2016.5.6

連載講座「インターネットと経営」人間の欲望は無限大∞?

 こんにちは。経営情報学部の奥康平(おくこうへい)です。今日は、人間の欲望をうまく用いたビジネスについて、ケータイアプリのLINEを例にお話したいと思います。今日の結論を先にいうと、「人気ケータイアプリは、人間の欲望に忠実だ!!」ということです。
 まず、LINEの特長の1つは「単純に利用するだけなら、無料である」ということです。例えば、無料で友人とメッセージのやり取りができる。LINE通話を用いれば電話代すらかからずに友人と話もできます。さらに、グループを作って、そのうちの何人がそのメッセージを読んだかどうかを判別する「既読」というシステムは、チャットやスカイプなどに似ており、これも無料です。では、LINEは何で儲けているのでしょうか?

 LINEは、LINE株式会社(2013年3月まではNHN Japan株式会社)が運営しています。その売り上げは、2013年396億円、2014年864億円、そして、2015年には1,207億円と激増しています(図1)。
 そして、その売り上げの比率は、コンテンツ41%、コミュニケーション24%、広告30%、その他5%です。わかりやすくいうと、コンテンツはLINEが提供するゲームに関連する売り上げ、コミュニケーションはLINEスタンプや関連イベントに関する売り上げ、そして広告は、企業からのCMを見ることでゲットできるLINEポイントやLINE公式アカウントなどに関する売り上げです。

 今日のテーマである「人気ケータイアプリは、人間の欲望に忠実だ!!」に関連させると、LINEスタンプにそのヒントが隠れています。LINEスタンプはなくても、LINEの全ての機能を利用することができます。しかし、よりおしゃれに、可愛く、文章を演出するために、企業と友だちになること(あるいはCMなどを見ること)でゲットできる企業のLINEスタンプや有料(50〜150円程度)のLINEスタンプを購入してしまうのです。この心理は、「他人とは違うものを持っていたい(自己主張)」、「他人が持たないものをもつことで優位に立ちたい(賞賛されたい)」という人間の欲求にもとづくものです。
 人間は自分の生活(生存)が維持されると、より快適な暮らしを求める習性があります。LINEスタンプは、より快適な生活を送るためのコミュニケーションの手段の1つということができます。例えば、日々の生活で精一杯の場合、LINEスタンプなど気にすることはないでしょう。しかし、生活にゆとりが出てくると、LINEスタンプが欲しいと思うようになる。そして、そのスタンプが自分のお金で買えるかどうか考える。その結果・・・「100円程度なら購入しよう!だって、みんなに注目されるし、おしゃれにLINEが使えるから!」となるわけです。
 ゆえに、私達は、お金を払ってでもLINEスタンプを購入してしまうのです。さらに、企業のCMを見てゲットすることができるスタンプについても、その企業がLINEにお金を支払って運用されているので、LINE株式会社から見れば売り上げになるのです(=企業も、私達に少しでも自社のことを知って欲しいという欲求を持っているのです)。
 つまり、LINEスタンプは人間の「より快適な生活を送りたいという欲求」をしっかりとらえたビジネスということができるのです。
 ちなみに私も無料でLINEを使っており、スタンプを何種類か持っています(笑)。

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