活動テーマ:Beaconを活用した観光方策研究 情報化社会におけるデータの取り扱いについて考える
産学連携先:NTTマーケティングアクト,サムライバンク社


 2000年代以降、ITが急速に進化し、日々大量の情報が私たちの周りを取り巻いています。
 特にスマートフォンといった高性能端末を人々が持ち歩くようになって以降、飛び交う情報データは飛躍的に増え、その活用に注目が集まっています。
 本キャリアゼミの活動では、どの様なデータが我々の面前を飛び交い、活用されているのかを学ぶ機会と位置づけ、Beacon(電波受発信機)の利用を探るプロジェクトに取り組んできました。
 Beaconは周辺に近づく人を検知し、曜日・時間帯によって、どの様な変化があるのかを確認することができ、将来的には観光者の行動パターンを詳しく補足し、彼等に対して的確な情報サービスの提供が可能となります。 今回扱うBeaconは既に日本全国10万箇所に設置されて活用されているといいます。 どの様な利用がされているのか、どの様な障害があるのか、そして、今後どう展開されていくのか、活動を通じて学んできました。
 活動は、まずBeaconを体験することからスタートしました。 東武動物公園(埼玉県)では今年、アニメ「けものフレンズ」とのコラボイベントを開催。 参加者に専用タブレットを貸し出し、アニメのキャラクターが動物を紹介したり、謎解きをしながら園内を周回するイベントに参加しました。
 園内の様々な箇所にBeaconが設置され、タブレットと連動して動くことで、看板等を設置することなく、既存の施設にゲーム性を付与する仕組みを体感しました。
 また、本ゼミの協力先でもあるNTTマーケティングアクトの担当者及び、弁護士の方にBeaconの功罪に関する話を聞き、知識を深めることが出来ました。 今後は、Beaconから得られるデータがどの様なものなのか、現物を見ながら、その活用を探っていく予定です。

ゼミ集合写真

参加学生一覧

城賀本 翔、池上 佳佑、今釜 彩花、大野 穂香、岡本 瑠可、河野 由依、鷺池 萌花、杉山 一耀、陶山 達也、竹長 風香、中村 綾梨、永井 晴香、三好 真名、柳田 桃花

学生活動状況報告

国際観光学部3年
陶山 達也

 埼玉県にある東武動物公園を訪れました。そこで、私たちはBeacoon(無線標識による情報伝達ツール)を利用したゲームに参加してきました。
 本ゲームは園内にある看板や園内各所の檻にパッド(ジャパリパッド)をかざすことで送られてくる情報を通じて、動物の生態を学んだり、ゲーム内でコインを獲得することが出来るというもので、ゲーム終了後には獲得したコインに応じた景品を貰えるというものでした。
 今回、このゲームに参加し、Beaconの正確な動作性に感銘を受けました。ジャパリパッドを手にしながら園内を隈なく回れるように設定されていて、Beaconを利用した体験型ゲームの完成度の高さを、身を持って感じることが出来ました。また、ゲームストーリーについても細かく設定され、アニメ“けものフレンズ”に登場する様々なキャラクターが園内各エリア毎に出現して説明を行ってくれたりと、私たち二十歳の学生でも飽きずに盛り上がることが出来ました。
 一つ苦言を呈しますと、全長2㎞程もあるこの大きな園内を制限時間90分で回るというのは私たちにとっても時間的に厳しく、小さな子供でも楽しめるよう、もう30程度、制限時間を長く設けた方が良かったのではないかと思われました。

国際観光学部3年
城賀本 翔

 Beacon。無線標識という特定の方向性を持つ電波を発する装置を用いた情報伝達手段ですが、今回は専用のパッドを持ち歩き、園内各所に固定されているBeaconから情報を受け取ってゲームを進めていくという体験をしました。
 東武動物公園とアニメ“けものフレンズ”の限定コラボ企画ですが、Beaconを通じて受信したキャラクターからの指令や他のキャラクターが園内の何処に居るのかといったヒントを貰い、歩いて回るゲームでした。Beaconの精度は高く、近づくとすぐに反応がありました。ですが、私たちは3台のパッドを持っていましたが、列の少し後方に居ると反応が遅れることから、反応距離が数メートルであることを知りました。事前に先生から伺った話ではBeaconの反応距離は調整可能ということですので、もう少し広げた方が良いのではないかと感じました。
 時間制限があり、高齢者や小さな子どもにとっては少し時間が足りないだろうと感じましたが、自然と園内全域を歩くことになり、楽しみながら動物を見たいという人にとっては楽しいアトラクションであったと感じました。

国際観光学部3年
杉山 一耀

 アニメ“けものフレンズ2”とのコラボイベントである「東武ジャパリパーク」に参加し、Beacon装置について体験してきました。
 参加者はパッドを片手に園内を巡ることになりますが、動物が居る檻に近づくと手に持ったパッドが反応するようにBeaconが設置されていました。そして、放射された電波は、反応圏内に近づくとパッド上に動物情報を映し出します。
 こうしたBeaconが広い園内に隈なく設置されており、謎解きの要素も加わって、子どもから大人まで、且つアニメを知らない人にとっても楽しめるアトラクションとして企画されており、私もその魅力に引き込まれました。
 今回の調査を通じて、Beaconの有用性を認識することが出来ました。周囲に集まる不特定多数の者に同じ情報を瞬時に発信できる本技術は、今後あらゆる場面で、その活用が期待されるのではないでしょうか。

国際観光学部3年
池上 佳佑

 擬人化された動物たちが集まる動物園、「ジャパリパーク」を舞台にゲーム・コミック・アニメ等の媒体で展開されているメディアミックス作品“けものフレンズ2”。園内に入り、ジャパリパッドをかざしながら、アニメに登場するキャラクターを探す体験をしました。
 当初はこのパッドが本当に反応するのかと懐疑的でしたが、パッドが示す先に近づくと直ぐに反応を示し、驚かされました。
 Beaconを動物園で活用するメリットとして、パッドに促されて行動することで、気が付けば園内の様々な動物を目にすることになった点が挙げられます。ただ、目的地に近づいた際に、「もう少しだよ」といった細かい案内が欲しかったというのが正直な感想でした。ゴールドも全て集めることが出来ず、悔しい思いをしましたが、制限時間も120分程であれば余裕を持ってコンプリート出来たのではないでしょうか。
 今回、動物園におけるBeacon活用を体験しました。今後、更にBeaconについての知識を深め、ゼミ活動に取り組んでいきたいと思います。

国際観光学部3年
大野 穂香

 アニメとのコラボ企画ということで、当初はアニメを知っている人しか楽しめないものと思われましたが、Beaconの位置情報やAR(拡張現実)技術を駆使したアプリを実装したパッドを首からぶら下げ、実際の動物園を宝さがしや謎解きを進めながら周遊する工夫が施されたアトラクションで、アニメを知らない私でも楽しむことが出来ました。
 実在する動物の生態をヒントにアニメに登場するキャラクターを探すという仕掛けで、知らぬ間に動物についての知識も増え、グループで協力し合いながら夢中で園内を回っていました。
 但し、東武動物公園が企画した本イベントは、対象年齢がアニメの視聴者層よりも、少し高めに設定してあるような気がします。90分の時間制限が設けられており、私たちの様な大学生でもギリギリだったように思います。初級、中級、上級と難易度を分けても良かったように思えます。
 近年ではこうしたアニメによる聖地巡礼も盛んであり、アニメに直接関係の無かったアトラクション施設がアニメ業界と手を組んでコラボ企画を展開する動きが様々なところで見受けられます。
 今後Beaconについて知識を深めていきたいと思います。