太子町(大阪府南河内郡)は、万葉集にも読まれ、石器材であるサヌカイト産出地としても周知される二上山、中国の敦煌などを連想させる石窟寺院である国史跡鹿谷寺跡や国史跡岩屋、聖徳太子墓とその守護のために建立された叡福寺、「日出処天子」の国書を携え遣隋使として海を渡った小野妹子の墓、推古天皇・敏達天皇・用明天皇・孝徳天皇など教科書にも登場する誰もが知る著名な天皇の御陵、双方墳という極めて珍しい形状を呈する国史跡二子塚古墳、日本最古の国道である日本遺産「竹内街道」、その街道沿いに建てられた国登録有形文化財の大道旧山本家住宅など、その歴史資源の豊さは全国屈指のレベルです。
 このような歴史資源のポテンシャルを文化財保護の展開とともに観光振興の展開にも活かしていきたいと考える太子町役場からの依頼に基づき、国際観光学部和泉研究室は、3年間の予定で、太子町役場との共創的な取り組みを進めます。具体的には、町内の歴史資源をつなぎ、自然や人のあたたかさなども感じながら歴史を楽しむことができる観光振興の展開の創造、所謂、「ヘリテージ・ツーリズム」の成立を目指すものですが、当面は下記の2点に重きを置く予定です。
● 大道旧山本家住宅の活用
 国史跡二子塚古墳の活用計画の提案
 なお、この取り組みは、一過的に終焉するものではなく、その持続性、ひいては、文化財の地域マネジメントの可能性などにもつなげていきたいと考えています。このことから、地域住民のみなさんの参画も視野に入れたいと考えています。
 この取り組みに関しては、和泉研究室の2回ゼミ生12名が担当します。

1)2023年7月19日(水)キックオフ・ミーティング

 4限のゼミ時間に、阪南大学南キャンパスにてキックオフ・ミーテイングを実施しました。
 当日は、太子町役場から小泉さん・松村さんに来学いただき、太子町の概要などをご教示いただきました。

2)2023年9月1日(金)第1回フィールドワーク

 町長からあたたかいお言葉を頂戴した後、登録有形文化財の旧山本家住宅、国史跡二子塚古墳、聖徳太子墓・叡福寺などを実見調査しました、また、道の駅近つ飛鳥の里太子に立ち寄り、地元産品の調査と美味しいジェラートで糖分補給をしました。
町長が激励してくださいました。みなさん、研究活動、頑張りましょう!
文化財専門職員の木谷さんから、山本家住宅についてご説明いただきました。
初めて歩く竹内街道。国史跡二子塚古墳からは推古天皇陵(右写真の右方)が見えます。
地元産品を使ったジェラート。デラウェアのジェラートなどがありました。美味!

3)2023年9月18日(月)第2回フィールドワーク

  この日は、竹内街道歴史資料館・旧山本家住宅などを見学した後、10月21日(土)に開催される「竹内街道灯路祭り」における旧山本家住宅を活用したゼミの活動内容を決定しました。乞うご期待!