さま有難うございました。今後ともよろしくお願いいたします。

株式会社阪急交通社
教育旅行センター 宍井 剛氏

 あわら温泉が誇る宿泊施設。大学生などの合宿利用などの縁からこのような試みに賛同をいただき、
大変感謝しております。学生受入にも前向きで、夏期のインターンシップの受け入れだけでなく、お祭りなどのイベントにも主催者側で参加させていただくなどご協力をいただきました。参加していただいた学生様は実際に受入側、お客様に触れ、たくさんの事学んだことと思います。また、学生の視点による新しい発想は新たな観光客層の誘致を図るともに、訪日観光客や学生旅行へとつながる可能性を大いに秘めております。今後も恒例行事として後輩へと引き継いでいただき、更にバージョンアップした企画・提案を期待しております。また、福井県でも進めております「教育旅行」の分野でも発展させていただければ幸いです。

教員のコメント

国際観光学部 李 貞順教授

 連携型キャリアゼミは、「福井県あわら市あわら温泉地域の活性化」に向け、国際観光学部の2つのゼミが担当教員指導の下、それぞれの異なる専門性に基づいた観点から、取り組むという産学官連携事業の試みです。
 李ゼミでは、「体験型宿泊プランの提案によるあわら温泉の旅館活性化」をテーマに活動を行いました。活動において、2回生は、夏季休暇中にあわら温泉の旅館でインターシップを行い、旅館を円滑に運営するための取り組みや仕組みを学ぶとともに、学生自らが、旅館の集客向上のために取り組むべき課題を見つけ、その課題解決に向けて提案を行いました。一方、3回生は、体験型宿泊プランの提案を目標に活動を進め、「子供(6歳以下)連れファミリー」や「韓国人大学生」をターゲットとした宿泊プランを提案しました。提案に当たっては、提案内容を多方面に検討するため、韓国で行われる東北亜観光学会大学生発表大会での研究発表、清州市地域の訪韓日本人誘致のための日韓合同観光振興プロジェクトへの参加、ソウルではシティホテルの視察を行いました。2019年2月12日には、あわら市長並びに産官学の関係者を交え、最終報告会を行いました。
 以上の経験を通じて学生たちは、自ら課題を見つけ、その課題を解決するために考え、実践的にリサーチし、新たな提案を行うという一連のキャリアゼミ活動を終えることができました。このような経験は、学生の実践的行動力の向上に大いに役に立ち、今後の就職活動にとって大きなメリットとなり、卒業後、就職先での即戦力にも繋がるのではないかと考えます。