阪神高速大和川線の概要

 経営情報学部の山内ゼミは、2018年7月27日に締結された阪南大学と阪神高速道路株式会社との連携協力に関する包括協定に基づいて、2020年3月29日(日)に開通する阪神高速大和川線の広報プロジェクトを進めてきました。
 このプロジェクトは、大きく二つの活動から成ります。第一は、第一回現場見学会や阪神高速の利用実態と大和川線の認知度を明らかにするためのアンケート調査および調査結果に基づいたプロモーション企画の立案を実施しました。第二は、第一で実施したアンケート調査の結果とプロモーション企画案に基づいてSNS配信動画を作成しました。
 活動報告に入る前に、阪神高速道路と阪神高速大和川線について若干説明をしておきます。阪神高速道路は1962年に阪神道路公団として発足し、2005年に株式会社として民営化され、現在に至る間に大阪、兵庫、京都を結ぶ250.4kmのネットワークを構築し(平成31年4月1日現在)、一日の通行台数は約76万台となります。こうした大規模化した阪神高速道路の存在は、阪神都市圏全体の道路延長において6.0%を占め、その一日あたりの交通量は阪神都市圏全体の15.3%となり、1日あたりの貨物輸送量に関しては49.6%とほぼ半分のシェアを占めるに至っており、まさに関西都市圏の大動脈として関西の経済や人々の暮らしを支える社会基盤としての役割を果たしていると言えます。
  • 図1 大阪都市再生環状道路

 阪神高速大和川線は、大阪都心部において既存の幹線道路の混雑が著しく、沿道地域への環境に大きな影響があるものと懸念されていた中で、自動車交通の流れを抜本的に変革し、都心部の慢性的な渋滞や沿道地域環境の悪化を防ぎ、改善する新たな環状道路の整備の必要性に基づいて、「大阪都市再生環状道路」(図1)の一部を構成する路線として、堺市堺区築港八幡町で阪神高速4号湾岸線より分岐し、松原市三宅中で阪神高速14号松原線と連絡する全長約9.9kmの自動車専用道路として計画されました。
  • 図2 阪神高速大和川線

 この阪神高速大和川線が整備されれば、大阪南部地域における臨海部と内陸部が高速道路で直結されることになり、東西方向一般道の交通渋滞が大幅に緩和されるだけでなく、阪神高速1号環状線、13号東大阪線、14号松原線の渋滞も緩和され、大阪都心部における高速道路利用の利便性が飛躍的に向上するとともに、社会経済活動の活性化にも寄与するものと予想されています(図2)。
 加えて、この阪神高速大和川線は一般的な高速道路の道路構造が高架を走るように計画されるものに対して、4号湾岸線及び14号松原線の接合部分を除くすべてが地下構造又は掘割構造を採用することによって、大和川の景観保護、周辺市街地への環境、沿道の土地利用との整合性等が図られているように、経済的な影響だけでなく地域の保全にも十分配慮して進められています。