2016年度:前半 国際観光学部和泉研究室研究活動報告「大阪府岬町における観光地域づくり研究」

 国際観光学部和泉研究室は「地域・観光の創造(地域資源や人的ネットワークなどを活用しながら、地域づくりや観光振興のための新たなデザインプランを思考・提案し、地域の方々と共創的に実践する)」を研究テーマとしています。平成28年度、2回生ゼミ17名は、大阪府岬町をフィールドの1つに研究活動を展開しています。この取り組みは、岬町役場・岬町観光協会との連携事業で、平成29年度を終了年度と予定する2ヶ年の事業です。今回は平成28年度前半の研究活動について報告させていただきます。

 岬町は大阪府の西南端に位置し、美しい海や和泉山脈の山並みの見られる自然豊かな地です。和歌山県と接しているために、大阪の中心部から遠方にあるイメージがありますが、大阪府の中心部や関西国際空港から南海本線1本でアクセス可能であり、それほど不便でも遠い訳ではありません。また、第2阪和国道の整備なども進められており、道路事情もよくなってきています。
 近年、かつて就航していた淡路・洲本との船便を復活させ、関西国際空港などからの人の流れの形成を思考するなど、観光政策にも積極的な取り組みを始めており、観光協会も発足しました。このような中、国際観光学部和泉研究室は岬町観光協会と観光への取り組みを共創しながら、学ばせていただくこととなりました。
 岬町は、「みさき公園」が所在することで知られていますが、侵食された崖や岩礁からなる「小島自然海浜」、延長850mの緩やかなカーブの海岸線を持し、夕日の眺めが最高である「長松自然海浜」、大阪府最南端にある水の美しいビーチで「全日本女子ビーチバレー選手権大会」では、日本のトッププレイヤー達の熱戦も観戦できる「ときめきビーチ」、海釣り公園「とっとパーク小島」などの「美しい海」に関連する地域資源が多く見られます。また、垂仁天皇第2皇子である五十瓊敷入彦命の陵墓とされる「宇土墓古墳」、『日本書紀』によると雄略天皇の命により朝鮮半島で新羅へ攻める際に病没した紀小弓宿弥の墓と伝えられている「西陵古墳」、歴史のある「理智院」や「興善寺」などの寺院、紀船守・五十瓊敷入彦命(いにしきいりひこのみこと)・紀小弓宿弥が祀られている「船守神社」などの歴史資源も多く見られます。
 平成28(2016)年度前半については、以上のような町内の主要な資源について案内していただきながら、岬町の方々とコミュニケーションを取ることに努めました。

2016年7月22日キックオフ会議(ハルカス大学)

 取り組みを始めるにあたって、まずは岬町役場・岬町観光協会の方々から様々な説明を受けました。2回生にとっては、自治体の方々・観光協会の方々など多くの方々と同じテーブルでディスカッションをするのは初めての経験でしたので、やや緊張気味でしたが、会議の終盤にはその緊張も少しづつほぐれ、積極的に発言するようになりました。

2016年8月20日 第1回フィールドワーク(岬町)

 岬町観光ボランティアの方々により、「宇土墓古墳」、「淡輪邸址」、「船守神社」、「西陵古墳」、「後藤佐太郎の墓」など、主として淡輪地域の歴史資源を案内していただきました。昼食は深日港前の朝日亭で鱧丼などをいただききました。その後、観光案内所において、町役場・観光協会・観光ボランティアの方々と本日のフィールドワークの感想について、また、次回のフィールドワークの行程案などについてのディスカッションをおこないました。

2016年9月5日・6日 第2回フィールドワーク(岬町)

 第2回目のフィールドワークは町内の宿泊施設である「龍宮館」での宿泊を伴うものでした。1日目は「高仙寺」、「橘逸勢の墓」、「ヨットハーバー」、「理智院」、「興善寺」、「深日漁港」、「長松海岸」などを案内していただきました。昼食は古民家を活用した菜食カフェ「AMALA」でランチをいただき、夜は「みんなのたまり場」という多目的施設でシシ鍋をいただきました。ここでは、岬町長・副町長をはじめ、多くの方々の歓待を受けました。2日目は「とっとパーク」、ホタルが飛ぶという「西畑・東畑地区」、「月化粧」という御菓子で著名な「松風庵」、「海洋センター」などを案内していただきました。
 以上、平成28(2016)年度前半の国際観光学部和泉研究室2回生の研究活動について報告させていただきました。研究活動ははじまったばかりです。今後、多くの事を学びながら岬町をステージに地域の方々と共創的に観光地域づくりを思考・実践していきたいと考えています。