三好ゼミでは,ヤマハ(株)で開発された新製品の新しい用途を探求するプロジェクトに取り組んでいます.

昨年度から,軽量平面スピーカー(Flatone TM)の利用方法として,避難誘導への活用の可能性を評価しています.現在の避難誘導は,誘導灯や通路灯を設置して避難者が自ら避難方向を判断して避難することを前提にしています.避難者がより効率的に避難できるように,光点滅や音響信号により避難者に誘導方向を積極的に提示する避難誘導システムが考案・実装されています.走査された音響信号提示による積極避難誘導システムを提案するとともに,その有用性をヤマハ(株)に提供いただいているFlatone TMを用いた実験を通して評価しています.具体的には,スピーカの設置方法,音源種別,音源発信方法などの誘導効率への影響の分析を進めています.実験を効率的に進めるための実験に関するタスク管理や管理収集されたデータ分析を実践的に処理することで,ゼミ学生の計画力,行動力,データ分析力の向上を期待しています.
 避難誘導への軽量平面スピーカー(FlatoneTM)の利用の検討に加えて,あらたに多言語同時発信装置への活用を検討しています.近年,インバウンド効果もあり外国人観光客が多数来日し,日本の観光を楽しんでおられます.観光地では,外国人観光客へのサービス向上のために,多言語での対応が求められています.世界各国から来日されることを考慮すると,施設案内や観光地紹介において,多言語による情報提供が必要になります.音声を用いる情報提供の場合,音の混在を避けるために,時間的に重複しないような対応を取っていることが多く,時間的に非効率的な情報提供にならざるを得ません.多言語同時発信装置の必要性が認められています.そこで,直進性の高い平明スピーカー(FlatoneTM)を用いた多言語同時発信の可能性を評価する課題に取り組むことになりました.実験用の器具ができ実験環境が整いましたので,これからゼミ生と評価実験を進めることになっています.
 これらの探求の進捗成果は,2,3か月に一度のペースでヤマハ担当者に報告し,年度末に研究成果を報告する予定になっています.進捗があれば改めて報告いたします.